ようこそ異世界帰還者がいる教室へ   作:END

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長らくお待たせして申し訳ありませんでした。理由としましてはレポートやインターンの件がありましたが一番の原因は感想の指摘にあったキャラのブレでこれからどう書いていけばいいか分からず悩み続け作品への意欲が湧いてこなかった為です。耐性がなくてすみません。でも参考にはなるのでコメントは宜しければお願いします。
ですがこのままだと前作のようにエタってしまうのでそうならないよう自由に聞いていきたいと思います。
具体的に言えば……
・コメントしてきた事と違う展開にする。
・大幅な改変をする可能性がある。
などです。

まずはこのお話。2章で書きたい事は粗方出来ていたので新章に入りたいと思います。


第3巻
豪華客船での一幕


広がるのは何処までも続く蒼空と海。そよぐ潮風が漂う中で灼熱の太陽が輝いている。そんな状況を俺ーー村上光太は客船のデッキで感じていた。

 

 

「いや〜久しぶりに海を見たな。最後に海を見たのは異世界で海獣クラーケンと戦った時か?……思い出しただけで反吐が出る」

 

 

異世界での嫌な記憶を思い出し、俺ーー村上光太は眉間に皺を寄せた。

 

 

 

現在俺たちがいるのは豪華客船スペランツァ。高度育成高等学校が用意したバカンスの旅に来ていた。

 

中には一流の有名レストランから演劇が楽しめるシアター、高級スパまで完備されていて生徒はその全てを無料で利用することができる。個人で旅行しようと思ったならウン十万円はするだろうに……何とも税金の無駄遣いをする学校だな、ここは。

 

 

「うおおお! 最高だああああああああ!!」

 

 

そんな事を考えていると、遠くのデッキから高らかに両手を挙げ叫ぶ池がいた。よく見ると他のDクラス生徒もいて、池と同じように堪能する声が聞こえる。

 

 

「凄い眺め! マジ超感動なんだけど!」

 

「ほんと、凄い景色だね……!」

 

 

軽井沢や櫛田も目の前に広がる大海を見て喜んでいようだ。まあただの高校生が夏休みにこんな旅行を楽しめるのだからそう反応しても無理はない。俺のような感性を持つのは特殊な体験をした者だけだ。

 

 

「しっかしとんだサプライズだったよな! 須藤が退学したからバカンスの話はないと思ってたけど、まさか学校の行事で普通にあるなんて!」

 

「本当だな!? センセーも人が悪いぜ!!」

 

 

池と山内がそんな言葉を漏らす。どうやらクラスの連中はとんだ勘違いをしているようだった。

 

期末テストが終わった日の放課後、教師の茶柱から夏休みに2週間の豪華旅行があると報告された。最初は須藤の件で困惑していた生徒達であったが、今まで頑張ったご褒美だという茶柱のセリフに大半の生徒達が歓喜したのだ。

 

相変わらず知能が低い反応で救いようがない。今まで何回学校側に裏切られてきたんだと思わずツッコミたくなったが、一々指摘するのも面倒なので放置した。故に殆どの生徒はこの行事について深くは考えていないだろう。

 

学校側が提示した予定では、最初の1週間は無人島に建てられているペンションで夏を満喫し、その後の1週間は客船内での宿泊となっている。だがそれが事実だとは俺は思っていなかった。

 

 

「その無人島で何をすんだか……ま、発表されるまで気長に待つとしますかね」

 

 

 

「ーーむ、村上君」

 

 

俺が思考に区切りを入れたタイミングでクラスメイトの佐倉愛里がやってきた。

 

 

だがその姿は以前のものとはかけ離れていて、彼女がグラビアアイドルとして活躍している雫の姿をしていた。

 

いつものツインテールではなく、ツーサイトアップにした髪は彼女の印象をさらに変えているし、伊達眼鏡を外した素の表情はクラスでもトップクラスの容姿だ。誰もがあの地味な格好をしていた佐倉と同一人物だとは思えないだろう。

 

 

そう、俺が佐倉に見た目の実力を唱えた後日。佐倉は自ら容姿を変えて登校しできたのだ。以来彼女はその格好で過ごしている。

 

 

「どうしたんだよ佐倉。何か用事か?」

 

「い、いえ。偶々村上君を見つけたので、その…お話でもしようかなと」

 

