愛さんの隣の席は苦労人   作:モッピ

43 / 105
第42話

終業式が終わり今は夏休み、部活の練習に明け暮れる毎日だがオフの日はしっかりだらだらしている。オフなんだからどこか行けばいいって??馬鹿お前なんでアホみたいに暑い外へ行かなきゃいけないんだよ。冷房の効いているマイルームで過ごすのが1番じゃん。

そして今日はオフの日。俺が自分の時間を楽しんでいると愛さんから連絡が入っていた。確認してみると、どうやら彼女は同好会の合宿に行っているらしい。

そう言えばそんなこと言ってたっけな。

 

愛『今からランニングだよっ♪』

 

何の報告だよいるかこれ??俺今トイレって言うくらい報告が必要ないと思うんだけど。つーか夏休み入ってから愛さんの返信やたらと多いんだよなぁ……

 

「『楽しんでおいで』っと……我ながらなかなか適当な文を送ったな。」

 

愛さんに送って再びだらけようとするとまたもや通知が来た。何だよ邪魔しないでくれよ。確認するとまた愛さんからだ、それには写真とメッセージが来ており開いてみるとそこには愛さんたちが美味しそうなパフェを食べている写真だった。そしてメッセージにはーーー

 

愛『あ、パフェも食べたよ♪』

 

何でもいいわそんなこと!!!しかも事後報告じゃねぇか……楽しいのは分かるけどさぁ、いるこれ??はい、愛さんからしたらいるんですよね分かってましたよ。

 

俺は『美味しそう』とだけ返してスマホを閉じた。あいにく俺は周りみたいに"え、美味しそう!どこのお店??"とか"楽しそう!いいなぁ私もそういうのしたい!"みたいなメッセージは出来ない、だって思わないもん。

 

もう頼むから俺のオフを邪魔しないでくれ…と思っているとまたまた通知が。

いい加減にしろよあの子……っと思ったら全く予想したいなかった人物からのメッセージだった。

 

海未「今日は来て頂きありがとうございます。」

 

「別にいいさ。久々に海未の家に行けたわけだしな。」

 

俺は海未から弓道をもう一度したいと誘われ中学ぶりに園田家にお邪魔している。我ながらあんなに外出たくなかったのに行ったの凄いと思う。それにしても気温マジでおかしい、園田家に着いた時にはもう汗びっしょりになってしまってたよ。

 

海未「道場は既に的を立てて準備は出来ているので早速始めましょう!」

 

「待って少し休憩させてお願い。」

 

居間で海未と談話しながら涼しんだ後、道場へ行き支度をする。相変わらず広いなぁ、うちの道場より広いんじゃないか??

 

海未「それでは、いざっ!参ります!」

 

「なんか大会の時より意気込んでない??」

 

海未「当たり前です。これは雪辱戦なのですから。」

 

「そこまで大層なものではないと思うんだが……」

 

そして俺たちは個人戦の形式に沿って試合を始めた。バスケをし始めてブランクがあるかもと心配していたが俺の体は訛っておらず、大会の時のように弓を引けた。

そこから何回試合をしたか覚えていない。お互い勝っては負けての繰り返しで気づくと夕方になっていた。

 

海未「もうこんなに時間が経ったのですね。次で最後にしましょう。」

 

「そうだな、最後は勝って良い気分で終わりたいなぁ。」

 

海未「そう易々と勝たせるつもりはありませんよ??必ず私が勝ってみせます。」

 

最後の試合はお互い4本中3本あたり、最後の1本で決まることになった。引き分けになる場合もあるが俺自身何となく、どちらかが当ててどちらかが外すと思っていた。そして、弓を引き放たれた矢はーーー

 

海未「ふぅ……今回は、私の勝ちですね♪」

 

「ぐっ……自信あったのになぁ。」

 

海未「ふふっ、大会のリベンジが出来て満足です。ですがこれで引く準太ではないでしょう??」

 

「当たり前だ、次は必ず勝つ。」

 

海未「そうでなくては♪」

 

道 試合を終え、道場の片付けをし終え居間に戻るとスマホにえげつない通知が来ていた……愛さんから。

 

愛『これから練習するよ!愛さんお昼たくさん食べちゃって動けるかなぁ??』

 

愛『そういえばりなりーがバスケの試合する時教えて欲しいって!もちろん愛さんも行くからその時は全力で応援するね!』

 

愛『練習終わって夕飯作るよ!愛さんの腕がなる〜〜!!』

 

愛 『ジュンジュン寝てるのか!ぐーたらしてないで体を動かしなよ!』

 

愛『ジュンジュン!!』

 

うるせぇわ!!!何なんだよこの報告通知は!!返信こないなら待てよ……てかちゃんと今日体動かしてましたからね??

あ、璃奈ちゃん来てくれるんだ頑張ろ。

 

海未「どうかしたのですか??」

 

「あ、ああ……これ。」

 

海未「ふふっ、2人の仲はどんどん深まってますね♪」

 

「笑ってる場合か!あの子夏休みずっとこんな調子何だよ。どうしてそんなに遊べるんだよ充電満タンになるの早すぎだっての。」

 

海未「それほど愛は準太と話したいんですよ。準太もそうなのでは??」

 

いきなり指摘された海未の発言で一瞬動揺してしまった。愛さんからの連絡に文句を言っているのは嘘ではないがその反面通知が来ると心の中で喜ぶ自分もいる。しかしなぜそんな気持ちになるのかはまだ分かっていない。

 

海未「その様子だと、まだ気持ちに気づいていないようですね。」

 

「気持ち??」

 

海未「一度愛の事を改めて考えてみてはいかがですか??愛はきっと待っていますよ??」

 

待っている??愛さんは一体何を待っているというのだ……

 

園田家を後にして家に着き自分の部屋に戻るとさっきの海未が言ってた言葉が頭から離れない。確かに愛さんは4月からほとんど関わっており、今まで自分の口からは言わなかった沙絵の事も愛さんにならと思い話した。

つまり俺の中で愛さんは大きな存在となっていたのだ。

 

「……愛さん。」

 

自然とこぼした彼女の名前。すると俺の体は熱くなり、心臓もドキドキしていた。どうしたんだよ俺は……

愛さんの事が頭から離れずベッドに突っ伏している俺の横にあるスマホはそれからも彼女からの通知は止まなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。