さぁどんなバトルになるのか…!
ーそして‥バトル当日ー
夜の赤城山
やはり首都高最速集団である十三鬼将と群馬最速と言われる赤城の歌姫のバトルとなればかなりの注目が集まるのだろう。コースのあちこちにはたくさんのギャラリー達が陣取っており今か今かと待ちわびていた。
中里「お?慎吾じゃねぇか、お前も来てたのか」
慎吾「毅か‥、そりゃこんな美味しいバトルを見ないなんて走り屋の恥だからな」
黒のR32と赤のEG6が止まっている近くでは中里と慎吾が他のギャラリー達と混じってバトルが始まるまで待ち望んでいた。
中里「それは同意だな‥‥、こんなワクワクはあのハチロク同士のバトル以来だぜ‥‥」
慎吾「あぁ‥‥、今からでもアドレナリンがドバドバ出そうだ‥‥」
ー頂上駐車場ー
たくさんの走り屋やギャラリーの車が集まり、昼間の駐車場とはまた違った賑わいを見せていた。そんな中、その間を縫うように青色のシルエイティーが入ってきて開いていた隅っこの方に車を停める。
沙雪「にっしても賑やかね‥‥碓氷じゃ考えられないくらいの人だわ‥‥」
車から下りてきた沙雪はあまりにも多い走り屋の数に驚きを隠せずにいるようだ。しかし真子はそんなことお構いなしのように誰かを探しているよう。
真子「‥あっ‥!」
しばらくキョロキョロしていると見慣れたノーマルタイプとカーボン仕様の白黒パンダトレノが目に止まる。もしやと思いつつ視線を横に移すとワンエイティやエボⅣと並んで薄緑色のS13シルビア‥そのボンネットには秋名スピードスターズのステッカーが‥‥
真子「池谷さん!!」
池谷「ん?っておお!真子ちゃん!?それに沙雪ちゃんも‥!」
沙雪「久しぶりね、碓氷以来じゃないかしら?」
真子の声に気づいた池谷が視線を向けて二人を確認すると驚きの表情を浮かべる。もちろん池谷の声につられて拓海達も視線を向ける。
健ニ「やっぱ来ちゃいましたか〜(汗)」
沙雪「当たり前じゃない♪こんなビッグイベントは滅多にないわよ♪」
拓海「確かに‥‥言われてみればこんなに人が集まることがないかも‥‥」キョロキョロ
樹「でもこんなに集まることがなかったからドキドキもんですよ‥‥今までに感じたことがないですし‥‥」
真子「なんか碓氷で聞いたんですが‥‥どうも一部首都高の走り屋も、来ているみたいらしくて‥‥ってそちらのお二方は何をされているのですか?」
周囲に視線を移しつつ話していた真子だったが、祐也と友奈がエボⅣのタイヤ周りでなにやら話し合っていることに気づいて声をかける。
友奈「あっ真子さん、それに沙雪さんも‥♪今ちょっとサスペンションの確認をしていて‥」
沙雪「サスペンション?もしかして変えたの?」
祐也「えぇ‥まあそんなところです。知り合いで廃車になる予定のラリーカーのサスペンションを取り寄せて貰って‥それで今回のバトルのために付け替えた感じです。」
友奈「それで今はそのサスペンションがどんなものかちょっと試しに見ているんです〜」
言われるようにしゃがんでサスペンションを見ていると二人の言うとおり明らかに市販用ではないのがわかる少し変わったサスペンションが組まれていた。
沙雪「確かにこのサスペンションはラリー用ね。しかもこれ滅多に手に入らない超レア物じゃない〜」
祐也「マジかよ‥、そんなにヤバいんですか?」
沙雪「そりゃそうよ。このサスペンション性能がいいぶんかなり高価だからプロドライバーでもなかなか手に届かないらしいわ」
友奈「あっそれ私も聞いたことがあります。プロレーサーでさえも躊躇っちゃうくらいの価格のサスペンションが昔あったって母さんが言ってました」
サスペンションだけでプロレーサーが買うのを躊躇ってしまう‥‥いやどれだけ高価なんですかそのサスペンション‥。そしてその知り合いの子(まあ誰かは想像はできますが)はどうやってその廃車手に入れたんっすか()
池谷「んでもなんでそんなのをつける必要があるんだ?峠ならいつものサスペンションでも‥‥」
友奈「祐也は以外とアクロバティックな走りしちゃうんで‥このくらいのサスペンションじゃないと持たないでしょ?って言われたらしく‥‥」
樹「そんなに荒かったけ?お前の運転」
祐也「いやぁ‥‥、赤城峠だけに限った話なんだが‥‥。相手がアホみたいに早いやつ相手だとけっこう荒くなるんだよな‥(汗)これが‥」
少し照れくさそうにしつつ頭をかく祐也。あれ?お前そんなに荒かったけ?っておもう読者もいるでしょう、まあそれは本番でのお楽しみということで。
