【天彗龍 バルファルク】   作:ナガレッ伽

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モンハンライズにバルファルクが追加されることを祈願して。




第一話 最高のゲーム

 2043年7月15日。

 

 その日、世界のゲーマー達は(興奮で)死んだ。

 

 何故か。

 一つのダイブ型VRMMOが発売された、いや発売されてしまったのだ。

 

 そのゲームの名は、〈Infinite (インフィニット )Dendrogram(デンドログラム)〉。

 

 ダイブ型VRMMOと聞いて眉を顰める者も少なく無いだろう。確かに以前発売された最初のダイブ型VRMMO〈NEXT WORLD〉はマジで酷かった。「現実と変わらないリアリティ」とか抜かした癖に五感は全く再現出来ておらず、違和感MAXだった。グラフィックも大して優れてはでいなかったし、なんならプレイ中に気持ち悪くなってゲロ吐いたよ僕は。

 当然そんなゲームが現代社会で許されることはなく、裁判が起きたりなんやらかんやらあって制作会社は倒産した。

 

 だが、だが!

 〈Infinite Dendrogram〉は違う!

 

 完全に完璧に再現された五感!飯どころか空気も美味い!らしい!!

 

 選択できるグラフィック!現実(リアル)風、アニメ風、3DCGの三つ全てがハイクオリティ!!

 

 一つのサーバーで億人単位のプレイヤーが同時に遊べる!もはや意味不明!!

 

 そして極め付けはゲーム内では現実の3倍の速度で時間が進む!

 

 アホーーッ!!なんなのこれ?オーバーテクノロジー過ぎて気持ち悪いね。でも好き!ほんとありがとうございます開発責任者ルイス・キャロル様及びスタッフの方々!!あいらぶゆー!!

 

 ルイス様にもそう伝えておいて貰っていい?

 

 さて。これまで〈Infinite Dendrogram〉通称デンドロとルイス様への愛を叫ばせてもらったが、自己紹介、もといプレイヤー設定に進ませてさせてもらっても?はいありがとうございます。

 

 では。僕のプレイヤー名はゆうき!多分狩人か剣士のジョブに就く男だ!

 

 ゆうきはもう使われてる?そっか…名前被るのはちょっとなー。ありきたりな名前だししょうがないか。うーん、ちょっと待って貰っていい?頑張って考えるので。

 

 あ、先に他の設定決めれるんだ。じゃあお願いします。

 

 えーと、グラフィックは3DCGのヤツに変更で。アバターって現実の僕の容姿をベースに出来る?おぉ、ありがとう。じゃあ髪の色はそのまま黒で、瞳の色は銀色。

 鼻をちょっと高くして、身長も伸ばして180㎝、筋肉も盛っちゃえ。

 

 初期装備か。武器はこの木刀、防具はこの和装で。

 

 アイテムボックス?ふむふむ、これ1トンも入るんだすげぇ。壊れるし盗まれることもあるから注意が必要と。

 銀貨5枚で5000リル、1リルは十円だから…五万円か。あざっす。

 

 名前?ごめーんもうちょい待って。あと候補が3、4個あってね。

 『 X(クロス)』『XX(ダブルクロス)』『カジキマグロ』『ニャン太ー』の4つだけど。何笑っとんねん!

 

 えぇい!じゃあもう『XX』で決定!!

 

 おお、これが噂のエンブリオ。左手の甲につけるんだっけ。説明はいいや。早く始めたい。

 

 最後にスタート地点。じゃあこの『アルター王国』で。理由?なんとなく。

 

 質問はなあ、ひとつだけあるんですけど…デンドロのストーリーっつうか、プレイヤーの目的って何なの?調べてみたけど何にも分からなかったんすよ。

 

 え、何でも?

 

 

 

 

 可愛らしい猫のぬいぐるみのような管理AI、チェシャは纏う雰囲気を少し変えて言った。

 

 『そうだよー』

 『英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、<Infinite Dendrogram>に居ても、<Infinite Dendrogram>を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい』

 

 『これから始まるのは無限の可能性』

 

 『〈Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する』

 

 

 「何それかっこい…ん?急にあしもぎゃああああああああ!!!

 

 

 

 

 

 ぼくはそらから、ははなるだいちへぽいっされた。

 

 こしがぷるぷるふるえてます。あのねこはゆるさない!

 

 

 

────────────────────────

□王都アルテア前    【???】 ???

