羽南「バトル‥ですか?」
沙雪「そっ、実は私達今度秋名のハチロクとここでバトルするの。だからよそ者相手にどこまで行けるか試したいの」
真子「もちろん‥あなたの腕を見込んでのお願いなんだけど‥強制はしないわ。無理なら‥「いえ!やります!」‥即答ね‥(汗)」
相手がいくら自分がいいと思った走り屋でも、よそから来た、そして自分達インパクトブルーのことを知っていれば乗ってこないかと思ったがあっさりと、いや自分から乗ってきたことに少し戸惑いを見せる真子。しかし沙雪は羽南の反応をみて笑みを浮かべる。
沙雪「いい反応じゃない‥♪私、そうゆう子好きよ。んじゃルールを説明するわね?スタート方式は先行後追い、私達が先行であなたが後追いね?」
羽南「はい‥!」
沙雪「勝利条件はゴールまでそっちが張り付いてたらあなたの勝ち、振り切れば私達の勝ちでいくわよ?」
羽南「オッケーです!」
沙雪「返事もいいわね‥♪それじゃ始めましょうか。スタートして1コーナー過ぎたら全開バトル開始でいくわよ」
説明が終わり、両者ともにそれぞれ車に乗り込む。
沙雪「さて‥真子‥!全開でいくよ!」
真子「えぇ‥!」
ギアを一速に入れてクラッチを繋ぐ。するとゆっくりとシルエイティーが動き出して駐車場からコースへと出ていく。少し遅れるようにインプレッサも発進して後をついていく。
そしてゆっくりと1コーナーに差し掛かり立ち上がったあと両者甲高いエンジンサウンドが響いて、全開バトルになるのであった。
ー同時刻‥藤原豆腐店にてー
拓海「ただいま‥」ガラガラ
文太「おう、おつかれさん」
ホゲ〜としつつ家の扉を開けると豆腐を作る台所で掃除をしている文太が出迎える。
拓海「なぁ‥親父」
文太「なんだよ‥」
拓海「オレ‥赤城の歌姫と今度秋名でバトルすることにしたから‥」
文太「なんだ‥向こうから吹っかけられたのか‥?」
拓海「いや‥俺から吹っかけた‥」
文太「ふぅん‥」プカ〜
相変わらず表情が分かりづらい文太、拓海の発言に特に驚く表情も見せずに黙々と作業を続けている。
拓海「んじゃ‥今日ちょっと走りに行くから仮眠してる‥」
そう言い残して拓海は階段を上がって2階へ行くのであった。その様子を耳で聞きつつ文太は少し手を停めてタバコを吸う。
ーやれやれ‥まさかアイツから行くとわな‥、あのハチロクにあってから嘘のように成長してやがる‥。まっ‥これからが楽しみだな‥ー
少し笑みを浮かべて(相変わらず表情の変化は分かりづらいが)再びタバコを加えて作業を続けるのであった。
ー碓氷峠ー
ーっ‥!?(ピリピリ)ー
全開バトルに発展してからすぐに羽南は衝撃に包まれていた。
ー凄い突っ込み‥私にも行けるかな‥いや‥いく!ー
シルエイティーに続くようにコーナー手前でフルブレーキング。3速から2速に叩き込んでステアリングを切り込みつつサイドブレーキを引く。直後四輪駆動なのがまるで嘘かのように車体をスライドさせてつつ出口で立ち上がる。
沙雪「なかなかやるじゃない。あの子‥!」
真子「えぇ‥!でも碓氷の恐ろしさはこんなもんじゃないわ。右かと思えば左という変則的なコーナーの連続、ちゃんとついてこれるかしら‥!」
そう言うと真子はさらにアクセルを踏み込んで加速する。羽南も負けじまいと同じようにアクセルを踏み込み追いすがる。
沙雪「次左からの右!!逆ドリみたいに切り返して!!」
真子「OK‥!!」
ナビシートの沙雪からの指示をもとに真子がフルブレーキングからのシフトダウンからのステアリングを切りまず左をぬける。それからすぐにアクセルを微調整して切り返し右を切り抜ける。
ー私だって‥!!ー
羽南もラインを真似するかのようにフルブレーキングからのステアリングを切りアウトギリギリのラインまで膨らみつつなんとか立ち上がる。しかし四駆の加速性能でその分のロスは取り返してシルエイティーの背後に張り付く。
沙雪「次はグリップでインベタ!!」
真子「‥!(コクッ)」
再びテールランプが点灯、イン側のガードレールギリギリに車体を寄せて、それに続くようにインプレッサも立ち上がる。
ーくっそ速い‥!!ついていくだけでもやっとなのに‥!ー
先程から忙しくステアリングを左右に切りつつ焦りの表情を浮かべつつ前を走るシルエイティーを見つめる。
ーというか今の私って相手のペースに載せられてるようなもんじゃない‥!!やりづらい‥、けど‥!ここで集中切らせば岩の壁に突っ込むか谷底に真っ逆さま‥こらえろ‥!ー
しかしなんとか自分に言い聞かせつつ相手のブレーキングポイントやステアリングの切るタイミングなどもしっかりと観察、そして四駆の動きを考慮してフルブレーキングからのステアリングを切り込む。
ー向こうだってタイヤ4つついて走ってるんだ‥!なら‥あっちができるなら私ができないはずがない‥!
