みんなが待ってるから!
だから勝つ...か。ウララちゃんの言葉。
誰かのために、勝ちたい。そんなウマ娘も、いるんだ...いや、それが彼女らしさか。
ゲートに入る前に、私は、彼女の言葉を思い出した。
今日まで、彼女の全てが憎くて、許せなかったのに...ウララちゃんのトレーナーさんと、なによりも彼女自身の言葉で、そんなものは完全に抜けてしまった。代わりに残ったのは、彼女に勝ちたいという、その信念のみ。目立ちたいとか、センターに立ちたいとか、自分を知ってもらいたいとか、今まで自分を糧にしてきたものは、全て捨てた。
...ファルコ、意外と単純なんだなぁー、
自分の単純さが、あまりにも露骨すぎて心の中で思わず苦笑いがもれた。
8番のパドックをみる。桃色の彼女は、先程までの笑顔を完全に消した、今までとは違う..なにか、野生の本能のようなものをまとったかのような、そんなプレッシャーを放っていた。
それをみて、あぁ、この子はもう弱くなんてないんだって、その時初めて自覚した。
きっと、ウララちゃんは、強い。レースに出続けてるからこそわかる、独特の、強者が放つ空気感。それが、今の彼女にはある。
「負けて、られないね。」
小さくつぶやいて、ゲートに入った。
『さあ、ハルウララを除いた全てのウマ娘がゲートインしました。ハルウララは少し落ち着かないか?いや、たった今ゲートに入りました!』
ウララちゃんは、私より少しだけ遅くにゲートインした。...始まる。
静寂が続く。レースの時はいつもそう。スタートの前、さっきまでうるさいぐらいに響いていた、たくさんの声援、歓声、誰かに誰かが夢を描いた、叫び。それらが、一斉に止んで訪れる、静寂....私が、ライブの次に、好きな時間だ。
集中力が高まるのがわかる。心臓の音が直に聞こえるほど、神経が活性化していく。間違いなく、ファルコは、今日、誰よりも強い。そう、自分を鼓舞する。力が出る。走りたい、走りたい、走りたい....だから
目の前のゲートが開いた瞬間に私は、
『今!ゲートが開きました!』
ありったけの力を込めてスタートを切った。
『砂上のトップを目指すウマ娘達が今、一斉にスタートしました!流石前年度の覇者スマートファルコン、快調に飛ばしていきます!1馬身、2馬身程はなされててサザンガピアス、ラストワンダーと続いていく!ファルコンの参戦で2番人気となったハルウララ、ここは苦しいか少し後続にいるぞ!』
砂埃を上げながら、一斉にウマ娘達が飛び出した。トップを走るのはやはりスマートファルコンだ。しかし、俺が予想してるよりも明らかにペースが速かった。
「...これが、スマートファルコンの、本気逃げ」
第1コーナーをあっという間に抜けた彼女はそのまま第二コーナーに入る。明らかにオーバーペースの逃げに、集団は自然と縦に伸び出した。
『おおっと!後続集団ついていけない!逃げる!逃げ切ってしまうスマートファルコン!やはりダートレースの女王は彼女か!力の違いを見せつける!』
独走状態の彼女の勝ちを、きっとこの時は、この会場にいる、99%の人間が予想しただろう。ただ1人、俺を除けば。
『....いや!?後続から飛び抜ける!誰だ!これは!2番人気!ハルウララ!ハルウララ追い縋る!力強く、追い縋る!はやい!早すぎる!これがあのハルウララなのか!?信じられません!』
後続、第四コーナーを抜けた最後の直線、上り坂。正確には第三コーナーから徐々に上げていたのだろう。彼女が、来る。
おそらく、彼女は本能的に理解していた。先頭を追うことの無意味さを、なぜなら、彼女は自分のスピードを、力を、平凡であると理解しているから、その本能で、体で、死ぬほど詰んだ努力と敗北で、彼女の神経に至るまでが、判断能力の進化を遂げている。
レースの熱気、勝ちたいと言う想い、スマートファルコンの逃げを潰そうとペースを乱した集団のウマ娘に、もう彼女を追いかける足は残っていなかった。ましてや、エルムステークスの最後の直線は上り坂だ。ここでその残りかすに等しい足で追い縋るのは、不可能に近い。だから、ファルコンの逃げは正しかったといえる。...けれど、そのリスクは大きい。
残り400、第四コーナーの通過、つまり1000メートルの通過を、スマートファルコンは50秒4で通過した。この速度で通過できるウマ娘はそうそういない。...そう、いないのだ。...だけど、ここから追いつけるウマ娘はいる。
残り400、続く坂道、才能ではどうにもできない、努力があるからこそ登れる、いや、努力した分、その走りの真価が問われる局面...ここからが、ウララの、努力の走りの力の、見せ所だ。
条件は、そろった。
疲れた後続、力がつきかけている先頭。
....いけ!
