トレセン学園用務員は休みたい   作:ゴランド

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ウマ娘の流行りに便乗したお粗末な作品。
東京ドーム17個分の敷地を持つトレセン学園。そんな所で働く用務員ってヤバくね?と思った結果がコレだよ。

キャラの口調や設定が合っているか少し不安です。



1話 用務員 in the トレセン学園

 

 

前略 お袋様。

晴れて私は日本ウマ娘トレーニングセンター学園。通称『トレセン学園』にて用務員を務める事になりました。用務員となって早数ヶ月、大分業務に慣れて来た頃を見計らって手紙を書こうと思いました。

 

この仕事を始めて驚いたのは通常の用務員業と比べて給料が良さげだと言う事と、周りの人達がとても親切で疎外感が無いと言う事です。

 

 

……ただ一つ問題を挙げるとするなら……休みが欲しいです。

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 思えばあの時、チラシに掲載されていた怪しさしか感じ取れない募集要項を深く読み込まず面接を受けてしまったのがいけなかったのだろう。

そもそもの話、高校を卒業した後、何年も燻ってる間に次々と同級生が就職及び大学・専門校への進学と言う知らせを受けて焦燥感に駆られて"どこでも良いから働こう"と思ってしまったのが運の尽きだったのだろう。

 

初心者でも働けて高収入、寮付き食事付きでアットホームな職場って……どう考えても怪しいだろこんなのに応募する奴なんて居るわけ無いだろ!

 

『今年で21歳!体力には自信があります!』

『即決ッ!採用‼︎』

『えっ』

 

うん、俺だわ。

加えて小さな理事長から速攻採用を告げられた時、その場から逃げ出せば良かったのかもしれない。

 

まぁそんなトントン拍子で話は進んで無事に用務員となった俺はトレセン学園にて週5(月〜金曜)勤務。それにプラスして土日も働き1週間を終える流れとなっている。

 

ふむ……これ俗に言うブラックなのでは?(名推理)

 

そんな考えに至った俺は早速理事長の元へ行き、自分の中に在る言葉を告げる事にしたのだった。

 

「理事長」

「拝聴ッ!どうしたのかね?」

「この仕事辞めたいです」

「驚愕ッ!どうした急に!」

 

 堂々と『何故⁉︎』と書かれた扇子を持ちながら驚きの表情を見せる理事長。この様子から察するに俺は事を急ぎ過ぎたようだ。

自分で言うのも何だが俺の頭はどちらかと言うと悪い方に偏っている。その為か、周りの人達からは話題が飛躍していると言われている。

 

うん、流石にいきなり過ぎたな。反省反省。と、言う訳で。

 

「安心してください。辞表はこちらに用意してありますのでどうぞ」

「………」

 

 俺が渡した書類を理事長が手に取ると、力を込めて……あ。

 

「廃却ッ!」

「破り捨てた⁉︎」

 

 何すんですか理事長!折角丹精込めて書き記した退職願を紙吹雪にするなんて上司と言えどもやって良い事と悪い事がありますよ理事長!

 

「一体何を考えているのだね!何処か不満でもあるとでも⁉︎」

「いやまぁ高待遇なのは分かりますよ?めっちゃ高待遇なのは」

 

 豪華な食事はおかわり自由だ。用意された部屋は快適。可愛いウマ娘達とは日中話したい放題。

 

「ですけど此処、アットホームな職場じゃないんですけど。業務がブラック通り越してダークなんですけど」

「………黙秘ッ!」

「図星なんですね理事長」

 

 だが、それに反比例するかのように業務内容は過酷の一言に尽きる。朝から夜間の勤務。高頻度で深夜の校内巡回も担当する事もあるので休める時間が全く取れないのだ。

と言うか純粋に人手が足りない気がする。俺以外の用務員を見た事が無いのは気の所為だろうか???

