頭文字Dー赤城の歌姫ー(リメイク予定)   作:三坂

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果たして…祐也の突破口とは…!


EP8 突破口

羽南「にしてもこんな時間にどうしたの~?ってきり今日のレース見に行ってると思ったのに」

 

 

葵「あ~、私あんまりああゆう人がいっぱいるところが苦手でねぇ…(汗)というか羽南もどうしていかなかったの?」

 

 

葵にそう聞かれた羽南は少々ため息をつきつつ作業中の車に眼を移して説明する。

 

 

羽南「本来ならわたしもいきたかったんだけど……急に予約かはいっちゃってねぇ…しかも親がいないタイミングで…」

 

 

葵「あら…(汗)それは災難ね」

 

 

羽南「本当よ……せっかく今日のレース楽しみにしてたのに…おまけにセッティングした子の走り見てみたかったのに…」

 

 

葵「ん?もしかして今日バトルする子の車弄ったの?」

 

 

羽南「そそ、実は廃車予定の車でめっちゃいい足回りしてたやつがあったから組み替えたのよ。弄ったのは赤のエボⅣなんだけど」

 

 

葵「へぇ~、エボの足回り弄ったんだ、どんなかんじにしたの?」

 

 

羽南「そうだねぇ…廃車予定の車が元々ラリー走ってたみたいだから、足回りをしっかり強化して少々のことじゃサスペンションがイカれないようにしたぐらいかな?」

 

 

葵「なかなか変わったセッティングね、峠でもあまり見ないかも…」

 

 

羽南「まあエボⅣの子の走りが少々特殊なもんでしてね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

赤城峠にて

 

 

ーはっ…離れない…それどころかぴったり張り付いてくる…!!ー

 

 

暗闇に包まれた赤城峠を疾走するNSXとエボⅣ、その車内ではネルが少々焦りながらステアリングを操っていた。

 

 

ー確かにこの子はそこそこやる…けど…短期決戦で決めるつもりだったのに…!!ー

 

 

いくらこちらが上手くても時間が立てば長期化することはわかりきっていたことだ。だからこそ性能差や技量で序盤は一気に蹴りをつけるつもりであったが…

 

 

ーダメ…!全然振りきれない……いくら相手の地元だからっていっても…パワーの負ける車に食いつかれるのは屈辱だわ…!ー

 

 

ーついてはいける…けど…抜くチャンスが掴めねぇな…ー

 

 

ステアリングを握りつつアクセルを踏み込んでいる祐也はNSXの動きを見つつ眉を細める。というのもNSXが車体がそこそこ大きいためこうゆう峠ではラインを自然と塞ぐことができ抜くラインが作れずにいた。

 

 

ーだがこのままじゃ俺の負けだ……となれば…あれ…やるしかないな…ー

 

 

そんなことを思っているとコーナーが迫ってくる。2台ともほぼ同時にフルブレーキングでテールランプを点灯。4速から2速にシフトを叩き込んでステアリングを切り込む。後輪からはでな白煙をあげつつ車体をスライドさせてギャラリー達の目の前を流しつつ通過していく。

 

 

「すげぇ…!ギリギリまで密着してんぞ!!」

 

 

「互いの技量を信頼しないとできない芸当だぜ…!!」

 

 

「あぁ…!となるとあのエボⅣのドライバーは…めちゃくちゃ速いやつだぜ!」

 

 

ーこんだけ上手い相手になると…早すぎる仕掛けは建て直すチャンスを与えちまう……そうなると仕掛けるポイントは最終セクション…。ここまでの馬力だとそこで相手のタイヤはへたれてくる…そこが勝負だなー

 

 

ステアリングを切り込みつつ、どこで仕掛けるか考え込んでいる祐也。それが決まると更にアクセルを踏み込んでNSXの背後に張り付く。

 

 

ーいかにも仕掛けてきますよオーラ全開ね…でも…インは開けない…最後まで逃げ切らせてもらうわよー

 

 

どこかで仕掛けてくるということを直感したネル、しかし元々大きな車体にインを更に閉めて抜かせないという意思表示を見せつつ加速させる。

 

 

スタート地点

 

 

「こちら中間セクション!!2台ともぴったり張り付いてます!!夢見の精霊も速いがあのエボⅣもなかなかやるぜ!!」ピピ

 

 

史浩「思った以上に善戦しているな…あのエボⅣのドライバー。」

 

 

賢太「見た目はどこにでもいる普通の走り屋の感じでしたけど……ステアリング握ったとたん見る目が変わりましたよ…。」

 

 

啓介「流石っていうか……あの赤城の歌姫は見る目があるってところか…」

 

 

そういって啓介が向けた視線の先には池谷達と話している友奈の姿が…。

 

 

健二「いま中間セクションに差し掛かったそうだ。まだ夢見の精霊が頭だが祐也もぴったり張り付いてるらしい」

 

 

友奈「ね♪いったでしょ?祐也ならやってくれるって♪」

 

 

樹「確かにそうだが…(汗)まだ勝負はわかりませんよ…。なにせ夢見の精霊が相手ですからね……」

 

