お昼も食べ終わり俺たちは璃奈ちゃんが試合をするコートまで来た。対戦相手は……2年生か。見た感じ体育会系チームだな。璃奈ちゃんを見ると無表情ではいるが緊張しているのが何となくだが分かる。
「緊張しているのか。」
璃奈「う、うん…少しだけ。」
愛「りなりー大丈夫だよ!リラックスリラックス!」
「リラックスできないから困ってんだろ。その緊張感のなさ分けてやれ。」
愛「愛さんに任せなさい!…って、なんで試合にでないジュンジュンが緊張しているの??」
嘘なんでばれたの。結構ポーカーフェイス出来てたつもりだったんだけど。なんかお昼に話してから璃奈ちゃんが妹みたいにしかみれないんだよなぁ。こんな可愛い妹が試合に出るんだから誰だって緊張するだろ!はい、俺は馬鹿です。
璃奈「夏目さんも緊張しているの??」
「ま、まぁ知り合いが出る試合だからどうも落ち着かなくてな…あはは。」
上手い、我ながらそれっぽいこと言って誤魔化せた。
璃奈「変なの…ふふっ」
その時初めて無表情な彼女が笑顔になったのを見た。普段あまり見れないであろうその笑顔に不覚にもドキッとしてしまった。
璃奈「ふたりのお陰で少し楽になった気がする…行ってくるね。」
愛「うん!!りなりー頑張ってね!」
「いってこい。」
璃奈ちゃんはさっきまでの固さはなく、その足取りは軽くなっているように思えた。よかった、緊張がなくなったみたいで。
愛「なんかジュンジュン、りなりーに甘々な気がする。」
「気のせいだ。」
愛「……ふーん??」
「おいなんでそんな目で俺を見る。愛さん怖いぞ。」
愛「別に~??ほら、りなりーの応援するよっ。」
おいおいなんかご機嫌斜めになっちゃったよ。いつもの笑顔はどうしたんですか。女心分かんねぇぇぇ。
愛「はぁ…なんで愛さんあんな態度しちゃったんだろ。」
「なんか言ったか??」
愛「ジュンジュンはどあほうって言ったの!!」
「理不尽すぎる…」
こうして璃奈ちゃんの試合が始まったのだが…相手チームがすごい。熱血男女がそろっておりひとつひとつの動きがうるさい。ただでさえ気温は高いのにここのコートだけもっと高くなってる気がする。絶対当たりたくない。
璃奈「はぁ…はぁ…」
そんな連中を相手に璃奈ちゃんは一生懸命動いていた。あの小さな体ではるかに自分より大きい相手に挑んでいたのだ。やばい、涙出そう。
愛「りなりー頑張れぇ!!ホークアイを使お!!愛だけに♪」
「それ言いたいだけだろ!…もうちょいまともなアドバイスしてあげて。」
愛さんに突っ込んでいるとコートから歓声が聞こえ、見ると璃奈ちゃんが相手を振り切りゴールへ向かっていた。そしてそのままゴールを決めて点を取った…しかし。
璃奈「あっ…!!」
愛「りなりー!!」
ゴールを決めたと同時に転んでしまった。周りもタイムアウトを取って璃奈ちゃんに心配の声を掛けるが…
璃奈「だ、大丈夫…続けよ。」
璃奈ちゃんはそう言うと立ち上がり、試合続行を促す。普通ならしばらく動きたくないだろうに…チームに心配かけさせたくなかったのか。
愛「りなりー大丈夫かな…」
「心配は試合が終わってからしてやれ。今はあの子がそうまでして続けようとするこの試合を見届けてやろう。」
愛「そんなこと言って、ジュンジュン凄い心配そうな顔してるじゃん♪」
「…うっせ。」
俺たちが見守る中試合は熱血チームの勝利となった。しかしそれでも璃奈ちゃんのチームは最後まで諦めず戦っていた。この球技大会で初めて感動した試合かもしれない。まぁ俺が相手したチームがろくでもなかっただけだけど。
愛「りなりーお疲れ様!!すっごくかっこよかったよ!!愛さん感動しちゃったぁ♪」
璃奈「ありがとう。でも、負けちゃった。」
「…怪我したとこは??」
璃奈「え…??」
「怪我したの隠すなよ。愛さん、医務室行くぞ。」
愛「うんっ!!早く手当しないとね!」
璃奈ちゃんを連れて俺たちは医務室に行って怪我の手当てをした。幸い大したことのない傷で済んだが早く処置が出来てよかった。
「……お疲れ様。かっこよかったぞ。」
璃奈「…でも、勝てなかった…」
愛「りなりーかっこよかったよ!!敵は愛さん達がとる!」
璃奈「愛さん…」
「まぁそういうことだ…よく頑張ったな。」
璃奈「……ありがとう///」
無表情ながら照れているのが伝わる。あぁいいなぁこんな妹が欲しかった。
愛「ジュンジュンデレデレしない!!試合行くよ!」
「してないわ!!」
その後俺達のチームの試合時間になり、順調に勝ち進み次の相手があの熱血チームになった。あぁ暑いなぁ嫌だなぁ……
「さて、さっさと勝って決勝戦だ。」
愛「さぁ、ガンガン行こーか!!」
「好きだねそのセリフ。」