 

「理解ッ!その上で言おう、私も待遇の改善が出来ていれば苦労はしていないッ!」

「クソが!」

 

 オゥジーザス、神は死んだ。

 用務員は広大な敷地を持つ学園の草毟りに掃除。レース用蹄鉄の整備にウマ娘用の備品補充・設備修理といった作業に追われている。

それだけならば文句は無い。むしろ給料に見合う作業内容と言えよう。

 

だが、ターフの整備が終わった矢先にレース用の芝が食い荒らされたのをタマモクロスから聞かされた時は頭を抱えた。おのれオグリ。

 

鏡の如く廊下をピカピカに磨いたばかりだと言うのにパリピ系ウマ娘筆頭にスケボー大会が始まった時は殺意が湧いた。おのれメジロ家のパリピ。

 

壁に描かれた魔法陣。十中八九ヤツ(スイープトウショウ)の仕業とされる落書きを消していたら黄金の不沈艦が盗んだDホイールでその落書きごと壁を突き破って来た時は気絶しそうになった。おのれゴルシ。

 

やる事が、やる事が多いのだ。と言うか増えるのだ…ッ!これを俺が対応するのだ…!

 

「教えてください理事長。俺は後何回業務をこなせば良いんですか?俺はあと何回修理と掃除作業のループを繰り返せば良いんですか?三女神像に聞いても何も答えてくれない。教えてくださいリジチョー…」

「無論ッ!答えないのは当たり前だろう。と言うか最近、三女神像付近で不審者の目撃情報が相次いでいたのは君が原因だったのか……」

 

 そうでもしないと頭がどうにかなりそうなんです…最近そんな業務に慣れて来た自分が怖くて像に話しかけてないと落ち着かないんです……。

 

休みくれよぉ…。

 

「失礼します理事長。こちらの書類の件で……って、あら?どうしました用務員さん?」

「たづなさん…三女神像が喋ってくれない事に嘆いていました」

「いや、あの…そんな至極当然の事を深刻そうに言われても…」

 

 理事長秘書であるたづなさん。

 

「理事長。何とかなりませんか?用務員さんの仕事内容はハードなモノが多いですし…」

「ううむ…理解ッ!そもそもこちらの不手際もあったのも事実!」

 

 そう良いながら「了承」と書かれた扇子を開いた理事長こと秋川やよいは男に向かって言葉を紡ぐ。

 

「必須ッ!この学園には君と言う存在は必要不可欠だ!…満足行くような待遇が与えられるかどうかは分からないが何とかしようではないかッ!故に君には明日、1日の休暇を設けようではないかッ!」

「こちらも何とかして用務員さんの負担を減らせるように最大限のサポートを行います。なのでどうか、辞める事についてはご一考の程をお願いします」

 

 そんな2人の言葉に感激を受けたのか、駿川たづなの両手を包み込む握り用務員の彼は口を開く。

 

「ありがとうございますたづなさん。貴女は女神だ…!」

「そ、そこまで言う事では…」

「そうだ。校庭の三女神像の代わりにたづなさんの彫刻設置しましょう」

「やめてください」

「安心してください。俺なら用務員業で培ったスキルで寝ずに3日で撤去・作成・設置が可能ですよ」

「やめてください(懇願)」

 

 行動力が凄まじい彼の提案を拒否するたづなに対し「謙虚だぁ…」と謎の感銘を受ける用務員。

この男意外と知的指数が低かったりする。

 

「とにかく、明日はゆっくりしてくださいね。貴方は私達にとって大事な仲間なのですから」

「たづなさん…!ついでに理事長…!」

「ついでとはなんだついでとは」

 

 素晴らしい人達に恵まれたものだ…。

そう彼は思う。たった数ヶ月の付き合いしかしその仲は切っても切る事の出来ない間柄となっていた。過酷な業務の最中、彼は掛け替えの無い友情を手に入れたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(お前だけは逃がさん…逃がさんぞ)

(貴方のような貴重な人材をわざわざ逃す訳にはいきませんよ…)

 

 ちなみに、そんな友情の裏に変な思惑があったのは言うまでも無い。1人でも人員が必要なトレセン学園中央。そんな多忙極まる中、お前だけ休ませる訳にはいかないと言う確固たる意思が用務員を引き留めたのである。

イイハナシダッタノニナー。

 

 

 

 Now loading……

 

 

 

 

 本日は土曜日。勤務してから久々の休暇だった……いや本当に久しぶりの休暇で自分自身驚いている。いやさ、就職活動ってこんなに厳しいんだなって今更ながら思う。

そう考えるとトレーナー業に身を置いてる東条さんや南坂さんって超人なんだなー。

 

それはさておき、折角のオフだ。今日は一日中用務員室で暇を潰すとしよう。そう考えながらトレセン学園の隅にある部屋へ足を運ぶと1人の少女が何か歌のようなモノを口遊みながら踊っていた。

 

「ロッタッタッタッタッラヴィラヴィラヴィ…って、用務員さん?」

 

 そこには多忙な作業によりいつも空いている用務員室を不法占拠しているアイドルを目指すウマ娘スマートファルコンが居た。

 

「もう嫌だなぁ、アイドルじゃなくてウマドルですよウ・マ・ド・ル!ターフの上をステージの上でと輝きトキめくウマ娘アイドル!略してウマドルですよ!」

 

 さらっと心の中を読むのやめてくれない?