「そんな手間する必要があるのか? 一人でいる俺なんか放っておいて他のクラスの奴と話せばいいだろう。今は強制するつもりはないしな。ほら、向こうのデッキにいるぞ?」

 

「い、今は村上君と話したい気分なので大丈夫です! 折角なんですから村上君も楽しまないと!!」

 

 

佐倉はまるで焦ったような表情で俺のそばから離れないようにしているようだった。

 

なぜこんな事になっているのか……簡単に言えば俺が原因だ。

 

 

佐倉が見た目を変えた初日、当然とクラスメイトは騒ぎ出し佐倉の周りに群がった。本当にグラビアアイドルの雫なのか、何で今まで地味な格好をしていたのかと次々に質問が押し寄せた。特に男子は真の姿である佐倉を欲望が混じった目で見るようになった。

 

佐倉は自分が変わる為に何とか対処しようとしたが恐怖が混じった目でオドオドすることしかできずにいた。いくら容姿を変えたところで人と話す躊躇いが消えた訳じゃない。佐倉ではうまく対処はできなかったのだろう。

 

 

必然的に佐倉はクラスから恐れられている俺のそばにいる事でしか助けを貰う術はなく、一学期終了ら辺から俺の元に来るようになった訳だ。

 

完全に外堀を埋めた状況に俺は内心愉快に思いながら平然と佐倉に接している。

 

 

「楽しむねえ…なら話なんかしないでプールにでも行くか。折角設備が揃ってるわけだしな」

 

「え……それは…」

 

 

船上にはプライベートプールがあり、水着を無料でレンタルできるのでどの生徒でも利用できる。現にプールコーナーを見れば数十人の生徒が楽しんでいた。だが佐倉は俺の提案に反応を濁す。

 

 

「どうした、早くいこうじゃないか。折角だ。俺がお前の水着を選んでやろうじゃないか、どれにしようかね〜」

 

「そ、そんなっ、困ります!」

 

「あ? 何が困るんだよ。楽しまないと損なんだろう? 俺は今プールで楽しみたいんだ。だからほら、行くぞ」

 

「プールはちょっと…水着を着てたら男の人の視線が……」

 

 

佐倉はプールにいる男子生徒の姿を見ながら怯えを含んだ声でそう呟く。佐倉にとって人前で肌を晒す行為はまだ抵抗がある事だ。加えて多くの異性に向けられるとなると耐えられないのだろう。

 

しかし俺はそんな事情を知っている確信犯であり、不機嫌そうなため息を吐きながら佐倉を見た。

 

 

「……いい加減にしたらどうだ? お前は俺の暇潰し相手であって要求を言える立場にはないぞ。俺がプールで楽しみたいんだ。お前はそれに従って水着を着ればいいんだよ」

 

「ひっ…! ご、ごめんなさい! でも、今はまだ覚悟ができていないので、プールはやめて下さい!」

 

「覚悟ができたなら水着を着るってことか?」

 

「え、あ……はい! このバカンス中には着ます! だから今は……!!」

 

「……」

 

 

佐倉の必死の懇願を俺は顔を変えずに聞いていた。これを跳ね除け、無理矢理連れて行く事は簡単だが、佐倉が自らバカンス中に着ると言ったのだ。これは俺が指定した水着が際どくても逃げ道をなくせる発言であるので、後に佐倉が反抗しても言ったことへの責任を持たせられるだろう。

 

そう考えた俺は顔を崩すと佐倉の肩に手を置いた。

 

 

「ま、いいだろう。そこまでいうならプールはやめにするか。まだバカンスは続くだろうしな」

 

「あ……ありがとうございます」

 

「よし、それなら昼飯にでもするか。レストランで楽しむのもありだろうからな……文句はないよな?」

 

「は、はいっ……」

 

 

俺の新たな提案に佐倉は疲れ切った声で応えた。

 

 

 

 

 

数十分後。

 

 

船内にあったレストランはどれも豪華な雰囲気を出していて多くのジャンルから選べることができる。

 

俺と佐倉はその一つである高級洋食のレストランに入り食事を楽しんでいた。

 

 

「うん。なかなか上手い。やっぱり豪華客船の料理は違うな」

 

「そ、そうですねっ」

 

 

俺の言葉にから元気で同意する佐倉。何とか俺の機嫌を損ねないようにと先程から笑みを繕っていて無理をしているように感じる。

 