「ウララぁぁあ!ここだ!ここで決めろ!いける!勝てるぞ!お前が、勝て!勝つんだよぉおおおおお!!!」
いつもながら、最後は大声で声援を送ることしかできないのが、なんとも不甲斐ない。だからこそ、俺は声が枯れるまでゴールスタンドから叫んだ。
きっと、ウララも苦しい。足を残して後続から追いつく。それは、前半の分の労力を、後半全てにぶつけると言うこと、つまり、最後の直線で、何もかもを絞り切る走りをすると言うことだ。それができなければ、決してすぐれた末脚とはいえない彼女は勝てない。...だけど、彼女は、出し切れる。それが、今彼女がレースで発揮できる、他のウマ娘達よりも優れている、唯一の才能だ。
枯らしつくせ。その一滴の力も振り絞れ、追い縋れ、いけ、勝て、勝て、勝て、その背中を、ぶちぬけ!!
「いけぇえええええええええ!!!!」
ゴール直前になるまで、叫んだ。俺も、限界まで叫ぼうと、そう決めていた。限界の走りには、限界までの声援で、答えたい。
『今!ハルウララ、スマーファルコン、2人同時に流れるようにしてゴールイン、続いて後続から1番、』
ほぼ、同着。どうなった....勝てたのか?
電光掲示板を、見つめる、アタマ...4
『ただ今結果がでました!この僅差のレースを制したのはスマートファルコン!彼女の力はやはり不死鳥!ダートの女王は健在です!』
一瞬の静寂ののち、会場は再び歓喜や泣き声、罵声などで溢れかえった。あるものはスマートファルコンをたたえ、あるものは自分のウマ娘が負けたことを嘆き、あるものは勝てなかったウマ娘に罵声をはいていた。
さまざまな声が、空気が、彼女達を包み込む。
ゴールしたウララは、電光掲示板を見て、しばらくのあいだ空をずっと見つめていた。
スマートファルコンは観客に手を振り、ファルコが1番なんだから!と高らかに宣言をしていた。
まさに、敗者と、勝者の光景だった。
そのあまりにも目を背けたくなる現実を、俺は幾度となく見てきた。でも、それでも慣れない。この悔しさは、悲しさは...俺はまた、彼女を勝たせてやらなかった。
「ウララちゃんもよくやったぞー!」
「感動した!早くなったなぁ!」
観客席から、ウララの健闘をたたえるこえが、たくさん響いていた。それにウララは
「ありがと!次は一着、とるからね!」
と、笑顔で、高らかに返していた。
いつも、彼女は笑うのだ。負けても、勝っても、彼女は笑う。泣き崩れたのは、初勝利を挙げたあの日だけだ。...だからこそ、俺にはわかる。いま、どれほどまでに彼女が悔しいのかを、わかってしまう。
「ウララちゃん、ファルコ、まだあなたに勝ててないよ。」
俺が、悔しさで死にそうになっている時、そんな彼女の言葉が、俺の思考を遮った。
ウィニングステージに立った彼女は、マイクを手に取り、ダート場に立っている、桃色の少女に、こうつづけた。
「こんな僅差で勝つんじゃ意味ないの。こんなの、貴方を倒したなんていえない。だから、JBCスプリント。ここで、貴方に勝つ。」
会場に、どよめきが走った。ジャパンカップスプリント。チャンピオンカップダートとも呼ばれるこのレースには、日本のスプリンターの頂点があつまる、まさに、G1ダートの最高峰レース。ここで、彼女と蹴りをつけると、そう宣言したのだ。それは、彼女自身の距離を捨ててまで、ウララと戦うということ。それほどまでに彼女は、ウララへの勝利に、執着していた。