 

「まぁいいや。練習に夢中になってるところ悪いけど、俺久しぶりのオフだから悪いけど此処は使わせてもらうね」

「成るh…えっ、お休み取れたんですか⁉︎多忙で一日中学園を無駄に動き回ってる用務員さんが!?」

 

 うん、そうだよ……ん?無駄ってのがなんか引っかかるけどまぁいいや。ハイ撤収撤収ー、アイドル活動は別の所でやってねー。

 

「ウマドルです!…と言うか用務員さん此処で一日中暇を潰すつもりですか?ここで?」

「うん、そうだけど?」

「えぇ……」

 

 おい何だそのニートを見るような顔は。俺用務員ぞ?立派な労働者ぞ?

加えてこの部屋は理事長のポケットマネーによって無駄に投資された結果、電子機器・冷蔵庫・台所用品各種に冷暖房完備。加えて無料Wi-Fiまで揃ってると言う無駄に豪華な設備なんだぞ!一日を惰性で過ごせる超快適空間なんだからな!

……うん。やっぱりお金かけ過ぎじゃない理事長?

 

「…とにかく、此処は用務員専用の部屋だから。ウマ娘のファルコンは退いた退いた」

「えぇー!そんな横暴酷いですよーー!折角ウマドル事務所の第一号として色々と用意したのにー!」

「え、なに?そんな事してたの君?」

 

 よくよく見れば室内には見慣れない備品やポスターを貼られ、加えて自作らしきグッズ用品までも置かれているのに気付いた…うん、ここは用務員室であって君の私物置き場じゃないからね?

 

「用務員室それ即ち俺の為に用意された部屋。それ(イコール)俺専用の設備だから。不法占拠してた側があれこれ言える立場じゃないと思うよ?」

「むむむ……」

 

 何がむむむだ。それに俺の居ない時にいつも使ってるし、アイドルの振り付け練習くらい他の教室借りてやれば良いでしょ。

 

「だからウマドルですって!…うぅ確かに用務員さんの言う通りです。今日は大人しくゲリラライブをして来ます…」

 

大人しくとは?(哲学)

 

「だけど私諦めませんから!絶対に皆からキャーキャー言われるウマドルになって、此処をウマドル事務所にしてみせますからね!それに私が敗れたとしても、第二第三のウマ娘が此処を狙いに来ますから!覚悟しておいてくださいね!」

 

 目的と手段が入れ替わっているスマートファルコンはそう吐き捨てながら用務員室から出て行った…。

ちょっと待って、他のウマ娘がこの部屋を狙ってるってどう言う事?何故不安に駆られるような言葉を残していくの?どうして?(電話猫)

 

 

 

 Now loading……

 

 

 

「よし、後はここをこうして…!」

 

 ファルコンが去ってしばらくした後、俺はニンジンタワーを建設していた。いや別にあの後ずっと多肉質の根菜を使って遊んでた訳では無い。

芝刈り機をメンテナンスしたり、レース用の蹄鉄を整理整頓をしたり、スマホ弄ったり、ファルコンが置いていった自作グッズをロッカーに片付けたり、etc、etc等と充実した休暇ライフを満喫していた。

 

……なんかいつもやってる事とあまり変わらないような気がするけど、きっと俺の思い過ごしだな!

 

「…! よし、よしッ、完成ッ!」

 

 そんな事を考えている内に出来たッ!トランプタワーならぬ高層ニンジンタワーッ‼︎ ふははは!我ながら会心の出来だ!凄いぞー!かっこいいぞーー! 

かぁーっ、コレもうもうギネス世界記録に載っておかしくないわ。もう世界レベルだわ。かぁーっ!

 

「カメラ起動 ヨシ!ウマスタグラム ヨシ!ニンジンタワー ヨシ!撮影位置 ヨシ!」

 

 そうしたらピントを合わせて…と…!ぐ、やっぱりスマートフォンで写真撮るのは苦手だな…。

えーと、そうしたら此処をこうして……!ヨシ、OK!

