コードギアス~反逆のルルーシュ~ 過去(?)に戻りし魔王 作:ダラダラ@ジュデッカ
使える人材―――手となり、足となって動く者達がいる事は嬉しい誤算。ただし、それらの見極めをつけるのは今回の騒乱を生き延びてからであろう。
ルルーシュは戦略パネルを動かして、北方に展開しているナイトメアの存在を改めて確認する。
ナイトメアの動きを観察していると、目的のナイトメアは少し移動した後にその場でしばらく制止という動きを繰り返している。恐らくは、ゲットー内を虱潰しに動き回っている機体なのであろう。
戦略パネル上から見ているだけでも機体の動きにやや雑な部分が見てとれるのだから、パイロットである騎士の熟練もたかが知れている。いや―——気が抜けているといった方が正解か。
寧ろ、大規模な作戦であるにも関わらず、これだ。KMFこそ現在の戦場において最高位の位にある機動兵器に登場している彼等に、慢心がない筈がないか。
(まあ、慢心しない方が可笑しいか。
この状況を見る限り、自分たちの勝利は決定的―――いや、そもそも今回の行動に勝ち負けなど存在はしない。強者が弱者を圧倒的な力で虐げているだけだ)
所詮、この世は弱肉強食。強い者が勝ち、弱者は文字通り滅んでいく。
だが、それ弱者という存在を否定する事となる。それはルルーシュにおいて命よりも大切な、最愛の妹であるナナリーの事を否定されているも同然だった。
世界が変わらないのならば、自分自身で変えればいい。ナナリーが安心して暮らせる世界を。彼女に優しい世界を創り出す―――。
それが、あの時の目的だった。その為ならば、鬼にも悪魔にもなろうと。“ギアス”という呪われし力を扱い、変革を起こそうとした。
――――後悔をしていない訳ではない。あのまま平穏な、それこそ鳥籠に飼われた小鳥のように、静かに暮らす事も出来たであろうから。
もっとも、あのままの生活では駄目だとも思っていた。いずれは政治の道具にされることも分かっていたし、その為の計画も練り込んでいた。
遅かれ早かれ、自分が立ちあがる事は決まっていた。まさかあのような結末になるとは想像していなかったと、改めて考えながら苦笑を浮かべる。
(それも今更な話、か。過去を変えられるものならば変えてやりたいが、だからといって俺の業が―——罪が晴れる訳ではない。
償わなければならないんだよ、俺は。この世界に対して)
少し昔の事を思いだしたが、ルルーシュは少しだけ笑った後、意識を現在に集中させる。
今、考えるのはナナリーの事ではない。いや、勿論ルルーシュにとっては大事な事であるが、現状の打破が最優先事項であることは明白。
(さて、改めて状況を確認するか。まず、北に二機のナイトメア。初手はこの二機を潰す。
考えられるパターンは幾つか存在するが……やはり、この手だな)
頭の中でシュミレーションし、即座に答えを導き出す。
ルルーシュの得意の戦略であり、それは得意なチェスの駒を動かしているかのようだった。
導き出されたパターンは全部で六つほどあるが、やはり一番手っ取り早い方法を使わせてもらおう。
葉月が乗った無頼を北に向かわせる事で、敵は確実に動く。これは断言してもいい。
しかし、先ほど待ち伏せをして敵機を撃破した事からも見て取れるように、そう簡単に真正面から立ち向かったりはしないだろう。敵は曲がりなりにも訓練を積んだ騎士であり、安直に動くような愚者ではない。
考えられるのは、一機は無頼を追撃し、もう一機は無頼を挟撃する形で回り込む。こうする事によって、無頼は逃げ場がなくなり、撃破は容易くなるだろう。挟み撃ちをすることによって退路を無くし、撃破する。まあ、良い手段であろう。よい手段であるのだが―——。
(その程度の事など、当然想定済みだ。だからこそ―——)
