セーラームーン×モンスターハンター 月の兎は狩人となりて 作:Misma
モガ村から飛空船も使いつつ、最速ルートでタンジアの港へ。そこからギルドによる厳しい審査を通過して新大陸行きの船に乗る。
古龍に関するある謎を解き明かすべく設立されてから40年以上、5回の増派を経て謎の解明後も調査活動を続ける『新大陸古龍調査団』。
今回、現地の生態系に生じた異変を解決すべく、追加募集員は船に揺られつつ新大陸へ向かった。
「ずっと思ってたけどさぁ、本当に……」
その総数──
5名と2匹。
「すっくなッッッ!!!!」
がらんどうな船内にうさぎの声が木霊する。
それに隣でスープを舐めていたルナがしかめっ面をした。
「どうしたのようさぎちゃん、いきなり立ち上がって」
「どうしてたのよじゃないわよ! なーんであたしたちだけなのよっ!?」
「今更仕方ないだろ。結果としてそうなったんだから」
同じく机でスープを啜っていたアルテミスがめんどくさそうに答える。
2週間ほど前、タンジアの港にてハンターズギルドが行った入団審査は厳しいものだった。
猟団に1人でも密猟経験者はいないか。
一人でも古龍との実戦経験がある者はいるか。
火山地帯、寒冷地帯での狩猟経験はあるか。
調査団の規則を遵守するか。
いざという場合、新大陸に骨を埋める覚悟はできているか。
幾多もの書類審査と面接を経た結果、船に乗ったのは彼女たちだけだった。
そうこうしているうちに、汽笛が鳴る。
ゴーグルを額に巻いた上半身裸の壮年男が上階から顔を覗かせた。
「お嬢様方、甲板に出ておきな。いい景色だ」
この船長は調査団の活動初期から船を操ってきた大ベテランで、軽口をよく叩くが大変気の良い人だった。
彼の宣言に、少女たちも思わず振り向いて立ち上がる。
「やっと陸かぁ~。ありがとう、ございまぁ~~す!」
「おうよ、頑張れよ期待の若人たち!」
美奈子が、伸びをして骨をぽきぽき鳴らしながら礼を述べる。
船長は返事もほどほどに手をさっと挙げて、再び階段を軽々と昇っていく。
長い長い航海も、これで終わりだ。
そして、新たな生活がこれから始まる。
「どんな人たちが待ってるのかしら。あらゆる分野の天才の集まりと聞くし、うまく馴染めたらいいのだけれど」
亜美は期待半分、不安半分といった様子で視線を彷徨わせていた。
新天地というものはいつだって浮足立つもの。IQ300の天才少女でも、そこは変わらない。
「なーに言ってんだよ。亜美ちゃんなら学者とだって張り合えるって」
まことが肩を叩いて励ましたところに、
「ん〜〜〜、ちょっとさっきの言葉、訂正させてくれ」
いつの間にか、船長が出戻っていた。
何事かとうさぎたちが見上げると、彼はいたずらっぽく笑って告げた。
「正しくは
船長はそう言い残すと、今度こそ船上へと階段を上がって消えていった。
「……やっぱりあたし、無理かも」
「ああああ亜美ちゃん多分、多分大丈夫よ大丈夫、ね!!」
ますます意気消沈してゆく亜美を、うさぎは必死になって励ますのだった。
甲板に出ると、昨日まで真っ平らに靡く海面しかなかった景色は大変貌を遂げていた。
時刻は明朝。
水平線を覆い尽くす緑。
一際太く大きく屹立する塔の如き大樹。
その向こうには霧がかかった岩山の群れ。
黄色がかった太陽光が、すべてを横から美しく照らし出している。
「こんな広いところを調べてるのね! さすが大陸ってだけはある感じ〜!」
「ねー! ここを何十年も調べてる人たちなら、古龍のことだってよく知ってるかも……」
美奈子は年相応に手すりに身を乗り出してはしゃいでいる。うさぎもそれに同調してこれからの調査に期待を込めていたが、やがて目線を落とした。
「本当に調査団の人たちに、あたしたちや災いのこと伝えなくて良いのかな」