 

「はい、チーズバーガー「用務員は居るかああああああ!」あっ」

 

 シャッターを押そうとした瞬間、何者かによって勢い良く開かれた扉。その衝撃によって苦労の結晶たる高層ニンジンタワーが眼前にて倒壊していった……。

お、俺のギネス世界記録ぅーーーーーッ!?

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!(ビーバー絶叫) ふざけるなァ!誰の許可を得て解体作業をしてんだァァ゛!」

「え、あ…なんか悪ぃ」

 

 部屋に入って来たウマ娘はバツが悪そうな表情を浮かべながら謝罪の言葉を口にする。うん、まぁ謝ってくれるなら良いさ。

それによくよく考えてみれば後で作れば大丈夫だから実質無問題だな!

 

「で、何か用かな?あ、それと足元のそれに躓かないようにね。危ないから」

「おう、そうだな…って!何だこのマシン⁉︎ イカすフォルムしてるじゃねぇか!」

 

 そう言いながら片目が隠れるようなショートヘアのウマ娘のウオッカは瞳を輝かせる。どうやら彼女の琴線に触れたのか、のめり込むように張り付いている。

 

…いやまぁ、マシンって言うか乗用芝刈り機なんだけどねそれ。

 

まぁパッと見はバギーだしね。カッコいいと思うのも無理はないか。乗用車にも見えるコレは用途に応じて手動式へと変形・分割が可能な優れモノだ。

 

「ちなみに内部は色々と手を加えてるよ」

「カスタムしてんのか!くぅーーっ、たまんねぇなぁ!やっぱ自分の手で改造するってのはロマンがあって良いよな!」

 

 うんうんと頷くような素振りを見せるウオッカ。分かる(デビルマン)めっちゃ分かる。

……ところでウオッカは自分に何の用があって来たのだろうか?

俺がそう問い掛けると彼女は「え?」と腑抜けた声を漏らした。

 

「……あぁーーーッ!忘れてたッ!俺と一緒に来てくれッ!」

「え?何で???」

「いいから早くッ!」

 

 

 

 Now loading……

 

 

 

「ちょっとウオッカ!遅いじゃない何してたのよ!」

「うっせぇなスカーレット!とにかく用務員の人連れて来たぞ!」

「え、なに?何事? 俺、何も説明されず担がれた状態で運ばれたんだけど」

 

 そう疑問に思っていると先程ウオッカと言い争いをしていたツインテールが特徴のウマ娘。ダイワスカーレットが俺に声を掛けて来る。

 

「助けてください!実は大変な事が起きて…ッ!」

「うん、分かった。分かったからその前に降ろして?担がれた状態で話すの結構ツラいんだよ?」

「あ、悪い」

 

 

 

「で、何があったの?」

「それが…「用務員さぁんんんんんん!」

 

 スカーレットが説明しようとしたその瞬間、見覚えのあるウマ娘。スマートファルコンが叫びながら俺に突っ込んで…いやちょっと待ってそれ鳩尾に直撃すr ぐ ぼ あ

 

「大変なんです用務員さん!助けてください用務員さぁぁん!」

「先にこっちを助けて。内部臓器を直接、破城槌で抉り穿つような衝撃を喰らったんだけど(瀕死)」

 

 全力疾走で突っ込んでくるのやめなされ(良心)

…で、なに?さっきから大変、助けての単語しか聞いてないから全く意味が分からないんだけど。具体的に何が起きたの?

 

「じ、実はライブ中にファンの子が倒れちゃって…!私、どうすれば良いか分からなくて……!」

 

 ファルコンが指差した方向には安らかな表情を浮かべながら木の陰で横になっているウマ娘が居た。

……あれって寝てるんじゃないの?

 

「いや、俺等が見てた時はテンション上げまくってたから寝不足って事はねーと思うぜ」

「熱中症の事も考えて日影に避難させておいたんですけど一応、大人の人に任せようって事になって…」

 

 それで俺が呼ばれたって訳ね?うん、大体分かった。取り敢えずあの娘の容態をチェックしてみるとしよう。えーと、先ずは…。

 

「声掛け確認。もしもーし?」

 

うん、反応無し。

 

「揺さぶり確認」

 

うん、目が覚めないな。

 

「呼吸確認」

 

うん、息してないな。

 

「脈拍確認」

 

うん、心肺停止してるねコレ。

成る程、成る程……うん、うん?うん???