今回の戦術を組むのは一度は頂点にまで上り詰める事を成し遂げたルルーシュである。彼等の裏の裏を読むことは朝飯前。
無論、そうなる事は見えている。だから、これもシンジュクの時と同様であるが、まずは別行動を取る筈のナイトメアを先に叩く。
地形を見る限り、迂回するには東のルートが適切だ。ならば、其処に此方は三機のグラスゴーを配置。迂回して来た所を一斉射で撃破する。
その後は追ってくるナイトメアを振り切る為、地下道を使用し、次のポイントへ即座に移動。
これを速やかに行う事で、ブリタニア側の指揮系統を掻き乱す事も出来る。こういうゲリラ戦において、こういった地下道があるのはありがたい。シンジュクの時も同様であったが、地の利を生かすという戦法はなかなか効率的だった。
「……さて、無頼が北エリアに到着したか」
ようやく着いたか、とばかりにルルーシュは不敵に零し、足を組み直す。
まずは敵機に簡単に発見してもらう為、出会い頭に一台の装甲車でも破壊しろと指示済み。すぐさま画面上にLOSTの文字が浮かび上がる。
それを確認した上で、ルルーシュはもう一度葉月に指示を送る。
「R1、そのまま直進。敵機を振り切る形で全速力にて駆け抜けろ」
『また待ち伏せ戦法?』
「違うな、間違っているぞ。考えてみろ、先ほどの状況が二度も続くはずはないだろう。
恐らく敵側は機体を二つに分けて挟撃して来るはずだ。その隙をつく」
『……とりあえず、全速力で突っ込めばいいのよね?』
「そうだ。別働隊がナイトメアを撃墜したのを確認次第、ポイント4から地下道に潜れ。
それから次の作戦ポイントに向かってもらう。そうすれば、敵も必然的にお前を追ってくる筈だ」
『了解!』
威勢のいい返事だ。まるで、初期の頃のカレンを見ているような気分になる。無論、半信半疑気味に指示に従う彼女の姿、ではあるがこれは素直すぎると彼は少しだけ懐かしむ。
そして、事態はルルーシュの思惑通りになる。
葉月の無頼を確認した二機のナイトメアは、予想通り二方面に分かれ、その一方が東に向かっていく。
無論、のこのこ出てきた無頼を挟撃する魂胆であろう。見え見えの行動に、ルルーシュは頬杖をつきながら、口の端を吊り上げる。
「―――よし、P1からP3へ。23秒後に一機のグラスゴーが其方に向かう。壁越しに撃ちまくれ」
『P1、了解した。撃墜後、次のポイントに向かう』
淡々と、それでいてしっかりと答える。
P1の識別番号を持つのは、ルルーシュと会話していた男である紅黒月という人物。黒月も画面上のパネルを見ながら、向かってくる味方――ブリタニアのナイトメアを確認する。
『あんな言葉をあっさり信じるんですね、黒月さんは』
『信じると決めた以上、逆らうと思うか? 利用できるものは何でも利用する。今この時も同様だ』
通信越しに聞こえてくる吉村に答え、黒月は改めてトリガーに手を掛ける。
そして本当にその通りに行動してくるグラスゴーを確認し、吉村がつい声を漏らす。
『うわ。本当に来ましたね、黒月さん』
『ああ。各機、構えろ』
ナイトメアが向かってくるのを確認すると、黒月の機体と他の二機が向こう側に向けてアサルトライフルを構える。
引き金に指を当て、ルルーシュの指示があった23秒を数え始めている。
その1秒1秒がどこか長く感じられたが、黒月は冷静に目の前を見やり、時間、そして機体が見えた瞬間にトリガーの引き金を引く。
『今だ、撃て!』
黒月の声と重なって、アサルトライフルが一斉に火を噴く。
その向こうには、無頼を挟撃しようと行動していた一機のグラスゴー。いきなり横から攻撃され、何が起こっているのか理解できなかった。
『な、何だ!?おい、私はみk……!』
機体が耐えられず、パイロットはレバーを引いてイジェクション・シートを射出させようとするも時すでに遅し。