 

とそんなことを話していると、ハクが友奈元へ歩み寄ってくる。それに気づいた友奈は視線を向けて近づいていることに気づく。

 

 

ハク「結城…友奈さんよね?ちょっといいかしら」

 

 

友奈「あっはい…別に大丈夫ですが……」

 

 

 

 

 

 

友奈「え…?なんでエボⅣのドライバーを選んだのかって?」

 

 

ハク「えぇ、確かにあのドライバーは速いわ。けどあなたなら他にも速い人には検討ついてるんじゃない?」

 

 

呼び出された要件はどうやら祐也のことについてらしい。なぜと聞かれて、しかも池谷達に聞かれたのよりもさらに詳しく聞かれたため先ほどよりも考え込む。

 

 

友奈「ん~…確かにあなたの言うとおり他にも速い子はいました。でも直感で思いついたのが祐也だったので…♪」

 

 

ハク「思い付いた…?それはまたどうして…」

 

 

友奈「…だって♪こんなときは祐也ならなんとかしてくれますから♪今まで一緒にいたときもそうでしたし」

 

 

それは本当に信頼してなければ見せない表情であり、それはハクでさえも驚きを見せているほどであった。それから友奈に気づかれないようにポツリと呟く。

 

 

ハク「…信頼…ってやつかな…♪」

 

 

 

 

 

 

 

「きたきた!!2台そろって突っ込んでくるぞ!!」

 

 

「ひぇぇ…!?あんな速度で突っ込んできてよく曲がれるぜ!!二人ともかなり腕があるってことか…!」

 

 

「にしてもやっぱ上手いやつのドリフトは見てて血が騒ぐぜ…!!」

 

 

怒涛の速度でコーナーを通過していく2台をみつつギャラリー達は思い思いに述べつつ歓声をあげる。周辺にはタイヤと路面の摩擦で発生した白煙とタイヤの焦げる匂いが漂っていた。

 

 

ーやっぱ上手い…地元のおれでもわかる…いいライン走ってるぜ……。たった数日でここまでこなすとは…首都高の走り屋も伊達じゃないぜ…ー

 

 

ステアリングを操りつつ、相変わらずの相手の技量に驚きと関心を見せている祐也。首都高で有力な走り屋とはいえど、ステージが違う峠でここまで走らせることができるということはかなりの技量がなければできないこと。恐らく友奈でもここまで首都高を走らすことはできないだろう。

 

 

ーそれに車自体もけっこう弄ってあるな…パワーどれくらいあるんだこれ…ー

 

 

彼女のNSX自体もかなりの馬力(首都高よりは落としてあるものの400馬力ほど)があるのか四駆にも負けない瞬発力を見せてくれていた。

 

 

ー腕もいい…おまけに車のセッティングも良さげ…パーフェクトといっていいほどやり手だぜ…ー

 

 

コーナーに差し掛かると再びフルブレーキング、すばやいシフトダウンを決てステアリングを切り込む。白煙をあげつつ2台は密着した状態、それはまるで追走ドリフトを連想させるようなドリフトで流していく。

 

 

ー…だが……、それだけのパワーを使いこなせたとして…ここは峠だぜ…いくらそっちが手慣れでも首都高と峠じゃレンジが違う…そろそろ…効いてくるんじゃねぇか?ー

 

 

ー……!!?ー

 

 

コーナー手前でフルブレーキしたさいに後ろのタイヤの接地感やブレーキの効きが先ほどよりも鈍くなってきていることにネルは気づく。ブレーキの突っ込みが早いドライバーがそうなってしまえば当然先ほどよりも突っ込みが鈍くなる。

 

 

ー…やっぱりな……ブレーキのリリースが早くなってる…恐らくブレーキが垂れてきた…ー

 

 

ーくそ…やっちゃったわね…振りきるために序盤少し無理をしてたのが今になって効いてきた…ー

 

 

 

先ほどの少し余裕そうだった表情から一転、かなり焦りながら表情をしかめるネル。というのも車のポテンシャルはそのままドライバーのドライビングテクニックに影響する。万全な状態でなければ真価は発揮できない、つまりネルは今、完全な全開走行ができずにいるのであった…。

 

 

ー厳しくなってきたわね…けど…!こんなのでいいわけはしない…!!このまま逃げ切らせてもらうわよ!!ー

 

 

しかし、負けまいというプライドでアクセルを更に踏み込んで加速させる。祐也も負けじまいと同じように加速させて追随していく。

 

 

ーまっ…これくらいじゃへこたれないよな…。ロスも最小限に抑えてる……流石は夢見の精霊だな…、だが…テクニックでカバーしても車の負担は支えきれない…ー

 

 

祐也のいう通りいくらドライバーのテクニックが高くても車の消耗はカバーできない。げんにNSXのインの詰めりよりが甘くなってきているのがその証拠だ。おそらくタイヤが垂れて食い付きが甘くなってきたのだろう。その僅かに開いたNSXのイン側、そしてイン側の斜面に視線を向ける。

 

 