それまで大陸を見つめていた少女たちは、うさぎの背中に視線を移す。
「……まだ気にしてるの?」
美奈子の問いを、うさぎは否定しない。
沈黙は不満を暗に伝えている。レイはそれを見かねたように、うさぎの隣に身を乗り出した。
「あたしたちの正体を言ったら調査どころじゃなくなるわ。エイデンさんもわざとそこを伝えず推薦してくれたのよ? ましてや、あたしたちがこの世界を万一でも……」
レイは誰かに聞かれてないか周りを見渡してから、今度は小声で囁いた。
「敵に回すかも知れないだなんて、とても言えないわ。そもそも未来の災いがここの古龍たちの件と関係してるかも、可能性が高いってだけで確定したわけじゃないのよ?」
そのことをうさぎと手を重ね、語りかける。
新大陸古龍調査団はハンターズギルド直属の組織だ。
バルバレでも正体は我らの団や筆頭ハンターに伝えたが、その時とは全く背負っている状況が違う。
調査団がどういう人々なのか、今は全く分かっていないのだ。
もし軽々しく真実を告げて、この世界が目の前の少女たちに滅ぼされると信じる者が続出したら。
一気に彼女たちの立場は危うくなるかもしれない。
「うん、みんなの気持ちは分かってる」
うさぎはまだ浮かない顔ながら頷く。
4人は守護戦士としても親友としても、
それゆえの黙秘なのだ。
「……絶対にここで見つけ出してみせるわ。両方の世界が、災いから逃れられる方法を」
うさぎは改めて決意の眼差しで手すりを掴む手に力を込め、森林の中に現れた木組みの巨大建造物を見つめた。
「何ていうかモガ村の時もそうだったけど、みんなピリピリしてるな」
白猫アルテミスは、甲板から船内に続く階段の辺りで黒猫ルナと隣り合って座っていた。
「そりゃあ、そうよ。あの子たちはプリンセスを護るのが使命。むしろああであってくれなきゃ困るわ」
「……にしてもさ。この世界も救うと言いながら警戒しまくってるの、矛盾してる気もするけどな」
「アルテミスだってこの世界があまりに広くて……深すぎるのは分かるでしょ? 今までの『敵』と違って、あまりに分からないことが多すぎる。警戒するのは当然よ」
それ以上、アルテミスは答えなかった。
船に打ち付ける波は、陸に近づくにつれ少しずつ弱まりつつある。
穏やかな大海原は、静かに旅人たちを新大陸へと迎え入れる。
災いの日まで、既に100日を切っていた。
──
「うっわすごぉ……船が浮いてる……」
輸送船を降り、高い階段を上がったうさぎたちの目に真っ先に入ったのは、空高い2つの岩場に橋を渡すように乗り上げた船だった。船長が言うには『星の船』と呼ばれる施設で、集会場の役割を果たすらしい。
次に目の前に広がる、露店のような天幕を張る木箱や壺の山、そしてその上を覆う屋根。どうもこれも、船底をひっくり返したものに柱を括り付けたものを活用しているようだ。
よく見てみればいま彼女たちが立つ床でさえも、向こうに置いてある船から甲板を継ぎ足し拡張してきたように見える。
恐らくは、現大陸から持ってきた船をそのまま拠点として再利用と改良を重ねてきたのだろう。豪快ながら無駄を出さない造りに、亜美は驚いて呟く。
「これが……」
調査拠点アステラ。
新大陸古龍調査団の本拠地であり、現大陸と新大陸を繋ぐ港。
更に奥を見渡すと書籍の山とそれに囲まれて本をめくる老人、隣には無人ではあるが巨大な樹を中心に様々な植物が繁茂する施設が見えた。
そこからは木組みの階段が螺旋を描いて、更に上階へと続いている。
ここで分かったことがある。
これまでうさぎたちが見てきた村々とは違い、アステラは高低差が大きい──つまり、上下に長い構造を有しているのだ。
次に、水車の力で常に動くリフトが目に入った。
