愛「あ、きたきた♪ジュンジュンこっちこっち〜!愛さんはここだよ〜!!」
「……恥ずかしいっつの。」
分かったからそんな大声で呼ばないでくれ。ほら周りの人達何事かとあなたを見てますよ??そりゃ夏祭りだからテンション高いのは分かるけどさ、あなた常にテンション高いんだから今日くらい落ち着こうよ。
今日は愛さんと約束した夏祭り。あらかじめ決めていた場所に行くと既に愛さんは待ってくれており、浴衣を着ていた。イメージカラーの様にオレンジの浴衣でいかにも愛さんらしい。その姿はいつもの愛さんとは違う少し大人びた雰囲気を放っており、周りの男性もチラチラと彼女を見ている。
……あれ、なんでそれだけで胸が騒いでんだろ。
愛「お!ジュンジュンも浴衣着てるじゃん、なんだかんだ楽しみにしてたんだ♪」
「人多いなぁやっぱ帰ろうかなぁ。」
愛「ご、ごめんって!!そ、その……すっごく似合ってるよ♪」
愛さんは柔らかい笑みをしてそう褒めてくれた。その顔を見た時、不意に以前海未に言われた言葉を思い出す。
"一度愛の事を改めて考えてみてはいかがですか??愛はきっと待っていますよ??"
正直まだ今愛さんへの気持ちが分かっていない。しかしこれまであちらこちら俺を振り回すとんでもない隣の席の女の子から、ふと見せる表情や仕草、そして愛さんがいることに安心を抱く存在になっているのは確かだ。
この夏祭りで何か見つけることが出来るだろうか。
「………。」
愛「ジュンジュン何ぼーっとしてるの??」
「えっ、あー……悪い。」
愛「もしかして愛さんの浴衣姿に見とれていたな〜♪」
「……そうだよ。愛さんもその…似合ってるぞ??」
愛「へ………///」
考えていたこととは違うが愛さんの浴衣が似合っていると思っていたから正直に言うと愛さんは惚けた顔をした後みるみる顔が赤くなった。
愛「も、もうそろそろ行くよ!今日は屋台回って沢山食べて花火見るんだから!」
「お、おいちょっと待てって!」
そう言うと愛さんは俺の手を掴み祭り会場へ引っ張った。待って待って急に引っ張らないで女の子にそんなことされたことないから!!
愛「愛さん燃えてきた〜!!!」
******
愛「ジュンジュン見て!!景品獲得っ!!」
「それで何個目だよ。」
今俺たちは射的をしているわけなのだが……愛さんが凄い、とにかく凄い。射的をする前も輪投げやらだるま落としやら色んな遊戯をしたのだが必ず景品を取っている。おかげで俺の手には愛さんが獲得した景品だらけ。これどうするつもりよ……
愛「あはは、夏祭り行くとやっぱりしたくなっちゃうんだよね!!」
「それはいいけど、部屋に全部置くのか??」
愛「ううん、これは全部子供たちにあげようと思ってさ。」
「子供たち??」
愛「そうっ!今度同好会で保育園に行って子供たちと遊ぶから、その時にプレゼントしようかなって♪」
その為にやっていたのか……きっと子供たちに少しでも楽しんでもらおうと愛さんなりに考えていたのだろう。無邪気に笑って屋台を楽しんでいるそんな愛さんを見て、彼女がどれだけ周りの事を考えているのか改めて俺は知った。
「んじゃ、俺も何か景品取ろうかな。」
愛「そんな事言って、さっきから残念賞ばっかじゃん♪」
見栄を張るものではありません。
愛さんと屋台を回っていると徐々に人混みが多くなり、前に行こうにもその隙間さえなくなっていた。
そしてその状況で俺と愛さんは……
「あれ……愛さん??」
はぐれてしまった。さっきまで隣ではしゃいでいたはずの彼女が気づくと消えており、周りを見渡しても愛さんはいなかった。
友達なら後から連絡しようと思ったが、愛さんは直ぐに見つけたいと思った。
「どこにいるんだ……いつもすぐ見つかるのにこういう時に限って…!!」
どれだけ探しても見つからない。前にいるのか後ろにいるのか見当もつかず、やきもきしていると、通路外に愛さんの姿が見えた。彼女はいかにもチャラそうな3人組の男性に詰め寄られており、逃げれないでいた。
俺はその光景を見ると考えるよりも先に愛さんの元へ向かっていた。
「……探したぞ、愛さん。」
愛「ジュンジュン……!!」
「ちょっとお兄さん、今俺たちお取り込み中だから邪魔しないでよ。」
愛さんを連れて行こうとすると3人組の1人が声を掛けてきた。もうここは察して諦めろよ……
「お取り込み中……一方的に話し掛けて、困らせているようにしか見えませんでしたが??」
「はぁ何言ってんの??俺たちが先に見つけたんだからお前は1人で祭り楽しんでろよ。」
先に見つけた??何を言っているんだこいつは。3人で愛さんを囲んで逃げられないようにして、俺が1人なのをいい事にでかいツラしやがって……
その時、俺は自然と言葉が出てきた。
「……ふざけるな。」
「あ??なんだって??」
「俺の……愛に…これ以上近寄るな!!」
愛「ジュ、ジュンジュン……///」
「こいつ、調子に乗りやがって…!!」
「調子に乗っているのはお前らの方だ。3人いるからとデカい態度をするなんて随分と心が小さいな。3人じゃないとナンパ出来ないならするんじゃねぇよ、馬鹿が。」
「ぐっ……!!!」
「図星だから否定出来ないだろ。二度と彼女に近寄るなよ……分かったか??」
俺の一言を最後に男達はその場から動けないでいた。横にいる愛さんも顔が固まっており、動いていなかった。……おいなんで愛さんまで動かないんだよ。
そんな愛さんの手を引っ張り俺は屋台のある方へ歩き出した。
「……行くぞ///」
愛「へ??あ、う、うんっ!!」
******
愛「〜〜♪♪♪」
「……なんだよ。」
愛「えへへ、別に〜〜♪♪♪」
あの後愛さんはずっとニコニコして俺の腕に抱きついて歩いている。気味が悪いし歩きずらいし柔らかいの当たるし……やっぱ歩きずらい。
愛「ジュンジュン、さっきは……ありがとう。嬉しかったよ♪」
「べ、別にいい。見つかってよかった。」
愛「見つけてくれたもんね〜♪」
「……たまたまな。」
愛「はいはい、そういう事にしておくねっ!!」
「……///」
愛「そっかぁ〜、愛さんはジュンジュンのなんだ〜♪♪」
「うるせぇぇ!!あの時は彼氏って思ってもらった方がいいと思ったんだよ!!///」
愛「そうだよね〜〜♪」
あぁもううるさいなこの子は!!ずっといじってくるじゃねぇかよ勘弁してくれ……と思うが、実はナンパした男達に言いながら自分の気持ちがはっきりとあの時気づいた。
俺は……愛さんが好きなんだ。
たくさん書いてしまいました!
ここからシーン別になる時*を使うことにします!
こっちの方が見やすいかな??