学園祭当日。校内はいつも以上に賑わっており、教室はそのクラスが企画したお店が並んでいる。教室だけでなく外にも屋台が出ており、空気を伝って美味しそうな匂いがする。
愛「いやぁついにやってきましたね〜!!」
「……そうだね。」
愛「もう、何いじけてんのさ。とっても似合ってるよ♪」
「料理当番がいい。」
愛「今更何言ってんの!ほら、シャキッとする!」
俺が学祭楽しんでると思っていた人いる??そんなわけないでしょこんな服着させられて楽しめるはずがない。クラスメイト以外にわざわざ見に来る連中までいる。お前ら自分たちのクラスの準備しろよ。
「夏目くん似合ってるんだから自信もって!」
「そうだよ、夏目くんの執事見たいために来る人いるんだから!」
「余計出たくなくなった。」
愛「そんな事言わない!愛さんも着替えてくるから、逃げちゃダメだよ!!」
「……逃げれないだろこんな格好じゃ。」
愛さんは俺に釘を刺すと着替えに行った。教室は俺のように執事服を着てる人、俺が希望していた料理当番は仕込みをしていたり女子はメイド服を着てる人がいる。執事服やメイド服はクラスの女子が作ってくれたみたいなのだがお店の物みたいにクオリティが高い。どうしたらそんな器用なこと出来るのか教えて欲しいくらいだ。
歩夢「準太くんっ、おはよう。」
「おう、歩夢ちゃん。……どしたのその格好??」
歩夢「私たちのクラスは肝試しするの。……私は脅かす側で。」
「あー……乗り気じゃないのね。」
歩夢「どちらかと言うと驚かされる側だもん……。」
「まぁ、うん……楽しんで頑張れ。」
どんなアドバイスしてんだ俺は。
歩夢「準太くんは……執事??」
「はいそうですとっても憂鬱です。」
歩夢「そ、そうなんだ……でも似合ってるよ!」
「褒めてくれるのは嬉しいけど乗れないんだよなぁ。」
歩夢「あ、あはは……後で遊びに行くね!」
「緊張するじゃないの……。」
お互い乗り気じゃない役割になったのを同情していると何やらクラスがザワついていた。1ヶ所に人だかりが出来ており、女の子は歓声を上げ、男は見惚れている。一体どうしたというのだ……。
「夏目くん!ちょっと来て!!」
「えっ、ちょっとなによ。」
「いいから!これで夏目くんのモチベ上がるよ!」
おいおい今のモチベが上がるって相当なことない限り無理だぞ。どんな事があるというのだ。
愛「あっ、ジュンジュンー!!」
「………。」
クラスメイトに引っ張られて人だかりに行くとメイド姿をした愛さんが中心にいた。普段の愛さんを見ているからこそこういう衣装を着ているギャップが半端なく正直………めちゃくちゃ可愛い。
愛「どうどう??愛さんのメイド姿は♪」
「………。」
愛「もしも〜し、愛さん見えてますか〜??」
「あ、悪い……その、凄く良いと思う。」
愛「っ!?も、もう……ジュンジュンってば正直なんだから///」
自分から感想を聞いてきておいて恥ずかしがる愛さん。その格好で恥ずかしがられると余計キュンってするじゃないか。
「ねね、せっかくだし2人とも写真撮りなよ!」
「そうだな、こんな執事とメイド似合うカップルいないしな!」
ねぇそれ褒めてるの??褒めてたとしても全然嬉しくないぞ恥ずかしいだけだ。
愛「じゃ、じゃあ……お願いしようかな??」
「え、まじで撮るの??」
愛「せ、せっかくだし撮ってもらおうよ!……ね??」
「………わ、分かった。」
待ってこの子本当に愛さん??すんげぇ汐らしくなってるよ。しかもその格好で照れないでくれ萌え萌えキュンしちゃう。
「ほら、2人とも並んで!!写真撮ってあげる!」
「お、おう……。」
愛「えへへ……なんか照れるね。」
「言うな余計意識する。」
愛「いやぁ照れる照れる、もうドキドキが止まらないなぁ!!」
「わざとだろ!!もう愛さんの照れるは信用出来ないわ!」
愛「なんでよ!!愛さんの言葉を疑うのかー!!」
「当たり前だろ!!」
「2人ともじっとして!!撮れないでしょ!!」
愛・準太「……すみません。」
クラスメイトに注意され大人しくなる俺たち。その様子をクラスメイトだけでなく外からも見られていることに気づいたのは撮影が終わってからであった。
高校2年生の学園祭、予想はしていたが……穏やかには終わらなさそうだ。