友奈「っとどうやら本命が来たわね」
特徴的なエンジンサウンドが複数聞こえてきたことに気づいた友奈がそちらに視線を向ける。するとそこにはあのNSXとFDが入ってくる。やはり大御所というだけあってギャラリー達も知っているのか興味津々に見ていた。
ネル「来てくれたみたいね、あなたも‥そちらの方も」
車からおりてきてそう語りかけつつこちらに歩み寄ってくるハクとネル。それを確認すると少し身構えたような感じで向き合う友奈と祐也。
祐也「はじめましてですね‥、そこのエボⅣのドライバーの降谷祐也と言います。」
ネル「亞北ネルよ、あなたの相手は私がさせてもらうわね、問題ない?」
祐也「えぇ、それで問題ないです。」
ネル「決まりね‥。それじゃスタートラインに車を並べてくれるかしら?」
そして簡単な話を終えた二人は車をスタートラインに並べるために愛車の元へ戻り乗り込むのであった。だが祐也は乗り込む前に友奈に声をかける。
祐也「友奈!カウトダウン頼めるか?」
祐也「オッケー!任せて!」
頼まれた友奈な了承してスタートラインに先に向かってセンターライン上にたつ。すると少ししてからNSXが左側、エボⅣが右側と言う感じで並んで停車する。
友奈「それじゃカウント始めるよ!!
スタート5秒前!!
4!!
3!!
2!!
1!!
GO!!」
友奈のスタート合図とともに2台は激しいホイルスピンをさせつつ弾かれたように飛び出していく。それを見たギャラリー達は相次いて歓声をあげる。
「いよいよれ始まったぞ!!」
「やべぇ‥!俺ゾクゾクが止まんねぇ!!」
「本命は赤城の歌姫だが前哨戦がここまで盛り上がるなんて!!」
勢いよく目の前を通過していく2台を見て興奮を隠せないギャラリー達。しかしさすがは首都高最速か‥エボのパワーに劣らない加速でグイグイ前に出ていく。
啓介「やっぱり首都高を走っているだけあるぜ‥‥パワーを落としているとはいえランエボの加速に勝つとは‥‥」
涼介「それに足回りもかなり弄っているな‥‥スタートダッシュの加速からしてランエボはおそらく310馬力、NSXは500前後だろう」
スタートダッシュを決めて目の前を勢いよく通過していく2台を見つつ啓介と涼介は冷静に分析していた。
啓介「といういうかあのエボのドライバーってどうなんだ?赤城の歌姫とよくいるのは知ってるんだが‥‥バトルしていることろは見たことがないし‥‥。下手ではないのはわかるんだが‥‥」
涼介「俺の目からすれば可もなく不可もない普通の走り屋だな。下手ではないが特別上手くはない‥」
啓介「おいおい‥‥それならアイツに勝てないんじゃねぇのか‥?あのドライバーはメチャクチャ速そうだぜ‥‥」
啓介の言うとおり、ネルは首都高ではかなり上のレベルに位置する凄腕の走り屋だ。ヘマをするようには思えないしドライビングテクニックも高い、ましてや前に出たとなればそう簡単に抜かせてくれないだろう。そうすれば平凡なドライバーの祐也が勝てる見込みは低くなってしまう。
涼介「確かに傍から見ればそうだろうな‥。だがバトルをしているのはあの二人だ‥‥。それに今までもそうだっただろう?この世界には常識が通用しない‥‥」
啓介「っ‥‥!?」
涼介「間違いなくこのバトルも荒れるはずだぜ‥‥確実にな‥‥!!」
ーくっそはえぇ!!ー
ステアリングを握りつつランエボを操っている祐也はネルの走りに驚きを見せていた。というか着いていくのもやっとな状態…、なんとかくいついていく有り様
ーやっぱ首都高最速の一人だけあるな…!手慣れてやがる…!ここまで走れるだとしたら友奈か涼介ぐらいだぜ…!ー
本来であれば並みの走り屋が着いていくことはできないような相手、しかし祐也は並みの走り屋でありながら離れることなくビッタリとくっついて走っていた。これはまさに奇跡とも言えるだろう。
ーだが離されるかよ…!!!是が非でも付いていってやる!!友奈の足を引っ張ってられねぇ!ー
ー離れない…一定の間隔で付いてくる…ー
バックミラーでチラリと離れずに付いてくる祐也のエボⅣを見つつ離れずについてくることに驚きを見せる。
ー特に速そうな雰囲気は見られなかった…けど…走ってみればわかる……こいつは…やる…!ー
そうこうしているうちに左コーナーが迫ってくる。フルブレーキングからの4速から2速に叩き込んでステアリングを斬り込む。テールランプを滑らせつつ派手なドリフトで駆け巡る。