銃弾はグラスゴーの機体の所々に風穴を開け、それはコックピットも同様。もはやパイロットの息はなく、姿形すら原型を留めているか怪しかった。
制御を失った機体は音を立てて崩れ落ちるように倒れ、またもルルーシュの搭乗しているサザーランド上にLOSTの文字が浮かび上がった。
『完了だ』
「確認した。続けてルート17から8へ移動。次の指示を待て」
『文字通り各個撃破という訳か。了解』
サザーランド内で頬杖をつきながら、ルルーシュは黒月に指示を出す。
グラスゴーを撃墜した黒月の部隊は、速やかにその場を離れ、地下道に潜る。続いて、ルルーシュは葉月にも指示を送った。
「R1、離脱。お前は18から次のポイントへと向かえ」
『了解!』
葉月も操縦桿を倒し、無頼を地下道に移動させる。慣れ親しんだゲットーの地下はお手の物らしく、迷う事無くすいすいと進んでいく。
「さて、まずは一機。次は……」
戦略パネルを眺めながら、ルルーシュは不適に笑みを浮かべる。
シンジュクの時と要領は大体は同じだ。後は―――
(ランスロットのようなイレギュラーは……本当に勘弁して欲しいところだな)
たった一機で戦況が変えられるような機体の登場など、本当に勘弁してほしいものだ。更に、それを扱っていたのが親友だったというまるで悪魔の悪戯でもやられたような、そんなものはもういい。
しかし、これを機に状況が確実に一変したのも事実だった。
■
『ガニス卿、ヴェード卿、共に脱出!』
『み、味方が撃ってくる!? くそっ、脱出します!』
『本部、きゅ、救援請う! 至急救援を…ぐわぁぁ!!』
次々に脱出、あるいは訳も分からず戦死していくナイトメアのパイロット達。
先ほどまでは圧倒的有利の状況だったはず。しかし、短時間で一気にその状況はひっくり返ったのだ。
余裕ムードからの変わりよう。ただの掃討戦と余裕を見せていた指揮官は、情けなくもうろたえる様にモニターと周囲に目を向け、ただただ声を荒げていた。
「一体何がどうなっている!? 状況は? 敵機の数は!?」
「どうやら我が軍の機体がテロリストに鹵獲された模様です! 前線のパイロットが次々とやられており……ああっ! ダウラス卿まで……」
「そんな事は分かっている! だが、これは何だ!? 我らブリタニアの騎士たちが、この様か!? 情けない……! 情けないぞ、貴様等!」
指揮官が吠える様があまりにも愚かで、滑稽。
事態を傍で窺っていたグリムズには指揮官である筈の彼の姿がそう見えた。
しかし――あまりにも急すぎる。ナイトメアが鹵獲されたからといって、こうも簡単に状況が転覆する事は考えにくい。
(全てがうまく出来すぎているといえばいいのでしょうか。裏切り者が出現したか、優秀な指揮官が敵側についたか……そのどちらかでしょうが)
前者もあり得るし、後者もまた然りだろう。つまり、こうなる事を予想してデータを奪取し、このゲットーに包囲網を敷かせたのであろうか。
だが、それにしては出来すぎだ。そう、あまりにも。
(―――ですが、これでこの無能な指揮官を追い落とす材料が出来ましたね。それに関してはテロリストに借りが出来ましたが……)
どうやってこの指揮官を追い落とすか。グリムズの考えはそれだった。
いつまでもこのような愚者に付き従っている筈がない。いずれは出世しなくてはならないと、自分なりの野心も持ち合わせている。
自分の才能が、こんな男の傍で腐らせてしまう――そんな事など、絶対に許されない。
(このグリムズ・ソレイシィが―—。キューエル程度に遅れをとっているなど、あってはならない事ですからね。フフフ……)
