童磨転生にしちゃったよ、誰かタスケテ(泣)   作:サルスベリ

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 色々とあってパソコンに触れない日々、スマフォには触れるけど、読むしかできない日々の果て。
 
 やってられるかと逃げ出すこともできなかった日々が終わった、そんな衝動の果てに書き上げたものです。







聞いてくれよ、誰でもいいから、お願いだから愚痴を聞いてくれ

 

 

 

 彼女はその瞬間、死を覚悟した。

 

 騙された、鬼と仲良くしたかった、妹にもう一度、会いたい。様々な想いがわき上がって来ても、どうすることもできない。

 

 逃げることも無理だ。肺が凍りついて、もう立つこともできない。

 

 戦うことも無理。万全の状態でも手も足も出なかった相手に、負傷して全力で戦えない身で何ができるというのか。

 

 せめて、せめて一太刀。必死に刃を向けて、相手を睨むように見つめていると。

 

「・・・あれ、え、あれ」

 

 なんだか、妙な声が聞こえてきた。誰か来たのか、こんな状況に迷いこむなんてよほど不運の持ち主なのか。一般人だったら護らないと、自分は鬼殺隊の柱だから。

 

 彼女は周りを見回すも、誰の姿もない。

 

 ここにいるのは自分、胡蝶カナエと。

 

 目の前に立つ、自分を殺そうとする鬼、上弦の弐だけ。

 

「うわぁ、胡蝶カナエのコスプレか。レベル高いなぁ」

 

 また変な言葉が出てきた。意味不明な言葉だが、確実に日本語だ。少し英語が混じっているようだが。誰もいないのに。

 

 待った、とカナエは思いついた。

 

「それにしても、ここ何処だ。こんな田舎道は通った覚えないけど」

 

 まさかと思い、信じられない顔でゆっくりと相手を見つめると。

 

「あの、すみません、ここって何処ですか?」

 

 よく解らない顔でそんなバカなことを質問してくる、上弦の鬼がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あっぶねぇぇぇぇ!!

 

 どうなってんだよ、どういうことだよ。誰か説明しろよ、普通は説明があってだろうが、いきなり目の前に胡蝶カナエが倒れていたら、コスプレだと思うじゃんか。そうだろ、解るだろう、解ってくれるよな、だって胡蝶カナエだぜ、本当にリアルだなぁって思うだろうが。そう考えるのが普通だろ、俺がおかしいわけじゃないだろ。誰だってそうだろうが、俺が悪いわけじゃない。

 

 いや、俺が悪いのか、悪かったって言うのか。

 

 言い訳をさせてくれ。いきなり目を開けたら、目の前に胡蝶カナエが倒れていたんだ、コスプレだろ、コスプレだって思うしかないじゃん。

 

 いや、そこはいい。世間じゃ異世界転生とか、マンガやアニメのキャラに憑依って結構あるから、自分がそうなったってだけだと理解しよう。

 

 納得なんてしてないけど。

 

 世界は鬼滅の刃、これもいい。死亡率の高い世界ってだけで、確実に死ぬことはないだろうし。巨人相手とか、魔王相手とか、そんなことがないだけ、死亡率は高くない、そう思い込むぜ、この野郎。

 

 百歩譲ってだ、一万歩ほど譲って、鬼滅の刃の世界に転生したってことは理解してやろう。

 

 けど、なんで童磨?

 

 どうして童磨なの、何でこいつ。鬼だったら他にもいるだろうが、なんだって童磨なのさ。

 

 げ、現実だよな、現実。そうだ、まずは受け入れて。受け入れ、られるか馬鹿野郎。鬼だぞ、鬼、しかも上弦の弐。

 

 上司はあの理不尽パワハラ権化の鬼舞辻無惨。名前を口にしたら死ぬって言う。

 

「あれ、でも思っただけでもダメじゃなかったか?」

 

 あいつの呪いってもっとエグイものだったはずなのに、思っても呪いが出てこない。

 

「とにかく現状だ。今がどういった状況かを把握して」

 

 口に出したら落ち着いた。よしこれで。

 

 なんて思っていた時が自分にもありました。

 

 転生特典はありました。どうやら流行中の神様のミスらしいけど、ミスしたのは死亡原因じゃなくて、転生時の説明しませんでした、勝手に転生特典が選択されてしまいました、らしい。

 

「ク、次にあったら殺してやる」

 

 グッと拳を握った俺の前に、ポンっと音がしてとある剣が出てきて、それはそのまま地面に突き刺さった。

 

