今回はあの黄金の芦毛不沈艦が出て来ます。
「今日もイイ感じに決まってるー☆」
本日晴天、良バ場な絶好のレース日和。心地よい陽の光が降りる中で自身の指先を煌めかせるのはトーセンジョーダン。
今日も今日とて自慢のネイルの出来に自画自賛を行いながら学園内に舗装された道を歩む。
「…あ、でもこっち側のネイルの塗りが甘い感じ?んー…ちょい付け足すかな?」
良い出来だが妥協はしない。将来的に自分だけのネイルブランドを立ち上げる野望を持つ彼女は、より洗練されたネイルに仕上げる為に化粧ポーチを鞄から取り出そうとする…その時、自身の指先からポロリと何かが落ちてしまう。
「あっ、ヤバ!ネイル(チップ)取れた⁉︎」
コロコロと斜面に落ちた木の実のように転がる付け爪。その脚力を活かし追い掛けようとするものの、時すでに遅し。
「ああああああああああああああああ!計5時間かけたネイルがああああああああああああああ!」
彼女が落としてしまったネイルは無惨にも路面排水溝へと落ちていってしまったのである。嘆くジョーダン。人一倍ネイルには気合を入れてる彼女にとって重賞を前に惜しくも一位を逃すのと同意の悔しさなのだろう。
一般生徒ウマ娘達に奇異な視線を向けられる中、排水溝を前に咽び泣く事をやめなかった。
……そんな時だった。
「ハァイ、ジョーダン」
「ギャーーーッ! 出たァーーーーッ!」
排水溝から何かが覗き出て来た。側から見れば生首が出現した。いや正確には生首でもピエロでも無いそれはジョーダンにとって忌々しくも見覚えのあるウマ娘だった。
「ご、ゴールドシップ⁉︎ アンタ、そんな所で何してんの?」
「オイオイ、せっかく気持ちの良い朝だってのに私への第一発声がそれかよ失礼な奴だな」
そんな気持ちの良い朝の下で排水溝内に居る奴が言えた台詞では無いだろうと言いたい気持ちをグッと堪えるトーセンジョーダン。
ゴールドシップはトレセン学園で一番の問題児だ。ナーバスな気持ちになっている状態でそんな奴を相手にするのはナンセンスだ。
「あー、もう最悪…じゃ、私行くから」
「オイ待てよ!折角オメーのコレ拾ってやったってのになぁ…」
「あ、私のネイル⁉︎」
ゴルシの指先に煌めくそれはトーセンジョーダンが落とした筈のネイル。まさか彼女が持っているとは思わなかったのか、排水溝に顔を近付ける。
「ちょっと、それ早く返して!」
「あぁん?それが人に頼む礼儀かよテメー。コイツの生殺与奪の件は私が握ってるって分かってんのか?」
「分かった!分かったからその状態で無理矢理出て来るのやめて!マジキモイから!」
荒れた声を上げながら排水溝から身をよじり出して来るゴールドシップ。そんな一種のホラー的演出に不快感を露わにするジョーダンは一歩後退りを行う。
「まぁそれはさておきだジョーダン。早速ドロップキックさせてくんね?」
「何その唐突さ⁉︎」
「バッキャロー!テメー!ドロップキックは万国共通の超越した
「え、そうなの⁉︎ 知らなかった…ドロップキックってそんな激ヤバな意味があったんだ……」
「は?ンな訳ねぇだろ。頭大丈夫かお前……」
「ウザッ!!」
間の抜けた表情を浮かべるゴルシ。口が達者な彼女から放たれる言葉を間に受けてしまう自分も悪いが、それを面白がるコイツは裁かれるべきでは?と思うジョーダンであった。
「さーて、覚悟しろよジョーダン。テメーのネイル放り投げた後に対空ゴルシちゃんクラッシュ決めてやっからな…!」
「は⁉︎ ふざけんなし!それ私絶対蹴りを喰らうパターンじゃん!」
