春香からプロドライバー
つまり赤城レーシングのドライバーにならないかと提案された友奈。驚きに包まれながらもその世界に踏み入りたいという思いも徐々に現れてくるのであった。
数日後…
正丸峠
「!!?馬鹿やってんじゃねぇ…!!??ここ追い抜きとはそうゆうのは…ナシなんだよ!!!」
拓海の復活戦……
渉との一進一退の攻防戦の上…
もう一人のハチロク乗りが覚醒するのであった…。
それから2日後
GSスタンドにて
友奈「ありがとうございました〜!!」
いつもの放課後のバイト先では、友奈の元気な声が響き渡っており給油を終えたお客さんの車を見送ると池谷達のいる定位置へと戻ってくる。
樹「にしても寒くなってきましたよね…。最近…」
時々吹いてくる冷たい風に体を震わせつつ樹がそんなことを呟く。確かに、秋も終わりに差し掛かっておりあれだけ綺麗だった紅葉も終わりを迎えていた。そのため、山などにいくとあちこちに落ち葉が落ちているのが伺える。
健二「確かになぁ……。いい加減コートとかジャンパーもそろそろ引っ張り出さないと…。あっでも…ジャンパーちんちくりんになづてたよな…、池谷〜、今度の休みに古着屋にジャンパー買いに行かねぇか?」
池谷「賛成だな…、俺も前使い込んでたジャンパーが破れちまったからそろそろ買おうと考えてたんだ…」
拓海「近頃は特に冷え込んで来ましたからね…」
友奈「うん〜…、朝起きるのが特に大変になったよ……」
健ニ達も賛同するような表情を浮かべつつ最近の天気事情を駄弁りつつ語り合っていた。拓海や友奈の復活戦が無事に終わり、何気ないいつもの日々に戻りつつあった。
樹「それよりも…」
友奈「ん?」
だがそんな何気ない会話の最中、ふと思い出したように樹が友奈へと視線を向ける。…いや…、拓海や池谷を除く健ニも同じように視線を向けていた…()。
健ニ「まさか友奈ちゃんに彼氏がいたなんてなぁ〜…」
樹「本当っすよ…!!しかも相手が祐也なんですから…!!そんでだいぶ前から付き合ってたことを隠してたんですから…!!くぅ〜…!羨ましすぎるぞ祐也のやつ…!」
友奈「あはは〜…、別に隠すつもりはないんだけど…(汗)。成り行きで付き合うことになっちゃって…///」
二人から問い詰められたことで、少し恥ずかしそうに頬を赤らめつつも余裕そうな笑みを浮かべて友奈は答えていた。あのバトルの後、羽南から友奈と祐也が付き合っていることが露見したことで今朝からこれだ(池谷は真子ちゃんという彼女がいるから同情の笑みを浮かべていた)。
拓海「俺も最初聞いたときは驚きましたけど……、友奈ちゃんなら祐也と上手くやっていけそうじゃないかな。二人って付き合う前からつき合い長いし…」
友奈「まあね…♪なんだかんだいって祐也と恋人関係になったことは良かったと思ってるよ…♪」
樹「いいよなぁ……、絶対今年のクリスマス楽しいじゃん……」
池谷「ふっふっ…!俺はもう真子ちゃんとクリスマスに会う約束しちゃったんだy…イテテテで…!!(健ニから頭グリグリ)」
健ニ「おめぇは黙ってろ…(頭グリグリ)」
友奈「あはは…(汗)」
…と池谷が早速リア充宣言をした直後に健ニから頭グリグリの刑が炸裂していく。そんな微笑ましい光景を苦笑いながらも微笑ましい表情で友奈は見ていた。
『友奈、あなたプロドライバーになる気はないかしら?』
友奈「……っ…」
だがそんな何気ない日常会話中でもふと思い出したように春香の言葉がフラッシュバックのように蘇ってくる。少し考え込むような表情を浮かべつつ気温が下がってきたものの青空満点の空に視線を向けて眺める。
友奈「レースの世界…、わかってはいたつもり…っていうかそれを目標で走り屋してからね…。…けど、いざ言われてみると意外と驚くもんなんだな…」
友奈「…だからこそなのか…、やってみたいって気持ちが強くなっていくんだよね…」
ポツリとそんなことを呟いた友奈、しかしそんな言葉は日常に聞こえてくる雑音によってかき消されていくのであった……。
ウォン!!
