拝啓 シロちゃんへ。 結婚してください──。   作:瑠威

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作者がまた一つ歳を取ってしまったヨ。若返りたいものだネ(何故かマユリさん風)
あと、番外編が手抜きとか言っちゃいけないヨ


第17話

 

「ああああ…ど、どうしよう…」

「地獄蝶で緊急事態だって聞かされて来てみれば…何これ。一体どうしちゃったのよ?」

「さあ? それがよく分からんのだ。朽木が血相を変えて呼ぶものだから、慌てて行ってみれば…海燕が彼岸をおぶって連れてきたんだ」

 

 

 「あわあわ、あわあわ」と壊れた人形のように同じ言葉を繰り返す彼岸は、壊れていると言っても間違いなかった。彼岸の右手にくしゃくしゃと握られた紙が、きっと彼岸を壊した理由に繋がるのだろう。兎に角、今は少しでも情報が欲しかった浮竹は、その紙を離させようと奮闘するが、頑なに彼岸は手の力を緩める気がないらしい。気がつけばハアハアと息の上がる自分に一人では無理だと悟った浮竹は京楽を呼んだ次第だ。

 対して京楽は「緊急事態だ、急を要する。早急に来てくれ」なんて急かすものだから、遂に浮竹が死んでしまうのかと血相を変えて来たのに…いや、これも十分やばい事態ではあるんだけど…。

 

 

「志波海燕、復活しました…」

 

 

 復活したと海燕は言うが些か覇気がないようにも思えた。京楽がん?と悩んでしまうのも仕方ない。京楽が十三番隊に来る少し前に事件は起こったのだから。

 

 道端でたまたま固まっている彼岸に出くわした海燕は、彼岸に話しかけた。よく十三番隊に彼岸は顔を出しているし、彼岸の方から海燕に話しかけてくることもあったので、顔見知りの自信はあったのだ。だが、話しかけても彼岸からの返事が一向に返ってこない。どうしたんだ?といつもは煩わしいぐらい元気なのに、石のように固まる彼岸を変に思った海燕は、近くにいた十一番隊隊士に話を聞いた。話を聞いた十一番隊隊士が言うには「コイツずっと居座ってやがんですよ!」らしい。何故か傷だらけな十一番隊隊士達の為にも、十一番隊の前にずっと置いておく訳には行かないという謎の使命感の元、彼岸をおぶろうとすれば、これは案外簡単に行った。何かやばいことでも起きてるな、と冷静にその時は考えていた海燕だったが、途中でルキアに出くわし、ルキアもあまりにも様子の可笑しい彼岸を見て気が動転したらしく、顔を真っ青にして慌てて浮竹を呼びに行った。

 

 浮竹と合流出来たので、彼岸を下ろそうとするのだが、彼岸は何故か海燕の上からどいてくれない。そこから海燕&ルキア&浮竹VS彼岸の勝負が始まり、結論から言うと海燕達が勝った。…海燕の服は全て散り散りになった、という結果を勝ったと言ってもいいのなら。

 

 白紙と共にどうやら海燕の死覇装も握りしめていたらしく、彼岸を後ろから引っ張ったりすれば、海燕の服も自然と引っ張られることになる。ムキになったこちらも引くに引けなく、そのまま踏ん張り続けていればいつの間にかビリィ!!だ。

 一瞬静寂がその場に訪れ…そして急に裸になった海燕を見て、顔を赤くしたルキアの右手は、吸い込まれるかのように海燕の右頬を()った。そして、騒ぎに駆けつけた都が見た現場は、愛する夫が仕事場で恥部を晒しているという非常にタイミングが宜しくなく、実際問題、それは勘違いなのだが、それを説明出来る人間はおらず、鬼の形相を浮かべた都は、ダメージを負っていた海燕の右頬に更なるダメージを食らわせた。ポケモンゲームであればこうかばつくん!!と表記が出ていただろうし、ロールプレイングゲームであればクリティカル!!な一撃だった。

 

 とりあえずは着替えを…と怒り心頭の都に状況説明を一先ず浮竹はし、何もしていないのに瀕死状態になった海燕を自室まで送り届け…京楽が来た、という状況だ。

 

 

「何それ…」

 

 

 一言で言えば混沌(カオス)。疲れた笑みを浮かべる海燕に思わず京楽は「ごめんよ」と謝罪の言葉が出ていた。「いえ…」と文句を言わない海燕はなんと出来た部下だろうか。

 

