今回はついに謎に包まれたあのFDとNSXのベールが解かれます!!
翌日の夜‥‥
赤城峠にて‥‥
「っとと‥っ」
静まり返った夜の赤城峠に響き渡る4AGサウンド、ヘッドライトの光ととともに友奈のハチロクがコーナーの死角から勢いよく姿を現す。
「母さん‥‥とんでもないジャジャ馬エンジン載せたわね‥‥(汗)」
そんなことを口に溢しつつコーナー手前でフルブレーキング。素早く二速に叩き込んでステアリンを切り込むと後輪がスライドして白煙を上げつつ流していく。
「ターボがついてないのに前のエンジンよりもパワーが出てるし‥‥パット見250ぐらいはありそう‥‥。」
じゃじゃ馬エンジンと言いながらも流石はプロレーサーの娘、冷静にスペックを解析しつつステアリングをうごかしてアクセルを微調整する。
「とりあえずペース配分見直さないとね‥‥前のペースで行ってたらすぐにタイヤがちびちゃう‥‥」
そんなことを口にしつつも暗闇に包まれた赤城峠をハチロクで疾走させる友奈であった‥‥。
翌日‥
学校にて‥
「おはよう〜!友奈ちゃん!羽南ちゃん!祐也!!」
「おはよ‥‥」
「おはよ♪」
「ういっす」
「ヤッホー♪」
いつもどおり祐也や羽南と一緒に来ていた友奈だったが樹とそれにつられた拓海がこちらに挨拶をしつつやってくる。
「池谷先輩から聞いたぜ友奈ちゃん‥!あのエンペラーに勝ったんだってな‥!!」
「まあねぇ、っといってもギリギリのラインだったけど‥‥(汗)」
「それでもだよ‥!私は信じてたよ♪友奈は絶対負けないって!」
「羽南に同じく‥だな‥!」
「えへへ‥♪ありがとみんな‥♪」
「‥‥」驚いた表情で
みんなに褒められて笑顔の表情を見せる友奈。そんな彼女を拓海は静かに見つめていたのであった。
ーホント‥‥友奈ちゃんはすごいよな‥‥。俺でも叶わなかった相手なのに‥‥それを下しちゃうなんて‥。前も思ったけど学校にいる姿じゃ想像できない‥ー
同時刻
GSスタンドにて
「ありがとうございました!!」
周囲を走る車のエンジンサウンドに負けないくらいの声がスタンドに響き渡る。給油を終えた車を見送った池谷は再びスタンドに戻っていこうとする。
「お?」
すると丁度前の車が出ていったタイミングで黄色のNSXと白色のFDが入ってくる。それに気づいた池谷は駆け足でよっていく。
「いらっしゃいませ!!」
「ハイオク満タンで‥あっ後ろのFDは付き添いだから入れなくて大丈夫よ」
「わかりました‥!ハイオク満タン入ります!!」
金髪で髪を後ろにくくった女性のNSXを給油機前に誘導していく。付き添いである後ろのFDは邪魔にならないところに車を寄せて止める。
「ねぇ?お兄さん、ちょっといいかしら?」
「はい‥なんでしょうか?」
「この辺で群馬エリア最速のハチロク知らないかしら?」
「‥‥(車からして察したが‥やはり走り屋か‥‥だが‥ナンバーは東京になってる‥‥よそから来た奴らだな‥)もしかしてお客さん、それって赤城の歌姫のことじゃありませんか?」
「あ〜、それそれ♪群馬エリアじゃなくてこっちでも話題持ち切り状態なのよねぇ‥。今どきハチロクで新しい車を次々と仕留めるって」
ーまさかここまで有名になるとは‥(汗)ー
おそらく本人もここまで有名になっているとは思っててないだろうなと思いつつフロントガラスを吹いていく。
「それでさ、アタシたちそのハチロクが気になっててさぁ〜♪バトルを申し込みたいんだけど、どこにいるか知らない?」
「‥‥(バトルの申込みか‥)お客さん‥赤城の歌姫と地元でやり合うならオススメはしませんぜ。地元の走り屋でさえ喰われてるんですから‥」
「あら、それは走ってみたいとわからないわよ?それにどんな走りなのか見てみたいし」
だいたい予想していた池谷の予想は見事的中して案の定バトルの申し込みと来た。一応は警告した彼であったが相手は気にしていないようだ。
「‥そこまで言うなら仕方ない‥‥。だが申し込むなら本人に確かめてからにしな‥、夕方‥‥スタンドに来れば会えるぜ」
「そっ、ありがとう。んじゃまたお邪魔させてもらうわね?」
