たぶんよくある留学したヒッキーがお金持ちになって帰ってくる話   作:小鳥と点心

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10話 ー過去編 高校卒業までー 会社設立

 今日は生憎の雨。予定も特に無く家でまったりいていた。なんとなく、リビングに行くとなにやらヘレンさんが書類とにらめっこしていた。

 

ヘ「ここがこうで………、でもそうすると………ここにすると………駄目だわ」

 

 邪魔しない方がいいと思い静かにキッチンへ行こうとした。

 

ヘ「あ、八幡君良いところに」

 

 「?どうかしました?」

 

ヘ「相談したいことがあってね」

 

 そう言って書類の一つを渡してきた。読んでみるとどうやら会社のものらしい。てか、俺が見ちゃだめだろ。

 

 「どうしてこれを?てか、これ俺が見たらだめややつでしょ」

 

ヘ「良いのよ、どうせ私の責任になるんだし。それより何かないかしら」

 

 いや、ダメでしょ。と、思いつつ目を通していく。

 

 

 

 

 

 

 「もしかして、ここですか?」

 

ヘ「そうよ」

 

 「こうしたらどうですか?」

 

ヘ「でもーーーー」

 

 「だったらーーーー」

 

ヘ「ここをーーーー」

 

 「こうすればーーーー」

 

 

 

 

 話し込むこと二時間

 

 

ヘ「ありがとうね。これならなんとかなりそう」

 

 「いえ、力になれたなら良かったです」

 

ヘ「また宜しくね」

 

 「それはまずいでしょ」アハハハ

 

ヘ「それもそうよね」アハハハ

 

 

 ………絶対また頼る目をしてますけど。

 

 

 思ったとおり何度か相談された。

 

 

 

 

 

 数週間過ぎたある日の夕食後

 

 

ヘ「そう言えば八幡君は会社を創ろうとは思わないの?」

 

 「「「「は?」」」」

 

 ヘレンさんの唐突過ぎる質問に家の空気が固まった。俺も固まった。死角から160㎞/hのストレートをもらった感じ。て、わからないよな、俺もよくわからん。まあ、それ位衝撃があった。

 

 「あの、ヘレンさん。さすがに冗談ですよね」

 

 ヘレンさんがここまで言う心当たりがメチャクチャある俺は冗談だと聞き返した。

 

セ「そうよ、さすがにおかしいでしょ」

 

ヘ「全くおかしくないわ」

 

 「「「「え?」」」」

 

 「………」

 

ヘ「実はね…………

 

 

      ここ数週間の出来事を話す

 

 

             ………ということなのよ」

 

奏「それなら納得できますね」

 

涼「と言うよりさっきのって、ずっと母さんが悩んでいた案件だよな」

 

ヘ「そうよ」

 

 

 

 さっきまでの反対していた空気が180°変わった。

 

 「そもそも、ド素人の俺が会社の経営なんて色々問題があるでしょ」

 

涼「だったらセレナと奏の三人で始めてみたらどうだ?高校卒業を期に」

 

ト「え、俺は?」

 

ヘ「あんたは、あと一年残っているでしょ」

 

ト「うっ」

 

 「いや、なんでそうなるんですか」

 

 反論の言葉を考えていると、

 

セ「面白そうじゃない。やってみようよ、ハチ」

 

奏「私も一緒にやってみたいです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 数時間後

 

 家族全員に説得させられて会社を設立する事になってしまった。ちなみに俺が社長で、セレナが秘書、奏が副社長になった。

 嗚呼、専業主夫の夢が………

 

ヘ「大丈夫よ。私が全力でバックアップするから」

 

涼「俺も協力するぞ」

 

 「…………はぁ、やってみます」

 

 

 

 ただ、さすがに3人だと心もとない。

 

 

 と言うわけで、ジムで知り合いに話すことにした。

 

?「面白そうじゃねえか。俺も入ろうか?」

 

 この人はマック・トーラーさん。元ボクシングチャンピオン。ジムで出会ってからずっと八幡を誘っている。

 

?「凄いじゃないですか」

 

 この人はエレン・フレッチャー。高校の後輩で、父親とこのジムに通っている。ちなみに父親は海軍の司令官だったりする。

 

 「いや、マックさんそんな軽かったりしたらダメでしょ。そもそも、個人ジムやってませんでしたか?」

 

マ「あっちは弟にでも任せる。それにジムの収入なんてたかが知れてるからな。それに、暇している知り合いの中には色々と技術のあるやつが多い。そいつらも誘えば助かるんじゃねえか?」

 

 「確かにそうですけど………」

 

マ「まあ、すぐには決められんだろ。よく考えてからまた、声かけてくれよ」

 

 「はぁ、わかりました」

 

 少し面倒になったな。

 ………やけに視線を感じるな。

 

 「どうした?エレン」

 

エ「あの、先輩の会社でバイトって出来ませんかね?」

 

 また面倒なのがきた。

 

 「何故にそうなる」

 

エ「いや本当は働きたいんですけど、まだ高校を卒業していないのでバイトと言うかたちに」

 

 ダメだ。と、すぐに断れないのがつらい。彼女の語学力とコンピューターの知識は俺の知り合いの中ではトップにいる。何しろ自作のアプリゲームを配信しているほどだ。

 マックさんはともかくエレンは即戦力になるのだ。

 

 しばらく考え込んで、

 

 「とりあえず、一週間待ってくれ」

 

 なんで前向きに考えてんのかね。

 

 「話し合っておくよ」

 

マ「おう、楽しみにしてるぞ」

 

エ「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

 

 セレナや奏と話し合った結果、全員受け入れることになった。

 

 社員が10人ほど増えた。ほとんどがマックさんの紹介だった。エレンも社員として入ってもらった。年齢も考えると打ち解けることができるか心配だった。だが、問題は無かった。理由としてはエレンの作っていたゲームがマックさんも含めて全員がやっていたから。とにかく問題が無さそうでよかった。

 

 今後の方針はとりあえずゲームや、セキュリティシステムなどのコンピューター関連から進めていこうと思っている。あとは、ヘレンさんがクルーズ旅行関係の会社をしていると言うことでそっちも検討中である。

 

 

 

セ「そう言えば会社名はどうするの?」

 

 「それはもう決めてある。

 

 

 

 

       "H&SKカンパニー"

 

 

 

                     だよ」




 どうも、小鳥と点心です。

 今回はついに、八幡君が会社を創りました。やや強引な感じもしますが見逃してください。会社名については八幡とセレナ、奏から取りました。安直ですみません。


 さて、次回はついに高校卒業です。そのあとは少し現在に戻ります。修羅場上手く書けるかな。プルプル

 お楽しみに。

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