ラインコピーなら私の得意分野‥!ー
そう、羽南は峠こそ初心者のようなもんだがサーキットなどや私有地の山道では小さい頃から走り込んでいる。その過程で彼女は相手の動きの真似をするのが得意になったのであった。それはプロレーサーだろうがなんだろうか通用する走り、まるでスッポンみたいに一度喰い付かれたら離れないという離れ業を持っている。
ーっ!!ー
これまでにないような集中力でシルエイティーのラインを上手く活用して追いすがるインプレッサ。再びフルブレーキングからのサイドブレーキを活用して車体を滑らせる。そして立ち上がりは四駆の瞬発力のいい加速で速度を稼ぐ。
ーなかなかやるじゃない‥。まさかここまでやるとは‥
今の真子はかなり絶好調なのに‥。ー
ナビシーシートでバックミラーに映るインプレッサを見つつ真子へと視線を映すと、手足をせわしく動かしつつステアリングをきっている。
ーでも‥、まだまだよ‥。私達インパクトブルーの実力はこんなもんじゃないよ‥!ー
沙雪「次!右!対向車いないからここは思いっきり流して!」
真子「えぇ!」
再び沙雪の指示に従って真子がフルブレーキングからのステアリングを切り込み、迫力満点のドリフトでコーナーをハイスピードで抜ける。羽南もフルブレーキングからのドリフトでついていく。
真子「かなり‥やるわね‥!ここまでついてこられるなんて‥!」
沙雪「だね‥!‥でも真子!この先Cの121だから!!仕掛けるよ!!」
真子「‥‥!」
沙雪「一発でかいやつかましてやろうよ!!碓氷で一番難しいと言われてるコーナーで‥!」
真子「えぇ‥!!まだ私と同じ速度でクリアできた奴はいないからね‥!!」
C121コーナー‥アウト側の広場にて
「ったく最近は群馬も盛り上がってきたよな‥」
「だなぁ‥。秋名のハチロクに続いて赤城の歌姫の再来と思えば両者ともにあの高橋涼介を倒しちゃうんだから‥」
「なんなら赤城の歌姫に限ってはレッドサンズの主要メンバーを地元の赤城で勝っちまったんだし‥」
「スゲェよな‥」
広場には白の180SXとDC2が止まっており、そこには四人の走り屋の男達が群がって話していた。
「でもさ‥秋名のハチロクと赤城の歌姫ってどっちが速いんだろうな‥?」
「どうだろうな‥、同じハチロクでも中身やドライバー‥ホームコースも違うからよくわからないな‥」
「秋名なら秋名のハチロクのほうが速いんじゃないのか?」
「う〜ん‥ん?」
今盛り上がっている2台のハチロクについて話していると奥からエンジン音が響いて来る。それに気づいて視線をそちらに映す。
「おっ?この音は真子と沙雪か?」
「だろうな。今日もいい音響かせてるぜ」
少しすると奥からヘッドライトの光ともにシルエイティーが飛び出してくる。
「来た!!青のシルエイティー!!」
「真子と沙雪だ!!」
「いや待て!!後ろになんかいないか!?」
「バトルしてんのか‥?」
走り屋達がシルエイティーの後ろ側に視線を映すと羽南のインプレッサが背後から顔を出す。
「インプレッサだ!?」
「見たことがねぇ!よそ者か!?」
「っておいおい‥!!全然速度落とさねぇぞ‥!!」
沙雪「対向車なし!!派手に行くわよ真子!!」
真子「うん‥!!」
沙雪「GO!!」
勢いに乗ったままC121手前でフルブレーキング、インプレッサも同じタイミングでフルブレーキを行い突っ込む。
「「ぎょぇぇ!?突っ込んだぁぁぁ!!」」
ほぼ同じタイミングで3速から2速に叩き込んでステアリングを切り込んで、車体を滑らせつつCの121を思いっきり流す。
「アイツ!!真子と同じスピードで突っ込むなんでとんでもねぇ大バカ野郎だ!!」
「Cの121の恐ろしさをわかっちゃいねぇ!!?」
「クソ度胸でクリアできるほど、甘いコーナーじゃねぇんだぞ!!」
ー真子と同じスピードで突っ込むなんていい度胸してるじゃない。でもその速度なら誤魔化しはできないよ。Cの121は中間は広いんだけど、出口は極端に狭い。たくさんラインがあるように見えて実は一つしかない‥。乗せてこれるかしら‥!この一本で‥!!ー
2台は怒涛のドリフトをしつつ四人の目の前を通過していく。真子と羽南はステアリングを微調整しつつラインをキープして流す。
そして狭い出口に差し掛かる2台。シルエイティーは多少余力を残しながらもいいライン取りで立ち上がる。GC8も同じように立ち上がり背後に張り付く。