恐らく若干の疲労で料理の味もよく分かっていないだろうが、そんな事は俺には関係ない為特に指摘せず料理を楽しんでいた。

 

 

そんな中でこちらに視線を向けている席があるのを感じた。

 

チラッとそちらに目を向けると禿頭の生徒がいるグループであり、そのテーブルの一人である男子生徒がこちらを睨みつけていた。

 

 

さりげなくそのグループを【鑑定】してみると睨みつけている生徒は戸塚弥彦というらしい。能力値は平均よりやや劣っていて正直雑魚だ。

 

印象に残るのは先程言った禿頭の生徒であり名前は葛城康平。確かAクラスのリーダー格の一人で他クラスの俺でも知っている生徒だ。つまりあそこにいるのはAクラスという事だろう。

 

睨んでくる理由は差別意識からだろうか……だとしたら許さないんだがな。

 

 

そう思っていると「ゲッ」という声が聞こえてきた。見ると同じクラスの池・山内・綾小路がいた。

 

 

「マジかよ。村上いるじゃん、全然気づかなかった。てか佐倉もいるし……」

 

「ど、どうする。店変えるか?」

 

「……もう入ってるし、ここでもいいんじゃないのか? 村上だって別に襲ってくる訳じゃないしな」

 

 

おいおい、小声で話しているようだが俺は【聴覚拡大】で聞き取ってるぞ。一回ボコしてやろうか?……と内心思い綾小路達を睨みつけた。

 

 

「おい、お前らDクラスだろ」

 

 

そんな事をしていると先程こちらを睨みつけていた戸塚弥彦が綾小路達に話しかけた。

 

 

「はあ? だったらなんだよ」

 

「ここはお前らみたいなクズが来る店じゃない。クズにはジャンクがお似合いだ。ハンバーガーでも食ってろ」

 

「はあ!? なんだよお前っ!」

 

「俺らがどこで飯食おうが関係ないだろう!!」

 

 

池や山内が怒りの表情で戸塚に詰め寄った。

 

 

「お前らもこの学校の仕組みは理解してるだろ。ここは実力主義の学校だ。Dクラスに人権なんてない。不良品は不良品らしく大人しくしてろ。こっちはAクラス様なんだよ」

 

 

戸塚は馬鹿にするような目で池達を見下した。

 

どうやら戸塚という生徒はAクラスという肩書きだけで自分が偉いと勘違いしているようだ。戸塚自身はAクラスの生徒と言い張れる程能力は高くない。学校側が何を評価したのか知らないが、Dクラスの生徒にも戸塚より能力が高い奴はいる。奴のいう実力主義で言えば、そいつらよりかは戸塚に人権は無いことになる。

 

 

俺はこんなやつを異世界で見たことがある。貴族に多くいたパターンの奴だ。

 

 

 

……見ていてとても腹が立つ。

 

 

 

異世界であれば即座に剣で首を斬り落としていただろうが、流石に自重して自分の料理に集中する。

 

 

「安い挑発は止めろ弥彦。生活態度で減点される可能性もあるんだぞ」

 

「す、すみません葛城さん……」

 

 

流石に無視できなかったのか、Aクラスリーダー格である葛城が制して戸塚は大人しくなる。だが今の発言はクラスメイトへの注意であってDクラスへの言葉に言及はしなかった。どうやら葛城という男も少なからず下に見る心情は持っているらしい。他の傍観しているAクラスの面々も恐らく同じだろう。

 

 

それに感づいた池が反論しようとしたが綾小路に止められていた。

 

 

「やめておけ。ここで何か言ったところでさっきと同じになるだけだ」

 

「ッ! 分かってる!……別の店行こうぜ」

 

「ああ。そうだな……」

 

 

綾小路の言葉に池と山内は大人しく席を立ちレストランから出ようとする。やっと静かになると俺は息を吹いた。

 

 

 

 

だがこの後戸塚は俺の逆鱗に触れる。

 

 

 

「おい待て。消えるならそこにいる奴らも連れていけ。同じ不良品がいるのはさっきから気になっていたんだよ」

 

 

そう言って戸塚はーー俺と佐倉のいるテーブルを指差した。

 

 

 

           あ?

