愛さんの隣の席は苦労人   作:モッピ

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第52話

地獄のメニューに耐えて、俺たちバスケ部は心身共に強くなり合宿を終えた。

合宿の最中に愛さんと遭遇して水鉄砲を食らわされるわお化けに会うわで色々と印象深い合宿になった。

そして今日は合宿から帰ったばかりと言うことで部活はないので何をしようか考えているところである。

 

「確か愛さんは友達と買い物って言ってたなぁ……」

 

愛さんとは恋人通しになってから結構頻繁に会っており、合宿でも会っているのだから今年の夏休みの思い出はほぼ愛さんなのである。……あれ、俺友達と遊んでなくない??

 

「……公園でバスケでもするか。」

 

休みの日でもバスケ頭とか、我ながら他にやることないのが情けない。

まぁせっかく合宿で強化出来たものもあるわけだし、復習大事だよね!!

 

******

 

「さて、やりますか〜」

 

ひとりでそう呟くと持ってきたボールで早速練習を始める。砂浜を走った成果なのか、今まで以上に足が強化されている気がする。ボールさばきも早くなり、合宿中は誰も俺からボールを取れなかった。

しかしこれで満足出来ない、何故なら全国にはもっと上のやつがいるのだから。

 

「もっと早く……もっと早く。」

 

黙々と練習していると、周りにいた少年たちがじっと見ていた。あり、もしかして占領しちゃってたかな……。

 

「悪い、使いすぎたな。次使っていいぞ、俺は退くから。」

 

「ま、待ってお兄ちゃん!!」

 

ボールを持って帰ろうとすると1人の少年に声を掛けられた。えぇ文句言われるのかなぁ、こんなん愛さんに見られたらずっとからかわれるじゃん。俺が悪いと思うけど。

 

「お兄ちゃんすっごくバスケ上手いんだね!俺にバスケ教えて!!」

 

「ぼ、僕も!!」

 

「お、俺も!!もっと上手くなりたい!」

 

そう言うとぞろぞろと俺の元へ寄ってきた。そりゃ俺のバスケを見て褒めてくれるのは嬉しいけど……こんな小さい子に教えたことないからなぁ、大丈夫かな。

でも……折角こうして言ってくれてるんだ、できることはしてあげたい。

 

「分かったよ、じゃあ兄ちゃんがレクチャーしてやるから準備しな。」

 

******

 

ーー愛視点ーー

 

愛「いやぁ今日は楽しかったなぁ〜♪♪」

 

愛さんは友達と買い物をした帰路にいる。久しぶりのショッピングだったからたくさん買っちゃった!!後でジュンジュンに見せてあげよ〜♪

そう思いながら歩いていると、公園から何やら賑やかな声が聞こえてきた。近づいていくとボールの音と、少年と……そして愛さんの大好きな彼の声が聞こえてきた。

 

愛「あれ……ジュンジュン??」

 

彼の声がしたので公園を見てみると、そこには微笑ましい光景を目にした。

 

「ほらほら、そんなディフェンスじゃすぐ抜かれるぞ??」

 

「お兄ちゃん早すぎ!!もっと手加減してよ!」

 

「試合じゃそんなこと言えないだろ??全力で挑んでこい、まとめて相手してやるから!!」

 

「くそぉ!!負けないぞぉ!」

 

3人の子供たちを相手に彼が楽しそうにバスケをしていた。子供たちはボールを取るのに必死で動いているのに対して、ジュンジュンは余裕を見せ、その笑顔は無邪気な少年へと変わっていた。

 

愛「全く、大人気ないなぁほんと……ふふっ」

 

そう言いつつも愛さん自身そんな彼のバスケに魅入ってしまう。そして何より楽しそうにバスケをしている彼の笑顔が大好きだった。

以前のように勝つことに必死だった顔ではなく、今は純粋にバスケをしているその姿がきっと沙絵ちゃんは好きだったんだろうなぁ……

 

愛「……よしっ、愛さんも参加しますか!!」

 

彼らの元へ行くと少年たちはキョトンとした顔をして、ジュンジュンはびっくりした表情をしていた。……なにさ、そんな驚かなくてもいいのに。

 

「何で愛さんがいるんだよ。」

 

愛「たまたま公園見たらジュンジュンいたからね〜。行くしかないでしょ!!」

 

「い、いや別に帰ってもいいぞ///」

 

愛「あれあれ、ジュンジュンもしかしてさっきまでの見られてたのが恥ずかしいのかなぁ??」

 

「なっ……///」

 

愛「図星だねぇ。愛さんは好きだったよ、楽しそうに子供たちをいじめてバスケをしていたジュンジュン。」

 

「言い方悪いから、レクチャーしてただけだから……え、ホントだよ??」

 

「お姉ちゃん、お兄ちゃんの知り合い??」

 

愛「うんっ!このお兄ちゃんの恋人だよ!!今から愛さんも君たちに参加するから、お兄ちゃん倒そうね♪」

 

「え、愛さんも入るの??」

 

愛「折角だしいいじゃん♪それとも愛さんが相手だと不安なのかな??」

 

「そんな訳ないだろ、愛さんそこらの選手より手強いんだから。」

 

愛「じゃあ決定だね!!よしっ、いじわるお兄ちゃんを倒すぞ〜!!」

 

「「「お〜!!!」」」

 

「いじめてないから!!悪ノリするなよマジで!」

 

その後はみんなでバスケをやって、日が暮れ始めたら子供たちを帰し、ジュンジュンは愛さんを家まで送ってくれた。

その間愛さんの今日あった事を話してジュンジュンはそれをいつもの様に話を聞いてくれたんだけど、子供たちの話を振るとそっぽを向いて何も話そうとしなかった。でもその横顔は赤く染まっており、照れてるんだなって思うと微笑ましい気持ちになった。

今日は買い物以外にもジュンジュンの新たな一面が見れて素敵な1日でした!

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