拓海「あっ…お客さんだ…」
なんだかんだ賑やかになっていた一同であったが、響き渡るエンジンサウンドがスタンドに響き渡る。それに気づいた拓海がふとスタンドの出入り口に視線を向けるとそこには敷地内に入ってくるカプチーノの姿が…
友奈「あっ私が行きますね…!」
カプチーノに気づいた友奈が一足先に駆け出していく、それに遅れるように拓海も彼女のサポートにつくために同じように向う。
「ハイオク満タンでお願いできるかしら?」
友奈「あっはい…!わかりました…!ハイオク満タン入ります!!」
どうやらドライバーは女性らしく、ハイオク満タンを受けた友奈は給油口の蓋を開けてノズルを押し込んでいく。カプチーノの反対では拓海が窓ガラスをせっせと吹いていた。
樹「あれ?あのカプチーノ…白ナンバーですよね…?確かカプチーノって軽自動車の分類だから黄色なんじゃ……」
峠でもあまり見ないため珍しそうに見ているとふとカプチーノのナンバーが黄色ではないことに気づいたのか不思議そうに首を傾げている。
店長「たぶん、ありゃエンジンをかなり弄ってるんだろうよ。そうじゃなきゃワザワザ白ナンバーにはしないもんだからな。」
池谷「あっ、店長。」
どうやら珍しく思っていたのは樹だけではなかったようで、祐一がいつの間にか隣へやってきており、同じように見物していた。
店長「いくら軽いから下りで早いカプチーノとはいえ、660ccの規定枠でエンジン弄るのはキツイだろうからな…。それが妥当ってもんだ。」
健ニ「ん〜…、あのカプチーノってもしや…。」
池谷「お?どうしたんだ健ニ、なんか気になるのか?」
祐一の解説を聞いている中、どこかで見たことか聞いたことがあるのかもしやという表情を浮かべつつカプチーノのナンバーをチラリを見て確認する。するとそれに気づいた池谷がどうしたのかという感じで声をかける。
健ニ「いやさ、知り合いから長野でインパクトブルーとおんなじくらい有名な青色のカプチーノがいるって話を前聞いてな。そのカプチーノが白ナンバーって話だからもしやと思って…」
池谷「それで、どうなんだ?」
健ニ「ビンゴだよ。白ナンバーのカプチーノ自体あまりいないからな。長野ナンバーで青色のカプチーノ、あれがそうだよ。」
樹「そんなに有名なんっすか?」
健ニ「有名ってほどしゃないさ。長野じゃインパクトブルーと互角に張り合える実力持ち。おまけに最近じゃ赤城レッドサンズにちょっかいかけてるレベルだからな…。噂じゃ一軍のほとんどが手に負えないらしい…」
樹「そっそんなに速いんっすか…!?」
まさかの健ニから飛び出た言葉に樹は驚いた表情を浮かべていた。そんなことになってるとは知らない二人は黙々と作業を進め、あっという間に終わらせた。すると何か思ったのかその女性ドライバーが友奈にこんな質問を投げかける。
「…そういえば…、秋名湖周辺のお店でオススメの場所とかないかしら?せっかくなら友達に買って帰ろうかと思ってて〜。」
友奈「あ〜、それなら――」
秋名峠を知り尽くしている友奈からすれば、毎朝配達で上がっている拓海と同様に秋名湖について詳しいためテキパキと答えていく。時々拓海も付け加えつつ話していると女性は納得した表情を浮かべていた。
「ありがとう〜♪助かるわ♪それじゃありがとうね♪」
友奈・拓海「「ありがとうございました〜!!」」
そう言い残して、カプチーノはスタンドをあとにしていき友奈と拓海の二人はそれを外までお見送りしていく。だがカプチーノの車内では女性はスタンドに止まっていた秋名スピードスターズのステッカーが貼られたワンエイティとシルビアのことを密かに気にしていた。
ー秋名スピードスターズ…確か秋名峠をホームコースで走ってるチームだっけ? …そこの速い秋名のハチロクっていうのを負かしたハチロク乗りがこっちでは噂になってたわね。
名前は確か…
『赤城の歌姫』
ふっ…、せっかくなら一度見てみたいものね…。それで…あわよくばバトルもいいかしら…♪ー
その日の夜
秋名山にて
ゴァァァァ!!!
