愛さんとのお泊まりを約束した日、俺はいつも通り練習に励んでいた。
今日お泊まりだということを忘れるくらい集中していて、汗だくで練習が終わるとそのまま帰る支度をしていた時だった。
愛「ジュンジュン〜!!愛さんが来たぞ〜!!!」
「なんで来たんだよ……。」
まさかの愛さん登場。正直愛さん来なかったら泊まること忘れてそのまま帰りそうだったけどね、危なかったー。
てかなんで来たんだよ、校門集合って話じゃなかったのかよ。
愛「だってジュンジュン約束忘れてそのまま帰る気がしたからさ〜。」
「ま、まさかー……。」
愛「ほんとかなー??」
まずい、疑われている。当たっているから何も言えないどうしよう、話そらすか。
「愛さんお疲れ様。練習どうだった??」
愛「愛さん動きすぎてヘトヘトだよ〜。帰ったらすぐ寝ちゃいそう!」
「そんなにハードだったのかよ。ちゃんと休めよ??」
愛「もちろんだよ!でも今日は寝ないよ!だって……」
おい待てこの子今から何言うつもりだ??まだ部員いるんだよ??みんな俺たち見てるんだよ??そんな状況で言う言葉は考えた方がいいと思うんだ。
俺は今目で訴えているからね??ちゃんと伝わったくれお願い。
愛「今日はジュンジュンとお泊まりだからね〜!!!」
はい言いました戦犯ですこの子。あーあ場の雰囲気秒で変わったじゃん。全員ニヤニヤして俺見てくるし目の前の愛さんもニヤニヤしてるしもうなんなの。
「おい準太!!お泊まりなんて羨ましいな!!」
「一線越えるんじゃねぇぞ!」
ほらほらこうやって野次が聞こえてくるよ。うるせぇそれくらい分かっとるわ!泊まるだけでなんもねぇっての!!
そんなラッキースケベとか期待してないよほんとだよ。
愛「一線越えるってなに??」
「何も知らなくていい。とりあえずここから早く出よう、じゃないと俺がもたない。」
******
愛「これからジュンジュンがうちに泊まりに来るなんて新鮮だね!」
「まぁそんなことないからな。」
愛「明日は休みだし夜更かししたいな〜♪」
「愛さんさっきすぐ寝るとか言ってたじゃん。」
愛「ジュンジュンがいるなら話は別だよ!疲れなんて飛んでった!」
「俺は飛んでってないぞ。だから今日は早く寝よう。」
愛「今夜は寝かせないよ、子猫ちゃん♪」
「うるせぇ……。」
帰り道、隣でやたらハイテンションな愛さんと話しながら歩いているのだが、結構緊張している。だってこれから彼女の家に泊まるんだから当然だよね。
しかも初彼女で現役スクールアイドル……うわぁ帰りたくなってきた。
愛「ここが愛さんの……って、前ジュンジュン来たことあるね。」
「あー……その節はどうもお世話になりました。」
愛「いえいえ無事で何よりでした♪」
以前俺が倒れた時に一度だけ愛さんの家に入ったことがある。その時はすぐに家に帰りあまり愛さんの家族と話すことが出来なかったが、今回は泊まらせてもらうわけだから挨拶しないとな。
愛「おばーちゃん、ただいま!!ジュンジュン連れてきたよ!」
待ってそんなナチュラルに言われるの??もうちょっとかしこまって言うものかと思ったんだけど……愛さんはないな。
いやでもジュンジュンって言って分かるもんなの??俺だったらえ、誰だよジュンジュンってって思うんだけど。
祖母「愛ちゃんおかえり。そちらの方がジュンジュンさん??」
「あ、えっとジュンジュンです。その……この度はお世話になります。」
祖母「そんな畏まらなくていいですよ。愛ちゃんと恋仲になったって聞きましたよ。これから愛ちゃんをよろしくお願いします。」
「こ、こちらの方こそ至らない部分もありますが、よろしくお願いします。」
……なんなんだこの自己紹介もっとマシな言い方あっただろ俺。なんだよジュンジュンですって、自分が情けなくて仕方ない。
愛「おばーちゃんジュンジュンが来るのすっごく楽しみにしてたの!たくさん話してあげてね!」
「お、おう……。」
そんなに楽しみにしてくれていたのか。その言葉を聞いてなんだか嬉しくなってしまう。せっかくの機会だ、たくさんお話していこう。
祖母「それで、ジュンジュンさん??」
「え、はい……なんでしょう??」
祖母「愛ちゃんとどこまでいったの??」
「勘弁してください。」