愛「た〜まや〜!!!」
「………。」
愛「ほら、ジュンジュンも言おうよ!た〜まや〜!!」
「たーまやー。」
愛「もっと元気に!!そんなんじゃ綺麗な花火上がらないよ!」
「上がってるじゃん。」
愛「もう、さっきからジュンジュン変だよ??」
「ほっとけ。」
俺は愛さんのことが好き。さっきこの気持ちに気づいてから明らかに愛さんを意識してしまっている。本人は気づいていない様だが……
好きと知ってから今までの感情全てに合点が行く。愛さんの笑顔を見た時のドキドキも他の男が愛さん見た時のモヤモヤも家にいると愛さんの事を考えてしまうことも……え、俺頭の中愛さん過ぎない??我ながらキモいんだけど。
そして俺はこの気持ちに気づいてからある事を悩んでいる。それは想いを伝えるかどうかだ。
勿論伝えたい気持ちはある、しかし告白して振られてしまい、この関係が壊れてしまうのではないか……要するにヘタレってだけですね、はい。
愛「あっ、今の結構大きかったよ!!写真撮り損ねちゃった!!」
俺の気持ちを他所に隣で花火を見て楽しんでいらっしゃる愛さんを見てその横顔にまたもドキドキしてしまう。
愛「ねぇ、ジュンジュン。」
「どした??」
愛「来年もこうして、ジュンジュンとお祭り行けるかな??」
花火を見ながら愛さんは俺に聞いてきたもの。その言葉はどういう意味で言っているのだろうか。友人としてなのか、それとも……
「……どうだろうな。クラス違ったら会わなくなるだろうし。」
愛「クラス違っても愛さんが毎日会いに行ってあげるよ!!愛さんだけに!」
「忘れた頃にかましてくるよな。」
愛「毎日言ってあげようか??」
「結構です。」
こうして愛さんと話していると、初めはうんざりしていたのに今は楽しいと思うようになったのが正直驚いている。
こうして愛さんと話すのがいつまで続くのか、来年にはもうこうして2人でいることは無くなっているのか。あれこれマイナスの事を考えていくと自分の顔がどんどん暗い顔になっているのが何となく分かる。
愛「どうしたの、ジュンジュン??」
「いや……なんでもない。」
愛「……ねぇ、この後ちょっと寄り道しない??最後に行きたいとこがあってさ。」
「行きたいとこ??」
******
愛「久しぶりだなぁ〜、ここ最後いつ行ったっけ??」
「球技大会前じゃん。てか最近過ぎて久しぶりではないだろ。」
愛「いいじゃん!気にしない気にしない♪」
今俺たちがいるのは球技大会前に愛さんとバスケをした公園だ。夜だけあって周りに人はおらず、俺たち2人だけだ。
愛さんはブランコに乗ってゆさゆさと、軽く漕いで空を見上げていた。
祭りの時はあんなにはしゃいで空を見ていたのに今はとても静かだ。
「……楽しかったな、祭り。」
愛「うんっ!!景品もたくさん取ったし屋台も回れたし愛さん満足だよ♪」
「ナンパもされたしな。」
愛「ジュンジュン助けてくれたしね♪」
からかうものではありません。しっかり倍にして返されました恥ずかしい。
愛さんはにししっと笑うとブランコから降りて俺の正面に立った。その表情はさっきまで俺をからかっていた顔と違い、柔らかな笑顔であった。
愛「今日は本当にありがとうね。夏祭りは勿論楽しかったし、その……助けてくれたのが愛さん凄く嬉しかったんだ。」
「お、おう……そりゃ連れが変な男達に絡まれてんだから知らんぷり出来ないだろ。」
愛「……愛さんが連れだから助けただけなの??」
「え、いや、それだけじゃないけど……」
まずい、照れ隠しで言った言葉が愛さんの機嫌を損ねる発言になったかもしれない。なんでこういう時素直になれねぇんだよ……
愛「愛さんね、春からジュンジュンと知り合って、最初は普通に仲良くしたかっただけなんだ。でも……」
「でも??」
愛「ジュンジュンと過ごすうちにいろんな一面を知って、気づいたら愛さんの中でどんどん大きな存在になっていたの。」
突如語り始めた愛さんの話に少し戸惑いを覚える。なぜなら今愛さんが言った言葉は俺がも伝えたかったからだ。最初の知り合いたては同感出来ないが。
俺への想いを伝える愛さんはあたかもこれから告白するような雰囲気を醸し出していた。だがそれはありえない。なぜなら告白するのだとしたらそれは俺なのだから。
愛「だからね、これからもジュンジュンと色んな所へ行って色んな思い出を作ってまだ愛さんの知らないジュンジュンを知っていきたい。だって……」
そして次の言葉俺が今まで経験したことのないような衝撃が身体中に走り、一瞬思考が止まるほどのものであった。
愛「愛さんは、ジュンジュンの事大好きだから。」