いろはSide
バレンタインの日に私はようやく先輩に思いを告げることができました。
ただ返事は聞いていません。
今聞いてもあの2人がいる以上ノーに決まってます。
あの告白は先輩に妹じゃなくて女の子として意識してもらう事ができたのなら大成功です。
ここからです。
ここから先輩を私に夢中にさせてみせます。
生徒会室。
生徒会はでは事件が起きています。
卒業生の卒業パーティは生徒会で取り仕切ることになっているのですが、
卒業パーティで使うホテルが急に破綻し、経営者が夜逃げしてしまって急遽代案を求められています。
しかも卒業パーティの費用は既に払い込まれてしまったため返ってこず、残った予算でなんとか卒業パーティをしなければなりません。
その他にも卒業式の送辞の挨拶の準備、来年の予算編成、グラウンドの割当等々やることはたくさんです。
生徒会メンバーは今日も遅くまで残っています。
副会長「会長、○○の資料ができたので俺たちは帰ります。お疲れ様です。」
いろは「お疲れ様~。」
私以外のメンバーは自分の仕事が一区切り着いたようなので先に帰るようです。
最終下校時刻が過ぎる頃、私も仕事が終わったので帰ることにしました。
先輩に告白したはいいですけどその後生徒会が忙しすぎて何もできていません。
はー。
駅前のファーストフード店。
電車に乗って帰ろうと駅に向かっていると駅前のファーストフード店の中に先輩の姿が見えました。
あれっ、女の人といっしょにカウンター席に座ってる!と思ったら一緒にいたのは戸塚先輩でした。
先輩の表情がすごいデレデレしていたのでつい勘違いしちゃいました。
先輩って本当に戸塚先輩の事が好きですよね。
戸塚先輩が女性じゃなくて本当に良かったです。
私は久々に会えた先輩に声を掛けるために私もファーストフード店に入りました。
いろは「せーんぱい♪」
八幡「一色じゃねーか」
戸塚「一色さん、こんにちは」
いろは「戸塚先輩もこんにちはです。」
八幡「何の用だ?」
先輩はぶっきらぼうに私に尋ねてきた。
なんかちょっと機嫌悪いですね。
いろは「なんだとは何ですか。かわいい後輩がせっかく挨拶に来たのに~」
八幡「だってお前のそれあざといんだもん。」
私はちょっとからかいたくなって先輩の耳元に顔を近づけ囁いた。
いろは「せんぱいの事が好きなかわいい後輩が声を掛けに来たんですよ。もっとうれしそうにしてくださいよ♪」
先輩は私のささやきを聞いて顔を真っ赤にしています。
八幡「ばっ、おまっ!」
戸塚「どうしたの?八幡?」
八幡「い、いや、なんでもない。」
戸塚先輩は私達を見て何か察したようです。
戸塚「ふーん、なんか邪魔みたいだから僕そろそろ帰るね。」
八幡「い、いや、ちょ、戸塚」
戸塚「じゃあね、八幡」
戸塚先輩はそういうと帰っていきました。
流石戸塚先輩、いい仕事してくれます。
八幡「で、何の用だ。」
先輩は戸塚先輩とのひと時を邪魔されて不機嫌そうに私に話しかけてきたので私は笑みを浮かべて
いろは「ふふふ、せんぱいを見かけたから挨拶に来ました。」
八幡「そっか、じゃあ済んだな。オレ帰るから。」
先輩はそういって帰ろうとしています。
えー、せんぱーい、それはないんじゃないですか?
