「ボランティア??」
愛「うん!今週の日曜日に町内ボランティアがあるんだけど、一緒にどうかなって!!」
ある日のこと。昼食を食べている時に愛さんからボランティアに行かないかと話があった。なんでも町内会でゴミを拾って綺麗にしようって話のようだ。正直ボランティアをした事がなくどういう感じで行われるのか分からない。
「参加したら何か貰えるの??」
愛「愛さんの愛だよ!!愛だけに!」
「いらない。」
愛「ちょっ!!それ彼女に言うセリフなの?!」
「やかましい!!求めた回答と違うんだよ!物だよ物!」
愛「だから、愛さんの「違うんだって!!」ちょっと最後まで言わせてよ!!」
ダメだ。Aでの質問をBで返してくる。いつも通りと言えばそうだが未だに慣れない。
愛「もう!ジュンジュンいつも愛が欲しい。毎日注入したいって抱きつきながら言ってんじゃん!!」
その発言をした瞬間、さっきまで賑やかだった教室が一気に静かになり視線がこちらに向けてくる。
おいおいおい……なんて事言いやがるんだこの愛さんは!!
「ちょっと待て!!俺そんな事言った覚えないぞ!」
愛「あれぇ??でもこの前愛さんの部屋でイチャイチャした時にデレデレした顔で言ってたじゃんかー。」
ニヤニヤしながら言う愛さん。その発言がさらにクラスメイトの表情を変えさせる。ある女子生徒は顔真っ赤にしたり黄色い声をだしたり、ある男子生徒は妬むような表情をする者や戦闘態勢に入るものがいる……え、やめてよこっちこないでよ??まじで嘘だからね。
愛「まだあるよー??ジュンジュンは最近帰り道……」
「ちょっと愛さん外に出ようかね?!」
俺は勢いよく愛さんの手を取り教室を出る。ダメだ、このままだとあることないことクラスメイトに吹き込みかねない。
おそらく愛さんはボランティアに行くと言うまでこの調子でおちょくってくる魂胆なのだろう、なんて子だ。
「はぁ…分かったよ。日曜にボランティア参加すればいいんだな??」
愛「そうこなくっちゃ!!日曜が楽しみだね!」
「どこかだよ。」
というわけで……ほぼ愛さんの策略にハマったというのもあるが俺は町内のボランティアに参加することになった。何も起きなきゃ良いんだが。
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愛「おーい!ジュンジュンおはよ!」
「おーう……」
愛「ちょっ、何か暗いんだけど大丈夫??」
「誰のせいだ。」
当日、俺はかなり寝不足の状態で指定された町内の公園に来た。なんで寝不足かって??
そりゃいつもの如く前日に愛さんからの鬼メッセージで寝れなかったんだよ。寝ようと思ってもスマホがブーブーうるさくて寝れやなしなかった。
「夏目くん、今日は来てくれてありがとうね。」
「あ、いえいえ。いつも皆さんにはお世話になってるのでこれくらい。」
俺が来たのことに気づくと同じくボランティアに参加する町内会長さんが声をかけてくれた。愛さんによって渋々みたいな流れにはなっていたが普段町内の皆さんにはお世話になっているため純粋に力になりたいと思ったのも本音だ。
愛「愛さんにもお世話になってるでしょ??」
「うるさい俺にお世話かけてますの間違いだろ。」
愛「なんで?!」
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時間になるとそれぞれ担当箇所を分けてごみ拾いをすることになった。参加者の中にはお年寄りから子供まで幅広い年齢層がいて、みんなとても張り切っていた。くそ、俺も寝不足じゃなければもっと元気で動けるのに。
「さて、俺の担当箇所は……」
立てかけられたホワイトボードに貼られてある紙を見て自身の担当を探していると町内会長から呼ばれる。
「あ、夏目くんはみんなとは違う所をお願いしたいんだか頼めるかい??」
「違う所??良いですけど、どこになるんですか??」
「公園から少し歩くと池があるだろ??そこにいる魚を捕獲して欲しくてね。」
……え、魚??ごみ拾いじゃないの??
「実はそこの池に外来種がいるんだが、池の小さな魚たちを食べてしまっているんだ。数も増えてしまってこのままだと本来いた魚たちが全滅してしまうことにもなりかねない。今回の参加者で夏目くんと愛ちゃんが一番動けて頼り甲斐があるから是非お願いしたいんだ。」
なるほどね、よく問題なってるペットだった外来種を捨ててしまったことで元々いた生物を脅かしてしまってるやつか。できるか不安だが町内のためだ、やるしか……あれ、今愛ちゃんって言った??
愛「大丈夫だよおじちゃん!!愛さんとジュンジュンで外国の魚を全部捕まえてあげるからね!」
「やっぱ聞き間違いじゃなかった。」
愛「ジュンジュン頑張ろうね!!」
こうして俺と愛さんは池の外来種を捕獲することになった。ごみ拾いじゃないし。
だがこの後俺たち……いや俺はとんでもないことに巻き込まれてしまうのであった。