夏の北海道は東京よりもだいぶ涼しく、まるで少し暖かい時期の春のような過ごしやすさだ。
「おお!!!トレーナー!ここが札幌!北海道だよ!でっかいどーってルドルフ会長が言ってただけあって、おっきいね!」
札幌空港に着陸し、ウララのテンションは急上昇していた。遠くの地方でレースがある際、学園長室に生徒会長と同伴で申請を出しに行けば遠征費をもらえるという制度がトレセン学園にはある。ただ、それにはG3以上の大会を一度勝っていなくてはならない。ウララはこの前勝ち星をあげているためギリギリもらうことができた。その時、あの皇帝と呼ばれるシンボリルドルフが
「北海道はでっかいどー....だから、迷子にならないようにな」
とウララに言い、空気が冷たくなるとは思わなかった。ダジャレと気がつかなかったウララは、うん!わかった!と大きく頷いて笑顔で返事をしていた。
さて、そんなわけで俺達はエルムステークス出場のために北海道にいる。
チームのみんな(ライスシャワーだけだが)
もつれてきたかったのだが、流石にそれに遠征費はおりず、ライスシャワーの皐月賞選考会ものこり2ヶ月ほどしかないため、彼女はのこって練習すると判断した。
俺とウララは観光もしつつ、札幌競馬場の近くのホテルにチェックインし、しばしの休息をとっていた。ウララに部屋の鍵を渡し、一緒の部屋で寝よーよーと言う彼女の声を制して、俺は自室へと入った。こっちにフライトしてきたばかりであることと試合まで残り五日であることから今日は休息を取るように指示している。
部屋に入りテレビをつけると、皐月賞に出走する無敗のウマ娘、ミホノブルボンがインタビューされている映像がうつった。世間では、やはりダートレースよりも圧倒的にG1ターフ(芝)の方が人気があるようで、スマートファルコンの飛び入り参加のことの報道などは一切なかった。
俺は特にそれに何を感じるわけでもなく、次なるライスシャワーの相手のインタビュー映像を、ぼーと眺めていた。
必ず、三冠を成し遂げます。
ミホノブルボンのその一言で、会見は終わった。彼女の言葉に、場内の記者はおおーとどよめき、期待のこもった盛大な拍手を送っていた。
「....必ず、勝つ、か。」
世間はきっと、誰もライスシャワーのことを見てはいない。そして、ミホノブルボンすらも....だからこそ、チャンスなのだ。ステイヤーとして、才能と努力の走りを、見せつけてやる。
まずはそのためにも、ウララの勝利を信じよう。
俺は、流れを作れるチャンスに胸を躍らせ、柔らかいベッドにしばらく身を委ねたのだった。
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テレビをつけると次の皐月賞に関する番組、有馬記念の予想...どれもこれも、ターフのレースの番組ばかりだ。
「...やっぱり、ファルコ、こんなとこで終われない。」
トップウマドルになるために、勝者のみがたてるウィニングライブのセンターに立つ為に、私は勝つ。勝って勝って勝ち続けて、いつかターフで、有馬記念で、私はステージに立ってみせる。...その為にも、このレース、絶対に落とせない。
私はテレビを消し、蹄鉄を靴にはめこむことにした。
「いつになく真剣なのね。」
私の隣に座ったトレーナーさんは、普段は蹄鉄を自分ではめない私を不思議そうに見ながらそう言った。
「...このレースには、ファルコがどうしても勝たないとダメな相手がいるんです。」
ハルウララ、ダートレースといえば彼女と言うイメージが、世間では生まれつつある。ファルコがいくら結果を出しても、彼女の方がメディアで扱われる頻度は高いし、人気もある。...そんなの、絶対に認めない。
「...ファルコ、トップウマドルになる為に努力してきた。」
私は、蹄鉄をはめる手を止め、トレーナーさんの目をみつめる。眼鏡をかけた優しい目をする彼女は、私の話を黙って聞いてくれていた。