木箱や袋を持った人々が何やらせわしなく叫びながら行き交っている。
「ふぅむ、やたら人が少ない気がするが……」
船長は小さくぼやいたが、すぐに振り返り。
「とにかくまずは、あそこに突っ立ってる白髪の爺さんに挨拶してきな。積荷はこっちで宿舎に運び込んどくからよ!」
その指示に従い、少女たちは親指の指した方向へ向かう。
そこはちょうど彼女たちから見て最も右奥に当たる船の甲板を利用した空間で、巨大な机が中心に置かれ、それぞれの期団を表すのであろう色とりどりの旗が掲げられていた。
どうやら会議場のようである。そこで、数人が集まってしきりに議論を重ねていた。
その中でも中心に近い位置にいた、黒い肌に白髪を生やした鎧姿の男性に、彼に駆け寄った船乗りの1人がうさぎたちを示しながら囁く。
そこで彼は初めて、こちらにちらりと視線を寄越した。
「……なるほど。ではあの少女たちが」
船長の言った通り白髪と皺の入った顔が特徴的だが、瞳に宿るはっきりとした意志からは目立った衰えを感じさせない。
色彩豊かな防具を着るうさぎたちに対し、革を中心として肘や膝を金属で覆った防具は、派手さはないが無駄も一切ない燻し銀の魅力があった。
一方、腰巻には緑色に光る虫籠、左腕には小さな弩のような道具が装着されている。
見たことのないそれらに見とれていると、男性は歩いてきて微笑し、手を差し出して出迎えてくれた。
「長い旅路ご苦労だった。船酔いは残ってないか?」
顔こそ厳ついが、口調は穏やかで気遣いが見える。
「はい、大丈夫です」
礼儀正しい亜美を始めとして、少女たちが順番に握手すると、彼は慇懃に胸に手を当てた。
「私はここでは『総司令』と呼ばれている。とはいってももうこの歳なもので、最近では大半の仕事を孫に任せているがね」
男性は後から颯爽と現れた黒髪の青年の背を叩き、席を譲った。
「ようこそ、新大陸へ。俺はみんなから『調査班リーダー』と日頃呼ばれてる。これから君たちもそう呼んでくれ」
彼が孫らしい。およそ20代中盤といったところだろう。
髪を後ろに束ねて縛っており、眉の近くには傷跡がある。野生児らしい活動的な顔つきだ。
防具は動きやすいようにか肩当を外した代わりに立襟が目立つ。その下には程よく筋肉のついた胸元を曝け出しており、自然に鍛え抜かれた肉体をありありと眺めることができた。
『け、結構いい男……』
声に出さないながらもうさぎ、レイ、まこと、美奈子の4人は揃ってぽっ、という音が似合うほど顔を紅く染めた。
ついでに、ルナも。
真面目な亜美でさえも、両手で目を塞ぎながらも指の間から男を垣間見、唯一の
「……うさぎには衛がいるだろ」
「あっ、はいっ! ぜひあたしたちに異変を解決させて下さいですっっ!」
うさぎは改まったように屹立して叫ぶが、慌てて誤魔化そうとするあまり吃っている。
調査班リーダーは少女たちの間で行われた密やかなやり取りに気づかず、
「なるほど、さっそく素晴らしい心意気だな。……さて、実はそのことなんだが」
彼が隣を見やると、総司令は意外なことに難しい顔をしていた。
「意気込んで来てくれたところ、申し訳ない。実は現在、緊急事態が起こっているのだ。……ほら、見ればわかるが随分とがらんどうだろう」
総司令の視線に従い、うさぎたちは会議場からアステラ内を見渡す。
天然の崖からできた壁以外に遮るものはなく、大海を水平線まで見通せる、まるで巨大テラスのような空間だ。敷き詰めれば千人以上は入れそうだ。
しかし、明らかに人員が少ない。
普通、こういう拠点は人が使いやすいように適度な広さに設計されているもの。しかし今はかなりスペースを持て余しているように見える。
「追加募集をかけてからも、我々は調査のため新大陸各地に大量の団員と物資を送り、近日中には各地の調査結果を一旦、アステラに集約する予定だった。そこまでは良かったのだが……」