その後、スマートファルコンのウィニングライブが無事に行われて、エルムステークスは幕を閉じた。流石に札幌へのレースには商店街の人たちの姿はなく、少し寂しく感じた。
控え室に行くと、先にウララが入ってて、もう着替えを終えていた。
「...また、負けちゃった。」
ウララはぼーっと天上を見つめて、そうつぶやいた。
「ああ、負けたな。」
そんな彼女に、俺も平然とそう返す。
「...でも、私、今日はね、正直どうしようもないなって思うの。」
彼女は、そう力なくこぼした。
そう、どうしようもないのだ。仕掛けるタイミング、速度、デビュー戦の時と同じだ。完璧、何をとっても、どこを切り取っても、彼女のベストタイムで、ベストタイミングで勝負できていた。だからこそ、生まれてしまう敗北にはもう、何度やり直しても抗えない。
「でもね、ぁあ、悔しいな。」
けれど、だからといって、彼女の努力が、苦しみが、どうしようもない、そんな一言で、すまされるはずがないのだ。才能の前では無力、それを覆すために努力して、負けて、しょうがないの一言で、済んでいいはずがない。だから、彼女は泣いているのだ。声を出しながら、嗚咽を漏らしながら、その悔しさを、憎しみを、涙で、表していた。
幾度となく、俺は彼女のこの姿を見てきた。
でも、今日の涙は、いつも以上に重いものだと、知っている。なぜなら、きっと彼女に、その声は聞こえてしまったからだ。
「おまえにかけた分の金返せよ!」
「何回負けるんだよ!」
ウララに金をかけて、負けた。だから罵声を浴びせる、そんな外道の、自分勝手な、本当に腐ってるとしか思えない罵声を、彼女は、今日初めて、その一身で抱えている。
G2、G1となると、当然かける金額も、人数も、増える。それは、それだけ能無しが増える可能性があると言うことだ。でも、それに俺たちは何も言い返せない。それが、レースを走るものの、敗者に対しての、報いであるから。彼らがあってこその商売であるから。
でも、それでも...本当に...胸糞が悪い。
なのに、ウララは...
「...期待に、みんなの期待に、こた、答えれなかった...わ、わたし、を、信じてくれてる人...たくざんいだのに、わだじ..また答えれなかった。」
彼らの期待に応えれなかったこと、それだけを本気で悔やんで、悲しんだ。愚痴のひとつもこぼさずに、彼女は、自分の走りの結果を、悔やんでいた。
どこまでも真っ直ぐなその姿は、時折、俺を立ち直らせてくれる。
「...ウララ。」
俺は、泣き続けるウララに続けた。
「フェブラリーSを出走して、そこで勝つ。」
ウララは、ぴくりと、その体を反応させた。
「...怖いか?」
それはきっと、敗北への恐怖。期待を裏切ることの、恐怖。幾度となく、彼女が感じてきた恐怖。...そんなもの、
「そんなの、おまえの走る想いと比べたら、どーってことないだろ?」
いつの日か、彼女のお父さん、大和さんが伝えてくれたことば、俺と走るのが楽しいと言う彼女の言葉。連敗つづきで、下を向いていても、走る理由となった想い。...走ることが、楽しい。見てくれる人が笑顔になるのが嬉しい。その気持ちは、レースで負けることなんかの恐怖で、なくなるものじゃない。だとしたら、いま、彼女はこの場所に立てていないのだから。
