やはり私の青春ラブコメはまちがっている。   作:KANDAM

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008話 バレンタインの告白

いろはSide

 

2月14日。

 

奉仕部部室前。

私は生徒会の仕事を済ませて奉仕部の部室前にいた。

計画は単純。理由を付けて先輩を連れ出して屋上で告ります。

今なら多分まだ結衣先輩にも雪ノ下先輩にも先を越されていないはずです。

下手をしたらあの二人も今日告白するつもりかもしれません。

そうしたらもう私に勝ち目はありません。

せめて先輩に妹じゃなくて女の子として見て欲しい・・・。

 

コンコン。

 

雪乃「どうぞ。」

 

いろは「こんにちはー、失礼します。」

 

いつも通り結衣先輩と雪ノ下先輩は雑談し、少し離れた席で先輩が本を読んでいます。

様子を見る限り結衣先輩も雪ノ下先輩もまだ動いていないようです。

私は先輩のところへ近づいて行った。

 

いろは「せ~んぱい!今日は何の日か知ってますか。」

 

結衣先輩と雪ノ下先輩の表情が強張りました。やっぱり警戒されてます。

 

八幡「2月14日だろ、煮干しの日じゃねーか?」

 

おっとそうきましたか。

 

いろは「違いますよ~、今日はバレンタインの日ですよ~。煮干しの日なんて普通の人は知りません。」

 

八幡「まあ、ボッチには関係ない話だ。」

 

いろは「先輩はもらったことないんですか?」

 

結衣「ひっ、ヒッキーは貰えるよね?」

 

えっ、それって・・・結衣先輩?

 

雪乃「そうね」

 

雪ノ下先輩も?

 

八幡「そうだな、俺には小町がいるからな。毎年一つは必ず貰える。」

 

あ~、先輩の妹さんですかビビッて損しました。

 

いろは「せんぱいってもしかして年下好きですか~?」

 

八幡「いや、お前4月生まれだからあんまり年下って感じしないし!」

 

結衣「キモ!なんで知ってるの?うわっ、キモ!」

 

雪乃「随分詳しいのね。」

 

結衣先輩と雪ノ下先輩が先輩に冷たい視線を向けています。まあ、これは私の作戦勝ちってところですかね?

 

八幡「いや、こいつ前に無駄アピールしてたからついな。」

 

いろは「無駄とはなんですか、無駄とは。今日は妹さんからしかもらえない先輩のためにかわいい後輩がチョコを持ってきましたよ~。ありがたく受け取ってください♪」

 

私は用意してきた手作りチョコを用意してきたメモと一緒に手渡した。

 

八幡「おう、サンキュ。」

 

先輩はそっけなく礼を言うとメモとチョコを受け取った。

メモには「あとで一人で屋上に来てください。」と書いてあります。

 

いろは「なんか、感動薄いですね~。まあいいです。ホワイトデーのお返しは3倍返しでお願いしま~す。期待してますよ~。」

 

八幡「分かった分かった。」

 

む~、なんかそっけないですね。

 

いろは「ではでは~」

 

私は結衣先輩と雪ノ下先輩が不服そうにしているのを尻目に部室を出て屋上に向かった。

 

 

 

屋上。

心臓がバクバクしてます。

ダメなのは最初から分かってます。

でもここから始めるしかないんです。

しばらくすると先輩がやってきました。

 

八幡「一色、来たぞ。」

 

いろは「待ってましたよ、先輩♪なんで呼ばれたか分かりますか?」

 

八幡「あ~、あれか葉山にチョコ渡すのを手伝えってか?あいつはチョコは受け取んねーらしーぞ。三浦がすごい不満そうにしてた。」

 

ふっ、想定内の答えですね。

このシチュエーションでもそんな事が言えるのは呆れを通り越してすごいと思いますよ。

 

いろは「いえ、葉山先輩にチョコを渡すつもりはありません。今年渡したのは先輩だけです。」

 

八幡「そうなの?葉山となんかあったの?」

 

いろは「いえ、何もありませんよ。ちょっと先輩に聞きたいことがありまして。先輩は私のことどう思いますか?」

 

八幡「どうって言われてもな・・・。あざとい後輩?手のかかる妹?」

 

ぐ~、なんか先輩を殴りたくなってきましたが我慢です。

 

八幡「あと、頑張ってる奴。生徒会長にほとんど無理やりならされたのに文句も言わずまじめに取り組んでるもんなお前。クリスマスの合同企画あたりから会長がすげー板についてきたじゃねーか。」

 

あざといのは先輩の方ですよ・・・、まったく。

私は照れ隠しのために思わずうつむいた。

 

八幡「どうした、なんか変な事いったかオレ?」

 