 

 

 僕には前世の記憶がある。と言っても、その前世はファンタジー世界の勇者でも魔王でも冒険者でもない。日本で平凡な大学生をやっていた。記憶を探ってみたところ、恐らく三十年前─2015年あたり─の人物である筈だ。

 ただし、並行世界の。

 前世の記憶と現在の世界には少し、ほんっの少しだけ違いがあるのだ。その違いだって例えば織田信長が女性だったとか、第二次世界大戦で日本が勝ったとかそんな世界的には大した違いじゃあない。

 

 ではどんな違いがあるのか。

 

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 あの大人気ゲーム、『モンスターハンター』。前世ではハンティングアクションというジャンルを確立した偉大なるゲームだ。

 

 だが今世ではめちゃんこマイナーな伝説となっている。日本で知っている人はほぼ皆無。それこそ専門家くらいだろう。

 モンスターハンター改め、『狩人と竜たち(日本語訳)』はアフリカとかその辺り発祥の伝説で、ネットで調べても10件ほどしかヒットしない。

 

 ポケモンとかマリオ等々任◯堂様の作品は存在してるし、前世の記憶と一致する作品もある。なんならモンハンと同じ制作会社のバイオハザードは存在する。ただし制作会社の名前はカペコンだ。

 

 

 モンハンは大好きだった。小学五年生くらいに初めてプレイし、大学生になっても新作を買い続けていた。同級生とのコミュニケーションツールでもあったし、僕の青春を象徴するものでもあった。

 それが今世ではプレイできないのは悲しいけれど、それは求め過ぎだろう。またこうして平和な世界に転生できただけありがたい。もしも某暗い魂とか悪夢の狩人みたいな世界だったら発狂してたもん。

 

 話を少し戻そう。僕は前世の記憶がある。が、大した影響はなく、中学校のテストがほぼ満点だったり、高校生二年生になった今でも前世の記憶でそれなりの成績を取れてるくらいだ。

 あと小さい頃からたくさん運動したお陰か体は凄い健康だ。ネクストワールドをプレイしたらゲロ吐いたし特別三半規管が優れていたり、運動部で全国大会を制覇したりとかは無理。(この世界の人間、前世よりも運動能力が優れているのが多い気がする)

 

 そんな前世の記憶を持つだけな僕は、両親に文句を言われない程度の成績を取り、部活に入り、友達と遊ぶ。彼女はいないが、リア充と言っても過言ではない。

 

 だが!

 

 それも今日で終わり。部活は辞めた!テストも諦めるし、友達付き合いも減らす!

 

 デンドロをする為に!!!

 

 

 

 圧倒的なクオリティが広まりつつある7月17日現在ではもはや、価格沸騰転売地獄阿鼻叫喚となっているデンドロだが、僕は研ぎ澄まされた直感によって発売日に購入していた。

 

 さて、ログインする前にデンドロの情報を整理しよう。

 

 ・ゲーム内時間は現実の3倍

 ・選べるグラフィックは3種類(リアル、CG、アニメ)

 ・五感の完全再現(痛覚は調整可能)

 

 そして、ゲーマー達が一番惹かれた要素〈エンブリオ〉。全プレイヤーに与えられるもので、持ち主によって全く違う進化を遂げ、千差万別、オンリーワンの能力となる。ゲーマーはオンリーワンって単語が一番好きだからね。

 一応カテゴリーはあるが完全に同一の能力は存在しないらしい。

 そのカテゴリーは 

 

 道具型のエンブリオ TYPE:アームズ

 モンスター型のエンブリオ TYPE:ガードナー

 乗り物型のエンブリオ TYPE:チャリオッツ

 建物型のエンブリオ TYPE:キャッスル

 結界型のエンブリオ TYPE:テリトリー

 

 の五つ。進化すると更に増えるらしい。覚えるのがたいへんだ。

 

 ちなみに僕は主人公っぽいアームズか、チャリオッツが良いな。アームズなら大剣とか太刀、チャリオッツならロボかバイク!

 

 では次にチュートリアルで何をするのか…を調べたが詳しくは分からなかった。一応キャラメイクと所属する国を選べる事は分かったけど。

 情報のまとめもこれくらいでいいだろう。

 

 では最後に確認を。

 エアコン…ヨシ!トイレ…ヨシ!ご飯…ヨシ!水分…ヨシ!

 

 おーるおっけー。さっそくログイン。

 

 

 

 

 …そして、僕はカワイイなりして邪智暴虐な猫に紐なしバンジーをさせられるのだった。

 

 

 To be continued

 





設定の矛盾やら不可解な点があったらご指摘お願いします。デンドロは設定がモリモリで大変だぁ…。
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