オレは教師で仮面ライダーである   作:レ主水

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どうも、レ主水です。
今回もお読みいただきありがとうございます。
低クオリティかつそのクオリティの維持も保証できませんが、頑張って書いていくつもりではあるので、感想等よろしくお願い致します。


Broken down our world.

郁人がクソ寒ギャグをかました日の翌日、職員室にて。

 

「はっはっは!生徒との距離を縮めようとするのは結構なことだが、タメ口許可は感心しないなぁ!」

 

大柄な体育教師は昨日の郁人のエピソードを聞き豪快に笑う。

 

「笑っている場合ではありませんよ。我々は教師と生徒であって、友達同士ではありませんから。」

 

教頭が口を挟む。

 

まともなことしか言わない教頭。ストレスでハゲないか心配になる。

 

「確かにそうかもしれませんが、生徒との円滑なコミュニケーションは授業の進行にも役に立つと思うんですよねぇ。」

 

実際、郁人はそう考えている。生徒たちと早く仲良くなりたいという気持ちも大いにあるが、自分が教師であることを忘れている訳ではない。

 

「…おしゃべりばかりしていないで、手を動かしたらどうです。ほら、書類が全く進んでいませんよ。」

 

「あ、すみません。すぐやります。」

 

「はっはっは!」

 

「あなたはそろそろ授業の準備をしたらどうですか。今日は校庭を使うのでしょう?」

 

「はっは、そうですね。そうさせていただきましょう。」

 

そう言って体育教師は郁人の横の椅子から立ち上がった。

 

その時。

 

「…?」

 

中途半端な姿勢で体育教師が止まった。

 

「どうしたんです?」

 

辺りを見回すと、止まったのはひとりだけではないことに気付く。

 

「…っ?!」

 

教頭も、他の教員も、窓の外の鳥さえも、

 

世界そのものが、

 

静止していた。

 

 


 

ほぼ同時刻、友奈たちの教室。

 

謎のアラームが教室内に響き渡る。

 

焦燥感を煽るメロディーに一瞬教室がざわつくが、

 

「あっ、わたし?!」

 

その発信源は友奈のスマホだと判明すると教室は落ち着きを取り戻し、

 

「授業中は切っておくように。」

 

先生から注意が出されて終わった。

 

と思いきや、

 

「…?」

 

「もう、東郷さんもですか?」

 

どうやらアラームは友奈のスマホからだけではなかったようだ。

 

そして美森がスマホの画面を確認すると、

 

「…?!」

 

樹海化警報

 

見馴れない表示がディスプレイに映される。

 

「はぁ、すみませんでした。止まっ…」

 

アラームが落ち着くと、友奈は回りを見渡した。

 

止まったのは、アラームだけではなかった。

 

 


 

また同時刻、三年生の階層を疾走する少女がいた。

 

(まさか…まさか、そんな…?!)

 

友奈と東郷が所属するボランティア部、『勇者部』の部長である犬吠埼(いぬぼうざき)(ふう)

 

止まった世界の中で自らが動ける理由、そしてそれが意味することを知っている少女であった。

 

故に彼女は走る。

 

最愛の妹のもとへ。

 

「お姉ちゃん!」

 

ちょうど教室から出てきた目的の人物、風の妹で同じく勇者部の部員である犬吠埼(いつき)

 

異様な状況を見て若干取り乱している樹を諭しながら風は告げる。

 

「樹、聞いて」

 

「私たちが『当たり』だった…!」

 

 


 

時の止まった職員室にて。

 

「まじかよ…」

 

郁人は状況が理解できないとばかりに呟く。

 

否、郁人は()()()()()。もっと言うならば()()()()()()()

 

半年ほど前に、『ヒデン』と名乗る謎の男から、用途のわからないカセットテープ状のデバイスと、黒く無骨な端末を渡されたときに。

 

ほんの数分しか言葉を交わさなかったが、その時に男は確かに、

 

『近いうちにそれを使う時が来る。』

 

そう言っていた。

 

なによりの証拠に、それ以来リュックの中に忘れずに入れている黒い端末が光っている。

 

つまり、男が言っていた『使う時』とは今のことを指しているのだろう。

 