 

「とりあえず、コレどうにかしないとでしょ! マジ変な理由だったら流石の俺でもキレますよ…」

「それじゃあ海燕くんの為にもいっちょやりますか」

 

 

 そこから男達の奮闘は始まった。「ふんぬぬぬぬ」「とりゃあ!!」「今です隊長!!」「応!!」と中から聞こえてくる雨乾堂の前を横切った知らない隊士達はどう思うだろうか。まあ、ほとんど十三番隊隊士なので変に思う者もいないだろう。多分。

 

 数十分後、ようやく取り出せた紙はそれはもうシワだらけだった。シワシワの紙を必死に伸ばし、男達はそれを読む。

 

 

『彼岸さん近々、新隊長つれてきますね♡』

 

 

 送り主は十番隊副隊長 松本乱菊。これの何処に彼岸を壊す力があるのだろうと男達は首を傾げたのだった。

 

 

 

 

 ***

 

 十番隊隊長 志波一心が失踪した。これを聞いた時そろそろだなあ…と思ったし、あれ海燕生きてんじゃん。まさかアレでフラグ断ち切っちゃったのかな!?なんて色々とありもしたのだが、とりあえずそれは置いておこう。

 

 突然だけど、十番隊には変な習わしがある。理由としては私が元であるけれど十番隊の隊長を務めたことがあるからだろう。

 十番隊の隊長が変わる時、何故か私に見せに来る。というか十番隊隊長になるには私の了承が絶対条件となっており、ぶっちゃけ私の業務が増えるだけなので本当にやめて欲しいのが本音だったりするのだが、それを伝えたところで承諾されないと知っているので言わない。因みに3回ほど十番隊隊士に伝えたことがあるのだが、どれも「無理です!」の一言で一蹴されてしまった。

 

 

「あ、隊長〜。さっき松本来てましたよ」

 

 

 「これ渡してくれって」と煎餅くんから手紙を受け取り、私は「雨乾堂に行ってくる」と口煩い砕蜂がその場にいないことをいいことに、二番隊を後にした。

 

 原作も近いし、そろそろ砕蜂を隊長にしないとな〜とか、大前田副隊長の隠居の話はどうなったんだろうとか色々と考えていた。あ、手紙受け取ったんだった。早めに読んどこと思ったのがこの日の一番の間違いだ。自分で原作は近いとか言っておきながら、完全に頭から抜けていた。

 

 

『彼岸さん近々、新隊長つれてきますね♡』

 

 

 一心の後の十番隊新隊長といえばもう彼しかいない。そう、皆が大好きで大好きで仕方ない日番谷冬獅郎くんだよ!!え、近々っていつ?もしかしなくても、本当は今日会わせる気だったのあの子?え…ヤバない??が瞬時に私の頭の中を駆け巡った。もう固まったよね。会いたいけど会いたくないそんな矛盾した気持ちが巡り巡って固まるしかなかった。

 なんかやけに五月蝿い十一番隊隊士が絡んできたりパチンコ玉みたいな頭した男が絡んできたりしたけど、そんなことどうでも良かった。どうしようどうしようと悩みに悩んで、気がつけば雨乾堂にいた。

 

 

「そんなことで俺はあんな目に…!!」

「イタいっ!!」

 

 

 志波海燕くんの突然の暴力。頭にたんこぶ出来たわこれ…。おいコラ浮竹ェ!どない教育の仕方しとるんや!!出るとこ出るでェ…!!

 

 

「こっちが出るとこ出てやりましょうか…!」

「ふはははは!! 副隊長如き私が成敗してくれるわ!!」

 

 

 「じゃあこっちは総隊長出してやる!!」等と海燕は言っているが、それこそ痛くも痒くもない。何故なら、彼奴は私の封印されし斬魄刀(つるぎ)によって死ぬ運命だからだ!! 実際問題、本当に封印されているようなものだと突っ込んではいけない。私は未だに無視され続けてる可哀想な女なのだ…。

 

 

「会っちゃえばいいじゃない」

 

 

 「えーと、日番谷くんだっけ?」と簡単に言う京楽に私は「馬鹿者!!」と言った。

 そう簡単には会えんのだよ!! 何度か一心の計らいによって「ウチに有望な子が入ったんスよ。会います?」なんてエンカウントしそうになったけど、そのフラグを私は悉く断ち切って来たんだ。急に会ったりなんかしちゃったら、心臓爆発しちゃうよ。そりゃもうボフンっ!!て。例えるならそう、生卵をレンジでチンてしちゃったような爆発を…。小規模の爆発かもしれないけど私にとっては殺傷能力高めです。それぐらい純情で幼気な女の子なんですよ私って!!京楽とは違ってな!京楽ゥ、女好きのオッサンと愛しいシロちゃんは全然違うのだよ…!!