 

 

戸塚の行動に、池と山内はムカついた表情から一気に顔を青ざめる。

 

 

「お、おいやめとけ! 村上に言うのは…!?」

 

「村上? ああ、確かクラスの一人を退学させた奴だったな。おかしな奴もいるもんだ。クラスポイントを貰える機会を自分から手放したんだからな」

 

 

戸塚は池の発言を無視して、俺への侮辱を止めなかった。

 

 

「なんとか言ったらどうだ不良品。人の話すら理解できないのか? 本当に馬鹿な奴だな」

 

「やめろと言っているだろう弥彦。これ以上はーー」

 

 

          ゾワッ!

 

 

 

刹那、レストラン内の全員に悪寒が走った。

 

 

 

 

あまりの出来事にレストラン内にいた全員が一瞬言葉を発せなくなる。さらには机上にあった食器が少し震えた。

 

 

「あ……あぁ……」

 

 

俺から一番近い席にいてその重圧をモロに受けた佐倉は苦しそうな呻き声を上げながら身体をビクビクさせていた。それを見た俺は静かに自身の怒りの感情を落ち着かせる。

 

 

レストラン内にいた大半の生徒は何が起きたかわからないようだったが、酷い生徒は息を切らしたかのように呼吸が乱れ、顔色が悪くなっている。

 

そんな中で俺は席から立ち上がると戸塚のいる席にゆっくりと歩み寄る。

 

 

「お、おい……くるなよっ」

 

 

戸塚は先程の出来事で戸惑いながら正体不明な恐怖を察知し、俺から逃れようとして椅子から転倒してしまう。そんな戸塚の目の前に俺は立った。

 

 

「……戸塚弥彦、だったか? 随分と好き勝手言ってくれるな。Aクラスだからってお前の能力が高い訳じゃないぞ、ああ?」

 

「…そ、そーー」

 

「しゃべるな。お前に発言の権利なんてない。お前はただ社会のゴミとして俺の言葉を受け入れればいい。いいか、この世で最も価値のある俺をお前は馬鹿にしたんだ。その罪を理解しろ」

 

「やめろっ、弥彦に近づくな!」

 

 

俺が戸塚に言葉をぶつける最中、葛城が止めに入ってくる。

 

 

「おいおい離せよ。元はと言えばこいつが俺を馬鹿にしたからこうなったんだろ。自業自得だ」

 

「確かに弥彦の発言には問題があったがこれはやり過ぎだ。これ以上やるなら学校に報告するぞ」

 

「別に俺は構わないぞ。問題になってもどうにでもなるからな」

 

「強がるのはよせ。こういうのはあまり好かないが、Dクラスのお前には荷が重い案件だろう。ここは大人しくなるのが正しい選択ではないのか?」

 

「……ああ、そうかそうか。お前までそう言うのか。理解したよ。どうやらお前らAクラスは自分らの立場を履き違えてるみたいだな」

 

 

仮初の王座に立たされているせいで実力を過信し怠惰を貪る。こういった人種は一度痛い目に遭わないと理解できない。

 

 

 

決めた。Aクラスを潰そう。

 

 

 

ただ、須藤や山脇の時のように退学者を出して終わらせるつまりはない。方法は後で考えるが、どん底になるまで引き摺り落としてやる。

 

特に戸塚は徹底的に追い込んで死んだほうがマシだと思うような末路に導いてやろう。

 

 

俺は視線をずらしてレストラン全体を見渡した。

 

 

「ここにいる全員に言っておいてやる。俺は俺を馬鹿にする奴が嫌いだ。歯向かうならどんな奴でも許さない」

 

 

Dクラスだと馬鹿にする生徒やそれを止める事なく傍観する生徒……その全てが同罪だ。

 

 

「そのタブーをお前らAクラスは犯した。宣言しよう。Aクラス、今からお前らは……俺の敵だ」

 

 

そう言って俺は共に食事していた佐倉すら無視してその場から去るのであった。

 

 

 

 

 

◇◇◇

一之瀬side

 

 

「んっ…あっ……気持ちいい」

 

「星之宮先生?」

 

 

私、一之瀬帆波はBクラス担任でもある星之宮先生に呼びかけた。

 

私達が今いるのは客船内にあるエステサロンの個室で、これからのクラス動向について話し合っていた。しかし私が話している途中で先生がエステを堪能しているのを見て、確認を取った。

 

 