ーこの幅なら…いけるな…となれば…計画は変更しない…抜くのは最終コーナー…!!確かそこは今取り換え工事中でイン側にガードレールがない…!このレース用サスペンションを試すにはいい機会だぜ…!!ー

 

 

最終コーナー

 

 

『こちら最終セクション!!2台ともかなりの接戦だ!!だが未だに夢見の精霊が頭!けどどうなるかわからないぞ!!』

 

 

清次「珍しいじゃねぇか…京一が他のやつの走りをみたいなんてな…」

 

 

最終コーナーでは多数のギャラリー達に混じって京一と清次が今か今かと待ち続けていた。

 

 

京一「もちろん本命は赤城の歌姫だが…夢見の精霊とバトルするエボⅣも気になってな…同じランエボ乗りとして…」

 

 

清次「そうなのか…まっでも速いのは速いみたいだぜ、かなりの接戦らしいし…だがここまで来れば夢見の精霊の勝ちは確実だろう…だが仮に勝てなくても有名にはなりそうだな」

 

 

京一「…それは本当に…そうかな?」

 

 

清次「なんだよ……その意味深ないいか…「きたきた!!2台が来たぞ!!」」

 

 

あまりにも意味深な言い方のため、気になった清次がそれについて聞こうとした直後ギャラリー達の声とともに上の方から2台のエキゾースト音が響いてくる。

 

 

京一「では…答え合わせをしようじゃないか…」

 

 

そういって京一が視線を向けた先、エキゾースト音を響かせながら2台が突っ込んでくる。

 

 

ータイヤがヘタレようが…ここを抜ければ私の勝ちよ!!ー

 

 

勝利を確信したネルはギャラリー達が見守るなか最終コーナー手前でフルブレーキング、素早いシフトダウンを繰り広げ鋭い突っ込みを見せる。

 

 

ーここだ…!!ー

 

 

だが彼女は一つ見落としていた……祐也にはここまでとっておいた切り札があるということに……。タイヤが垂れているせいか先ほどよりも突っ込みが甘い、そしてある程度イン側が開いていることを確認した彼はアクセルを踏み込んでイン側に車体を滑り込ませる。

 

 

ーなっ…!?イン側は少ししか開けてな…まさか!?ー

 

 

一瞬何があったのかわからずにいたネルであったが流石は夢見の精霊、すぐに理解した。コーナーを流しているNSX、そのイン側、工事のため撤去されたガードレールがないぶん余力がある斜面に半分車体を乗り上げまるでラリー走行を思わせるような走りをしているエボⅣが……

 

 

「くひょ~!!??なんだありゃ!初めてみたぜ!!」

 

 

「っ!そうか!!あのエボⅣはこれを狙ってたんだ!!ここのイン側のガードレールは工事のために撤去されている!!それによってかなり余力があるんだ!!」

 

 

「まさか…ここまで抜かなかったのも奴の策略か…!!」

 

 

「このエボⅣのドライバー…やりやがる…!!」

 

 

舗装道路と違ってバンビーに跳ねているエボⅣであるが強化サスペンションを組んだお陰で突き抜けることもなく安定した走りを見せていた。もちろんネルも塞ごうとしたが…タイヤが垂れているせいで思うように操れない。

 

 

その間にもコーナーを立ち上がったエボⅣは跳ねた反動を利用してそのままNSXの前に躍り出る。それを見たゴール地点のギャラリー達は歓声を上げて喜びを露にする。

 

 

ー…完敗…ね…まさかこんな抜きかたをされるなんて…この子…やるわ……ー

 

 

負けてしまったものの、彼女には悔しいという表情はなくむしろスッキリしたような顔つきをしていた。2台の咆哮は静かな赤城山にこだましていくのであった。

 

 

 

 

スタート地点

 

 

「こちらゴール地点!!すげぇ!!あのエボⅣのドライバー夢見の精霊に勝ちやがったぞ!!とんでもない下剋上だぜ!!」ピピ

 

 

賢太「嘘だろ…本当に勝ちやがった……」

 

 

啓介「だから言っただろ?峠って言うのは何が起こるかわからない…だから走り屋はやめられないぜ…」

 

 

涼介「相変わらず…続々させてくれるよ…まだまだ、峠も活気は失っていないな…」

 

 

 

涼介達がそんなことを話しているなか、ハクは静かに友奈のもとへ再び歩みを進めていく。それに気づいた友奈も真剣な表情で向き直る。

 

 

ハク「びっくりしたわ…まさか本当にあなたのいう通り勝っちゃうなんて」

 

 

友奈「私はあくまで応援しただけですから…♪バトルをして勝ったのはあの子の努力ですから…」

 

 

 

そして少し話したあと、ハクがいよいよ本題を一間開けて切り出すのであった。

 

 

 

 

ハク「それじゃ…ディナーといきましょうか…?」

 

 

友奈「…はい…!!受けて立ちます!」




夢見の精霊にたいして勝利を納めた祐也



そして…
いよいよ首都高最速の座を争っている白いカリスマ

群馬エリア最速の赤城の歌姫


この二人の走り屋がいよいよぶつかります!!
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