 

 

「あ、もしかしてその子に恋しちゃってる系?」

「うお、マジっすか!? 遂にやんちゃな隊長にも春が!!」

「おお…それは目出度いな!!」

「恋なんて軽い言葉で片付けていい感情じゃないわボケ!!」

 

 

 尊いというか麗しいというか…なんて言えばいいのかわからんけど、恋では無い。少なくとも私は星野源とは遠い世界にいることだけは間違いない。でも、もしかしたらガッキーと結婚は出来たりするかも。私は女だけど今時ジェンダーには厳しいから大丈夫。まあ、本命は柿原徹也なんですけどね? 柿原徹也、私の元にカモンンンンン!!

 

 

「隊長〜早く歩いて下さいよぉ」

「本当に…いるんだろうな。また無駄足だったら許さねぇぞ」

 

 

 タトタトと2人分の足音がする。

 そして聞きなれたアルトボイスと綺麗なソプラノボイス。この声の持ち主は小さい彼とボッキュンボンの彼女しかいない。

 

 

「こ、この声は…!!」

「松本と…あ、噂の新隊長っスかね?」

 

 

 完全に的をえていた海燕の声は私の叫び声で掻き消えた。

 

 

「チェストォォォォ!!」

「痛っ!! 何するんスか!! 何でスネけるの…!?」

 

 

 やばいよやばいよ…!! 出川哲朗になるぐらいヤバいって!!マジでか、強行突破されてる!!シロちゃん来ちゃってるじゃん!!

 

 

「か、隠れなきゃ…!」

「いや、同じ護廷で働いてんスから今ここで逃げてもどの道会いますよね? もう今のうちにあっときゃいいのに」

「うるさいうるさいうるさい!! 今正論なんて求めてないんだよ!! 心の!! 準備が!! できてないの!!」

「わかったからそんな耳元で叫ばんでください。耳が馬鹿になる」

「護廷十三隊で働いてるみなさーん!! 十三番隊副隊長 志波海燕は職場である十三番隊で恥部を晒してました!!」

「事実を言われたからって嫌がらせやめてください!!」

 

 

 「つか、あれわざとだったんかい!!」と叫ぶ海燕をガン無視していたら、気がつけば戸は開かれていた。

 

 

「シロちゃん…」

 

 

 最悪だ…心の準備がまだ出来ていないのに…。




〜フラグ断ち切り編〜

「いい加減にせぬか、彼岸。貴様ももう子供ではなかろうて」
「は? 相変わらず説教ジジイかよ!!」


 大の大人が喧嘩とは見苦しいと誰かが言ったような気がした。多分呆れながら私とクソジジイを見送った雀部のじいさんだったような気がする。
 いつもの喧嘩をしている発端はなんだったか。総隊長宛ての書類を私が滞納しすぎたことか、それともいつものちょっかいが原因かは興味もないので覚えていない。

 とにかく、いつものように喧嘩に発展した私達は、仕事の邪魔だと外に追い出され何も無い流魂街の端でコソコソと喧嘩をしていたのだが。


「卍解」


 こともあろうか、頭に血の昇った馬鹿は始解すらできない私相手に卍解ときた。このクソジジイ…!!と歯噛みしていたらなんとありがたいことでしょう!!


「む…何か飛び込んで来おったな」


 お馬鹿な奴がクソジジイの卍解に飛び込んで来たらしい。そこで一瞬私とクソジジイの動きが止まる。そして複数の足音が聞こえてきて…。


「主らは」
「浮竹んトコの…」


 ここで気づく。あれ…私しょーもない喧嘩でフラグへし折っちゃったのかな?都さんバリ生きてんじゃん、と。

オチある方がいい?それともない方?

  • 有(シロちゃんじゃない可能性もある)
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