 三つの円形の刀身を持つ、この独特の形をした剣って。

 

「乖離剣エアじゃねぇぇかぁぁぁぁぁ?!」

 

 え、これが俺の転生特典? こんなの使えるの、使っていいの。いやいや、これって英雄王の宝具で、他の英霊でさえ使えないって奴だし、英雄王だって賢王になってからは使えなかったっぽいし。

 

 使えるわけないよなぁ、と思って俺がエアを持ったら。

 

「使えるよ、こいつ」

 

 まさかの転生特典にて全力で使えますよ、まさかまさかの事態ですよ、本当にこれが使えるってマジか。

 

 こ、怖いものはない。俺自身が怖がられるけど。

 

「ま、まあ、俺には血鬼術もあるからそっちで」

 

 なんて楽観していた俺ですが、こっちもまさかまさかの事態でした。

 

「・・・・・・・使えねぇ」

 

 血鬼術、使えなくなってましたわ。うん、どうやっても氷が出てこない、どうやって使ったらいいか解らない。

 

「なんでだよ、童磨だろ。氷だろ、なんで使えねぇんだよ。他に何かあるだろ、出てくるだろ、ほらほらほら」

 

 なんかないかと悩んでいると、刀が落ちてきました。

 

「・・・・・・・・流刃若火?」

 

 最古の斬魄刀、来ましたぁ。え、なんで? 氷繋がりで斬魄刀なら、別のがあるでしょうが。なんでこいつ。

 

「よし、落ち着こう、エアと流刃若火があるなら、鬼滅の刃の世界でも生きていける。そうだ、俺は安全を手に入れた、そうだろう」

 

 フハハハハと笑っている俺の背後で、ズシンって音がして。

 

 なんだろうと振り返った俺は後悔した。

 

「・・・・・・・デスザウラー?」

 

 おっそろしく巨大な機械の恐竜がいましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『前略、転生者様。このたびは、私どもの不手際のために、ご迷惑をおかけしております。つきましては、転生特典をできるだけ増やして、転生者様の安全を確保したく考えております』

 

 ご丁寧に天使から手紙が送られてきました。つらつらと謝罪の文章が並んで行って、最後の俺の転生特典が。

 

 乖離剣エア。

 

 流刃若火。

 

 デスザウラー(念のため、波動砲と超重力砲に光子魚雷と侵食魚雷を装備させてあります、とか)。

 

 サイタマの身体能力。

 

 第四真祖の眷獣と再生能力。

 

 魔王達の魔力(大魔王バーン、アノス・ヴォルディゴート、アインズ・ウール・ゴウン、リムル・テンペスト、ディアブロ)

 

 マクロス・エリュシオン(基地としてお使いください、大丈夫です。製造能力を追加して惑星も想像可能です)

 

 ストレージ(上記の物体的な転生特典がすべて入ります。持ち運びに便利です)

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

『最後に! 貴方が元日本人ということで、大盤振る舞いで『天照』の力を授けることになりました。では第二の人生、存分に楽しんでください』

 

「・・・・・・・」

 

 最後まで読んだ俺は、こう思った。

 

「童磨とか鬼どころじゃなくてさ。ラスボスじゃねぇかぁぁぁぁ!!」

 

 こうして俺の童磨転生してのラスボス生活が始まったのでした。

 

「待って、天照って太陽神だよな? あれ、俺って鬼だから太陽神の力を使ったら死ぬんじゃ? え、でも第四真祖の再生能力があるから、再生するんだよな。え、でも待って、痛みはそのまま? え、そのままなのか?」

 

 神よ、天使よ、手紙とか用意しているなら、せめて教えてくれ。

 

 俺が不死なのかどうかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 童磨という鬼がいた。

 

 かつて、その鬼は何人もの人間を喰ったらしい。

 

 ある日、一人の柱と相対し、その美貌に心を奪われた童磨は、鬼として改心して人の味方として鬼と戦ったとか。

 

「え、そんな話なの?」

 

「そんな話なんじゃないの?」

 

「カナエさんの美貌に惚れたってこと?」

 

「まあ、嬉しいわね」

 

「・・・・・・・あれ、何でいるの?」

 

「貴方がさらってきたんじゃないの」

 

 えっと振り返る童磨の後ろ、吸血鬼になったカナエがいましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 






 他の作品を放っておいて、まったく違う作品を書き上げる馬鹿、自分の欲望に忠実に生きることにしたサルスベリの、どうしょうもない童磨転生でした。

 それではこのあたりで失礼いたします。





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