正義のヤンキーとガールズバンド 作:シュステーマ・ソーラーレ
不良狩りをしていた事が判明した中学2年生の地原陽太郎と美竹蘭。そんな2人の為にAfterglowというガールズバンドを結成した青葉モカ、上原ひまり、宇田川巴、羽沢つぐみ。蘭をギター&ボーカル担当として音楽活動を行う事になった。陽太郎は、ライブがあれば必ず見に行って、困った事があれば手助けする事を約束した。
これで、何も問題は無くなった···筈だった。
それから約2年後。陽太郎とAfterglowのメンバーは高校1年生となった。学校は違うが、変わらずにAfterglowは音楽活動を積極的に行い、陽太郎はライブ鑑賞&手伝いをしていた。
そんなある日の事。陽太郎は、ひまりの連絡を受けてとある病院に来ていた。
※とある病院の病室。
陽太郎「大丈夫か?つぐみ。」
つぐみ「うん。ありがとう、陽太郎君。」
ひまり「あの時は本当に心配したよ〜つぐ〜!」
巴「ほら、ひまり落ち着け。ここは病室だぞ。静かにしろって···」
モカ「ひーちゃん、騒ぎ過ぎ〜」
商店街から1番近い病院。そこの病室のベッドで、つぐみは横になっていた。陽太郎は心配してつぐみに話しかける。ひまりも、つぐみを心配する余りに泣いて、巴とモカに注意される。
つぐみは、通っている羽丘女子学園で生徒会に入っている。更に、彼女の実家は商店街で『羽沢珈琲店』という喫茶店を経営していて、つぐみは手伝いをしている。そして、Afterglowのバンド活動が重なってしまい、無理が多々って過労で倒れてしまったのだ。ただでさえ、つぐみは頑張り過ぎる性格なのだ。
幸い大事には至らず、1週間程入院すれば良くなるとの事だ。
陽太郎「くそっ!学校が一緒なら、オレが生徒会に入ってつぐみをサポート出来るのに!ごめんな···つぐみ。何かあったら助けるって約束したのに。」
陽太郎は悔しかった。何かあったら助けると約束した。にも関わらず、つぐみを助ける事が出来なかった。羽丘は女子校の為に、男子の陽太郎は入学出来ない。とはいえ、自分に出来る事はなかったのか?陽太郎は、そう考えると悔やんでも悔やみ切れない。
つぐみ「ううん。陽太郎君が謝る事じゃないよ。私が、頑張り過ぎただけだから···」
陽太郎「つぐみ···」
悔しそうにしている陽太郎を励ますつぐみ。
※30分後。病院の外。
モカ「つぐ、元気そうで何よりだよ〜!」
ひまり「本当に良かったね!」
巴「全くだ!」
面会終了後、病院を出る3人。つぐみに大事無く比較的元気そうな様子だった事を喜ぶモカとひまりと巴。すると陽太郎が·····
陽太郎「ああ···あれ?そういえば、蘭はどうしたんだ?一緒に面会来なかったけど。」
今日面会に来なかった蘭の事について聞いた。すると···
ひまり「あっ···」
巴「···········」
陽太郎が、蘭とモカの名前を出した途端にひまりと巴は気まずそうな表情になった。
陽太郎「何だ?2人も何かあったのか?」
モカ「よー君···それ今NGワード。」
陽太郎は、ひまりと巴の顔つきが変わった事が気になり、更に2人に問いかけた。モカも、珍しくシリアスな顔つきになる。
ひまり「えっと···実はね?」
ひまりが陽太郎に説明をしようとすると···
巴「···アタシ。先に家帰ってる。」
陽太郎「えっ?」
巴「じゃあな!」
突然、巴が家に帰ると言って慌てて走り去って行った。
陽太郎「あっ!?おい!···行っちゃった。どうしたんだ巴は?」
ひまり「巴···」
モカ「トモちん···」
急にその場から逃げるように走り去って行った巴を不思議がる陽太郎。それを見てかなり複雑な顔になっているひまりとモカ。
陽太郎「ひまり。モカ。蘭に何かあったんだな?」
陽太郎は、蘭の事についてひまりとモカに問いかける。
ひまり「···うん。実はね···」
ひまりは、重い口を開きながらも陽太郎に事情を説明した。
ひまり達、Afterglowはあるライブイベントに向けて、練習の日々を送っていた。しかし、蘭の父親がバンド活動に反対しているのだ。
蘭の家は華道の家元で、高校生になったら本格的に家を継ぐための勉強をするように言ってきた。しかし、蘭は家を継ぐ気は無くバンド活動を続けたい。そんな蘭に対して父親はバンド活動を『ごっこ遊び』と非難して、今すぐ止めるように言った。蘭はそれに怒り、父親と毎日衝突していた。
ひまり達は、そんな蘭を心配していたが、蘭は強がりで素直じゃない性格の為、Afterglowの皆には相談しなかった。それどころか···
蘭『······心配なんかしなくていい。あたしが何しようが、どうなろうが、みんなには関係ない!』
っと、強がり話そうとしなかった。そして···
巴『勝手なことばっかり言うのもいい加減にしろ!!アタシらがどれだけ蘭のこと、心配してると思ってるんだよ!?』
巴は蘭の発言に激怒した。こうして蘭は、巴とも衝突してしまった。そして、蘭はそれ以来学校にも行かず、家にも帰っていない。との事だ。
モカ「蘭······また不良狩りやってるんじゃないかな?」
ひまり「そ···そんな···」
モカが、悲しそうな顔つきになって呟く。蘭と1番付き合いの長い幼なじみのモカは、蘭の事を誰よりも大事に思っているのだ。ひまりも、蘭を心配してまた泣きそうになる。
陽太郎「可能性はあるな···よしっ!オレが蘭を探し出す!そして、首根っこ捕まえてでも皆の前に連れて行くぞ!」
そんな2人を見て、陽太郎は蘭を連れ戻す事を決断する。
モカ「よー君·····お願い。」
モカは、珍しく涙を流しながら陽太郎にお願いする。
ひまり「陽太郎···うん!お願いね!」
ひまりは、目を擦って少し笑顔になって、陽太郎に蘭の事をお願いする。
陽太郎「そんな顔するな。皆のいつも通りは、俺が今度こそ守ってみせるさ!」
陽太郎は、そう力強く言うと、モカとひまりの頭を優しく撫でた。
モカ·ひまり「あっ///////////////」
陽太郎に頭を優しく撫でられて、モカとひまりは涙目から一変、顔をトマトみたいに赤くして照れる。
恋心を抱く陽太郎に頭を撫でられて嬉しいのだ。
陽太郎「じゃあ、2人の家はここから近いから、帰れるな?気をつけて帰れよ!蘭の事は任せとけ!!」
陽太郎は、モカとひまりを家の近くまで送りとどけて、蘭を探す為に走り去って行った···
モカ「······よー君は、天然の女タラシですな〜/////////////////」
ひまり「で······ですな〜/////////////」
モカとひまりは、頭を撫でるという陽太郎の天然女タラシ行動に顔を更に真っ赤に染めた。まるで、2人を照らし出す夕焼けのように···
次回の後編で、陽太郎と蘭、Afterglowの過去話は完結となります。果たしてどうなる!?
···というのが次回の話の予定です。
投稿予定変更+投稿予定未定の可能性あり······なので、ご了承ください。
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