いろは「ちょっ、待ってくださいよ~、久々に会ったんじゃないですか~。生徒会今大変なんですよ~。労ってくださいよ~」
八幡「あ~、偉い偉い。じゃあこれで済んだな。」
こうなったら仕方ありません。
いろは「『それでもオレは・・・』」
先輩のものマネをし始めると先輩は帰る準備をピタッ止めました。
これはやっぱり効果的ですね♪
八幡「分かった、オレが悪かった!たくっ」
いろは「やっぱり先輩やさしいですね♪」
八幡「生徒会はそんなに忙しいのか?結構遅いじゃねーか?」
いろは「聞いてくださいよ~。それがですね・・・」
私は卒業パーティので使われる筈だったホテルが破綻し、ホテルの経営者に費用が持ち逃げされて急遽代案が求められている話をした。
八幡「それは大変じゃねーか。ま、頑張ってくれ。オレには関係ないし。」
いろは「関係大ありですよ~。これで今年の卒業パーティがしょぼくなったら来年の先輩達の卒業パーティも絶対しょぼくなっちゃいますよ~」
八幡「ま、オレはそれでも構わないけどな。」
流石先輩、ブレないですね。
あっ、今色々といいこと思いついちゃいました♪
いろは「せんぱいも手伝ってくれませんか~?」
八幡「やだ、面倒くさい」
断ってくるのは想定済みです。
先輩が断ってきたので先輩の耳元に顔を近づけて葉山先輩にフラれた帰りに先輩に言った言葉を甘く囁きました。
いろは「責任取ってくれるんですよね♪」
先輩は私に生徒会長を押し付けたことに負い目を感じています。
だからこの言葉は先輩に効果的なんです。
まあ、本当のところは、今となっては私は生徒会長をやって良かったと思ってるんですけどね。
八幡「ぐっ、分かったよ。今奉仕部の仕事もねーし、手伝ってやるよ。」
先輩はなんだかんだ言って困ってたら最終的には助けてくれます。
やっぱり優しいです。
いろは「じゃあ、明日の放課後生徒会室で待ってますね。」
翌日の放課後。生徒会室。
コンコン。
いろは「はい、どうぞ。」
八幡「一色、来たぞ。」
私は開いたドアの方を見た。
そこには先輩の他に結衣先輩と雪ノ下先輩がいました。
結衣「やっはろー、いろはちゃん」
雪乃「こんにちは、一色さん。」
なんでこのお二人もいるんですか・・・。
私がちょっと落ち込んでいると
八幡「しばらく奉仕部を休んでこっちを手伝うって話をしたらみんなで手伝った方がいいって話になってな。」
本当は先輩だけに手伝って欲しかったんですが、結構厄介ごとですし人手はあった方がいいので良しとしましょう。
雪乃「話は聞いたわ、幸い奉仕部も今は仕事がないし、話の大きさ的に私達も手伝った方がいいと思ったのだけれどもいいかしら?」
いろは「はい、お二人にも手伝っていただけるのならとても助かります。」
結衣「よろしくね~、いろはちゃん。」
いろは「それじゃみなさん揃いましたので現状を説明しますね。」
私はホワイトボードを出して先輩達に現状を説明しました。
雪乃「随分悲惨な状況ね。それでどうしようとしているのかしら?」
いろは「どう頑張っても予算が少なすぎるので、カンパかどこかと合同でやるかしかないかなと思ってます。それで他にも私達と同じような高校はないかなって思って破綻したホテルの予約リストを見せてもらったんです。そうしたらちょうど別の日に海浜総合も卒業パーティをやるみたいだったんですよね。海浜総合も私達と同じ状況みたいで、それで海浜総合と合同卒業パーティの形をとれば一定の規模は取れるかなって思いまして、今度海浜総合の生徒会と打ち合わせをする事になりました。」
八幡「やるじゃねーか。」
先輩は感心した様子で感嘆の声を漏らしてくれました。超うれしいです。
今回お手伝いをお願いした目的の一つは私の成長を見せて認めてもらう事っていうのもあるんです。
雪ノ下先輩と先輩の関係を見てて思ったんですが、先輩的には頼りない女の子に頼られるよりもできる女の子に頼られた方がポイント高いと思うんですよね。
でも本当にヤバくなったら頼りにしてますよ先輩。
雪乃「一色さんって思いのほか優秀なのよね。」
八幡「海浜総合か・・・、あまりいいイメージがないんだよなぁ・・・」
雪乃「ええ、思い出すだけでも胃が痛くなるわ。」
お二人はクリスマス合同企画のときの会議にトラウマを抱えているようです。
まあ、お二人の心配はもっともですけどね。
結衣「ははは、だよね・・・。」
いろは「大丈夫です。今回はこっちがイニシアティブ取ってますから。」
八幡「なんかその言葉聞いただけで不安になってきたわ」
先輩は私の『イニシアティブ』って単語に過剰反応してます。
これはなかなか重症ですね(笑)
原作にない学校ネタで何かできないかなと高校時代を思い返していたんですが、中々いいのがないですね・・・。
文化祭、体育祭、部活、生徒会選挙、修学旅行、バレンタイン、プロム、噂・・・・。
見返してみると重要どころはほとんど原作で抑えられていますね。
原作では卒業パーティはプロムでしたが、日本の高校ではちょっと考えにくいってことで普通に卒業パーティを扱ってみました。
5月中にもう一つ話を上げられるとうれしいです。