給油を終えて、エンジンを始動させる女性。そのあとに何度かふかしてからゆっくりと走り出してスタンドをあとにするNSX‥、それに続くように白色のFDもついていくように走り出す。
「なんだ?バトルの申し込みか?」
店内から一部始終を見ていた祐一が池谷の元へとやってくる。
「そうみたいですね‥‥。本人に会いたいなら夕方にもう一回来てくれとは言いましたが‥‥なんで自信満々なんですかね‥。相手は地元では無敗の相手なのに‥‥」
「逆にそうだからバトルをしてみたいってヤツじゃないのか?」
「そうは言ってもですねぇ‥‥よっぽど腕に自信あるんだろうな‥‥」
そんなことを話しつつ、2台が走り去ったあとの道を眺めているのであった‥‥。
ー放課後ー
「んじゃ♪ふたりともまた明日ね〜」
「おう〜、バイト頑張れよ〜」
「まったね〜♪」
学校が終わり軽く雑談したあと、樹や拓海・友奈は直行でバイトに向かうために祐也や羽南とわかれてスタンドへと足を運ぶことに。
「やれやれ‥直行でバイトかぁ‥‥」
「だな‥‥」
「まあまあ‥、今日頑張れば明日は土曜日‥!午前授業頑張れば休めるよ‥♪」
学校終わりのバイト直行は流石に答えるのか樹や拓海は少し疲れている表情で足を運んでいるが、対象的に友奈はいつもと変わらない元気一杯の軽い足取りで向かっていた。
「お疲れ様です〜!」
「おつかれです‥」
「失礼いたします♪」
「おう!おつかれさん!」
スタンドにつくと丁度お客さんを見送って戻って来た池谷が三人に気づいて挨拶をかける。
「あぁそうだ、友奈ちゃん着替えてからでいいからちょっといいか?」
「ふぇ?わかりました」
「「‥‥??」」
駆け寄ってきた池谷は友奈の顔を見て思い出したかのような表情をして後で話があることを伝える。それを聞いて疑問に思った友奈であったがとりあえず頷いて着替えにいくのであった。その様子をみて拓海と樹は首を傾げている。
「バトルの‥挑戦状ですか‥‥?」
バイト服に着替えた友奈(ちなみにバイト服はなつきが着ていた女性用のやつと同じタイプ)は池谷から昼間の出来事を聞いて驚きの表情をする。
「あぁ、流れからしてそうだろうな。本人に会いたいなら夕方に来てくれって伝えたからたぶんもうそろそろだとは思うが‥‥」
「車の車種とかドライバーはわかりますか?」
「えっと‥‥一台は白色のFD3Sで‥もう一台がNSXだったな。んで友奈ちゃんに会いたいって言ってたのはNSXの金髪の女性だったかな?」
「なるほど‥‥って‥この音は来ましたね‥‥」
話を真剣に聞いていた友奈であったが聞き慣れた走り屋特有のエンジンサウンドを耳にして視線をそちらに向ける。するとそこには昼間にやってきたあのNSXとFDのがスタンドに入ってきていた。
「うひょー‥!!?FDとNSXじゃねぇか‥!しかも明らかに走り屋って感じだぜ‥‥」
走り屋の車を見て興奮してしまうのは車好きの宿命か‥樹は2台をみて興奮した雰囲気で喜んでいた。そんな中2台は一同の前に止まり、NSXからはあの金髪の女性‥‥FDからは白髪のお姉さん風の女性が出てくる。
「約束通り来たわよ?赤城の歌姫さんは?」
「わっ私です‥!」
金髪の女性がキョロキョロしつつ探していると友奈が片手を上げて声をあげる。それに気づいた女性は彼女に視線を送る。
「あなたが群馬エリア最速『赤城の歌姫』さんね?随分若いじゃない、名前と年は?」
「えっと結城友奈って言います‥!年は18です!」
「18歳‥‥かなり若いわね‥。その年でハチロクをあそこまで乗りこなせるとは‥」
友奈が年齢を聞くと同時に白髪の女性が驚いた表情で興味津々な表情を送る。
「それじゃ友奈ちゃん、私達と‥バトルしてくれないかしら?」
「バトル‥ですね‥」
「えぇ♪そうよ。あっ私は亞北ネル。首都高最速よ十三鬼将の一人夢見の精霊という名で呼ばれているわ。んでこっちは‥‥」
「白いカリスマの弱音ハクよ。よろしくね」
ー十三鬼将‥‥まさかな‥ー
お取り込み中にやってきた健ニは二人が発した言葉を知っているのか眉を密かに顰める。
「‥首都高の走り屋がどうしてここに‥‥?」