いろは「いえ、別に。今日はお話があって先輩をお呼びしました。」

 

先輩がなんかすごいきょどってます。

先輩はきっと私になんか文句を言われると思ってるんでしょうね。でも違いますよ。

私は先輩の目を直視して言いました。

 

いろは「先輩、私は先輩の事が好きです。」

 

先輩は私の言葉を聞いてキョトンとしています。

やっぱり完全に想定していなかったんでしょうね。

 

八幡「ちょっと待て、お前葉山の事が好きだったんじゃ」

 

いろは「あれは私の勘違いでした。自分の憧れを葉山先輩に押し付けて好きになった気でいただけでした。」

 

八幡「勘違いって、お前・・・、葉山に告白したとき泣いてたじゃねーか。」

 

いろは「えぇ、泣いてました。例え勘違いでも好きだった人にフラれてショックじゃない人なんていませんよ。先輩だって折本さんにフラれた時ショックだったんじゃないですか?」

 

先輩がものすごいおどおどしてます。

半分推測交じりだったのですがビンゴだったみたいですね。

私の事を狙ってるって折本さんに聞かれたときにそっけなく否定したお返しです♪

すごい動揺してますね。

 

八幡「お前、どこでそれを・・・。」

 

いろは「折本さんと先輩が話しているのが偶然聞こえちゃいました。まあ、多少私の推測が入ってますけど。」

 

八幡「ふ~、よく分かったな。」

 

いろは「だって先輩が折本さんの事を本気で好きだなんて考えられません。だからその告白はきっと先輩の勘違いです。」

 

八幡「やっぱお前すげーわ。」

 

いろは「私が先輩の事本気で好きだって信じてくれますか?」

 

私は再び先輩の目を直視した。

 

八幡「ちょっと待て、オレは葉山みたいに恰好良くないし、運動神経もそこまでだし、あと評判悪いし・・・。」

 

あっ、逃げに入りましたね。いいでしょう。

今日は逃げ道という逃げ道を全部塞いであげます。

私は真剣な眼差しを先輩に向けた。

 

いろは「先輩、先輩にとっての本物っていうのは葉山先輩みたいなビジュアルや運動神経や周りの評判なんですか?」

 

八幡「それは・・・違う・・・。」

 

いろは「もう一度聞きますよ?私が先輩の事本気で好きだって信じてくれますか?」

 

八幡「いったいオレのどこがいいんだ?」

 

いろは「言ってもいいですけど先輩絶対否定しますよね?」

 

先輩は苦笑した。

 

八幡「まあ、そうだな。」

 

いろは「改めて聞きますよ?私が先輩の事本気で好きだって信じてくれますか?」

 

八幡「・・・、ああ、信じる。」

 

いろは「でもまだ先輩に返事は求めません・・・。だって・・・、今聞いちゃったら・・・先輩の答えは・・・・。」

 

私の目からどんどん涙が流れてきます。

分かっていても口にするのはすごくつらいです。

私は涙を拭って続けました。

 

いろは「だから・・・今日はただの宣戦布告です・・・。これこそ先輩への・・・有効な・・・攻め方です・・・。告白された女の子の事って・・・意識するじゃないですか・・・。特別に思えるじゃないですか・・・・。」

 

私は途中で言葉を続けられなくなりました。

先輩は私が言葉を続けられるようになるのを待ってくれています。

私はしばらくして気を取り直して続けた。

 

いろは「先輩・・・、私にあなたの本物になるチャンスを下さい。私このまま妹扱いされたまま先輩が他の女の子と付き合うなんて耐えられません。」

 

八幡「分かった・・・。告白ありがとうな。でもいい返事ができるかは分からないぞ。」

 

いろは「はい、私が必ず先輩を私に夢中にさせて見せます。覚悟しておいてくださいね♪」

 

八幡「お~、怖っ。」

 

先輩は微笑を浮かべて私に返事を返すと部室に戻っていった。

きっと今日結衣先輩や雪ノ下先輩が先輩に告白したとしても答えは保留になるだろう。

多分私にチャンスが残ったのだ。

 

 

 

 

八幡Side

 

今日オレは人生で初めて女の子に告白された。

あの一色いろはに告白されたのだ。

一色いろはの好意に対してオレはいつも自分に言い聞かせていた。

「俺にそんな事ある訳ない。中学の時学んだはずだ」と。

オレは一色いろはの好意に気付かないように気付かないように思考していた。

そして事もあろうに小町と同じように見てしまっていた。

あいつは一人の女の子として見て欲しかったのに・・・

こんな酷い話があるだろうか?