「フォッフォッフォッ!知らなかったのか?ゴールドシップ様からは逃げられないんだぜ?ほれ行くぞ?今に行くぞ?すぐに行くぞ────ん?」
いつ攻撃が来るか警戒するジョーダンであったが、ふとゴールドシップの動きが止まった?何事か?と彼女の視線の先を追うと、そこには……。
「勉強してっかパリピ共?」
「あ、用務員さん。それが結構ツラたんで…」
「今日のやった奴リピるのメンディーけど、涼む為にテンアゲでやるぜい!あげぽよウェーイ!」
「すまんヘリオス、勢いで喋るのはやめてくれ」
「あれ?ヘリオス達じゃん」
ゴルシが注目している先にはギャル友であるメジロパーマーにダイタクヘリオスそしてこの学園の用務員が居た。
何故彼女達を見つめているのだろうか?そんな疑問を浮かべながら再びゴルシに視線を戻した…その時。
「ッエェーーーィ☆」
「!?」
トーセンジョーダンはこの顔を知っているッ!この変顔に顎を開き、舌を大きく伸ばした状態こそゴールドシップの絶好調の証ッ!加えてこのニタニタと憎たらしい笑みは自分の退屈を紛らわしてくれる玩具を見つめる園児の如く標的を定めた時の現れである。
「滾って来たぜェーーーーーーッ!」
「あ、ちょっと⁉︎」
放り投げられたネイルをキャッチするジョーダンだったが、走り出したゴールドシップを見て驚愕の表情を浮かべる。
芦毛の彼女の脚から繰り出される、そのスタートダッシュは芝の上で見られる速度と同等。何度もドロップキックを受けて来たジョーダンだからこそ分かる、今のゴルシは自身の全力をもって飛び蹴りを入れるのだと!
「超・電・動ゴルシ スマッーーーシュ‼︎」
「このバカ!危な…ッ⁉︎」
ドロップキックの直線上に居る3人へ警告しようにも声も、脚も間に合わない。特にメジロパーマーとダイタクヘリオスの2人を守るように位置する用務員は絶体絶命かと思われた直後、信じられない光景をジョーダンは目の当たりにする。
「とあァッ‼︎」
直後、用務員は身体を限界突破したかのような捻りを見せるとゴールドシップの動きに合わせ同じ体勢、同じ威力のドロップキックを放ったのである。そのまま、ギュォン!と謎の音を放ちながら2人は地へと静かに降り立つ結果となった。
「そ、相殺したッ⁉︎」
「相殺できるものなのそれ⁉︎」
「凄ッ! 用務員さんマジヤバ!」
2人共、背を向けるように立つウマ娘と用務員。芦毛を靡かせながら振り返るゴールドシップは笑みを浮かべ、口を開く。
「へっ、やるな用務員よぉ……流石は私が見込んだ宿敵と書いて友とルビを振るライバルだぜ────」
ズブッ!
その瞬間、用務員の人差し指と中指がゴルシの双眼に向かって突き刺さった。
「っ、ア゛ァ゛ーーーーーーッ!目ッ!目がァーーーーーッ!」
「有無を言わさずに目を潰しに行った⁉︎」
「ふざけてるんじゃぁないぞ、この不沈艦がッ!俺が同じ威力で相殺したから良いものの。あのままフルパワーのドロップキックを決めてたらお前の脚に支障が出る可能性があっただろうがッ!少しは身体に気を遣え!」
「即座に目潰しに行った用務員さんが言って良い台詞じゃないと思うけど⁉︎」
そんな最中、地に伏せ悶えて居たゴールドシップがよろめきながらもその場から立ち上がる。
「へっ…流石だせ用務員、相変わらずの容赦の無さ。初めてお前と出会った時を思い出すな……」
「なんでそこで俺との出会いを思い出すんだよ」
「え?何々?馴れ初め話凄い興味アリ寄りのアリ!」
