やはり葉山の親友が武内Pなのは、間違っているだろか   作:阿保パンマン

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これからのこと

由比ヶ浜経由で比企谷は、葉山と連絡を取り合った

結果

次の日に決まった

そして、比企谷は、待ち人を待っている

約束の時間20分前

比企谷も流石に小学生を待たせる訳には、いかないと少し早く出てきていた

場所は、留美の家の最寄りの駅

暇を潰しにスマートフォンをいじっていた比企谷だったが見覚えのある少女を見つけて、ポケットの中にしまう

「よ」

「おはよう」

「早いな・・まだ、約束の時間まで10分以上あるぞ」

「八幡もじゃん」

そう言われると何も返せなくなる

比企谷が黙っていると留美は、キョロキョロと辺りを見渡した

「葉山さんは、まだ来てないの?」

「あいつとは、別の場所で落ち合うことになってるから、ここには、来ねぇよ」

「ふーん」

「つうか、アイツのことは、呼び捨てにしないのな」

「は?当たり前じゃん。年上なんだから」

留美は、当然のように言った

「俺も年上なんだけど・・」

「八幡は、特別だから」

そう言って嬉しそうに目を細めて微笑む留美に比企谷は、照れくさくなって顔を背けた

その様子を見て留美はクスクスと笑う

「あれ?もしかして照れてる?」

「・・・いいから行くぞ」

からかう留美を無視して改札口へと向かう比企谷

その後を追いかける留美の表情は、夏の青空の様に晴れやかだった

 

 

 

 

 

