愛さんの隣の席は苦労人   作:モッピ

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第51話

みんなは肝試しをしたことはあるだろうか。お化けとか出そうなコース歩いて驚かされたりするやつね。男女で行ったらそこで恋が生まれるかもだし男がヘタレだったら冷められるし……結構男にとっては博打だよね。

そんな肝試しがこれから俺もしなければ行けないわけなのだが……

 

愛「ほらほらやっぱり愛さんはジュンジュンと一緒じゃん!!楽しみだなぁ♪」

 

「何が楽しみなんだよ。俺がビビる様を見るのがか??」

 

愛「え、ジュンジュンってビビりなの??」

 

「……まさか。」

 

愛「今顔背けたよね。」

 

やはりと言うべきか、俺は愛さんと同じグループになってしまった。そしてもうひとりいるのだが……

 

せつ菜「2人ともよろしくお願いしますっ!!必ずお化けを捕まえましょう!」

 

「肝試しってそういうのじゃないからな??」

 

まさかの生徒会長とも一緒になってしまった。つまり俺にとってうるさい2人とこれから肝試しに行かねばならない。余計疲れると思うんだよね、個人的には早く風呂入って寝たい。

 

主将「いいか準太、コースはこの先を真っ直ぐ行って角を曲がると古いお寺がある。そこに飴が置いてあるからそれを取って帰ってくるように。分かったか??」

 

「コースは分かりましたが何故寺をゴールにしたのか分かりません。」

 

主将「そりゃお前、肝試しと言えばお寺だろ??」

 

「どういう理屈ですか……」

 

愛「もう細かいことは気にしない!愛さんたちの番だよ!ジュンジュン行こっ♪」

 

せつ菜「愛さんの言う通りです!!来たら捕獲すれば良いだけのことです!」

 

「ゴースト○スターズどんだけしたいんだよ。」

 

2人に言われ渋々肝試しを始める。主将が言うには驚かす側はこのコースに散らばっており、うちの部員以外に同好会のメンバーも隠れているらしい。

どのみちビビりがバレるのは避けたい。

 

せつ菜「いよいよですねっ!どんなお化けが出てくるのか楽しみですっ♪」

 

「本物出てこられたらまじで困るんだけど。」

 

愛「やっぱり肝試しってドキドキするよね、何かこう……出てきそうな!!」

 

「やーめーろ!!出て欲しくないから!!」

 

さっきから両端で歩いている2人はずっとこんな感じだ。つっこんでもつっこんでもキリがない。これを繰り返してるうちに恐怖よりも疲労が上回り、怖さを何も感じなくなった。

 

愛「ねね、あそこ何か動いてない??」

 

愛さんが指す方を見ると、草むらでゴソゴソと動いている。驚かす前にバレてるけど大丈夫ですかね。

そっと近づいて正体を見てみると……

 

彼方「すぅ……すぅ……。」

 

愛・せつ菜・準太「………。」

 

彼方先輩が気持ちよく眠っていらっしゃった。よくそんな所で寝れるよね、虫とか結構いそうだけども。

良い顔して寝ているから少し躊躇したが、さすがに場所が場所なので起こすことにした。

 

愛「カナちゃん起きて!!!こんなとこで寝ちゃダメだよ!」

 

彼方「ん……ふわぁ、おはよぉ〜」

 

「おはようございます……てか先輩驚かさなくていいんですか??」

 

彼方「……うわ〜〜」

 

「いやそんな気力のない驚かし方されても。」

 

このままだとまた眠ってしまうと思い、俺たちは彼方先輩を連れてお寺を目指した。ちなみに隣の生徒会長は本当に捕獲用の銃を肩にかけながら歩いている。まじでどこから持ってきたのそれ。

お寺へ向かうまでバスケ部にはもちろんだが、同好会のメンバーにも驚かされ、何回か逃げたくなった。かすかすめ、めちゃくちゃ楽しんでたのが腹が立つ。

お寺に着くといよいよヤバそうな雰囲気があり、一瞬行くのを躊躇したが、他の3人は行く気満々の顔をしておりビビりは俺だけなのだと悟った。

 

愛「それにしてもこの寺ボロいのもあって雰囲気出てるよね〜」

 

せつ菜「早く行きましょう!お化けが待っていますよ!」

 

「なんでそんなノリノリなのか教えて欲しい。」

 

まじでこの2人はおかしい。彼方先輩を見てみろ、さっきからずっと黙ってついてきてくれてるぞ。肝試しは静かに行った方がベストだと思う。

 

お寺に入ると中はボロボロで、そこら中に木のカスや、障子の紙が破れていたり、まさにお化け屋敷だった。

さすがにこの雰囲気にはうるさい2人も息を飲み、恐る恐る入っていった。

 

「よ、よし……これが飴か。」

 

愛「そ、そうだね!!飴も取ったしそろそろ出よっ!!」

 

せつ菜「任務完了ですねっ!!」

 

そして俺たちはお寺を出て、来た道を戻りみんなが待っている場所へと戻ったのだが……

 

主将「お疲れさん。どうだ、ちゃんと飴を取ってきたか??」

 

「取ってきましたよ、ついでに彼方先輩も拾ってきました。」

 

主将「えっ、近江さんを??」

 

愛「カナちゃん道端で寝てたから回収したの!!愛さんびっくりしたよ〜」

 

主将「ど、どういうことだ??」

 

「いや、どうもこうも今言った通りなんですが……」

 

何故か主将は困惑をした表情を見せている。別におかしい事は言ってないのだが。そう思っているとーーー

 

彼方「あれぇ〜、彼方ちゃんがどうかしたの〜??」

 

主将の後ろからひょこっと彼方先輩が顔を出した。えっ、なんでそこにいるの……??

 

愛「あ、あれ……カナちゃんさっきまで愛さんたちの後ろにいたはずなんだけど。」

 

彼方「彼方ちゃんは愛ちゃん達より先に帰って来てたよぉ〜??」

 

恐る恐る俺たちは後ろを見るとさっきまでいたはずの彼方先輩はいなかった。

えっ、じゃあさっきまで俺たちと行動してたのは……

 

愛・せつ菜・準太「………でたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

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