「ゴルシとの出会いか…ちょっと興味あるかも!」
「えぇ……」
ギャル達に囲まれ不快そうな表情を浮かべる用務員。その顔を浮かべる理由として彼は別にそう言う属性の女子が嫌いでは無い、寧ろストライクゾーン守備範囲の真ん中に近い位だ。ただ自分とゴールドシップとの出会いを語るのは普通に嫌なだけである。
「そう言うなら仕方ねぇなぁ…
「いや別に」
「そっかー、ゴルシちゃんとの出逢いに乾杯したいくらいかー!やだ、もう!用務員チャンの お、ま、せ、さ、ん」
「いや特に」
「んじゃ特別サービスに語ってやるよ!私とオメーのゴールドシップちゃん劇場版のプロローグと書いてファーストコンタクトと読む壮大な物語をよォ!」
「いやだから語らなくてもいいかr」
▼ ▼ ▼
彼等の出逢い。それは唐突なモノだった。
秋川やよい理事長の面接を乗り越え無事に、用務員としての職に就いた彼は業務内容の一端を行うべくグラウンドへ赴く。
「そこのお前!もしかしてトレーナーじゃね!?」
「俺用務員だけど」
そんな用務員を待ち受けていたのは沙汰袋を手に、たい焼きの屋台をセグウェイで引くゴールドシップとの出会いだった。
「よーし、野良トレーナー捕まえたぜオラァァ!」
「俺用務員だけど?」
トレーナーと勘違いされた彼はそのままゴルシに捕獲され、学園中を駆け巡る事となった。
「見ろよマックイーン、生捕りにしたてピッチピチのトレーナーだ!お前にも少し分けてやろーか?」
「貴女は何を仰ってますの?」
「いや俺用務員だけど」
時にメジロ家の令嬢と出会い
「つーわけでトレーナー、面白そうな野良トレーナー捕まえて来たぞ。サブの枠に入れるか?」
「オイ、ゴルシ。それは世間一般じゃ誘拐って言うんだぞ?」
「あの俺用務員なんだけど」
時に職場の先輩トレーナーと顔を合わせたり
「よっしゃぁぁ‼︎ 無人島へ出航だァァい!ついて来いよトレーナー!」
「だから俺用務員だけど」
時に謎の旅に連れ出され
「…見ろよトレーナー、この楽園は私等だけのもんだ。誰にも邪魔は出来ないまるで世界から隔離されたような気分だな」
「そうだな…でも俺用務員だけど」
時に無人島に遭難した。
結局勘違いだと言う事が分かったのは無人島より帰還してから3日後の事であり、何故かヘヘッと誇らし気になってるゴルシは用務員に向かって言い放つ。
「おもしれーヤツだな、私の名前はゴールドシップ。お前は?」
「だから用務員って言ってんだろがァ‼︎」
▼ ▼ ▼
「懐かしーな……全部最近の事のように思えてくるぜ…」
「うん、たった数ヶ月前の話だから当たり前だね。つーか、また俺に喧嘩を売りに来たのかよ?スピカん所はどうした」
「ん?今日はトレーニング休みだからな。暇だから遊びに来てやったに決まってんだろオメー」
「なんで遊びに来るんだよ。俺は仕事中ぞ?タキオンに盛られたクスリで暴走を起こした結果、勤務を追加されてるんだぞ?それ分かってて言ってんの?」
「は?アホかお前、んなもん分かってて来たに決まってんだろ。ちなみにー、用務員ちゃんはー、まだお仕事ですかー?ゴルシちゃん今日はお休みDAYでーす♡ イェーイ、ピスピース!」
「ハハッ、死にたいんだってなお前」
憤怒の表情を露わにする用務員。彼は学園長である秋川やよいのように生徒であるウマ娘達の幸せを第一に考え、粉骨砕身の心掛けで業務に勤しんでいる。
だがそれが用務員の逆鱗に触れたッ!ゴールドシップによる自身の境遇を知った上での挑発が怒髪天を衝くのに十分過ぎるモノだったッッ!
