愛さんの隣の席は苦労人   作:モッピ

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第53話

愛「はい、タオル!!」

 

「サンキュー。」

 

愛「これ、水筒ね!!」

 

「……おう。」

 

愛「そしてこれが〜…愛さん弁当!!」

 

「ありがとう……てかなんで母親みたいなことしてんの??」

 

今日はインターハイ予選、この日まで練習をした成果を発揮しようと全員が意気込んでいた。

俺は今愛さんの家で持ち物を渡されているのだが……なぜこうなったかと言うとーーー

 

ーー試合前日ーー

 

愛「ねぇジュンジュン、明日試合だったよね??」

 

「んん?ああ、そうだけど。」

 

愛「じゃあ愛さんが弁当を作ってあげよう!」

 

「いやいいよ、普通に悪いし。」

 

愛「何を今更!!どれだけ愛さんの世話になってると思ってるのさ!」

 

「むしろ世話をしている気がするんだが。」

 

愛「とにかく!!明日は愛さんの家に寄って荷物を受け取ること!Do you understand???」

 

「分かったからその話し方やめてくれ。」

 

という事なのである。色々と準備をしてくれたのは嬉しいが弁当がかなりデカい。これ食ってから試合とか出来ないぞ……

 

愛「よしっ、じゃあ行きますか!」

 

「え、愛さんも行くの??」

 

愛「当たり前じゃん!!ジュンジュンが公式の試合出るの初めて見るから楽しみだよ♪」

 

「そんな期待されても答えれるか分からんけど……」

 

愛「あんなプレイする癖に何言ってんのさ!観客で1番目立って応援するからね!」

 

「普通に応援してください。」

 

******

 

会場に行き主将達と合流すると軽くミーティングをした。試合表を見ると俺たちは第1試合からスタートし、それに勝つと第2試合を今日はやることになる。

周りには手強そうな選手がたくさんいて、そんな彼らを見ると早く試合がしたくてたまらなくなる。

愛さんは途中まで一緒に来ていたが、璃奈ちゃんと合流するという事で別れた。俺も会ってから行くと言ったらものすごいジト目をされたから諦めた。

 

主将「よしっ、オーダーは変わらない。今年はうちが優勝するぞ!……頼むぞら準太。」

 

「が、頑張ります……」

 

主将「どうした、いつものお前らしくもない。」

 

「いや、主将に言われるとプレッシャーで。」

 

主将「そんな思い詰めるな。お前の足を引っ張る様な奴はこのチームにはいないぞ。」

 

「……そんなの、入部した時から分かってますよ。」

 

もう一度気持ちを引きしめて俺たちの第1試合が始まった。

相手は全員身長が190cmと巨人の集まりのようなチームだった……なんかこいつら見ると惨めに思えてくる。

 

「おい、なんだあいつ。バスケをやるにしても小さすぎじゃないか??」

 

「ほんとだな、あれじゃ俺たちに潰されちゃうぞ。」

 

……言いたい放題言いやがって。確かにバスケをやるにあたっては身長がものを言う。正直俺も伸びなかったこの身長を悩んでいた時期もあったが……技術で克服した。

今、俺の目の前にいるのは身長が全てだと思い込んでいる連中であると認識した。さて、どう懲らしめてやろうかな……

 

主将「お、おい準太。顔が怖いぞ……??」

 

******

 

試合が始まり、俺にボールがいくと相手チームの1人が俺をマークした。

うわぁでけぇな……身長は欲しかったけどこんなにはいらないな、背があるのは羨ましいけど!!

 

「ほらほら坊や、抜けるものなら抜いてみなよ。」

 

「……そうか、悪いな。」

 

相手の挑発に敢えて乗らせてもらう。相手が反応するより先にドリブルで抜き、先制点を取る。相手チームは何が起きたのか理解しておらず、ただ唖然としていた。

 

「あらぁ、今の反応できなかったの??デカすぎて動き鈍いのかなぁ坊や♪」

 

「くっ……このっ!!!」

 

その後も試合はこちらの流れで進んでいき、相手チームは俺からボールを奪うことは出来ず、かといって俺がだすパスも反応出来ずに点をどんどん取られていった。

そして残りわずかとなった時、俺のシュートを3人がかりでブロックしてきた。

 

「勝ち目はないと分かっているが、お前にはもう点を取らせん!」

 

「3人ならシュートも出来ないだろ!!」

 

「……まぁこんな壁があると無理ですよね……俺は。」

 

「な、なにっ?!」

 

俺はガードの手が届かない程に高くボールを打ち上げ、そのボールはジャンプした主将の手に渡された。そしてーーー

 

主将「ふんっ!!!」

 

ダンクをかましてくれた。この人普段ダンクしないのにアリウープ出来るんだよなぁ……やればいいのに。

そして試合終了のホイッスルが鳴り、俺たち虹ヶ咲学園の勝利となった。

 

主将「準太、ナイスパスだったぞ。まさか最後にアリウープ決めさせるなんてな。」

 

「決めれること自体凄いですからね、さすが主将です。」

 

主将「この野郎、そういう割にはしっかりパスを出てきやがって。」

 

「まぁ中学から知ってますしね、それくらいは「ジュンジュンナイス〜〜!!!まずは一勝〜!!!」……///」

 

恐る恐る観客席を見ると弓道の試合の時同様でかい旗を振りかざしてコートまで響く声で賞賛してくれる愛さん。もうその声量と応援の仕方見ると応援団入った方が良いと思う。

そして愛さんの隣で恥ずかしそうながらも拍手をして祝福をしてくれる璃奈ちゃんがいた。ごめんね、愛さんが迷惑かけてるね。

 

愛「次も頑張ってね〜!!愛さんも応援燃えてきた〜!!!」

 

「……試合よりこっちが気になって仕方ない。」

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