愛さんの隣の席は苦労人   作:モッピ

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第101話

「し、死ぬかと思った……。」

 

愛「ジュンジュンおつかれー!大活躍だったね!」

 

「どこがだよ。相手全員に追いかけ回されてボロボロにされたんだぞ。」

 

愛「でも何人かはちまき取ってたじゃん!いやぁさすがだね!」

 

「無事に終わりたかったわ。」

 

地獄の騎馬戦がようやく終わり、今はクラスのテントで休んでいる。開始と同時に狙われた挙句味方は誰も助けてくれず結局打ち果てました。

がむしゃらになって何人かはちまき取ったが結局数には叶わなかった。

 

かすみ「先輩男子生徒にも大人気でした!モテる男は辛いですねぇ??」

 

「あっち行け。」

 

かすみ「なんですかその態度は!せっかく可愛い後輩が慰めに来てあげたのに!」

 

「頼んでねぇわ!第一ここお前のクラスじゃないだろ!」

 

愛「まぁまぁそう言わずに!黙って労ってもらいなさい!」

 

「いやなんか違う。」

 

愛「もー不貞腐れちゃって。あ、次は愛さんの出番だね!てかジュンジュンもじゃん!」

 

「………えぇ??」

 

愛さんに言われ競技を確認すると次は"借り物競争"と書かれていた。そういえばこれも出なきゃだったなぁ……俺今終わったばかりなんだけどなぁ。

 

歩夢「準太くん、私も出るから一緒に頑張ろ??」

 

「歩夢ちゃんも出るの?なんか意外。」

 

歩夢「こ、これしか残ってなくて。」

 

「そ、そっか。」

 

愛「歩夢も出るの?!これはテンション上がりますなー!」

 

「君はいつだってテンション上がってるでしょ。」

 

愛「まーたそんなこと言って!ジュンジュンも楽しみでしょ!」

 

「いや全く。」

 

愛「あ、呼ばれたよ!それじゃー出発ー!」

 

「え、無視??おいだから引っ張んなって!」

 

******

 

こうして借り物競争を行っているわけなのだが、俺が取った札はとんでもないものが書かれていた。

えぇこんなんひとりしか思い当たらないじゃん。

 

「あの子どこにいるかなぁ……探すのがもう苦労じゃん。」

 

周りを見渡すと参加者がそれぞれ提示されたものを借りに走り回っている。すると後ろから肩を叩かれ振り向くと……

 

かすみ「せ、先輩……ちょっといいですか?」

 

「やだ。」

 

かすみ「なんで断るんですか!かすみんの頼みですよ!」

 

「やかましい!てかお前もこの競技出てるのかよ!」

 

かすみ「好きで出てないですよ!それより行きますよ!」

 

強引に手を捕まれゴールへ向かう。なんで俺はこいつに引っ張られてんだよ。そもそも借り物が俺って……まさか。

 

「な、なぁ…ちなみにお題ってなんだ?」

 

かすみ「ゴ、ゴールしたら教えます///」

 

珍しく顔を赤くしてこちらを見ずに言うかすかす。……え、やっぱこれってそういうことだよね?

考えを巡らせているうちにゴールをし、ようやく手を話してくれた。

するとかすかすは満面の笑みをこちらに向けた。

 

かすみ「いやぁ先輩のおかげでゴール出来ました!ありがとうございます♪」

 

「お、おう……ところでお題って……」

 

かすみ「しょうがないですね〜見せてあげますよ♪」

 

ドキドキしながら渡された紙を見る。するとそこには……

 

「"生意気な先輩"??」

 

かすみ「もうこんなの先輩しかいないじゃないですかぁ。」

 

「このやろう……どこまでイライラさせれば「ジュンジュンいた!」……え?」

 

可愛くない後輩を始末してやろうと思った矢先、愛さんに声をかけられ今度は愛さんに手を引っ張られてゴールへ向かう。

 

「な、なんだよ!愛さん何書いてあんだよ!」

 

愛「それは秘密ー!」

 

「なんでどいつもこいつも教えてくれねぇんだよ!」

 

愛「細かいことは気にしない!このまま真っ直ぐゴールするよ!」

 

またしても強引に引っ張られ愛さんと共にゴール。愛さんは隣ではしゃいで飛び跳ねてる。こらこらいつまで跳ねてるんだ?

 

「それで、お題ってなんだったんだ?」

 

愛「え、えっと……これ。」

 

恥ずかしそうに紙を渡す愛さん。あれ、このシチュエーションかすかすと同じじゃね??嫌な予感……あれ。

 

「"大事な人"……。」

 

愛「見た時やっぱ思い浮かぶのジュンジュンしかいなくてさ///」

 

「そ、そっか……。実は俺もお題で愛さんを探してたんだけど。」

 

愛「そ、そうなの?!てことはジュンジュンのお題も……///」

 

「え、あー……俺はいいんだ、やっぱ他の人探す。」

 

愛「なんでさ!愛さん探してたんでしょ?!それならもうゴールでいいじゃん!ほら見せて!」

 

「い、いやこれは……。」

 

愛「愛さん見せたんだからジュンジュンも!ほら!」

 

「や、やめろ、」

 

愛「えへへ、ジュンジュンも同じような……」

 

はにかみながら俺のお題を見る愛さんは一瞬で笑顔が固まった。なぜなら俺のお題は……

 

愛「ちょっとジュンジュン!"うるさい人"なにさ!愛さん探すのおかしいでしょ!」

 

「4月からあんなに隣で話されたらもう頭に愛さんしか思い浮かばなかったんだよ!」

 

愛「さっきの流れでよくこれ出せたね!ありえないよ!」

 

「愛さんが出したんだろ!俺だってこんな流れになるなんて思わなくて出せなかったんだよ!」

 

 

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