やはり私の青春ラブコメはまちがっている。   作:KANDAM

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005話 噂 ~前編~

いろはSide

 

今日は始業式。

教室ではみんな冬休み中の話に花を咲かせています。

私が教室の席に座っているとクラスメイトの男子が話しかけてきました。

 

クラ男「ねえねえ、一色さん、2年のあの男と付き合ってるの?」

 

いろは「えっ、なんの話?」

 

クラ男「ほら、文化祭とかで色々とやらかしたって評判の悪い腐った目の」

 

気に入りませんが、「腐った目の」というフレーズでピンときました。先輩の事だ。

 

クラ男「止めといたほうがいいんじゃない?年上女性と二股かけられてて修羅場だったっていうじゃん」

 

あ~、正月に陽乃さんと一緒にいたところを見られたんですかね?

ていうか、あの一面だけを見てよくそこまでストーリーを広げられますね。

 

クラ男「あんな男より一色さんにはいい男がいっぱいいるんじゃない?俺だったらいつでも力になるよ。」

 

ウザイ、正直ウザイ。

そして先輩の事を知らずによくもそこまで・・・。

まあ敵を作っても仕方ありません。ここは大人の対応で

 

いろは「ありがとう、でも別にそれ事実じゃないし、大丈夫だから」

 

その後も男がしつこく食い下がってくるので私は逃げるように生徒会室に向かった。

廊下を歩いていると同じ話を何度も聞かれた。

どうやらこの噂は相当広がっているらしい。

まあ、美少女生徒会長とあの悪評高い先輩ですからね。

噂になっても仕方ありません。

 

 

 

放課後。奉仕部部室前。

私は生徒会の仕事が一段落したので奉仕部の部室に来た。

 

いろは「こんにちはー、遊びに来ちゃいました。」

 

私が部室に入ると結衣先輩と雪ノ下先輩が雑談し、先輩が離れたところで本を読んでいる。

 

雪乃「・・・こんにちは、一色さん」

 

結衣「や、やっはろー・・・、いろはちゃん・・・」

 

どうしたんだろう?

雪ノ下先輩は元気がなさそうで、結衣先輩のあいさつにもいつものキレがない。

 

いろは「どうしたんですか?皆さん?」

 

結衣「あ、あはは、いやーどうして気付かなかったんだろう・・・、近くにいたのにさ。」

 

いろは「なんのことです?」

 

結衣「あのさ、ヒッキーといろはちゃんって付き合ってるんだってね・・・。その気付かなくてごめんね。私空気を読むのだけは得意なはずだったんだけどなー、ははは・・・・。」

 

あー、結衣先輩と雪ノ下先輩はそれで様子が変だったんですね。

 

八幡「は、なんじゃそりゃ?」

 

流石です。あれだけ噂が広がってて先輩に伝わってないのは流石です。

流石先輩としか言いようがないです。

 

結衣「え、違うの?」

 

八幡「当たり前だ、そもそも一色みたいなやつがオレなんかと付き合うわけないだろ!」

 

いやー、それを言っちゃうと私もグサッとくるんですけどまあこの場は良しとしましょう。

 

雪乃「由比ヶ浜さん、当たり前でしょう。一色さんがこの男と付き合うわけないでしょう。」

 

雪ノ下先輩、なんだか嬉しそうですよ。

さっきと表情が全然違います。

私も段々この人の表情の違いが分かるようになってきました。

 

いろは「なんか先輩とデー・・・、いや買い物に付き合ってもらっているときに見られたみたいで、しかも陽乃さんと二股掛けられてるって話まで出てますよ。」

 

危ない危ない、デートと言いかけた瞬間結衣先輩と雪ノ下先輩の視線が超怖かったです。

石にされるかと思いました。

 

雪乃「その話は後日詳しく聞くとして、なんでそこで姉さんが出てくるのかしら」

 

いろは「私と先輩がお茶してる時にたまたま陽乃さんに会ってそこを誰かに見られたみたいで・・・。」

 

雪乃「なるほど、そういう事ね。」

 

八幡「でもどうするよ?俺なんかと噂になってたら一色が困るだろうしな。」

 

いやいや、別に困りませんけどね。

二股っていうのは嫌ですが、むしろちょっと嬉しいというか・・・。

 

結衣「あのさ、ヒッキー・・・。前みたいな事は絶対しないでね・・・。」

 

雪乃「そうね、この男なら公衆の面前で一色さんに告白してフラれるくらいの事をやりかねないわね。」

 

あー、それちょっとわかります。

でも公衆の面前で告白されるのは正直憧れますね。

 

八幡「いや、オレいつも何もない状態で一色に振られまくってんだけどな。まあ、分かった。ああいうのはもうやめだ。」

 