「レースに勝つのも、全部、ステージでセンターに立つ為だった。...でも、去年の有馬記念をみて...マックイーンさんやトウカイテイオーさんの天皇賞をみて、私のライブなんかよりも、全然盛り上がってるのを、感じた。」
だからこそ、と私は続ける。
「ファルコ、レースで絶対に勝つんだって決めたの。常にセンターに立ち続けて、そして、ターフにでて、有馬記念のライブで、ダートに出るウマ娘はは凄いんだぞって、ファルコはすごいんだぞって、日本中に見せつけてやるんだ。」
自分の存在価値を、意義を、常に先頭で、見せつけたい。知らしめたい。だから、諦めずにずっと勝ちを取り続けてきた...なのに、
「それなのに、たかが数回しか勝利をあげてるだけのウマ娘に、負けるなんてありえない。」
頑張るウマ娘ハルウララ、勇気のもらえるウマ娘ハルウララ、強くなって更なる高みへ、ピンクのアイドルハルウララ、ダートにはこの子がいる!みんなのアイドル、ハルウララ!そんな垂れ幕を、学園で、商店街で、いろんなとこで、目にした。その度に湧き上がる感情を、抑えるので必死だった。
「ファルコ、初めてなの。誰かに勝ちたいって思ったの。」
センターに立ちたい、だから勝ちたい。目立ちたい、だから1番が欲しい。その思いで、走り続けてきた。勝ち続けてきた...なのに、
今はこんなにも...彼女に勝ちたい気持ちで、頭が、心が、弾けそうだ。彼女と一対一の勝負がしたくて、出走もずっと隠してきた。
トレーナーに、少し走ってくると伝えて、私は部屋を出た。ようやく、みんなにわからせられる...彼女を、倒すことができる。
今にも爆発しそうな闘争心を誤魔化すように、その日、私は走り続けた。
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夜、晩飯をウララとすませ、自分の部屋に戻ろうとしていると、見覚えのあるウマ娘を見つけた。
...あれは、スマートファルン?
廊下にある自動販売機でなにを買うのかまよっているのか、いつものツインテールを解いた彼女はうーんと唸りながら突っ立っていた。そんな彼女をしばらく見つめて、俺は思考に浸っていた。
いくら同じ学園でも、部屋の階ぐらい分けてくれよ
心の中でそう毒づいて部屋に入ろうとした時、彼女が俺に気がついた。
長い間見過ぎてしまったか、と自分の行動を悔いて、とりあえず俺はこんばんわと挨拶をしておいた。そんな俺に彼女は笑顔で
「こんばんは!」
と元気に返してきた。そして
「ねね!ファルコのこと見てたでしょ?もしかして、ファルコのこと知ってるの?」
そう嬉しそうに聞きながら彼女はこちらに近づいてきた。知ってるも何も君の対戦相手のトレーナーなんだけどねと内心苦笑しながら
「ええ、一応...。」
とだけ返しておいた。
すると彼女は顔を輝かせて、
「わぁ!嬉しい!あのね!ファルコ、今週あるエルムステークスっていうレースで、絶対に1番になるから!もしよかったら見にきてね!」
そう元気に彼女は言い残して、再び自販機の方へ歩いて行こうとした。
絶対に勝つ...なぜ、彼女は今の自分のレベルよりも低い、このG2のレースに挑んだのだろう...なぜ、そこまでのやる気を出しているのだろう。メリットはなんなのだろう。その理由が、根拠が、どうしても気になってしまった。そして、
気づけば、その背中に声をかけてしまっていた。
俺とスマートファルコンはホテルの近くにある小さな公園に来ていた。俺がウララのトレーナーであることを話すと、彼女は少し私も話がしたいと、そう言ってこの公園に連れてこられた。北海道の夏の夜は少し肌寒く、夏なのに少し不思議な気分だった。 道中で、このレースに出走する目的を聞いたが、彼女は答えてはくれなかった。
彼女はブランコに座り、トレーナーさんも隣に座って、と片方のブランコをさした。俺は空いている方のブランコにすわり、なんとなしに前後に揺らした。
