止むことのない活気と照りつける真夏の太陽が、じりじりと俺の体力を奪う。
右を見ても左を見ても、笑みを浮かべ談笑している人々。平日だというのにこの数、大半は俺と同じ学生だろう。
ああ。それにしても暑い。もうどろっどろに溶けちゃいそうだ。
先ほど買ったペットボトルの蓋を開けて中の水をごくごくと飲みながら、時計を確認するが現実は変わりはない。
待ち合わせ時間からはすでに十分経過している。相手が相手なので待つこと自体は別に別に構わないんだが、これなら待ち合わせ場所をどっかの屋内にすれば良かった。
「あ、
集合場所を屋内にすれば良かったなと思い始めた著土その時、遠くから馴染みのある呼び方が聞こえてくる。
周辺の人の目を引くほどに端麗な容姿。まるで有名な芸能人のプライベートが発見されたかのような注目を浴びるのは案の定、俺にとって馴染みのある人物──白姉だった。
「遅くなってごめんね? ちょっと道に迷っちゃって」
「大丈夫だよ。じゃあ行こっか」
「うんっ」
気にしていないと口に出し、人の溢れる街中を歩き始める。
「一緒にお出かけするの、すっご久しぶりだよね」
「確かに。小六の時が最後じゃなかったかな?」
白姉との出かけるのとか久しぶりだ。最後に一緒に出かけたのは確か小学生の頃、竜兄を含めた三人で買い物だったはず。
懐かしい。あの頃はまだ
思い返せば大分馬鹿だったと思う。何せ
「今日は行く場所決めてるの?」
「……えへへ」
「なるほど。変わらないね」
決めてないらしい。まあ予想通りなので別段驚いたりはしないのだが。
まあそこそこ大きな街だし適当に歩いていても楽しめるだろうから暑いこと以外は問題ないだろう。
そんなこんなで適当に始まったぶらぶら珍道中。
食べ歩き、店を物色し、周りでやっているイベントを楽しむだけの普通の散策。
けれど久しぶりに街中に目を向けたということもあり、いろいろ知らない物が売っていたりして普段より賑わっている感じがした。
『みんなー! たっのしんでるかいー!?』
「うん、これおいしー!」
天然“
名前の由来がグリングリン回しながら作るからなのか色が完全に緑だからなのかはわからないが、十分くらい並んでようやく買えたくらいには人気らしい食べ物。
抹茶のようなメロンなような、何味と言って良いのかいまいちはっきりしないが、不思議とまずいとは思えない不思議な味のアイスなんだけど……これ本当に流行ってんのかな。
「並んだ甲斐あったねー。この前テレビで見てから食べたかったんだー」
「へえ。テレビでやってたんだ」
「神月祭で出される屋台特集にあったんだー。さっきまで忘れてたんだけどね?」
スプーンでアイスを食べながら、恥ずかしそうに笑って話す白姉は並の男ならその仕草だけで恋心を抱くに違いない。ま、俺も多感な少年期の頃に
「神月祭ね。白姉は本殿前行くの?」
「……誘ってる娘次第かなぁ。竜も勉強忙しそうだし、一人だったら行かないと思うなぁ。光君は?」
「どうだろうね。気が向いたら行くかもしれないけど、基本は面倒いからスルーかなって」
あの祭りは何か騒ぎたい人外共もくるし、問題事も多そうだからなるべく行きたくないんだよね。
去年とかもろに神とか悪魔が屋台出してたし、半分休暇みたいな感じで五つ星が巡回したりもしてるからちょっと気が休まらないんだよね。
まあ五つ星と言っても“紅槍”さえ来なければ別に問題はないんけど、それでも正体露見の可能性がなくもないし人混み死ぬほど嫌いだから、行きたい理由がない限りは行かないと思う。
「……何か悩みでもあるの?」
「……わかっちゃう?」
「そりゃね。その誘ってる娘についてのことなのも何となくね」
手を口に当て心底驚いたかのような顔をする白姉だが、これほど分かり易い悩んでいます感を出されたら気づかないわけないと思う。
「……そっか、やっぱ光君にはお見通しかー。流石だね!!」
そりゃ付き合い長いからね。少なくとも、外見に見取れるだけの人よりはわかっていると思うよ。
「じゃあ聞いてくれる?」
「……良いけど。その前にどっかお店入らない? 流石に暑くて」
「そうだね。──じゃあ行こっか! お姉さんのおすすめ紹介してあげるね!」
勢いよく立ち上がり、手を差し出してくる白姉。
なるべく笑顔でいようとするところは変わってないなと思いながらその手を取って立ち上がり、白姉の隣を歩いて行った。
中途半端ですいません。分量自体は少ないですが、意外と長くなってしまいました。