ポケモン不思議のダンジョン時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊~暗黒の未来で~もう一つの選択 作:東海鯰
「・・・・・・・。」
今亡きクリスから渡された最後の指示文書を開封し、中身を確認するアリゲイツ。その顔は眉間にしわが寄っていた。
「一体何が書いてあるんだ?」
「何も書いてないわ。」
「「は?!」」
何も書いていない。それに驚いたマグマラシとベイリーフ。
「おい! どういうことだよアリゲイツ!!」
「でも実際にこの紙は真っ白よ。」
アリゲイツは弐匹の前に何も書かれていない指示文書を示す。
「貸せ!!」
「きゃ?!」
「な、何をするつもりなのマグマラシ?」
「決まってんだろ! 何も書いてないなら!!」
背中から勢いよく炎を吐き出すマグマラシ。
「炙ってみろってな!!」
指示文書を炙るを通り越してもはや燃やすマグマラシ。
「「!!」」
炎にさらされた指示文書から白い紙が剥離するのをベイリーフとアリゲイツが視認し、直ぐにアリゲイツがマグマラシを蹴り飛ばす。
「炙るを通り越してんだろボケナス!!」
「ぐお?!」
蹴り飛ばされたマグマラシにベイリーフが駆け寄り治療を行う。一方アリゲイツは剥離したもう一枚の文書を手にとる。
「・・・・・・・・・・。」
「それで、今度は何が書いてあるの?」
「・・・・・・読めないわ。」
「真っ白の次は怪文書かよ!!」
マグマラシとアリゲイツが怪文書を前に落ち込む中、ベイリーフが何かに気付く。
「・・・・あれ? これ私読めるよ。」
「「え?」」
「これはアンノーン文字だわ。古代の遺跡によく描かれているって聞いたことあるわ。」
「・・・確かに、言われてみれば似てるな。」
「少々ぐちゃぐちゃだけど言われてみたらアンノーン文字ね。まあ、この馬鹿が必要以上に炙ったせいでしょうけど。」
「何だと?! 俺様がいなかったら辿り着けなかっただろうが! 少しは感謝しやがれ!!」
「僕と俺が混在するとか、どちらかに統一したらどうなの?」
「うっせえな! そんなの気分で変わるんだよ!」
喧嘩する二人を後目にベイリーフは指示文書の解読を進めていく。
「・・・・もし、この文書を読んでいる者がいるのなら、私や団長は間違いなくこの世にはいないでしょう。そして、この文書を読んでいるのは間違いなく私や団長、そしてコトネのパートナーでしょう。むしろそうであって欲しい。そんな前置きは置いておいて、古代の遺跡や子文書を解析した結果、時渡りより成功確率が低く、成功すればこの世界が消滅せずにすむ方法を私は見つけた。」
驚きの表情を一瞬見せるベイリーフ。直ぐに我に帰り解読を再開する。
「そのカギは運命の塔と呼ばれし古代の塔にあり。熱き義の心を持つ者、優しき清らかな心を持つ者、冷静で知識豊富な心を持つ者が集いし時、太陽の照らす未来の懸け橋は開かれる。」
ベイリーフは直ぐにそれらを自分達に当てはめた。熱き義の心はマグマラシ、優しき清らかな心は自分、冷静で知識豊富な心はアリゲイツに当てはめられるのではないかと。
「・・・・クリスさんは私達が生き残ることを予想していた。いや、生き残るように仕向けたということかしら。」
引き続き文書を読み進めるベイリーフ。
「されど、運命の塔の正確な位置を特定するには至らず。ただ一つ言えるのは、時空を超えて心を一つにした時に道筋が開かれるということ。」
そこで文書は終わっていた。
「時空を超えて心を一つに・・・・か。ジュプトル達と心を共鳴させろってことか?」
「まあ、他に思いつかないよね。」
「でもどうやって?」
「「う~ん?」」
悩むマグマラシとベイリーフ。
「方法はあるわ。」
アリゲイツはカバンから一つのアイテムを取り出した。
「何だそれは?」
「これは生前古代の遺跡でクリスが発掘した物。名前は「時空のオーブ」。クリスと私の予想が正しければ運命の塔と私達を繋ぐ鍵となり得るアイテムよ。」
「時空の。」
「オーブ。」
「確証はないけどね。私とクリス、団長やコトネとやった時は何も反応しなかったし。」
「だったら、反応させれば良いじゃねえか。」
マグマラシは時空のオーブに手を置く。
「ヒビキが出来なかったなら、俺がやってやる。俺はヒビキのパートナーだ。今でも心は繋がっているからな!!」
ヒビキの帽子を被るマグマラシ。
「・・・・ぷっ。相変わらず熱苦しい男だこと。」
「でもそんなところが私は好きよ。」
アリゲイツとベイリーフもそれぞれのパートナーの帽子を被る。
「それじゃあ、行くわよ。」
「ああ。」
「ええ。」
異なる三つの心交わりし時、共鳴し合えば新たな力が生まれる。そう信じた彼らは時空のオーブに手を置く。その結末とは。
(続く)