ブランコの鎖が、少し錆びた金属音を鳴らす
「私達、ダートを走るウマ娘は、世間からしたらそんなに注目されてないの。」
しばらくお互いに無言でブランコを漕いでいたが、彼女のその言葉でその空気は切り裂かれた。
「どれだけ結果を出しても、ターフの方が人気があって、盛り上がって、注目されて、そんなレースに、ステージに、ファルコはね、すごく憧れた。」
まるで幼い時のことを話すかのように、彼女は懐かしい表情をしながらそう語った。
「だから、いま出られるレース全てのウィニングライブにでて、センターにたって、目立って....ファルコのことを、たくさんの人に見てもらいたかった。」
ウィニングライブで、センターに立つ。それは、レースで勝利を得たものだけが許される特権だ。
「だから、私は、努力した。せめて、ここだけでは1番になり続けようって、いつか、もっと実力をつけて必ず有馬記念に出ようって、出られるような、人気者になるんだって、必死に足掻いてきた。...でもね、」
そこで彼女は言葉を区切って、少しの間黙ってしまった。
俺はその間、特に何も話すことはなく、ただ静かに空を見ていた。札幌の星は東京よりも綺麗にみえて、ウララと明日見にこようと、そんなことを考えていた。
「そんな時に、ウララちゃんが出てきた。ファルコが頑張って作り上げてきた人気は、全部彼女に持っていかれた。帝王賞を制しても、東京賞をとっても、誰も、見向きはしてくれなかった。....ファルコの勝利は、努力は...全部、あの子のたった一勝に、負けたんだよ。」
彼女は、だんだんと言葉に熱を込めて、話し続けていた。それして、彼女は言い放った。
「...だから、ファルコ、このレースに出て、ウララちゃんを倒して、証明して見せる。ファルコが...私がダートレース1のウマ娘であることを。...こんな現実、絶対に、認めない。」
そう言っている時の彼女からは、走らない俺でもわかる、物凄いプレッシャーを放っていた。思わず、鳥肌が立つほどの。
「これが、ファルコがこのレースを走る理由だよ!トレーナーさん♡」
そう言い終えた彼女はいつもの調子にもどり、可愛らしい笑顔を俺に見せ、小首を傾げた。
....すっげー変わり身の速さだな。
その空気の入れ替わりの速さに若干引くのと同時に、彼女がこのレースにかかる思いが、どれほどまでに強いものかを理解した。
曲げられない信念。嫉妬。勝つことへの執着。これらを兼ね備えた、ダートレースの天才。それが、ウララにとってどれだけの脅威になるのか、口にするまでもない。
「はい!次は私からトレーナーさんに質問ね!」
彼女に対しての脅威を改めて感じていると、スマートファルコンはそう言ってブランコから降りて、俺の目の前に立った。
「どうして、あの日の選考会で、ハルウララを選んだの?」
彼女はそう、俺に聞いてきた。
「もっと有力株はいたはずよ。トウカイテイオーが一強だったのは事実だけど、ナイスネイチャやスペシャルウィーク、いい走りを他にも見せたウマ娘達はいたわ。...なのに、なんでその中から、本来、あの順位なら契約すらできないウマ娘を、あなたは選んだの?」
スマートファルコンは至極不思議そうに、俺に問いつづける。
「ウララちゃんに、潜在的な能力があるとあの日のレースから判断したの?確かに、段々とウララちゃんは結果を残してはいる。でも、それでも平凡的なもの、デビュー線での勝ちもない。そんなウマ娘になら、契約金を払い続けていくだけでも大損のはず...ファルコ、トレーナーさんがなんであの娘を選んだのか、知りたいの。」
俺がなぜレベルを落としたレースに、天才と呼ばれる彼女が出るのかを気にしたように、彼女も、最弱であった彼女を選んだ理由が気になるのだろう。俺が逆の立場でも、気になっていたと思う。何かを見抜いたのか、はたまた何か狙いがあるのか、それがあるのであれば、当然対策を取りたくなるものだ。