そしてもうひとつ、男から得た数少ない情報として、その時が来たら端末を腰に宛がえということだ。

 

それでどうなるのかは知らない。

 

しかし、この異常事態で他に出来ることはない。

 

郁人は咄嗟にリュックから端末と、同時に与えられたカセットテープを取り出す。

 

それを掴んだ刹那だった。

 

視界が、花弁に覆われる。

 

 


 

目を開けたらそこは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異世界だった。

 

二次元作品でよくある異世界転生というやつを果たしたのか。

 

郁人の目の前には、そう思えるほどにこの世のものとは思えない光景が広がっていた。

 

少なくとも今までの人生では見たことがない。

 

空は夜より深い、宇宙のようで、大地は色こそ華やかではあるがその形状はいびつ。

 

少し離れたところにはありえないくらい巨大な木のようなものがそびえ立っている。

 

誰の目に見ても異常だったが、(くら)い空と淡い大地のコントラストが奇妙でなんとも言えない恐怖を感じる。

 

「学校…みんなは…?」

 

なにより、自分が元いた場所との解離が激しすぎて、夢なのではないかと錯覚する。

 

夢から覚めるよう意識するが、覚めない。

 

頬を平手打ちするが、覚めない。

 

どうやら悪夢の類いではないようだ。

 

「これ…」

 

ここに来る前に咄嗟に掴んだ謎の機械2つ。

 

この時のために持っていたことを思い出した郁人は、言伝どおり黒いほうを腰に宛がおうとする。

 

その時だった。

 

「?」

 

郁人の視界の端のほうで何かが動いている。

 

その『何か』はあまりにも大きい。

 

もはや景色の一部とさえ思えるソレは、白く、巨大で、ヒトに本能的な恐怖を与えるようなかたちだった。

 

「っ?!」

 

その異形は、浮遊しながら、ゆっくりだがこちらへ近づいて来ている。

 

逃げねば。

 

アレからは、何か底知れない敵意を感じる。

 

そして、アレには敵わないと、体格差からも明らかだがそれ以上に、もっと生物的な格が違うような。『頂点』を相手にしているような感覚。

 

逃げる。距離を置く。離れる。

 

この訳のわからない、限界もわからない世界でとにかく生存のために走る。

 

どこへ逃げればいいかもわからないがとりあえず走る。

 

その足は偶然、始めに見た巨木のほうへと向かっていた。

 

 


 

郁人同様に、止まった世界で動けていた4人、勇者部の面々は既に再会を果たしていた。

 

そして風は、他3人に自分がこの世界を監理する『大赦』の人間であること、あの異形を『バーテックス』と呼ぶこと、アレを止めなければ世界が終わること、そして、それを阻止できるのは自分たちだけであることを明かした。

 

「できない…あんなのと戦うなんて…」

 

弱音を吐いたのは美森だった。

 

身体的にも、三人と比べてハンデを背負っている彼女は、自分の状況を最もよくわかっているが故に諦めも早かった。

 

「でも、やってみなきゃわかんないよ!」

 

親友である友奈が美森を励ますが、言葉とは裏腹にその脚は震えている。無理もないだろう。急に訳のわからない怪獣と戦えと言われてはいそうですかと呑み込めるほうがおかしい。

 

それを見かねた風は、

 

「友奈、東郷を連れて逃げて!」

 

避難の指示を出す。

 

それは部長として彼女らを導かなくてはならないからではない。巻き込んでしまったことに責任を感じているのだ。無理強いはさせられない。

 

「で、でもっ…!」

 

友奈は指示に抗おうとするが、

 

「こっち見てる…」

 

恐怖からか、誰よりもよく敵を観察していた美森が敵の変化に気付く。

 

「!?」

 

見つかった。

 

敵はじっとこちらを見ている。

 

そしてゆっくりと、穴の空いた『砲台』のような器官をこちらに向ける。

 

「いいから行って!!」

 

「…っ、はっ、はいっ!」

 

再度風が檄を飛ばすと、友奈は美森の車椅子を押しながら転ばないギリギリの速さで走った。

 

「樹も一緒に逃げて!」

 

こういう時、一番に逃げそうなものだが、樹はまだその場に留まっていた。

 

「お姉ちゃんひとりを置いていけないよ!」

 