グリムズ・ソレイシィ―――トーキョー租界方面に駐在しているキューエル・ソレイシィの兄に当たる人物。妹であるマリーカという人物もいるのだが、彼女もそれなりの権力者の傍にいるという。もっとも、グリムズには興味はない。
妹など、どうでもいい。彼の眼の中にあるのは、弟のキューエルただ一人。
その弟はトーキョー租界にてクロヴィス配下の純潔派として活躍している。それに比べ、自分はこんな辺境の地の副司令官という立場。
弟が出世していく中、グリムズは彼に劣っている。そんな劣等感が人一倍彼あったからこそ、その胸のうちにある野心もまた大きかった。
無論、今回の責任を指揮官はグリムズになすりつけては来るだろう。しかし―——。
(どんな事をしても、無駄だとは思いますがね……フフフ)
心の中で不敵に笑んだグリムズの視線は、今も狼狽えている指揮官に向けられていた。
■
グリムズの思惑など、ルルーシュは知る由もない。
ただ、今はこの戦線を勝ち抜く為に、紅グループの面々に的確な指示を出し続けるのみだった。
「P2、P4、8時方向に移動。二百メートル進んだ後に、東の方向にスラッシュハーケンを発射」
「P1はその場で待機。10秒後にビルの陰から一機のナイトメアが目の前を通る。背後を取って撃ちまくれ」
「P5、ポイント3からNエリアに後退。P2はNエリアにて待機。誘い込んだ所でセットした爆薬を爆発させろ」
「B1、P6はそのまま前進」
指示通りに動けば動くほど、敵は面白いように潰れていく。
本当にこんな事が可能なのか、と思うほどに簡単に。脅威の象徴でもあったナイトメアが、驚くほどに脆い。
「よし、B2、B3はゲットー中心部にて機体を破棄。識別信号は出したままにしておけ」
それを確認した指揮官は、ゲットーの中心部を叩き、再び声を荒げる。
「テロリストがこの場所に集中している! 今すぐに叩け!」
「さすがに不自然すぎます! ここは部隊を一度下がらせて…」
「黙れっ! 私をコケにした奴らを葬る事無く、撤退など出来るものか!」
(愚かな……。それは一番浅はかな行動だとも気付きもせずに、よくもまあ……)
頭に血が上ったのか、他の士官が指揮官を諌めるが、指揮官の耳には全く入っていないのだろう。
この男は大局が全く見えていない。
グリムズは敢えて指揮官の指示にただ飽きれはて、進言をすることもなく嘲笑するだけであったが。
そして、事態はグリムズの予想通りになる。
味方―――いや、味方の識別信号を出している敵に向かって合計六機のナイトメアが向かっていく。
ルルーシュはふふ、と軽く笑う。まるでクロヴィスの時を思い出させる、滑稽で無様な行動だ。
敵は戦術を全く知らないと思われる。こんな能無しが指揮官など、ブリタニアの騎士たちに少し同情してしまうほどに。
「馬鹿が。頭に血が上ったか? しかし、好都合」
破棄したナイトメアに近づくブリタニアのナイトメア。
そして、残り百五十メートルといったところか、其処まで引き寄せるや、ルルーシュは通信越しにやれと指示する。
果たして、その瞬間。画面上の敵機が一斉にLOSTの文字を浮かび上がらせる。
あらかじめ地下に潜らせていた別部隊が、元々地盤が緩んでいた場所を落盤させたのだ。
ナイトメアを囮として失うのは痛いと感じるが、六機も撃墜できたのは大きい。
「上出来だな。さて、次はどう動いてくる? ククク……」
笑みがこぼれる。しかし、ただ単に笑っているだけではない。どこか含みのある笑みだ。
常勝不敗を自称するブリタニアが、植民地エリアのレジスタンスグループ相手に壊滅させられる。話としては面白い。
しかし、それは現実に起こっている話だ。ただの笑い話で済めば、どれほどいいものか。
「ば、馬鹿な……! 私がっ! ブリタニアが……こんな……」
力なく、指揮官は頭を抱えながらうな垂れる。