だけど、あいにく、そんなものはない。
「俺が、あの娘を選んだ理由は...そうだな。」
なんと言えばいいものかと、俺は地面を見つめる。
「あの娘の走りで、証明したかったんです。いろんなことを。」
証明?とスマートファルコンは俺におうむ返しで聞いてきた。
「そうです...証明。昔の俺が、見たかった景色、今の彼女に、見せたかった景色、掴みたかったもの、掴ませたいもの...うまく言えないんだけど、そういういろんなものを、努力だけで、走ることに対しての想いで....掴めるんだって、見せれるんだっていう、証明をしたかったんですよ。」
何を言っているのかわからないという風に、目の前の彼女は首を再び傾げた。
そんな彼女をみて、俺は申し訳ないと、小さく笑った。
「少し、昔話をしても、いいですか?」
彼女に、俺はそう聞いた。彼女に、できればタメ口で話して欲しいなと言われた俺はそこからタメ口を使うことにした。
「俺、昔ボクシングしてたんだ。小さい時から、高校まで、結構真面目にしてた。....でもね、勝てないんだよ。どれだけ練習しても、努力しても、勝てない。天才って呼ばれる人たちには。」
それは、ウララの走りを見た時に、思い出した、懐かしい記憶だ。
「俺よりも遅くに始めたやつにも負けて、監督に、おまえは向いてないって言われて。それでもきっと、いつかは芽が出るんじゃないかって、諦めなかったんだよね、俺。」
スマートファルコンは、再び隣のブランコに座り、軽く漕ぎ出した。金属音が、再び鳴り響く。
「...それでさ、結果、パンチドランカー、まあいわゆる、拳が怖くなったわけよ。どんなに頑張っても目が開かないから、パンチを避けることができない。...選手生命が、終わったのよね。」
そこまで大きなパンチをもらったわけではなかった。ただ、怖かったのは結果を出さない自分にたいしてだ。それが、積み重なって、きっと俺の精神を、侵食した。
「才能のあるやつに勝ちたくて、努力して、努力して、平凡以下の俺は、それで、何もつかめなかった。ああ、間違ってるんだなって、その時思ったんだよ。凡人が、天才に勝つ瞬間なんてこの世界にはありはしないんだなって。....弱く生まれたやつは、下を向いて生きることしかできないんだなって。」
その考えは、今でも少しだけ残っている。
この世界は残酷で、結果が全てで、だから敗者は忘れ去られていく。
「だから、俺はトレーナーになったんだ。才能があるやつを選んで、劣った才能の持ち主を潰していく。こんなに簡単で、楽な選択をできる仕事は、これしかないって思ってさ」
なかなかのクズだろ?と自傷して笑った。
「でも、そんな時に、彼女の走りを見たんだ。泥臭くて、誰よりも弱くて、でも、一生懸命な走りを。...あの娘、あれだけ惨敗した後でも笑ってんのよ。走るのが楽しいって...みんな、私の走りを見て、笑顔になってくれるから、私も嬉しいって...だから、いつか勝ちたいんだって。」
医務室での会話を少し懐かしみながら、俺は続けた。
「その時さ、思っちまったのよ。あぁ、このウマ娘が勝つ姿を、俺は見てみたいって。努力が、想いが、天才に勝つ瞬間を...諦めないって事で、捕めるかもしれない何かを、俺はこの娘の走りで見てみたいって。」
だから、俺はウララをスカウトした。
そう締めくくり、俺は隣に座る天才を見つめた。
「才能があるウマ娘だって、努力はしてるよ?」
彼女は不満そうに、俺に返した。だから俺も
「それ以上に、凡人は足掻いてる。君達天才が1でできることを、10も20もこなしてようやく身につけることしかできない、それが俺たちなんだよ。...だからこそ、俺は信じてる。そこで、諦めなかった先の景色を。」
そう、強く彼女に返した。
「ふふ、ファルコ、負けられないなぁー。」
