愛「ジュンジュンお泊まりしようよ!!」
「嫌だ。」
愛「なんで?!恋人なら何してもいいじゃん!!」
「いいわけねぇだろ!!」
愛「違うの?!」
「違うわ!!!」
ある日、唐突にとんでもない話をぶっ込んできた愛さん。マジで何言い出すの??周りにクラスメイトいるの見てないのかな。ほら背中から刺さる視線が見なくても伝わってくるよ。
愛「だって今思うと愛さん達遊んではいるけどお泊まりしてないじゃん!」
「いや、そういうの高校生では早くねぇか??」
愛「思い立ったが吉日だよ!」
「それは見送ろうか。」
愛「……愛さんとお泊まりするの嫌??」
「えっ……。」
急に汐らしくなった愛さん。いつもの元気はどこへやら、ウルッした瞳で俺を見上げてくる。やめてくれ、そういうの慣れてないから……てか愛さんそんなキャラじゃないだろ。
愛「ジュンジュンとお泊まりしたかったけどなぁ。ちょっと悲しいな。」
「……わ、分かったよ。」
愛「ホント?!今言ったからね!!録音したからね!!」
「え、録音なんて聞いてないよ今すぐ消せ。」
愛「嫌だよ!!これは証拠物件なんだから!」
「何が証拠物件だ!!一瞬の気迷いをした俺が馬鹿だった!」
愛「いやぁジュンジュンとお泊まり楽しみだな〜♪」
愛さんの巧みな罠に引っかかり、愛さんとお泊まりをすることになった。正直周りが聞いている状況で話が決まったことにめちゃくちゃ恥ずかしさを感じる。てかこれひとつ疑問があるんだけど。
「あのさ、泊まるっつってもどこで泊まるんだ?」
愛「愛さんの家だよ!」
「無理、やめよう。」
愛「さっき良いって言ったじゃん!それにおばーちゃん達もジュンジュンに会いたいって言ってるから大丈夫だよ!」
「その話のどこに大丈夫って思えばいいんだよ、尚更無理だわ緊張する。」
愛「ジュンジュン男なら覚悟を決めなさい!!」
なんかもうすんごい強引に泊まらせようとするんだけど。こういうの初めてだしゆっくり動いて行きたかったんだけど……まぁ相手は愛さんだから無理か。
愛「じゃー今から決めてこ!今週の土日はどう??」
「早いなおい。今週は土曜練習あるから夕方からしか無理だな。」
愛「全然いいよ!愛さんも練習あるから終わったら迎えに行くよ!」
「いや、迎えにこないでくれ。校門にしよう。」
愛「えぇいいじゃん!!彼女が迎えに行くの嫌なの??」
「今回は嫌だ。だって愛さん泊まること言いふらしそうだもん。」
愛「そんな事しないよ!!愛さんだって流石にそれは恥ずかしいから。」
ちゃんと恥ずかしいと思ってんだ。それが恥ずかしいのに大会で旗振ったり説明会で必要以上にでかい声だして応援するの恥ずかしくないの??もう恥ずかしいの基準が分からない。
「とにかく、合流するのは校門な。間違っても体育館に来るなよ。」
愛「もうしょうがないな〜、ジュンジュンったら恥ずかしがり屋なんだから♪」
なんだろう、いつもよりしんどいぞ今日は。泊まりかぁ〜、親になんて行けばいいんだ。彼女の家泊まりに行くわ〜なんて絶対言えない。「小学生で海未の家に止まった時は幼なじみだし簡単に泊まれたけどなぁ……。」
愛「ちょっと!!海未の家泊まってたの?!」
「え、今俺口に出してた??」
愛「出してた!それよりもどういうこと!愛さん聞いてないよ!」
「そんな小学生の話わざわざしないだろ!それに俺海未の家泊まったんだよね〜♪なんて誰が言うか!何の自慢だよ!!」
愛「小学生でも泊まるには泊まったんでしょ?!じゃあ愛さんがお泊まりすること言ってもいいじゃん!!」
「良くないわ大問題だ!」
愛「なんでさ!!!」
このお泊まり伝える問題は次の放課まで続き、お互い周りを気にせずデカい声で言い合っていた為、俺たちが言わずとも必然と周りに認知されていた。
そしてその日の帰り、俺は周りに泊まる時に大切なことを教えられた。
……てかみんな結構経験豊富なんだね。