咲夜「真面目とは一体··········ウゴゴゴゴ」
私の名前は紅美鈴。
紅魔館の門番をしている者だ。
遥か昔、お嬢様がまだおらず、
お嬢様の両親がまだご存命だった頃にご両親(以後あの方)に倒され、傘下に入れられた。
始めこそ恐怖していたが、化け物は優遇されるその館の中で、
私の吸血鬼=独裁者のイメージは消えていき、代わりにあの方への忠義が現れた。
あの方が亡き今、私の忠義はお嬢様達に向けられている。
私が今、最も古参なのだ。
私が皆を守らなくてはならない。
幸い、私にも武術の心得はあり、自信もある。誰だってこの武術で凪ぎはらってみせる!
~時間経過~
「弾幕ルールを施行しますわ」
八雲紫が言う。
「武術が役に立たない!?」
しかも紅魔館が始めに異変を起こし、弾幕ルールが広がるきっかけになる。
~時間経過~
「あんた、邪魔」
博麗霊夢が苛立ちを隠そうともせず、お払い棒を構える。
台詞:「お前など通さんッッ!」
本音:やったことない弾幕ルールで
弾幕ルールのお手本のようなやつに勝てるわけないじゃないですかやだぁーっ!
~戦闘~
戦闘終了。結果、完☆全☆敗☆北
アイエエエエエエエエエエエエエエ!?弾幕!?弾幕ナンデ!?
武術が役に立たなかった!アババーッ!
~時間経過~
「通して貰うぜ!」
霧雨魔理沙が八卦炉をこちらに向けて、戦闘開始を示す。
フッ·······フフフフフフ!
博麗霊夢はプロ的なやつだったから負けたけど霧雨魔理沙なら勝て
「マスター········スパァーーーーーック!」
\(^q^)/オワタ
なんでこいつ普通に強いんだよォーーーッ!?
~時間経過~
「鼠が入ってたんだけど?」
「あ、いえ······その···········ふへへ·········」
真顔で言い放つ咲夜と目を会わせないようにしながら、誤魔化す。
「ね·ず·み·が·は·い·っ·て·た·ん·だ·け·ど?」
誤魔化せなかった。
「す、すみません!侵入を許してしまいました!」
「はぁ·········仕方ないわね」
「えっ?」
まさか、許してもらえた?
そう思い、気分が舞い上がる。
が、
「あなた今日、食事抜きね」
「············へ?」
全身が硬直する。
あー、うん。聞き間違えたかな?
「えっと、咲夜さん。今なんと?」
「だからあなた今日は食事抜きだって」
食事抜き?食事抜き。食事抜き。食事抜き···········食事抜きぃ!?
たったそれだけで私の弱っていた心は絶望の底へ叩き落とされる。
体から力が抜け、膝が地につく。
「あ、ちょ。どうしたのよ?」
「うっ···············」
「え?」
「うわあああああああああぁぁぁあああああ!!!」
「えぇ!?ちょ!どうしたのよ!?」
「hsっhうdhshjzげうJxvhdjxじぇすhdhうsjづzkへ!!!」
私の声を聞き、小悪魔とお嬢様が駆け付ける。
「どうしたんですか!?」
「どーしたのー!?」
「もうやだやだやだやだやだやだ!いやだぁー!!」
「「「!?」」」
「なんで私ばかりこんな目にあうんですかぁ!やだやだやだ嫌なことばかりだぁー!!!」
周りを囲んでいた皆の隙間を抜けて走る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああ!!!」
~視点変更:十六夜咲夜~
美鈴が走り去った後、私達は呆然と立ち尽くしていた。
小悪魔が切り出す。
「な、なにがあったんですか!?」
「わからないわよ!霧雨魔理沙の侵入を許したから食事抜きだって言ったら···········」
「うー··············」
「あ、それですよ」
「どういうこと?」
お嬢様が唸るのを取り敢えず流して、あっといった様子で言う小悪魔に尋ねる。
「美鈴さんて武術の達人じゃないですか。
本来弾幕ルールが無ければあの人、相当強いんですよ。下手すると鬼にも引けを取りません」
「そうなの!?」
「はい。だけど弾幕ルールができたじゃないですか?
あの人、弾幕が異常に苦手なんですよ。だからショック受けてましたし、
弾幕のプロの博麗霊夢ならまだしも霧雨魔理沙にも敗れましたから、精神的にかなりキテるんですよ。
そこに咲夜さんの食事抜き。あの人食事が一番楽しみって言ってましたから、それがとどめになったんでしょう」
「そ、そうだったの··············悪いことしたわね」
「まぁ、取り敢えず探しましょう」
「うー!」
小悪魔の言葉にお嬢様が元気に答える。何故暢気なのか。
~少女捜索中~
美鈴がいた。
紅魔館倉庫の一角で丸くなってブルブル震えていた。
「め、美鈴!」
美鈴の体がビクッと動き、顔をこちらに向ける。
「ううううぅ·················!」
「···············怒ってる···········?」
「いや、違います。怒ってるんじゃなくて、怯えてます。
これ以上傷つくことに。まるで苛められた子犬のように」
「美鈴···················」
再び私達に背を向ける。
「食事抜きなんて言わないから······ねっ?」
「そ、そ、それが嬉しいですけどっ。そんなんじゃないんですよっ········」
もう一度私達の方に顔を向ける。目はあわせようとしない。
「私だって、勝ちたいんです!
だけど、だけど·············弾幕ルールは苦手だし、あれだけ頑張った武術は使えないしっ····」
「美鈴·············」
少し考え、美鈴の傍に寄る。
「美鈴、あなたは弱くない。誰だって得意不得意はあるし、きっと武術が使える機会もあるわ。
そうだ、今日はあなたが好きな料理を作りましょう。
だから、元気出してくれないかしら·············?」
沈黙が数秒続き、美鈴が口を開く。
「本当ですか···············?」
「えぇ、本当よ」
私が答えると、彼女の顔から怯えが消える。
そして、
「うわああああああああああああああああああん!!」
号泣する。
私はその背中を擦りながら、安堵する。
こうして、美鈴暴走事件は解決した。
彼女はその後門番として尽力するが、霧雨魔理沙を止められた回数は未だ零らしい。
レミリア「出番なんてなかったんや」
ゆっくり書いてました。その分長いので許してください。
元ネタが新しいので気づく人が多いかも。