そう彼女は言うと、ブランコから腰を上げた。
「私は、ダートレースの天才。スタミナも、脚質も、ウララちゃんよりもきっとある。
そして、私も努力してきた。足掻いてきた...夢に向かって、必死に。....でもそれはきっと、ウララちゃんも同じなんだよね。」
先ほどまでウララに対して放っていた殺意ようなプレッシャーを、彼女からはもう感じなかった。代わりに、優しい、友人を見守るかのような、優しい声音で彼女は続けた。
「だったら、ファルコ、負けられない。ライバルとして、ウマドルとして、そして、友達として。」
そう言い残し、今日は遅くまでありがと!ホテルに戻るね!と走って行ってしまった。
ウマドルって、なんなんだろう
聞いとけばよかったと少し後悔した俺はもう少しだけ、この綺麗な空を見ていようと公園に残った。
彼女にも...天才にも、強い信念がある。
才能をもって生まれたからこそ観れる高み、目標...それを、ウララが見ている
それがどれだけ無謀で、難しいことか、彼女の思いに、信念に触れて、再確認させられた。それでも...
「ウララは、必ず」
必ず、ウララは勝ち取る。
風が吹く、少し冷たい、でもこの空気にはちょうどいい風。
草木が揺れる音が心地いい。
レースまで、残りわずかだ。
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よく晴れた日だった。流石の札幌でもその日の気温はそれなりに高く、最高気温が22度を更新した。
「...ふぅー。」
控え室をでて、外に続くこの廊下を歩いている時、本当にものすごいプレッシャーで毎度毎度吐きそうになる。
私は、身につけた勝負服の裾を、軽く拳で握った。昨日、トレーナーがくれたものだ。
いつもの体操服の上から羽織る、白いジャージと赤いグローブ。本当に、はたからみたらただの厚着をしてるだけに思えるだろう。
それもそのはずで、これは本来の勝負服なのではない。勝負服とは、成績を常にトップでとりつづけるウマ娘にスポンサーなどがついてようやくメーカーから渡されるもので、つまり、これはトレーナーが自分で用意してくれたものだ。....それを、私は理解してる。...だからこそ、こんなにも勇気がでる。どんな勝負服にも負けないくらい、強くて、可愛くて、かっこよくて、優しい服。
これを着るだけで、まるで、トレーナーに頑張ってこいって、待ってるぞって言ってもらえてるみたいで...自然と、笑顔があふれる。
「ウララちゃん...笑顔になれるなんて、ずいぶん余裕なんだね。」
横から声が聞こえたから私はふぇ!?と慌てて顔を上げた。そこには、ファルコンちゃんがいた。それに気が付かないくらい、私は集中してた。
「ファルコ、負けないよ。ウララちゃんがどれだけ期待されてても、応援されてても、それを全部ひっくり返して、本来あるべき姿に、私はしてみせる。...改めて、言わせてもらうね。センターを取るのは、ファルコだよ。」
ファルコンちゃんはそういうととめていた足を動かして、私よりも先にレース場に出ようとした。だから、私も彼女に聴こえるように、大きな声で言い放つ。
「私も!負けないよ!だって!」
だって、だって私は
「みんなが!待ってくれてるから!」
たくさんの人を、待たせているから。
だから、勝たなくちゃだめなんだ。いろんな人の笑顔が、それで見れるから...そして、
トレーナーが、待ってくれてるから。
そんな私の言葉にファルコンちゃんは
「アイドルみたいなこと言うのね!」
と、大きな声で返してきて、笑った。
そして、それっきり彼女は何も言わずに、私に背を向けてレース場にでた。
私も、その力強い背中を追って、土煙が立つダート場にいま、足を踏み入れた。
読んでくれてありがとうございます!
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