地獄の大繁盛を終えて俺は制服に着替え屋上に来た。屋上は秋の涼しい風が吹き疲れを労ってくれるようだ。大袈裟と思うかもしれないがまじで疲れたんですよ。接客しろだ料理運べだ写真撮れだの散々で一息つかせてくれる暇もなかった。
「あー、なんだか眠たくなってきた……っ!?」
少し居眠りをしようかと思ったのも束の間、首筋にひんやりとした冷たい感触に遮られた。後ろを見るとにししとしてやったと言わんばかりの愛さんが手にジュースを持って立っていた。
愛「なーに寝ようとしてんのさ、これから屋台周りに行こうよ!!」
「やだよ俺疲れたもん。つかそれ秋にやらないでくれる??夏にやって欲しかった。」
愛「愛さんがせっかく持ってきたジュースに文句を言うつもり〜??もうあげないよ〜♪」
「いいよ別のジュース買うから。」
愛「何でそういう返しになるかな!?ほらこれ持って、行くよ!スタンドアップ!!」
「結局俺に渡すんじゃねーか。……行くか。」
通常……いやそれ以上にテンションの高い愛さんに連れてかれて屋上を後にした。校内に戻ると以前と賑わっており、屋台のチラシを左右から配られる。
「で、どこか行きたい所あるの??」
愛「歩夢のクラスのお化け屋敷行きたい!結構人気なんだよ??」
「お、お化け屋敷か……別のとこ行かない??」
愛「なになに、ジュンジュンさては怖いのか〜??」
「いやだって合宿でまじで恐怖体験したし。」
愛「あー……ジュンジュン怖いんだぁ??」
「一瞬納得したように見せかけ煽るのね。そんなに言うなら行ってやるぞ。」
愛「そう来なくっちゃ!!行こ行こ!!」
******
愛「うわぁ、こんなに雰囲気出るんだね。そりゃ人気なわけだ。」
「お化け屋敷ならどこもこんな感じだろ。……一番嫌なのは通路が狭いから歩きずらい。」
愛「確かにそうだねぇ……本物出るかな??」
「出ねぇよ。」
お化け屋敷に入ると当たり前だが周りが真っ暗で何も見えていない。入る前に渡された懐中電灯で通路を探して俺たちは歩いているのだが、妙に気味の悪いbgmが流れてより雰囲気が増している。これでコケたらどうすんだ……っ!?
「うおっ……!?」
愛「ちょ、ジュンジュン!?……あっ///」
嫌な予感的中、つまづきました。幸いというか申し訳ないというか前の愛さんに恥ずかしながら捕まったことでコケることはなかったのだが……何やら柔らかい物に俺の手は掴んでいるようだ。
愛「んあっ……ジュンジュン、そこ……ダメぇ。」
「………。」
やばいやばいやばいやばいやばい。愛さんのお胸に触っちゃってるよ何してんの俺これ後で死ぬんじゃないの??てかお化け屋敷でなにやってんの?!
しかし離そうにも意志には反して手が離れない。これが万有引力。
愛「こ、こら……いい加減離してよ……///」
「わ、悪い……まじでごめん。」
愛「もう……大胆なんだから。」
「待って、完全に俺が悪いんだけど不本意だからね??」
何を言っても言い訳にしかならないであろう事を愛さんに弁明しているとある気配に気付く。この場にもう1人誰かがいるのか、横にうっすらと見える。
おいおいまじで本物とかじゃないよな。
歩夢「きゅぅぅぅ……///」
愛・準太「………。」
あ、幽霊になってた歩夢ちゃんだった。