「ウララ、走るのは好きか?」
俺は、ウララに聞く。
ウララは、うんと頷く。
「負けるのは、怖いか?」
その質問に、少しの間のあと、ウララは頷いた。....それでいいんだ。
「ウララ、俺と一緒にレースを目指すことは、勝ちを目指すことは...辛いか?」
負けるのが怖い。それを再び認め、俯く彼女に、俺は問いかける。すごくずるい質問だと、自分でも理解している。
「....そんなの、ずるいよ、トレーナー。」
彼女は俺にそう困ったように笑って
「大好きだよ。...私、トレーナーと走るのが、大好き。何度負けても、悔しくても、それでも、一緒に勝ちを目指すのが、楽しくて、嬉しくて、、本当に、大好きなの。」
そう、少し照れたように応えた。俺も、なんだか告白されているようで少し気恥ずかしかった。....さてと。
だったら、もう答えはきまってる。
「ウララ、フェブラリーS、とるよな。」
「とる。絶対に、一番、とってみせる。」
今度は力強く、彼女はそう返した。そして、
「それから、ジャパンカップで、私はファルコンちゃんに、、勝ちたい。」
俺が言わずとも、彼女がそう口にした。
初めての瞬間だった。彼女が、誰かのために勝ちたいではなく、純粋に人に勝ちたいといった瞬間は、そしてそれは、これほどまでに力強いものなのか。
俺は、少し圧倒され、ああ、そうだな。とかえした。
ウララ、おまえは強くなってる。
今は気休めにしか、きっと聞こえない。だから口に出さない。心の中で俺は繰り返す。
ウララ、おまえは...強いよ。
有馬記念の前に、ひとつ目標ができたな。
俺とウララは互いにそう確認しあって、お互いの信念をむねに、控え室を後にした。
もう、後悔など、どこにもなかった。
スタートが始まって、先頭のファルコンちゃんがものすごいスピードでかけているのがわかった。それと同時に、この速度に合わせればペースがもたないことを頭ではなく、体で感じ取った。私は遅いから、単純に勝負すれば、確実に負ける。脚質も、スタミナも、何一つ勝てない...だからこそ、磨いた。
脚のためかた、仕掛けるタイミング、それを、幾度とない練習と、敗北と、少しの勝利の中で、学んだ。
集団が、縦に伸び出している。ここから、少しずつ順位を上げる。まだ無理はしない。5番手の位置につけて、集団よりも右外に出た。左コーナーを抜けて、最後の坂道になるまで、ためる、ためる、ためる、ためる、そして、今!
全てを解放した。足が、腕が、全身の筋肉の細胞が、ものすごい勢いで活性化して、動く。1人、また1人、抜ける。抜ける。きっと、もうこの娘たちには足が残ってないのだろう。ペースを乱されれば、この坂を登る方はできない。....ただ1人を除けば。
どんなにオーバーペースで走ろうと、その無尽蔵のスタミナで、筋力で、私の目の前を走る背中がみえる。なんて、はやいんだ。
追いつけそう、追いつける、追いつく、まだ、いける、みんなが、待ってくれてるから、だから、取らなくちゃ、お願い....私、とどけぇええええええ
「ぁぁぁぁぁあ!!」
最後、なだれ込むようにゴールした。先頭に、立てた気がする。わずかだけど、前に...
