ー赤城の歌姫ーを投稿させていただきます!
まったり投稿させていただくのでよろしくお願いいたします!
プロローグ 赤城の歌姫
19XX年7月終わり‥
赤城山、赤城峠にて
午後9時‥
すでに日が落ちて、街灯に照らされているところ以外は真っ暗に包まれた赤城峠‥。朝の賑やかさとは違い‥
夜の峠は別物に生まれ変わる。
「‥!!!」
暗闇に包まれた峠道を照らすヘッドライト、そして静寂さを打ち破るかのように2台の車が激しいダウンヒルを繰り広げていた。
「くそったれ!なんで振り切れない!!」
その先頭を突っ走る赤城レッドサンズのスッテカーが貼られてる黄色のFD3Sのドライバー高橋啓介は焦りの表情を見せていた。彼にとっては地元で、なおかつ走り慣れ知り尽くしているはずの峠。それなのに後ろの車は先ほどからスッポンのように喰い付いてくる。
ー何なんだよ‥!!こいつはぁ!?まるでもて遊ぶかのように走りやがって‥!俺は赤城レッドサンズのNo.2だぞ‥!ー
どれだけ全開で走っても全然離れない。それなのに向こうはじわじわと詰めてくることに苛立ちを見せながら
フルブレーキからのシフトダウン、ハンドルを切ってカウンターを当てて、四輪ドリフトでコーナーを過ぎる。
後ろの車も同じようなライン取り、いや正確にはフロントバンパーがガードレールすれっすれになるほどまで詰め、最短距離で走り抜ける。
ーぜってぇ前に生かすかよ‥!ここは俺の地元だ!ー
しかし、そんな啓介の決意をガラスを打ち砕くように
コーナー手前のストレートで後ろの車が仕掛ける。
ー何‥!?アウトからだと‥!??ー
右側へラインチェンジし、FDの右側に並ぶように加速していく。そこで啓介はようやく車の正体を掴んだ。白黒の車体、そして特徴的なリトラクタブルヘッドライト
ーはっ‥ハチロク!!??ー
啓介が呆気を取られているうちにそのハチロクはコーナーの手前でフルブレーキング、FDよりも先に頭を突っ込ませる。
ーなっ!?ー
もちろん彼も気づいたがときすでに遅し、あっさりと抜いたハチロクはそのままFDの前に躍り出る。そのまま引き剥がすかのようにグイグイと距離を離していく。
ー逃がすかよ‥!!!ー
地元のプライドがある以上啓介も簡単には下がらず、アクセルをさらに踏み込んでハチロクに追いすがろうとする。が‥
ー‥え‥?ー
先程の熱い啓介とは裏腹に表情が固まる。彼の目に映ったのは、綺麗なラインを描いてコーナーを曲がるハチロク。そのスキール音はまるで歌姫かのような‥
ー‥‥ー
そんな啓介を置いていくかのようにコーナーを抜けて視界から消えるハチロク。遅れてFDがコーナーを立ち上がってストレートに出たときには既に遥か彼方へ走り去るハチロクの姿が‥
ーそんな‥バカ‥なー
あっさりとちぎられたことにショックを受けた啓介はスローダウンさせてFDを路肩に寄せて止める。
ー歌姫かのようなスキール音を響かせ‥華麗な走りを見せつける‥。
間違いねぇ‥!あれは昔赤城で猛威を振るったハチロク!!確か‥つけられた異名は‥ー
ー赤城の歌姫!!!!ー
恐らく啓介‥いや誰もこの先知らないであろう‥
数十年ぶりに峠に姿を現した赤城の歌姫と
言われたハチロク‥
それがこののち伝説を残すなど‥
突如として現れ、いとも簡単に啓介をちぎったハチロク。一体ドライバーは誰なのか‥
そして何故数十年ぶりに姿を表したのか‥