一瞬、総司令は言うのを躊躇うようにため息をついた。
「……実は、新大陸中の団員と連絡が途絶したのだ」
「……途絶?」
レイが思わず聞き返す。
「先日の夜のことだ。その夜は嵐だったのだが、雷とも似つかない、何か爆発したような轟音が聞こえた。その翌日から、連絡に使っている翼竜が何かを怖がって全く飛ばなくなってしまったのだ──」
翼竜というのは、総司令の近くに設置された止まり木に掴まっている小型の竜のことだろう。とはいっても、青みがかった翼を広げれば横の全長が8mには及びそうだ。
その鳥を想起させる竜は縦に広い嘴を持っており、身体には胸当てのようなものが装着されていた。穏やかに翼を畳んで爪を齧っているところから、よく人に懐いていると見える。
「それ以降、各地にいる団員の安否確認すら取れないでいる。非常にまずい状況だ」
うさぎがその言葉を聴いて視線を戻すと、気まぐれにあちこちを見渡す翼竜とは反対に、総司令は真剣な顔でこちらを見つめていた。
「大多数のハンターたちもまとめて奥地に行ってしまい、現在は救助すらままならん。そこへちょうど君たちが来た。これ幸いにとは決して言いたくないのだが……」
総司令は俯いたのち、再び顔を上げた。
「どうか君たちに、調査成果の持ち帰りと共に団員の安否確認、場合によっては救助を頼みたいのだ。無論、サポート面の協力は惜しまない」
少女たちは互いの瞳を見つめ合った。
だがそれぞれの表情からして、答えは既に決まっていた。
「ぜひ、あたしたちに任せてください。なんだってやります!」
どんな逆境であろうと、彼女たちはこの新大陸に挑まねばならない。
何よりも、時間がないのだ。
既にそれを分かっているが故の即答である。
うさぎが会議場に並ぶ面々に向けて告げると、それで肩の荷が下りたのか、
総司令は心なしか頬を緩めた。
「……心から感謝する。ではまず、あの門を抜けてすぐそこにある『古代樹の森』に向かってほしい。ここからでも見える、巨大な樹を中心に広がる森だ」
彼が指した、アステラの玄関となる巨大な骨のアーチ。その向こうに、まるで山のような茂みが見えた。
あれが古代樹だろう。崖を跨いで見えるというのはかなりの巨大さである。
続いて総司令は、先ほども見えた植物の繁茂する施設を指差した。
「あそこにある『植生研究所』の所長と新しく入った助手が、『古代樹の変化を見てみる』と飛び出したきり帰ってこないのだ」
「……まさか、走ってったんですか!?」
「ああ。ハンターすら付けずにだ」
まことの問いに総司令は苦い顔で短く頷いた。
少女たちも一気に同じ顔になる。
──天才と変人と問題児の集まり──
船長の言葉に偽りはないようだ。
「よし、それでは案内役は俺が務める。これを各自身に着けてくれ」
いつの間にかその場を抜けて、そして帰ってきた調査班リーダーは大きな木箱を目の前に置いた。
そこにはちょっとした辞典くらいの厚さはある5冊の赤い本、総司令が身につけているのと同じ緑に光る虫籠と小さな鉄製の弩が、5セットずつ入れられていた。
「ハンターノートと
その内容物を見て、スリンガーを付けようとしていた亜美が気づいて顔を上げる。
「そういえば、5人で行って大丈夫なんですか?」
他の少女たちも思い出して、調査班リーダーの顔を覗く。
ハンターは4人で狩りに赴くもの。それが、彼女たちの間でも常識となっていた。
だが、男はきっぱりと答える。
「それはあくまで現大陸のジンクスであり慣例だからな。状況も状況だから、君たちの判断に任せよう」
驚いたように少女たちは顔を見合わせる。
これぞ、変わり者の集まりゆえの柔軟さか。
調査団にはどうも、これまでの慣習に囚われない気質が備わっているようだった。