「そりゃ、あなたとバトルしてみたいからよ。群馬エリア最速のハチロク。これだけでも充分興味はそそられるわ。」
「無理にとは‥言わないわ。お願いできる?」
ハクの言葉に対して少し顔を下げて考えていた友奈であったが覚悟を決めた様子で再び顔をあげる。
「わかりました‥!!その勝負‥受けて立ちます!!」
「ウヒャー‥友奈ちゃん言うねぇ‥‥」
「まあ‥あの子の性格考えたら予想できそうですけどね‥‥(汗)」
「でも‥!友奈ちゃんなら大丈夫ですよ!!」
「あら、予想通りの返答ね。それなら明日の夜、九時頃に赤城山頂上に来てくれないかしら?」
「わかりました‥!!」
「それと私達二人を相手にするのは大変でしょうから、可能ならパートナーさんも連れてきてくれる?」
「その件も大丈夫です‥♪」
「完璧な回答ね♪んじゃまた土曜‥会いましょう?」
そう言い残したネルとハクは車に乗り込んでスタンドをあとにするのであった。二人が去ったのを確認すると今まで隅っこで見ていた健ニが池谷達の元へやってくる。
「すげぇな友奈ちゃん、あの十三鬼将からバトルを申し込まれるなんて」
「なんだ?健ニは知ってたのか?」
「知ってるも何も‥‥俺の知り合いの一人が首都高走ってるんだが‥そこじゃ十三鬼将を知らない奴らはいないほどの凄腕集団の集いらしいぜ?おまけに首都高だけじゃなくてもう一つのコースにしている箱根峠でもべらぼうに速いとか‥‥」
「首都高も峠も速いのかよ‥‥」
「なんとなくすごそうなのはわかっていましたが‥‥そこまでだったとは‥」
「私はわかっていましたけどね‥♪」
「やはりか‥(汗)ー全く‥文太の言ってたとおりホントお母さんに似てきてるな‥‥ー」
自分よりどんなに強い相手だとわかっていても挑まれた挑戦は必ず受けるという意志に、以前文太から聞いた春香の昔の姿を照らし合わせながら苦笑いする祐一であった。
ーその日‥‥赤城峠にてー
静まり返った赤城峠の頂上‥‥あまりにも静かなため草むらで鳴いているコオロギの音が響き渡るほどだ。しかし少しすると下方から2台のエンジン音が響き渡って友奈のハチロク、そして祐也のエボⅣが上がってきて駐車場に並ぶように止まる。
「いや〜まさかあのお願いを受けてくれて助かったよ〜。駄目なら羽南に頼もうと思ってたし」
「たぶんお前‥‥俺が断らないことを知ってて頼んだだろ?(汗)」
「知〜らない♪」
まるで夫婦なようなイチャラブぶりを見せつつ車に寄りかかって話している二人(己リア充爆発しろ)。
「にしても十三鬼将にも目をつけられるようになったのか‥‥(汗)お前もビッグになったよなぁ」
「ん〜‥そうなのかな?自分ではそこまでじゃないって思ってるけど‥‥」
「エンペラーのランエボに勝ったやつがよく言うぜ‥‥(汗)んで、勝ち目はあるのか?」
「もちろん♪地元なら負けるつもりはないよ♪祐也の方こそ大丈夫?相手はけっこう速いけど‥‥」
「大丈夫さ、策はちゃんと練ってる。実力勝負じゃなくてこっちは地理でバトルするさ」
「んじゃ‥♪お互いに頑張ろうね♪」
「あったり前だ‥!!」
ーそして‥その帰りにてー
あれから祐也とわかれた友奈は少し走ってから帰ることにしたらしい。赤城のダウンヒルを疾走するハチロクの姿が‥‥
「よし‥‥このエンジンの感覚は掴んできた‥‥」
フルブレーキングからのシフトダウンをしつつステアリングを切り込み、ハチロクの調子を確認している友奈。特に問題はなさそうだ。
「載せて変えてから初のバトル‥‥よろしくね♪ハチロク」
もう5年も一緒に‥‥いや母の時代を合わせればもう十年ほどになるだろう。どんなときも一緒に走り続けてきた愛車に話しかけている。そんな彼女に答えるようにハチロクは甲高いエンジン音を響かせるのであった。
しかし‥彼女は知る由もないだろう‥‥
この先‥とてつもない試練が待ち受けていることを‥‥‥
十三鬼将である夢見の精霊‥‥そして白いカリスマとバトルすることになった赤城の歌姫‥‥
新しいエンジンとの相性も良さそうだか‥‥
彼女に大きな試練が後に待ち構えているのであることも‥‥知りもしないだろう‥‥。