ポケモン不思議のダンジョン時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊~暗黒の未来で~もう一つの選択 作:東海鯰
運命(さだめ)の塔頂上
「まさか、奴らより先にこの運命(さだめ)の塔にやってくるものがいるとはな・・・。」
「・・・・当たり前だ!! 俺の主人は貴様らによって殺された!! その仇を取らずして何になる!! こおりのつぶて!!」
「・・・ほう、やはり素早いな。だが、怒りに任せた攻撃では、この私には勝てんぞ!! きあいだま!!」
ドーン!!
「・・・・・ぐ・・・がはっ!!」
「フン! 口ほどにもない。」
「ダークライ様、この者の後始末は如何致しましょう?」
「ふうむ・・・そうだな。」
暫し考え込むダークライ。
「確か・・・此奴は星の停止調査団の一人だったな?」
「はい。彼の主人であるニンゲンを我々が始末してからは調査団から離れて活動をしてはいたみたいですが。」
「・・・ならば、感動の再会をさせてやろうではないか。それも・・・くくく。」
運命(さだめ)の塔入口
パシュン! パシュン! パシュン!
「おお・・・ここが。」
マグマラシたちは眼前に聳え立つ塔に視線を送る。
「この純白の塔こそが。」
「ええ、運命(さだめ)の塔よ。」
「しかし、世界が暗黒、即ち黒に染まってるっていうのにこの塔は白いんだな。」
「まるで運命に抗おうとしているような。そう思わせる色合いね。」
ザッ、ザッ、
「「「!!」」」
「誰だ?!」
「まさか私達に対する刺客?!」
「・・・・あれは・・・。」
塔の中から彼らにとって見覚えのあるポケモンが現れる。
「にゅ、ニューラ!?」
ニューラ。かつて星の停止調査団団長ヒビキの親友シルバーの相棒ポケモンだったが、ディアルガの背後で操っているのがダークライであると最初に気付いたシルバーと共に、コトネやクリスの反対を押し切って調査団を飛び出し、どこかへと消えてしまったポケモンだった。
「ニューラ、生きてたの?」
「良かったわ。もう勝手に飛び出して!!」
ニューラに近寄ろうとするベイリーフとアリゲイツ。
「!!」
「ベイリーフ、アリゲイツ!! 伏せろ!!」
「「?!」」
マグマラシの言われるがままに伏せる二匹。するとその頭上をこおりのつぶてが通過し、背後の巨木に突き刺さる。
「・・・ちっ。」
「にゅ、ニューラ?!」
「あ、あんた!! 一体何のつもり?! 私達は!!」
「あれは・・・ニューラは敵だ!!」
「え?」
「な、何を言ってるのよマグマラシ!! ニューラはあんたのパートナーの!!」
「だが今こうして僕達に攻撃してきてるじゃないか!!」
マグマラシはすかさずニューラに対して攻撃を開始する。
「くらえ! かえんぐるま!!」
「ぐう!!」
ニューラに対して効果抜群の攻撃を食らわせるマグマラシ。
「アリゲイツ、おそらくだがあいつは。」
むくり、
「ダークライが差し向けた刺客だ!!」
「・・・・・ニヤリ。」
「そんな・・・。」
「ニューラがダークライの・・・。」
(無理もない。彼とそのパートナーのニューラと僕達とヒビキ達はとても仲が良かった。それに久しぶりに会えたかと思えば敵となって立ちはだかる。でも!)
「友の屍を越えていかなければ・・・未来(あした)はない!!」
マグマラシは先陣を切り攻撃を開始する。
「ベイリーフ! はっぱカッターで援護してくれ!!」
「OK! はっぱカッター!!」
ベイリーフははっぱカッターで先陣を切るマグマラシの前に鋭利なカッターを設置。
「フン! その程度の攻撃!!」
鋭利な刃物ではっぱカッターを切り刻んでいくニューラ。しかし、それはマグマラシの狙いだった。
「その素早さが命取りだ! かえんほうしゃ!!」
空中に舞った多数の可燃物。マグマラシの狙いはベイリーフのはっぱカッターをわざとニューラに破壊させ、広範囲に可燃物を拡散させること。そしてそこに炎攻撃を叩きこむことによって・・・。
「ぎゃあああああああ!!」
「アリゲイツ! 今だ!!」
「ええ! 分かってるわ!!」
アリゲイツは火だるまにまるニューラに水攻撃を浴びせる。
「たきのぼり!!」
「・・・・ぐあ・・・。」
運命(さだめ)の塔頂上
「ふうむ・・・意外とあっさりとやられましたな。」
「まあ良い。何があろうと、この私を止めることは出来ぬ。さて、せいぜい楽しませてもらうとしようかな。」
運命(さだめ)の塔入口
「・・・・うう・・何だ・・・お前達か・・・。」
「ニューラ!」
「目を覚ましたのね!!」
「ああ・・・・だが・・・俺もそう長くは生きれそうにねえ・・・。ダークライに致命的なダメージをくらわされちまったからな・・・。」
脈がだんだんと弱くなるニューラ。
「だが・・・最後に言っておきてえことがある・・・。げほっ・・・。」
ニューラはマグマラシたちに笑みを浮かべる。
「・・・・俺は・・・・お前達の・・・友・・・で・・・いい・・・ん・・・だよ・・・な。」
「・・・・当たり前だ! 僕とお前のパートナーだって親友だったじゃないか!! 確かにさっきは敵として戦ったけど、それはダークライの悪夢に利用されていただけだ! 僕達の絆は揺るぎやしないさ!!」
「・・・・そうか・・・なら・・・俺は幸せだ・・・。」
(シルバー・・・そろそろ俺もお前のところに行くぜ・・・願わくば・・・もう一度一緒に・・・)
そこでニューラは息を引き取った。元々ボロボロだった体にダークライの悪夢が加わったことで完全に崩壊していたのだ。
「ニューラ・・・。」
マグマラシは亡骸となったニューラの体を抱き抱える。
「・・・・待ってろ・・・絶対に世界を変えて・・・お前のところに行ってやる。それまでは・・・ヒビキやシルバーと仲良くしてろよ・・・。」
マグマラシの頬を涙が伝い、ニューラの体に滴となり、流れていく。
「暗黒世界とは・・・・こんなにも残酷なものか・・・。」
「マグマラシ・・・。」
「・・・・・・・・。」
「だけど、ここで立ち止まることも出来ない。」
マグマラシは涙を拭いてニューラの亡骸を優しく地に置き、穴を掘り始める。
「簡単な形ではあるが、ニューラの墓をここに作ろう。墓碑には、己の信念のままに闇と闘い、戦火に散った盟友ここに眠る・・・と。」
数時間後
「・・・・さようならニューラ。」
「必ず成し遂げて見せるわ。」
「太陽の昇る・・・未来(あした)を!!」
「行くぞ!!」
「「ええ!!」」
(続く)