「ごめんごめん。続けて」

 

「Aクラスの坂柳さんと葛城君。Cクラスの龍園君の動向には注意が必要だと思います」

 

 

今話しているのは他クラスについてだ。先生は詳しく教えてはくれないけど、今向かっている南の島のペンションで何らかのポイント増減のイベントが発生すると私は思っている。そんな考えを先生に話したら、こうして二人きりで話し合いする場を設けられた。

 

おそらく私の考えは当たっていて、詳しい話を聞こうとしたんだろう。AクラスやCクラスの話については納得している様子だ。

 

 

「じゃあ……Dクラスは?」

 

「圧倒的に村上君ですね。一応クラスの中心としては平田君や櫛田さん、優秀さだけなら堀北さんや高円寺君もありますけど。村上君への警戒は怠らない方がいいと思います」

 

「そうね。私もそう思う。でも……他にもいるんじゃないかなって」

 

 

先生は何やら含みのある言い方をしている。もしかして先生は他に警戒するべき生徒を知っているのだろうか? と、私はここで一人の生徒を思い浮かべる。

 

 

「……綾小路君ですか?」

 

「そう! 私の勘が、要注意人物だって!」

 

 

勘……本当にそう思っているかどうかは疑問だけど、要注意人物である点については否定できなかった。

 

 

「……その勘、当たってると思いますよ」

 

「あ、あれ? どうしちゃったの一之瀬さん。いつもなら『先生の勘は当てになりませんから!』ってつっぱねるのに…」

 

「実は、ちょっと前に彼と話す機会があって」

 

 

私は前に彼と会った時のことを思い出す。

 

最初はクラスメイトを退学に追い込んだ村上君の事を聞こうとしただけだったけど、千尋ちゃんを襲った暴漢をあっさりと撃退したあの動きは只者ではない事を示していた。本人は偶々と言って肯定しなかったけど、恐らくは実力を隠している。それがあの動きだけなのかは今はわからないけれど、楽観視できないのは確かだ。

 

そんな風に考えていると私はある事に疑問を抱き先生に質問した。

 

 

「もしかして先生、綾小路君について何か知ってるんですか?」

 

「あ、うんうん違うの〜。ちょっと佐枝ちゃんが気にかけてた生徒だったから。あんなに生徒に入れ込むの見た事なくて気になっちゃったんだよね〜」

 

 

この時一瞬、先生の表情に影が入ったように感じたが、すぐに元の調子に戻った。

 

 

「それ、本当ですか?」

 

「本当本当〜。嘘なんてついてどうするのよ。それよりもっ、今は一番危なそうって分かってる村上君の話をしましょ!」

 

 

無理矢理話を逸らされてしまったが、先生の話も間違いではないので私は追及をしない事にして話を再開させた。

 

 

 

 

◇◇◇

綾小路side

 

 

深夜。就寝時間となり同室の生徒達が就寝する中でオレは目を開いていた。

 

寝付けないわけではないーーいや、正直に言えば今日レストランで起きた事を考えていて目は冴えていた。

 

 

「(あの殺気、並の高校生が纏えるものじゃない。というより人が持つには過ぎている。村上の実力はまだ分からないが底知れない『何か』があるのは確かだ)」

 

 

そんな相手にオレは目をつけられている。実力を隠している事がバレた理由はまだ分からない。

 

学校側の資料を持っているのか? いや、その資料も松雄が色々と準備していたもので《ホワイトルーム》に関するデータはない。まさか……外部から情報を得ているのか?

 

 

『数日前、ある男が学校に接触してきた。綾小路清隆を退学させろ。とな』

 

 

思い出すのは茶柱の言葉。先日個人メールで呼び出されその事を伝えてきたと思えばAクラスになる為に協力しろと言われた。拒否すれば退学させると言われ、渋々やるだけやると伝えたが簡単に済む話ではなくなってきた。

 

 

「(まだ村上と《ホワイトルーム》が繋がったわけじゃない。だが警戒レベルは引き上げる必要があるな)」

 

 

詳しいことはまだ決め切れないが、少なくともこのバカンスの中で村上の実力を測るべきなのは判断した。




いかがだったでしょうか。
原作至上主義と言っておきながらアニメ版寄りで書いてしまってすみません。しかし話の展開的にこちらの方が良いと思ったので書きました。ご了承ください。
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