 

「……し、死んでるッ!?」

「「「えぇーーーーーーッ!?」」」

 

 待って?待って?(2回目)

なんで死んでるの?なんで死んでるんです?(電話猫)

い、いや待て。まだだ、まだあわ、あわわわ慌ててる時間じゃない!

 

「起きろォ!目を覚ませェ!こんな所で死ぬんじゃない!」

 

 そう言いながら俺は胸部を何度も思い切り殴り付ける。すると涙目になりながらファルコンが俺の腕にしがみ付いて来た。

 

「ま、待ってください用務員さん!死にます!それ死にますから!いや、既に死んでますけど!」

「大丈夫だファルコン!ウマ娘の心筋は人間のと比べて何倍もの強度、厚さを誇る!こうでもしないと心臓マッサージの効果が出ない!」

「そ、そうなんですか…」

「まぁ胸の骨が折れる可能性はあるけど」

「本当に大丈夫なんですか⁉︎」

 

 半ばパニックになっている中、懸命に心臓マッサージ(強)をしているとピクリと心肺停止中のウマ娘の指が微かに動く。

 

「こ、これは…⁉︎」

「なぁ!こんな時って何処に電話すりゃいいんだっけか⁉︎」

「馬鹿ね!ここは110番に決まってるでしょ!」

「おう、そういやそうだったな!」

「ちょっと静かにしてくれない?(辛辣)」

 

 後ろで慌ててる2人は放っておいて、マッサージを続けよう。上手くいけばこのまま……ッ!

 

「───ぷはっ‼︎尊みが深過ぎて絶命寸前!?

「え、何その台詞」

「やった!やりましたよ用務員さん!デジタルちゃんが生き返りました‼︎」

 

 喜びを表現するかのようにその場で飛び跳ね、先程まで心臓が止まっていたウマ娘のアグネスデジタルに抱き付いた。

 

「ひょえ゛ええええええええ!私に寵愛でエモーショナルゲージがオーバードライブ!?だっ、駄目です!至高なるファルコンちゃんが私に触れたら穢れちゃうううううう!」

「え、何この娘 怖……」

 

 喜んでるのか怯えてるのか判別出来ない表情を浮かべてるのに加えて日本語じゃない言語を口にしてるんだけど大丈夫?また死んだりしない?

 

そう言えばこの娘って何でライブ中に心臓が止まっていたんだろうか。元々心臓発作を患っていたなら事前に伝えられている筈なんだけどなぁ…伝達ミスがあったのだろうか?

 

「えっとデジタルちゃん。大丈夫?もしかして元から心臓に病気があったり⁉︎」

 

 そんな俺の疑問を代わりに問うようにファルコンがデジタルに向かって言葉を投げ掛ける。すると彼女は幸せそうな表情を浮かべ答える。

 

「あふぅぅぅ♡ 推しに心配されるなんて生涯に於いて一、二を争う幸せぇ。実は、そのぉ…ゲリラライブの応援最中につい目が合ってしまいましてぇ……」

「うん」

「幸せが絶頂に達して…もう溢れんばかりの尊みで心臓発作が…ッ!」

「うん…うん?」

 

 え、なに?このデジタルって娘、ファルコンと目が合って尊死したって事?……尊死は本当に実在した!?(困惑)

 

「えーと…良く分からないですけど、取り敢えず保健室に連れて行く?」

「そうだな。ほら、立てるか?肩貸してやるよ。スカーレットも頼む」

ほげえええええええええ!ウオッカちゃんとスカーレットちゃんとの板挟みサンドイッチィィィ!?可愛いウマ娘ちゃんの間に入る行為なんて許されるんですかぁ⁉︎ 尊い×尊い=の方程式は御褒美の二重螺旋んんんんんんんん…ウ゛ッ゛(不整脈)」

 

「「「あっ」」」

「え?」

 

 その後アグネスデジタルに対する本日2回目の蘇生措置を行う事となった。ちなみにその日の休暇は見事に潰れることとなったのは言うまでもない。

おのれ限界ヲタク。

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

一方、その頃。

 

「理事長!学園前に警察が押し寄せてます!」

「何事ッ!?」

 

 理事長達はウオッカ達の誤報によって駆け付けて来た警察の対応に追われていた。

 

 





作者による偏見と依怙。アホな考えと深夜のテンションが融合。
で、これが産まれたってわけ。
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