しばらくして、その数字は電光掲示板にでた。4番、、ファルコンちゃんの、数字だ。
....また、負けた。
最後の最後、及ばなかった。そして、
「また負けたのかよぉ〜」
「おい!金返せよ!」
「ぁぁーあ、終わりだわもう、最悪、二度とかけねぇーわ。」
その声は聞こえてしまった。大勢のなかから聞こえた、小さくて、わずかな声。でも、その言葉たちは、確かな鋭さを持って、私の心を、抉り取るかのように突き刺さった。
ああ、痛いな。
空を見る。でないとこの両目から、溢れてきてしまうものを、堪えることが、できない。
きっと、私の勝ちを待ってくれてる人は、もう少なくはない。だからこそ、、辛い。
期待に応えれなかったことが、信頼を裏切ったことが、悔しくて悔しくて、仕方ない。
なによりも...トレーナーのことを、また裏切ってしまった。
「....ごめんなざい。」
震える声で。そう小さくつぶやいた。
もう、私は頑張るウマ娘、ハルウララではない。勇気のもらえるウマ娘、ハルウララではない。そう自覚した。そんな夢物語を語っている暇などは、もう私にはなかった。
勝たなければならない。なぜなら私は期待されているから、1人から2人、2人から3人、どんどんその期待は増えていって、、いつからか、とても大きくなって...そして、私に降りかかった。その期待は、私の敗北を、こんなにも、辛いものにするもので...心が、痛かった。
「よくやったよ!ウララちゃん!」
「惜しかったよ!また応援するからね!」
そんな私に、今度は優しい言葉が、さっきとは違って、たくさん飛んできた。その言葉たちは、さっきの乱暴な言葉よりも、今の私には辛くて、辛くて
「うん!ありがと!次は一着とるからね!」
だから私は、物凄く溢れそうになる涙を懸命に堪えて、そう手を振った。
ファルコンちゃんのウィニングステージが始まり、もうこの場を後にしようと控え室に行こうとした時、ファルコンちゃんが私の名前を呼んだ。
JBCスプリンターで、私を倒す。
私をまだ倒せていないといった彼女は、そう私に宣言した。日本最高峰のスピードスターが集まるレース。中距離を得意とする彼女が、自分の距離をなくしてまで、私に挑もうとしている。
それなのに私は、その言葉に、想いに、応えたいと思えなかった。...もう、こんなに沢山の期待を裏切るのは、あんまりだ。
誰とも会いたくなくて、ウィニングライブに渋々出た後、私はすぐに控え室に向かった。
負けた。
着替えを済ませて、控え室の天上を見つめながら、ぼーっとしてみた。もしかしたらそうすることで、この嫌な思いを忘れられるんじゃないのかって、そう思ったから。
私、、また裏切ったんだ。
あの人たちの言葉が、脳裏に蘇ってくる。胸が苦しい。痛い。負けた自分が許せない。
みんなに申し訳ない。いろんな感情が、渦巻いて、渦巻いて、そして
「...トレーナー」
あの人の信頼を、また裏切ってしまったこと。それが、何よりも辛かった。
ドアが開いた。トレーナーだ。今、1番、会いたくない人。
だから、そんな彼に、私は言い訳をした。どうしようもなかったと、そう自分に言い聞かせるようにして、でも、それでも悔しくて、耐えきれなくて、泣いてしまった。
そんな私に、トレーナーは聞いてきた。
負けるのが怖いか、走るのは好きか。そして、、トレーナーと勝ちを目指すことが、辛いか、その質問は、とてもずるいと思った。だって、辛いわけがないのだから。私が、世界で一番好きな、大好きな時間、それは、トレーナーと一緒に、走ってる時なんだから。....負けるのは怖い。前よりも、もっと怖くなった。でも...それでも私は
トレーナーと、走りたい。その気持ちに気がついたら、もう、走りたくないなんて感情は、消えていた。
何日か前に、お父さんともこんなことあったなと、少し懐かしい気分を覚えた。
トレーナーは私がトレーナーと走ることが大好きだと伝えると、すこし照れているようで、なんだかこっちも恥ずかしくなってしまった。
怖さは消えない。苦しさも消えない。...でも、後悔だけは、したくない。
一度、トレーナーがフェブラリーステークスに出るといった時、何も言えなかった。身体が、震えてしまった。...でも、もう大丈夫。だって、こんなにも今は、勝ちたい気持ちでいっぱいなんだから。だから私は、この思いを、そのまま口にした。
「ジャパンカップで、ファルコンちゃんに、勝ちたい。」
初めてだった。1番になりたいでもなく、誰かの笑顔を見たいでもなく、誰かに、勝ちたいと感じたのは。
トレーナーは私の言葉を聞いて、満足そうに微笑んでくれた。
その日、私に初めて、ライバルができた。
少し短めになって申し訳ないです!
感想お待ちしてます!次はジャパンカップを書いて、フェブラリーステークスの前に、ライスシャワーの皐月賞、菊花賞、の話を書きます!
時系列めっちゃくちゃになりますけど許してください!