ナイトメアの残存はたったの三機。他のナイトメアは全てやられた。装甲車二十機程度壊滅させられている。歩兵などもってのほかだ。
完全な敗北。天から地へ突き落とされたような感覚が、指揮官に襲い掛かっているに違いない。
(どうやら此処までですね……。これ以上、無駄な戦力を裂く訳にもいかないですし)
事態を静観していたグリムズは、迷わず前に出た。
これ以上、此処に止まっていては流石に危険だ。前線は崩壊し、これ以上無駄に兵力を裂いても彼等が無駄死にするだけ。それだけ敵の士気も高まっているし、此方の劣勢は誰の目から見ても明らか。
「残念ながら、此処までですね。残存部隊に撤退指示を」
「な、何を言うか、グリムズッ! 私は、ブリタニアは負けてなどおらぬ! 我々は、常に勝ち続けなければならないのだ!」
「そうはいいますが、犠牲者を更に出すだけの消耗戦など、私は真っ平御免ですよ。状況を冷静に判断すれば、このぐらいは普通です」
「だが……! あのデータは、何としても取り戻さなければならないのだ! だからこそ……!」
「くどいですよ。この戦いにおいて、我々は敗者です。一旦退いて、軍備の再編成をした方が一番良いかと」
指揮官はまだ何か言いたそうだったが、グリムズは無視して撤退指示を出す。
潔い、といえば一番だろうが。そもそも、グリムズとしてはこの追撃戦もあまり乗り気ではなかった。例え、機密データを盗まれたとしても。
しかし、収穫はあった。無能を蹴落とす材料も、そして面白い場所に出くわした事も。
(イレヴンとはいえ、感謝しなくてはね……。ですが、次に会う時はそう簡単にいきませんがね)
グリムズの鋭い眼光がゲットーに向けられる。
その怪しげな目付きは、一体何を物語っているのか―――ルルーシュはまだ知らなかった。
『凄い……。ブリタニアが撤退していく…』
無頼のコックピット内で葉月が呆気にとられたようになっていた。
ブリタニアに勝った。常勝といわれたブリタニアに。
操縦桿を握る手が震えているのが分かる。今度は恐れではなく、胸の名からにじみ出てくる喜びから。
『葉月、無事か?』
『う、うん、お兄ちゃん。私達…勝ったんだよね?』
『一応は、な。だが、長居は無用だ。すぐさまこのエリアから離れるぞ』
『うん…。けど、あの声は一体……?』
『さあな。改めて礼を言いたかったが、何処かに消えてしまったようだ。だが、俺達が助かったのは事実だ。それは感謝しないといけない』
葉月の視線がゲットー内に向けられる。
今も何処かで潜伏している筈の、あの声。
妙に偉そうな声だったが、それでもこの結果だ。その声の主を非難できる筈がない。
『……また、会えるかな?』
『どうだろうな。今回の行動は奴の気まぐれかも知れないし、そうじゃないかもしれない。
ただ、俺達は継続して反抗活動を続けていく。それだけはこれからも変わらない』
『うん……』
『だが、また会えるだろう。きっとな……』
『うん―—。そうだよね』
其処まで聞くと、葉月は操縦桿を倒す。
無頼のランドスピナーが稼動し、地を滑らかにすべり、そしてゲットーの地下へと消えていった。
その後姿を見送った後、ルルーシュはふうと息を吐いた。
戦場はあの時の決戦以来か。やや期間が空いたが、戦術的な部分は鈍ってはいないようだ。
もうこのような事も必要ないとは思っていたが、またしても扱う事になるとは。それが例え、人を殺める策だとしても。
「まずは前哨戦をクリア出来た。それに、一応の候補も同時に見つかった。次は……今俺が置かれた状況の確認だな」
まずは、この世界の事を知らなければならない。
戦闘に一応は勝利したルルーシュであるが、これはあくまでも一時撤退。次は本格的な攻撃を仕掛けてくるだろう。
その前に、知らなければならない。
此処が本当に過去なのか、あるいは―――。