赤城の歌姫と言われたハチロク
そのベールが剥がれます!
あれから数日後‥
拓海が秋名で啓介を打ち破り、一躍有名になった戦いから翌日‥
秋名山近くのガソリンスタンドにて‥
「「「ありがとうございました〜!!!」」」
給油を終えてスタンドをあとにする車を元気な声でお見送りする3人の姿が。
??「しっかし昨日の戦いは凄かったですね‥!
池谷先輩」
某高校に通っており、ここのスタンドでバイトをしている武内樹が謎のポーズをしつつはしゃいでいる。
??「そんなはしゃぐことか‥?」
そんな樹をやれやれな表情で見ているのが、彼の同級生であり親友の藤原拓海。そう、知っている人ならわかると思いますが、彼こそが秋名のハチロクと言われた人物である。ちなみに彼もここでバイトをしている。
??「まあ、樹の言っていることはわからないこともない。実際、とんでもない快挙を成し遂げたんだから」
樹の意見に同意している男性は、二人の先輩的存在であり、秋名スピードスターズのリーダーである池谷浩一郎。彼もここで働いているが、バイトの二人とは違い正社員として働いている。
池谷「んで、どうだった?初めてのバトルは」
拓海「最初はあまり乗り気ではないでしたか‥、走っていくうちに‥なんというか‥少し興味が湧いてきた‥って感じでしょうか‥」
樹「でもびっくりしたよ〜、メカ音痴なお前がそんなテクニック持ってたなんて‥」
拓海「配達で今までそうやってきたから普通だと思うけど‥」
樹「そうゆう問題じゃないんだよなぁ‥」
??「なんだ、楽しそうにしてるじゃないか」
途中から書類片手に店舗から出てきた中年の男性、彼は
立花祐一。ここのガソリンスタンドの店長を勤めており3人の上司的な存在だ。
昔は走り屋をやっていたらしく、拓海の親父である文太と一緒に秋名峠を攻めたそうな‥。
樹「あっ、店長。お疲れ様です」
店長「おう、おつかれさん」
拓海「ん‥?店長、その書類は‥」
店長「ん?あぁ、これか」
ふと拓海が祐一の持っていた書類気づいて尋ねる。
店長「これは、今度からここで働く子が今日面接に来るからそれ用だな。」
池谷「そういえばそんなこと言ってましたね。」
店長「池谷には言ってな。」
樹「どんな子が来るんですか?」
店長「それは秘密だな〜。見たら驚くぞ〜?」
拓海「なんですかその言い方‥」
店長「まあまあ、確か車で来るって言ってたからそろそろだと思うんだが‥おっ噂をすれば」
そういった店長の視線の先には何度かふかしながらスタンドに入ってくる白黒の車体でリトラクタブル、カーボン仕様が特徴的なボンネットのハチロクが入ってくる。
池谷「うひゃー‥、こりゃまたガッチガチなやつが来たな‥」
樹「すげぇ!!ハチロクじゃん!!?」
拓海「うち以外にもいたんですね‥」
まさかハチロクが来るとは思っていなかった面々、ハチロクが端のスペースに止まる。
??「おまたせしました〜」
拓海・樹・池谷「「「!!!!??」」」
赤髪で後ろに髪をくくり、桜の花びらの形をした飾りをつけ、日本人にしては珍しい赤色の瞳をした少女が出てきたことにさらにさらに開いた口が塞がらない状態になった。
まあ無理もないわな。こんなガチセッティングのハチロクから可愛い少女が出てきたらそうなるわ。しかも拓海と樹に関しては彼女と同い年だ()
店長「いらっしゃい~、よく来てくれたね〜。んじゃ面接する前にこいつらに自己紹介頼めるか?」
??「あっはい♪わかりました♪」
狙った通りと言わんばかりの笑みを浮べつつ赤髪の少女に自己紹介を促す。
??「はじめまして♪某高校三年生の結城友奈です♪
近いうちにここで働く予定になってます!よろしくです!」
池谷「おっおう、俺はここで働いてる池谷浩一郎っていうんだ。んでこいつらがバイトで来てる‥」
樹「たっ‥武内樹です!」
拓海「藤原拓海‥です‥」
店長「よし、自己紹介も終わったな。んじゃついてきてくれ」
友奈「わかりました♪それじゃ!」