日が落ちたことで静寂に包まれた秋名峠、今日は珍しくギャラリーや走り屋もあまりいないようで当たりはいつも以上の静けさに包まれていた。…がそんな静寂を打ち破るように甲高いエンジンサウンドが響き渡る。
秋風「っと…!」
コーナーの先からスキール音が響いてくるとともに、ヘッドライトの光に遅れる形で秋風の33Rが勢いよく飛び出してくる。重たい車重をものともしないしなやかな動きで素早く次のコーナーへ差し込んでいく。
秋風「いよいよ赤城レーシング再始動…!、湯月さんから誘いが来るなんて思わなかったな…(汗)でも…!プロのレーサーになるために走ってるんだし…!このビックウェーブには乗らないと…!」
どうやら赤城レーシングのドライバーにならないかというお誘いを友奈同様に依頼されたらしく、この走り込みは少しでも自分のレベルを上げるためのものらしい。いくらサーキットや群サイでの経験があるといえど、友奈や星宮などに比べれば秋風の実力は羽南同様まだまだと言ってもいい。
秋風「もし入るとなればチームの活動開始は来年の四月…、そのためにはもっと走り込んでもっと速くならないとね…♪」
友奈とはまた違ったノリノリ具合のようで、少し鼻歌交じりの雰囲気を見せながらステアリングを素早く切り込んでコーナーを派手なドリフトで流していく。
ーん…?後ろから一台来てる…ー
そんな中、ふとバックミラーに視線を向けると遥か後方ではあるが2つのライトがいつの間にか後ろにいることに秋風は気づく。流しているとはいえ、秋風もそこそこのペースで走っていたため追いついて来るとなれば相手も相当のペースということになる。
ー少し遠いから簡単にしか分からないけど…ヘッドライトの幅的にそこまで大きめの車じゃない……。たぶん…ロードスターかS2、もしくはハチロク…ー
遠いプラス、暗いため簡単にしか特定が出来ないが秋風はチラチラとバックミラーを確認しつつヘッドライトの幅でだいたいの予測を立てていく。そんな中でも次のコーナーに差し掛かったため秋風は一度前を見て素早くフルブレーキングで減速、3速から2速にギアを叩き込んでステアリングを鋭く切り込む。
ゴギャァァァ!!!
ブレーキランプが点灯したと思えば、重たい車重やFRに比べてドリフトがしにくいと言われる4WDをものともしない豪快なハイスピードドリフトでコーナーを思いっきり流していく。だが後ろの車はそれ以上のコーナリングスピードで立ち上がっていく。
ーコーナリングスピードは向こうが圧倒的上…、となればこっちより軽量の車ってことになるわね…ー
チラチラとバックミラーでコーナーごとに詰めてくる後ろの気配を確認しつつアクセルを更に踏み込む。33RのRB-Xエンジンが甲高く咆哮しつつ400馬力のパワーを発揮して加速していく。
ーとりあえず様子見かな…。どんな車か確認してから考えよう…。流石にGTRでダウンヒルを全開走行したらフロントタイヤがエグいことになる…ー
だが今のところは乗り気ではないようで、ひとまず相手の様子を見つつ全開走行手前の走りで行くようで、その間にも後ろの車はグングンと近づいて来ていた。
ウォン!!ウォン!!
ストレートは圧倒的にGTRに軍配が上がるが、コーナー手前のブレーキングや侵入速度、立ち上がり加速では完全にこちらが負けている。何個かのコーナー侵入であっという間に背後に張り付かれたためチラリとバックミラーに秋風は再び視線を向ける。
ーロードスターとかじゃない…、かと言ってハチロクやS2の大きさでもないし…。あの小さな車体…、ハチロクよりも軽量で乗り手によってはコーナーマシンに化ける車となれば…一つしかないな…ー
バックミラー越しに写り込んでいる暗闇に薄っすらを浮かび上がる青色の車、ハチロクやロードスターよりも小柄な車体で異次元のコーナリングでこちらを凌駕出来る車両はあれしかないと秋風は確信する。
ー…とりあえずここで降りさせて貰おう…、向こうも本気みたいじゃないし…、それにバトル続けても流石に勝ち目がない…ー
どうやらまともにやり合っても勝てないと判断したのか、左ウィンカーを点灯させて減速していく。それを見て察したのか後ろの車は速度を上げて反対車線から追い越しにかかる。
ーやっぱり…、カプチーノだったみたいね…。降りて正解だったわ…(汗)ー
横からディープブルーパールのカプチーノが33Rをぐんぐんと追い越していき、追い越して目の前に出てきたときに白色のナンバープレートがヘッドライトの光に照らされれる。
ー白色のナンバー…、なるほど…どうりで立ち上がり加速がいいと思ったよ…。そりゃダウンヒルだからって軽の範囲でのチューニングじゃ厳しいよね…ー
追い越したカプチーノはそのまま速度をキープして高速コーナーへ消えるように飛び込んでいく。その様子を見ていた秋風であったがふとナンバーが群馬ではなく長野ナンバーだったことも思い出す。
ー長野ナンバー…、余所者ってところかしら…?でもあれだけ速いならかなり有名なはず。…今度長野の知り合いに聞いてみようかなー
ーけっこう速そうだったし…、どんなドライバーが乗ってるんだろ…。実際に会って話してみたいな…ー
今回は特別に許可をいただき
D-Ⅸ 様よりキャラクターをお借りしました。
このキャラクターはご存知の通り、Many56様の頭文字D二次創作作品で登場したもので、今作では多少のアレンジを加えて登場させようと思います(そのためあちらとは少々物語の流れが違うと思いますがご了承ください。)
改めて
Many56様及びD-Ⅸ 様、ありがとうございます!
(設定などはおいおいしていこうと思います)