「ちょ、ちょっと待てだし用務員さん!ゴルシがムカつくのは同感だけどウマ娘相手に素手は無謀だって!いやマジで!」
「安心しろォ…最遅で3日で治る程度及び
「いや何に対しての安心なのそれ…って、グシャグシャってなに!?」
制止しようとするジョーダンをも押し退け、学園の一二を争う問題児であるゴールドシップと対峙する。
「へへっ、ようやくやる気になったな。100億光年に渡る私達の因縁も遂に決着が着く時が来たみてーだ」
「何が100億光年だ、たった数ヶ月の付き合いだろーが。しかも一方的な」
「深く考えるなよ。気にし過ぎると休み減るぞ用務員よォォォォォォ!」
「休みが減るのは主にテメーの所業によるモノだろうがァァァァァァ!」
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「はちみー はちみー はっちみー はちみーを舐めるとー♪」
「今更ですが何なのですかその歌は」
「ん、マックイーン知らないの?僕作曲のはちみーの歌。これで今年の流行語大賞は頂きだね!」
「ハッ、片腹痛いですわね」
練習が休みと言う事で買い物から帰って来たトウカイテイオーとメジロマックイーンの2人。そんな話をしている最中、テイオーはメジロ家の令嬢が手元にあるドリンクへと視線を送っている事に気付いた。
「ねぇマックイーン。もしかして欲しいの?はちみつドリンク」
「べべっ、別にそう言うわけではありません!それに私は今、春の感謝祭に開催されるレースに向けて体重を調節してますの!」
「……あ、成る程。この前のスイーツ食べ放題でちょっと太ったんでしょー!」
「なっ、何故分かりましたの⁉︎」
「あ、本当なんだ?」
「謀りましたわね!……ん、アレは?」
「よし、ジョーダン。"こて"は持って来たか?」
「モチ!これでしょ、はい"こて"」
「…ジョーダン俺が欲してたのは
「え、それマ?」
「マ」
2人の視界には地面を弄る用務員とトーセンジョーダンの2人の姿が映る。ちなみに角度的な問題で何をしているか詳しくは分からない。
「あそこに居るのは…用務員さんにトーセンジョーダンさん?」
「オーイ、2人共何をやって……」
テイオー達が近づいた直後、用務員達の目の前には首から下が地面に埋まっているゴールドシップの姿があった。
「「いや本当に何やってるの/してますの⁉︎」」
「ん?トウカイテイオーにメジロマックイーンか。ちょっとした残業みたいなモンだよ気にすんな」
「残業⁉︎」
「いや気にすんなって、無理があるよソレ〜ッ!」
良く見れば傍にはスコップや軍手と言った、確実にコイツ等が埋めた証拠がバッチリ揃ってる。この場で写真を撮れば裁判で勝てるレベルだ。
そんな混沌とした状況下でゴールドシップは「おっ」と呟きながらマックイーン達の存在に気づく。
「よ、オメーら。今帰りか?ゴルシちゃんは大地と一体化してガイアとの対話を試みてる所だ。ところでマックちゃんよ限定のシュークリームはもう食ったか?」
「そんな状況で良く話せますわね‼︎え、いや待ってください!本当にどう言う状況ですのコレ⁉︎」
「あー、実はゴルシが喧嘩売ってきたから返り討ちにしてやった。ついでにもう悪さ出来ないよう埋めてる所だ」
「マジウケる☆写メっとこ」
今までのお返しと言わんばかりにジョーダンは生首状態のゴールドシップを写真に収める。ついでにこの後グループチャットに共有するつもりだ。つまりは、笑い者にしてやろうと言う腹つもりである。
「オイ、ジョーダンテメー!何写メってんだよコラ!もうちょいゴルシちゃんが映えるように撮れよコラァ!」
「うっわ、良くその状態で言えるわ…じゃ加工アプリで盛っとこ」
しかし根っからのコメディアン(?)であるゴールドシップにそんな行為が通用する筈もなく、ジョーダンは撮った写真をプリクラ風に加工する結果となった。
「それで?貴方達はこれから何をしようと?」
「しばらく数週間はここで大人しくして貰う為にコンクリで固めようと…」
「遠回しな死刑宣告⁉︎」
「やり過ぎだよそれは‼︎」
「本当に?」
「いや……あ、…でも」
そう言い放つ2人だったが、今までの所業を鑑みれば当然の処置なのでは…?と思い始めて来た。と言うか