こうして友奈と祐一が面接をしている間、拓海・樹・池谷の3人は開いた時間を利用して彼女の話で一杯になっていた。
樹「まさかガッチガチなハチロクからあんなかわいい子が出てくるなんて‥、しかもあの子俺たちと同じ高校だぜ‥?」
拓海「俺も思った‥、あんな子いたんだな‥。全然気づかなかった‥」
樹「世の中狭いもんだよなぁ‥」
池谷「いや‥それより気になるのが‥」
そういって、視線を向けた池谷の先にはあのハチロクが‥
池谷「拓海ん家のハチロクはまた違ったエンジン音だったよ‥。ありゃ市販ハチロクのエンジンじゃないな‥」
樹「まさか‥」
友奈「ん〜?私のハチロクがどうしたの〜」
樹・池谷「「うぉ!?」」
いきなり友奈に声をかけられたため驚いて飛び跳ねる二人。そんな2人をみつつ拓海が振り返るとそこには店長と友奈の姿が、
拓海「あれ?もう終わったんですか?」
店長「あぁ、面接と言っても特に問題なさそうだったからほぼ働く際の説明だったな」
樹「そっそうなんですか‥」
店長「それより、お前ら。そのハチロクが気になってるのか?」
池谷「えっ!?あっ‥はい(汗)」
店長「友奈ちゃん、こいつらに君のハチロク見せてやってくれないか?」
友奈「え?あっはい♪大丈夫です♪」
拓海「いいの‥か?」
友奈「別に隠すもんじゃないしね〜」
樹「やった!!」
池谷「すまないねぇ‥」
運転席ドアを開けて車内にあるボンネットのロック解除レバーをあげる。するとカーボンボンネットが少し開け、ボンネットを開く。
池谷「えっと‥これは‥」
友奈「確かグループA仕様の4AGエンジンですね」
樹「ぐ‥グループA仕様!?」
友奈「というか、このハチロクは元々母がレースとかで使ってたやつでそのお下がり的な感じで貰ってるの。だから、公道を走れるようにセッティングした以外はそのままかな?」
店長「グループA仕様か‥おじさんも生では初めて見たぞ‥」
池谷「馬力はどのくらいだ?」
友奈「えっと‥確か210馬力は出ますね」
樹「拓海家のヤツの倍だな‥」
拓海「そんなに違うんですか‥?」
店長「当たり前だ。お前んちのハチロクとこのハチロクじゃ車の性能は月とスッポンぐらい差がある。というかエンジンだけの性能でもかなり違うからな」
拓海「へ〜‥」
エンジンをみつつ友奈の簡単な説明に真剣そうに耳を傾けて聞いている3人であった。
赤城山付近
高橋宅にて‥
あの赤城レッドサンズの中心メンバーである高橋兄弟の自宅。家の前には見慣れたFD3SとFC3Sの姿が‥
涼介「‥‥」
その自室ではその赤城レッドサンズのリーダーで白い彗星と言われ、啓介の兄である高橋涼介が、FDのドライブレコーダーをパソコンで見返していた。
啓介「アニキ、入るぜ」
少しすると扉をノックするとともに啓介が入ってきてベットに腰掛ける。
啓介「どうだった?」
涼介「ふむ、啓介の推測通りで間違いない。このハチロクは昔、俺が赤城レッドサンズを結成するまえの頃に猛威を振るっていたー赤城の歌姫ーだ。あれからかなり経っているが、走り方もほぼ一緒だな。」
啓介「やっぱりか‥、しかし‥なんで数十年経って再び現れたんだ‥?」
涼介「それはわからない。だが‥これはこれで面白くなってきたな‥」
そういった涼介の表情がそのハチロクに興味を示す笑みを浮かべていたのであった‥。
登場人物
結城友奈
年齢:18歳
身長:154cm
体重:秘密
好きな車:AE86
特技:ドリフト全般
ハチロクのドライバーで出身は赤城と秋名の中間ぐらい。レース出身の母の影響を受けて走り屋を目指すようになり主に赤城を中心に走っている。明るくて元気な性格だが、ふと座席に座れば見た目では想像できない華麗な走りを炸裂させる。
AE86パンダトレノ
昔、母がレースや峠で使用していたのをそのまま友奈が乗り継いでいる。多少のセッティング変更はあるが、基本的には変わらずグループA仕様4AGを搭載し、高回転型エンジンとして猛威を振るう。