どうやら姉の身を案じているらしい。その瞳には強い意思と覚悟が宿る。

 

「樹…!」

 

「着いていくよ、なにがあっても…!」

 

その意思を、風は汲み取る。

 

バーテックスを目の前にして、勇者部は二手に分裂。

 

友奈と美森は安全な場所へ、犬吠埼姉妹は異形に立ち向かう。

 

「樹、続いて!」

 

「うんっ!」

 

二人はスマホの画面に表示されている、特殊なアイコンのアプリをタップした。

 

すると、姉妹の心に応えるかのように二人のスマホからそれぞれ黄と緑の光が溢れ出す。

 

 


 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 

郁人は一目散に逃げていた。

 

この自分しかいない異界で、あんなのと対面。

 

どうしろというのだ。

 

生存本能に従って動いていた、その時。

 

進行方向から、二つの光が郁人の頭上を飛んでいくのが見えた。

 

肉眼でははっきりとは捉えられなかったが、なにやら人の形をしていたように見えた。

 

常識的に考えたら人がそんな高度を跳べるはずないのだが、ここは常識では測れない世界。

 

その光に郁人は一抹の希望を覚えた。

 

「先生!」

 

声をかけられた。

 

先ほど、自分しかいないと思っていた世界に他人の存在を確認したところだったが、まさかこんな近くから声をかけられるとは思わなかった。

 

しかも見知った顔に。

 

「結城さん!と、東郷さん!」

 

どちらも郁人が副担をしているクラスの生徒であるため、優先的に顔と名前を覚えておいたのが良かった。

 

「君たちはなんでここに?」

 

足を止め真っ先に浮かんだ疑問を投げかける。

 

「わたしたちもよくわからないんですけど、気がついたらここにいて、アイツ…ばーてっくす?が世界を滅ぼしに来てるみたいなんです!」

 

郁人がヤツに感じた敵意は間違いではなかったということだ。

 

「先生!風先輩と樹ちゃんを助けて下さい!あの2人は今アイツと…!」

 

美森が会話を遮るように訴える。

 

「どういうこと…?!」

 

「2人は勇者になってアイツと戦ってるんです!」

 

「!!」

 

郁人はその『勇者』がなんだかはわからなかったが、なんとなく合点がいった。

 

先ほど自分とすれ違うようにヤツに向かっていった人影がその二人であると。

 

そして目の前の彼女らの様子を伺うに、先ほどの二人はこの子たちと親しい関係にあることが察せれた。

 

「無理だよ東郷さん!先生は勇者じゃないんだよ?!行ったら死んじゃうよ!」

 

「いや、」

 

この世界で知人に会えたことで冷静さを取り戻した郁人は、自らの両手に抱えられたモノのことを思い出した。

 

あれだけ無我夢中に走り回って失くさなかったのは奇跡か運命か。

 

「ちょっとはなんとかなるかもしれない。」

 

「?!」

 

その時、遠くで爆音が響いた。

 

それは明らかに風たちとヤツが戦っている余波であった。

 

そして今、教師である自分を差し置いて、守るべき対象であるはずの生徒がその身を危険に晒していることを理解し、自分への不甲斐なさと、押し寄せてくる理不尽への怒りがこみ上げてきた。

 

まだ関わりのない、知らない名前の生徒ではあるが、子供が、ましてや自分の学校の生徒が体を張っているなら。

 

「頼む、なんとかなってくれよ!」

 

そして、黒い端末を腰に宛てると同時に、バーテックスの視線が郁人たちを捉えた気がした。

 

 




長文が書けません。
語彙力と想像力が乏しいのでめちゃくちゃ淡白かつ短い文になってしまう。。。
創作文書くのって大変なんですねぇ。小説家やハーメルン作家さんは本当にすごいと思います。

それはそうと、このssを書くにあたってゆゆゆ本編を見返しているんですが、友奈ちゃんの性格ってアニメ初期とゆゆゆい現行とで若干違う気がするんですよね。
ゆゆゆいでは底無しに明るいけど、アニメだと若干の翳りというか人間臭さというか。まぁ環境が違うので当たり前かもしれませんが。
ちなみにこのssではアニメ寄りを意識しています。

感想等、いつでもお待ちしております。
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