「オイオイオイ!酷ぇじゃねぇかよマックちゃん!つーか、用務員よォ。この私にそこまでする必要無いじゃんか。ゴルシちゃんはー、どこにでもいる、ウマな乙女だゾ☆」
「うわ、ウッザ」
「ジョーダン、騙されるなよコイツの言葉に!この言動はあくまでも偽りッ!奴の本性は俺達の常識の外側に位置しているッ!」
「え、なに?どう言う事?」
疑問符を浮かべるジョーダンに用務員は応える。
「困惑するのも無理は無い。なんせ、コイツの正体は第13惑星ゴルゴル星(別名:ゴルゴルの国)からやって来た。地球外来生命体なんだからなッ!この芦毛の姿はあくまで仮の姿。巧妙な擬態、俺でなきゃ見逃しちゃうね」
「エッ…つまりそれって…宇宙人って事ォ⁉︎」
「ねぇ何言ってるの2人共???」
勝手に盛り上がる用務員とジョーダンの2人に対し冷めた目を向けるテイオー。
「これはバクシン的な委員長から聞いた話なんだけどな…ゴルゴル星人の主食はポン酢らしい」
「ポン酢なの⁉︎」
「用務員さん?」
「加えて自衛手段としてゴールドシップは残り2回変身を残してるらしい」
「変身すんの⁉︎これから更に⁉︎」
「用務員さん⁉︎」
端的に言おう、用務員は頭が悪かった。
否、座学的には成人男性の平均に位置するのではあるが、通常の人と比べ思考が変な方向へ突き進む傾向があるのだ。
分かりやすく言うとバクシン委員長やツインジェット師匠と同類と言えば良いだろうか。つまりはそう言う事である。
「何にせよだゴールドシップ。今まで宙の上で好き勝手できたかもだが、地上では好き勝手出来ると思うなよ?」
「ハァ?何言ってんだお前。頭おかしいんじゃねぇの?」
「フ、今はそう言う事にしておいてやる。今は…な」
「なんだコイツ(真顔)」
思わずマジレスで返すゴールドシップ。
「…ゴールドシップさん?これは一体どう言う…」
「あー、いやな?コイツ面白いくらいに私の言う事なす事を信じるから色々吹き込んでみたんだけどな……コレはゴルシちゃんもビックリ☆」
「ゴールドシップさん⁉︎」
スポンジの如くゴルシの嘘八百を信じ吸収した結果、ゴールドシップの事を外来宇宙生物と信じて疑わない用務員の完成である。
まさかここまで脳内思考回路が吹っ切れてるとは流石の黄金の不沈艦も予想だにしてなかったようだ。
だが反省はしないし、反省する気も無いのがゴルシのスタンスである。
「……あれ?ゴルシ。ちょっと今更だけど聞いて良い?」
「ん、どうしたテイオー」
「いやさ。さっきボク等に挨拶した時マックイーンに"限定のシュークリーム食ったか?"って言ってたけど…」
「はぁ…テイオー、今更それが何だと言うのですか……ちょっと待ってください。何でゴールドシップさんがその事を知ってるのですか?」
限定シュークリーム。それはダイエットの傍ら秘密裏にマックイーンが食べようとしていたスイーツである。その隠し場所は同じ寮部屋のイクノやスピカの面々にも秘密にしていた筈だ。
ダイエット期間中に食べるスイーツは背徳感が凄まじいですわ、パクパクですわ。
「詳しく…説明してください。今、私は冷静さを欠こうとしております」
それなのに何故ゴールドシップはその事を知っている?マックイーンは声を震わせながらその事を芦毛の破天荒ウマ娘に問い掛ける。
「ダイエット中にスイーツを食べるたぁ、不届き千万。例えお天道様、三女神様が許しても私は許しちゃおけねぇ…」
「つまり食べたんだな」
「おう、その通りだぜ。ゴチになりやしたーッ!」
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翌日、生徒会室にて。
春の感謝祭に関する資料を届けに行った用務員はふとエアグルーブに問いかけられる。
「なぁ、最近ゴールドシップの姿を見てないんだが何か知らないか?」
「メジロ家のお嬢様の手によってダートの海に沈められた」
「は?」
ダイエット期間中のメジロ家令嬢の逆鱗に触れてしまったゴールドシップ。その現場に居合わせた者達は全員揃って、目にした光景を口にしたくなかったと言う…。
3日後、そこにはトーセンジョーダンと共にターフの上でラーメンを啜るゴールドシップの姿が…!