正直この3人が何の話をしているのかわかりません。

きっと私がいない時に何かあったのでしょうね。

私の知らない話を3人でされちゃうとちょっと疎外感を感じます。

 

結衣「絶対だよ。」

 

八幡「ああ」

 

私達がこんな会話をしていると突如部室の扉が開いた。

 

???「ヒャッハロー!」

 

雪乃「姉さん!」

 

よりによってこの面倒くさいときに面倒な人が来ましたね。

 

陽乃「聞いたよ~、比企谷くん。なんか私と付き合ってるって話」

 

八幡「ただの噂ですよ。」

 

陽乃「ふ~ん、そう?じゃあ、私達本当に付き合っちゃおうか?」

 

えっ、ちょっと待って。

私は陽乃さんの言葉に動揺した。

結衣先輩も雪ノ下先輩動揺している。

 

雪乃「姉さん、何を!」

 

陽乃「だって、比企谷くんって付き合ってる子いないんだよね?じゃあ、私が付き合っても問題ないよね?」

 

陽乃さんはいたずらっぽく私達を見た。

きっと私達の反応を見て楽しんでるんだ。

そして私達にとってそれはとっても効果的・・・。

 

八幡「いや、問題ありでしょう。今この状況でオレが陽乃さんと付き合ったりしたら、一色が捨てられたとかって言われて、一色の評判に傷つく。」

 

陽乃「じゃあ、この状況じゃなかったら付き合ってくれるんだ?」

 

八幡「それは・・・」

 

えー、先輩そこはスッパリ断ってくださいよ。

この人絶対やばいですよー。

 

陽乃「まあいいや、君たちがこの状況をどう解決するかお姉さんすごく興味あるなー。」

 

八幡「どうしましょうかね?」

 

先輩は陽乃さんの言葉に素っ気なく返した。

 

陽乃「またまた~。あっ、そろそろ行かなきゃ。またねー比企谷くん♪君の活躍期待してるよ。」

 

そういうと陽乃さんは奉仕部の部室から出て行った。

 

八幡「まあ、あの人と付き合うのだけはねーな。」

 

雪乃「当然よ。」

 

そこは私も同意です。

まああの人と付き合う人はそれこそ先輩クラスの能力がないときつそうですけど。

 

いろは「あの~、このままほっとくっていうのはどうでしょう?人の噂も七十五日って言いますし。」

 

雪乃「だめよ。この手の下らない噂は早くつぶしておかないと酷いことになるわ。」

 

雪ノ下先輩が語気を強めて言った。

なんか強い思いを感じます。

多分先輩に好意があるだけじゃなくてきっと昔自分になにかあったのでしょうね。

 

八幡「一つ案がある。」

 

突如先輩が提案を始めました。

 

雪乃「何かしら。」

 

八幡「これだけ強い噂はもっと強い噂で上書きする必要がある。例えば葉山クラスの人間のスキャンダルだ。一色と葉山が付き合っているって噂が流れればそっちの方が信憑性があるし、話題性もある。オレと一色が付き合っているというのは多分誰も信じなくなる。」

 

雪乃「つまり葉山君と一色さんがしばらくの間付き合っているフリをするということかしら?」

 

八幡「そういう事だ。一色的にも葉山攻略のチャンスでもある。どうだ一色」

 

いろは「そ、それは魅力的な提案ですね。」

 

先輩からの突然の提案に私はショックを受けました。

先輩はフリとは言え、葉山先輩と付き合う事をなんとも思わないんですね・・・。

それどころか私の気持ちに少しも気付いていません。

あれだけ頑張ったのに先輩には少しも私の好意が届いてなかったんだ・・・。

正直ショックです・・・。

私は不意に泣きそうになりましたが、なんとか精一杯の作り笑顔でやり過ごしました。

 

結衣「あのさ、ヒッキー、それはちょっと・・・」

 

雪乃「そうね、葉山君の協力が得られるかどうかも怪しいものよ。」

 

恐らく私の気持ちに気付いているであろう結衣先輩と雪ノ下先輩が私の気持ちを察して反論してくれました。

お二人にしたら私は邪魔でしかないのに・・・。やっぱり優しい人たちです。

 

八幡「じゃあ、他になんか案があるのか?」

 

結衣「それはないけど・・・」

 

八幡「まあ、とりあえず明日葉山に話してみる。」

 

結衣先輩と雪ノ下先輩は私の気持ちを察してくれたんでしょうか?

私の気持ちを根拠とした反論はしませんでした。

結局一旦は先輩の案が採用される形となりました。

 

 

 

いや、分かってますよ。分かってましたよ。

素直になれていない私がいけないんだって。

でも私の気持ちを先輩が知ったら先輩私から離れて行っちゃうかもしれないし・・・。

 

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