「すげぇ!!みたか今のドリフト!!」
「あぁ!!見たよ!!すげぇ迫力だったよな!!」
「というかこんな狭い峠でNSXを乗りこなせるなんて流石夢見の精霊だ!!いい走りをしてくれるぜ!!」
ネルの走りに熱狂しているギャラリー達の目の前に続くように祐也のエボⅣが侵入してくる。こちらもフルブレーキングからの素早いシフトダウン、ステアリングを斬り込んで鋭い速度で突っ込んでいく。
「おぉ…!こっちもなかなかやるじゃねぇか!」
「あの滑らせにくいと言われた4WDのランエボをまるでFR見たいに乗りこなしてるぜ!!」
「それにドリフトもなかなかだぞ!!俺あんな走りできる自信がないよ……」
「俺だって…突っ込む自信しかないな…」
渉「……」
とてつもない速度で通過していく2台を渉はギャラリー達に混じって見ていた。もちろん彼がきたのはこのためではなく…
ー藤原が言っていた群馬最速…赤城の歌姫…どんなものかお手並み拝見といかせて貰うぜ…!ー
彼の背後には白黒のハチロクレビンが佇むように止まっていたのであった……。
スタート地点
樹「でも大丈夫ですかね~…祐也の奴…」
スタート地点では樹がふと心配になったのかそんなことを口に出していた。
友奈「ん?何が~?」
樹「何がってバトルのことですよ…相手は首都高最速の十三鬼将の一人…めちゃめちゃ速いって聴いてますし…」
池谷「確かにそうかもな…俺でも見た瞬間わかるよ…あの娘はかなり速い…」
健二「だよなぁ…いくら地元の地理がある祐也でも厳しい奴があるぜ……」
拓海「…というか……友奈ちゃんはどうして冷静にいられるんだ…?」
確かに拓海の言うとおり、友奈は先ほどから落ち着いているようで飲み物を飲んだりエンジンルームを開けて調子を確認、リラックスしたりとかなり冷静にいるように見える。
池谷「確かに……気になるな…」
友奈「ん~…冷静にいられる理由…か…」
聴かれたことで少し考え込む様子で少しの間無言になるがすぐに笑みを浮かべて池谷達へ視線を向ける。
友奈「正直…私でもよくわからないな~…」
健二「わからないって……それって大丈夫なのかよ…」
友奈「…でも…、なんとなくわかるんですよ…♪祐也なら負けることはない…必ず勝ってくれるって…♪」
一瞬回答を聞いて不安になりかけた健二であったが反れとは対照的に満面の笑みを友奈は見せる。それは今までに見たことがないような笑顔、彼女が信頼している時にしか見せない顔であった。
友奈「だから…私は私のことに集中しようと思います…。足を引っ張らないように…ね♪」
同時刻
焔モータース
焔「よっと…こんなものかな……」
もう日が落ちている中、一人整備工場内の明かりをつけて焔は車の部品交換をしていた 。
焔「せっかく見に行こうと思ったのに…狙ったかのように突然来るんだから……」
どうやら突然仕事の依頼がきたようで今日の一大イベントに参加できなかったことを不満に思っている様子で作業を続けている。ちなみに親は現在仕事の都合で留守だ。
焔「多分間に合わないだろうな……あと2台あるし……ってお?」
そんなことを呟いているとなにやら入り口からエンジンを何度か吹かしつつ一台の車が入ってくることに気づく。そしてなぜか少し嬉しそうな表情を見せている。
焔「このおとは13Bロータリーエンジン…ってことは…♪」
丁度作業も一区切りしたため鼻歌で入り口へ向かうとそこには白黒雨宮仕様の前期FC(カーボン仕様)が入ってくるのが確認できた。車が駐車場に止まると中から黒髪ロングの見慣れた少女が出てくる。
「葵ちゃん~久しぶり~」
「相変わらずの元気っぷりね…羽南…♪」
そこには羽南の親友でサーキット仲間でもある星宮葵の姿であったのだった。
登場人物
星宮葵(モデルキャラ・郡千景(乃木若葉は勇者部よであるり))
友奈達と同じ高校生で栃木県の某高校に通っている。羽南のサーキット仲間でありよく一緒に走ってる、クールだがかわいい一面もあり特にスイーツが大好きだとか…
しかしドライビングテクニックはかなり高く、羽南曰く「プロドライバーとしてデビューしてもいい」というらしい。主にいろは坂をホームコースにしている。
愛車
マツダRX-7 FC3S(前期型)雨宮仕様
彼女の愛車、知り合いのプロドライバーから譲り受けて貰ったもの。そのため公道を走れるように弄ってある以外はものほんのサーキット仕様だ。そのためかなり素早いコーナリングがおこなえる。馬力は300馬力ほど