それを踏まえたうえで、うさぎは答える。
「……なら、5人で行きます!」
後ろに控える総司令は、腕を組みつつ微笑して頷く。
彼女の言葉に反対する者は、1人としていなかった。
その期待を込めた目つきに答えるように、少女たちは箱から道具を取り出していく。
ハンターノートは、新大陸の地図もモンスターの生態も、更には武器の操作指南までも書かれた優れもの。
導蟲は捜索目標の匂いに反応して群がる性質を持つ蟲で、主に狩猟するモンスターを探すのによく使われるらしい。
スリンガーは左腕に付ける小型の弩で、拾ったあらゆるものを射出できる。用途は対モンスター、ロープを引っ掛けての移動など実に幅広く、一般人でも扱える万能道具である。
「スリンガーの操作については後で簡単に説明する。さあ、まずは虫籠に布を近づけて揺すってみてくれ」
それを受け、全員が調査班リーダーの指示通りにしてみる。
すると、それぞれの虫かごから蛍光色の光点の集まり──正確には導蟲──が飛び出し、昼でも眩しく思えるほど光って飛んでいく。
やがてそれらはアステラ入口にある骨のアーチ付近で、ある程度の纏まりをもって静止した。恐らくは住処である虫籠を見失わないように待っているのだと思われた。
「これで、後を辿るだけで所長か助手を見つけられるというわけだ」
調査班リーダーは先導して歩きつつそう説明する。
今まで一々ペイントボールをモンスターにぶつけて臭いを追っていた少女たちにとっては革新的である。
「はぇー、べんりー!」
「これで誰かさんみたいにいつまでも迷子になることもないってことね」
素直に感心していたうさぎは、何食わぬ顔で皮肉を言ってきたルナをムッとした顔で睨んだ。
一方で、美奈子も思い出したように猫の相棒であるアルテミスに振り向いた。
「そういえばルナとアルテミスはどうするのよー。防具つけてないみたいだけど」
「僕たちは拠点を見て回るよ。ここ最近、狩りに参加するには身体が鈍っちゃってさ……」
彼は片方の肩を回し、ぽきぽきと鳴らす。
少女たちは「あー……」と察したように声を漏らした。
そういえばルナとアルテミスは、モガ村でずっと衛の看病をしていたのだった。
それに古龍との遭遇もあり得るこの大地。並みのアイルーより身体の線が細い彼らでは流石に分が悪かろう。
「では、私がアステラを一通り案内しておこう。仲間の1人でも施設の使い方を分かっておいた方がいいだろうからな」
総司令が名乗り出ると、美奈子は「ほんとですか!?」と素直に喜ぶ。
うさぎもありがたそうに愛想のいい笑顔かつ丁寧な扱いでルナを抱き抱え、総司令の前に置く。
「じゃあ、なにとぞうちの子をよろしくお願いしますー。皮肉屋で一々言うことがとげとげしてて
「……」
為すがまま引き渡されるルナは、不機嫌そうにムッと顔をしかめる。
天然でどこか抜けているうさぎと皮肉屋でしっかり者のルナ。何年経ってもやはり、このちぐはぐさは変わらない。
とにかく少女ハンターたち一行は、案内役の調査班リーダーを先頭にしてアステラを出発した。
行き先は古代樹の森。
巨大な樹を中心に渦を巻くように森林と豊かな生態系が広がる地域である。
「じゃあ……みんな、頼むわよ!」
気を取り直した黒猫の声援と白猫の視線を背に受けながら、少女たちは未知の大地に足を踏み入れた。
4編から内部と外部で舞台が分かれますので、内部の話はサブタイトルに(☽)のマークで、外部は(☆)のマークで示します。
基本的に相互にエピソードが交代して進むので、一方の動きを追いにくくなるかと思います。そのため次回からは、新しいエピソードに入るたびに簡潔な前書きを置く予定です。
(登場人物が多いのと出したい古龍が多岐に渡るため、このような形式となりました)