真子「っ‥!?」
沙雪「う‥そ‥」
「マジ‥かよ‥」
「クリアしやがった‥」
「一体なにもんなんだ‥あのインプレッサ‥」
「‥‥」
まさか羽南が一撃でクリアしたことに驚きと混乱を隠せない真子と沙雪、それだけではない‥。地元の走り屋でさえも頭の整理が追いつかない状況になっていた。
ー速すぎる‥‥私達の想像してたより‥。何者なの‥?この子‥ー
ー碓氷峠‥麓にてー
羽南「ふぃぃ‥‥」
駐車場に停めて少し疲労困憊の表情で出てくる羽南。あれから羽南は振り切られることがなく最後まで食いついていったのであった。
沙雪「完敗ね‥‥あなた‥なかなかやるじゃない‥♪」
真子「そうね‥地元の走り屋でも私達についてこれる奴はいなかったのに‥」
羽南「いえ‥こっちもかなりギリギリでしたし‥」
沙雪「そうだとしてもあの走りはなかなかできないわ。あなたにはきっと走り屋の才能があるのよ」
羽南「才能‥ですか‥」
沙雪に言われてふと夜空へと視線を静かに映す羽南であった。
ー拓海がシルエイティーに勝利した次の日ー
碓氷峠麓のプールにて
沙雪「ヒャッホー♪」
拓海「‥!(ちょ‥胸‥当たって‥)」
友奈「わあい〜♪」
祐也「‥//」
樹「わぁぁぁ〜!!(涙)」
健ニ「うひょぉ!(男二人のスライダーは悲しいデス)」
沙雪達がスライダーで楽しんでる中、羽南と池谷、真子はパラソルの下で飲み物を飲んでいた。
池谷「しっかし驚いたよ‥。まさか真子ちゃんに勝つなんて」
羽南「けっこうギリギリでしたけどね‥(汗)」
真子「でも池谷さんは凄いですよね‥♪こんなにすごい人たちと知り合いだなんて‥」
池谷「それは自分でも思ってるよ‥(汗)」
二人のラブラブを邪魔しない程度に話に参加する羽南。(ちなみにここでは池谷が積極的にアプローチしたため正式に付き合うことになった。)真子からしてみれば凄い走り屋と知り合いの池谷は羨ましい存在になっていた。
池谷「でも‥俺なんかでいいのか?(汗)そこまで走りもうまくはないし‥」
真子「いえ‥♪別に速くなくてもそんな性格の良さが池谷さんの取り柄ですし‥、それに走りは練習していけばいいんですから‥//」
池谷「‥‥//」(ポリポリ)
羽南「‥‥(二人の邪魔しない程度においとましよ〜)」
いい感じの雰囲気を邪魔しないようにするため羽南はこっそり抜けて拓海達と合流することにしたのであった。
翌日‥早朝
午前四時頃
春香「友奈〜!!早く降りてきなさい〜!」
友奈「うにゅ〜‥」(目を擦りつつ)
春香の声にせかされつつ眠たそうに目を擦りながら降りてくる友奈。しかし玄関の外に止まっている見慣れたハチロクを見て目がパチリと開く。
友奈「このハチロク‥」
春香「知り合いに頼んで一日でしてもらう予定だったんだけどちょっと追加作業してもらってたら遅くなっちゃって」
友奈「‥‥」
春香「セッティング変更したから試しに走ってもらおうと思って早めに起こしたのよ」
友奈「‥だから珍しくハチロク使ったんだ‥」
春香「そうよ、とりあえず軽く流して来なさい」
ー赤城峠ー
早朝のため静まり返った峠、しかしそんな静寂を打ち破るかのように4AGサウンドが響き渡る。
ー‥!!ー
ヘッドライトの光ともにハチロクがコーナーから飛び出して疾走する。次のコーナー手前でフルブレーキングからの3速から2速に叩き込んでステアリングを切り込んで思いっきり流す。
ー‥前のと全然違う‥ギアの繋がりが前よりもいい‥というかこうゆう峠にぴったしだし‥。何ならサスペンションも違う‥。足回りも変更したのかなー
ステアリングを操りつつ、前とは違う感触に少し驚いている友奈。しかしそれでも前よりも機敏にハチロクを操る。
ーこれはこれでいい感じ‥前よりも踏み込んでいけるし限界スピードもあげられそう‥!ー
ハチロクのエンジンサウンドは静寂な赤城山の谷底に共鳴していくのであった‥。
この世界線では池谷と真子ちゃんは無事にくっつきました(現在でもくっついてほしかった‥)
そして羽南の新たなる実力も判明しましたね〜。
彼女の得意技はラインコピー、これはどんな相手でも相手の動きを真似て走るというもので主に後追いで効果を発揮します。
友奈のハチロクの変更点
まずミッションをラリー用クロスミッションに変更
これによりタイトな峠でのギアの繋がりがよくなる。
さらに足回りも変更されて前よりも思い切って踏み込めるようになった。