一色いろはは素敵な女の子だ。

あざとく、一生懸命で、オレよりも一枚も二枚も上手の最強の後輩だ。

こんな素敵な女の子にあんな事言われて心が揺れない男がいるのだろうか?

本当に心が揺れる。

この日オレは一色いろはという女の子を初めて見た。

 

 

 

結衣Side

 

奉仕部部室。いろはの屋上での告白後。

さっき席を立ってどこかへ行っていたヒッキーが戻ってきた。

 

結衣「あっ、ヒッキーお帰り。」

 

八幡「・・・おう。」

 

帰ってきたヒッキーの様子が変だ。

心配になった私はヒッキーに様子を尋ねた。

 

結衣「ヒッキー、どうしたの?何かあった?」

 

八幡「いや・・・、何でもない。」

 

結衣「そう・・・。」

 

やっぱりなんかあったんだ。いろはちゃんが告白した?

いやいや、いろはちゃんさっきチョコ渡して普通にどこか行ったし。

平塚先生に何か言われた?

だったら言ってくれるし。

う~ん、分かんないよ~。

 

雪乃「比企谷くん、さっきから難しい顔してどうしたのかしら。そこでそんな顔されるとこっちが気になって仕方がないのだけれど」

 

八幡「わり、何でもない。」

 

ヒッキーはそういうと本を広げて読み始めた。

う~、私もクッキー渡したいのに~、渡しづらいよ~。

さっきいろはちゃんが渡してる時に渡せば良かったよ~。

 

時間がたってもヒッキーの様子は変わらなかった。

このままじゃ部活終わっちゃうよ~。

こうなったら・・・。

 

結衣「あのさ、ヒッキー」

 

私は用意したクッキーを持ってヒッキーの所へ行った。

 

結衣「はい、バレンタインのクッキー」

 

私は昨日の晩一生懸命作ったクッキーをヒッキーに渡した。

昨日の晩失敗を繰り返してようやくうまくできたクッキーだ。

私の最初作ったクッキーを知っているヒッキーはそれを見て驚いた。

 

八幡「お前・・・、これ自分で作ったのか?」

 

結衣「うん、ちょっと失敗しちゃったけどね。」

 

雪乃「すごいわ由比ヶ浜さん。あなたどうやって・・・」

 

最初クッキーの作り方を教えてくれたゆきのんは私のクッキーを見て驚いている。

 

結衣「えへへ、あの時言ったよね。自分でやってみるって。」

 

八幡「ありがとうな。」

 

ヒッキーは大分感心してくれたみたい。頑張って良かった。えへへ。

 

雪乃「あ、あの、比企谷くん・・・。」

 

ゆきのんの方を見るとゆきのんのカバンの中からチョコかクッキーの入っているであろう袋が見えた。

やっぱりゆきのんヒッキーの事・・・。

前だったらゆきのんバレンタインでヒッキーに渡すなんて考えられなかった。

まだ直接渡す勇気がないのかゆきのんはヒッキーを呼んでからまごまごしていた。

 

ゆきのん・・・、ゆきのんは気付いてないかもしれないけど私達の中でヒッキーの心が一番傾いているのは・・・・多分・・・ゆきのんなんだよ・・・。

 

結衣「あ、私ちょっと向こう行ってるね。」

 

雪乃「あ、いえ、そんなんじゃ・・・。」

 

私が気を使って向こうに行こうとするとゆきのんは私を呼び止めた。

ゆきのんは意を決したらしくヒッキーにカバンの中にしまってあった袋を差し出した。

 

雪乃「はい、これ。バレンタインのチョコ・・・。お口に合えばいいのだけれど」

 

八幡「おう、ありがとな。」

 

あんまり表に出さないようにしてるけど・・・、やっぱり、ヒッキー嬉しそう・・・。やっぱり妬けちゃうな・・・。

 

私達は部活の終了時間になるとそれぞれ帰っていった。

 

 

 

前はヒッキーの事好きなの私一人だったのにどんどん増えていく。

もっと早くヒッキーに告白すれば良かった・・・。

もうずっと今のままって訳にはいかないよね。

 

 

 

 

八幡Side

 

バレンタインで人生で初めて妹以外の3人の女の子からチョコやクッキーをもらった。

特に由比ヶ浜に関しては前のクッキーを知っているだけにこのクッキーの意味はでかい。

これを作るまでにどれだけの労力をかけただろうか?

どれだけの思いをこめたのだろうか。

あぁ、本当に心が揺れる。

オレはきっと近いうちにこの状況に答えを出さなければならないのだろう。

嘘偽りのない自分自身の本物の気持ちで。




これでストックは全て投稿しました。

ちょっと時間が取れないので次の投稿まで時間が空きます。

五月中にあと一つ投稿したいです。
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