電車に揺られること10分

最寄りの駅から3つ離れた駅で比企谷と留美は、電車から降りた

そして、駅を出てすぐの場所にある喫茶店に入る

店内を見渡していると、一番奥の席に座っていた葉山と武内が比企谷達に軽く手を上げているのに気が付いた

「行くぞ」

「う、うん」

返ってきた声音から留美が緊張していることを察した比企谷は、ポンと留美の背中を軽く押してやった

「・・・・ありがと」

呟くような小さな声に反応せずに比企谷は、葉山達のいる席に座った

少し遅れて留美も座る

それを確認した葉山は、ニコッと笑った

「こんにちは、留美ちゃん。昨日は、色々とごめんね。お詫びと言っちゃなんだけど・・今日は、俺の奢りだから好きな物を頼んでいいよ」

そう言って葉山はメニュー表を留美に渡した

「ちなみに俺は、チーズケーキで・・」

「私は、いちごパフェを頼みます」

「・・・・・」

「ぶっ」

ポカーンとしている留美の隣で比企谷が思わず噴き出す

すると武内は、シュンと落ち込んだように身体を丸くさせた

「比企谷、笑うなよ」

「そういう葉山さんも笑っていますが・・」

ニヤニヤと笑う葉山を武内が、ジト目で見る

「はは、怒るなって。お前みたいな堅物キャラが真顔でいちごパフェを頼むとか笑わない奴の方が少数なんだからさ」

「・・・そんなに可笑しいでしょうか?」

「真顔で頼むから可笑しいってだけで変では、ないから気にすんな」

「・・私も格好付けてブラックコーヒーを渋い顔をしながら飲む葉山さんのことを可笑しいとは思いますが、変だとは思いませんよ」

「お、おい!その話は、今、関係ないだろっ」

照れて顔を赤らめている葉山を見て、してやったりという表情を浮かべる武内

そんな2人のやり取りを見て留美が呟いた

「・・・・仲いいんですね」

「まぁ、お互いの好きな物を知ってるくらいには・・かな?留美ちゃんは、何か好きなものある?」

「・・・チョコレート」

「それなら、チョコレートパフェは、どうでしょう?この店のパフェは、どれも絶品ですので」

「じゃあ・・それにする」

「比企谷はどうする?」

「俺も決まった」

それを聞くと葉山は、店員を呼んだ

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、全員のデザートが運ばれてきた

目の前に並べられたデザートを見て武内の表情が柔らかくなる

「そういう表情で注文できれば可笑しくないんだけど・・な」

そう言って葉山を小突くと武内は、恥ずかしそうに首に手を当てる

「それじゃあ、いただきます」

「いただきます」

葉山の後につられる形で他の三人も「いただきます」と言った

そして運ばれてきた料理をパクパクと食べ始める

すると視線を感じた

葉山は、顔を上げると留美と目が合う

その表情は、真剣で何を聞きたいのか、察しがついた

「それじゃあ、肝試しの話をしようか」

そう葉山が答えると留美は、食い入るように葉山を見た

「まずは、どうしてあんなことをしたのかだけど・・」

「それは、何となくわかります・・・私を助ける為・・ですよね?」

「うん、君が悪意によって孤立させられていたから」

それに気付いたのは、比企谷なんだけどね

そう言って葉山は、クスリと笑いかける

「・・・・・・」

留美からの視線を感じた比企谷は、溜息を吐く

嘘は、言っていない

比企谷が言うまで、葉山たちは、その点に触れていないのだから

まさか、これも計算の内なのか?と思うと比企谷は、雪ノ下の姉ーー雪ノ下陽乃のような底のなさを目の前の男から感じた

「だから、俺達は、君の現状を解決する為に作戦を練った」

「それが・・・あれですか」

「血のりを作ったり、売店で刃物を買ってきたり色々と大変だったよ」

真相は、ジャケットの裏ポケットに忍ばせていた血のりに向かってカッターを突き刺すという殆ど子供だましのようなものだった

だが、夜の森の中ということと葉山の演技があいまって少女たちを信じ込ませるに至ったのである

「・・・あそこまで・・やる必要あったの」

留美は、俯いて力なく呟いた

その声音から若干、怒りを感じる

「少なくとも俺と武内は、あったと思う」

葉山の隣に座る武内も頷いた

「自分たちのせいで人が死んだなんて誰にも話せない。そして、彼女達は、鶴見さんが今の関係に不満を持っていることを知らされた」

「それなら、あの子がとれる行動は、1つしかない。君との関係の修復」

違うか?

そう訊ねてくる葉山に留美は、無言で頷いた

「これで5人の間に絶対に破ることの出来ない秘密ができた。問題は、解決したと言っていいだろう」

確かに留美に向けられていた悪意は、消えた

だからこそ、疑問が浮かぶ

「なら・・・どうして私に話してるの?」

留美の疑問は、もっともだ

葉山が生きていることを彼女に知らせるのは、リスクを伴う

もし、留美が葉山が生きていることを話してしまったら彼女は、再びイジメの対象になるだろう

いや、今まで以上に酷い目にあわされる可能性の方が高い

それなのにも関わらず、このような場所を葉山たちは、設けた

つまり、それなりの理由がある

「俺達は、2つのパターンを考えていたんだ」

「それは、私に話すか話さないかってこと・・?」

「あぁ、その判断は、比企谷に任せた。彼が一番、君のことを理解していると思ったからね」

「・・・八幡、どうして?」

留美は、真剣な表情で比企谷に答えを求める

葉山と武内を睨み付けると比企谷は、口を開いた

「・・こっちの方がお前の為になると思ったからだ」

「・・・・・」

納得のいっていない留美は、じーっと比企谷を見詰める

それを葉山と武内は、我関せずといった風にデザートを食べていた

その状況を見て比企谷は、諦めた

「・・・葉山が生きていることを知れば、少なくとも留美は、選ぶことが出来る」

「それは・・話すか、話さないかを?」

比企谷は、黙って頷いた

それを聞いて留美は、ギュッと手を握りしめる

自分をイジてめいた少女たち

恨む気持ちは、あった

ざまあみろとも気持ちもあった

けれど、彼女達の青ざめた顔を思い出して留美は、もしものことを考えてしまう

もし、自分が彼女達の立場で、本当のことを打ち明けられたら腹が立つだろう

でも、それ以上に救われた気持ちになると思う

その後、自分がどんな行動を取るのか実際にその立場に立ってみないとわからないけど・・

「私は・・・・」

その人のことを信じてあげたいと留美は、思った

「留美ちゃん」

「え?」

顔を上げると葉山が、まだ一度も手を付けていないチョコレートパフェを指さしていた

「美味しいからたべなよ」

「あ、はい」

葉山に促されて留美は、チョコレートソースのかかったバニラアイスをスプーンですくって食べた

溶けかけたバニラアイスとチョコレートが口の中で交じり合う

・・・美味しい

素直に思った

「難しく考えなくていい。君の素直な気持ちを俺達に聞かせてくれないか?」

「素直な・・・気持ち」

それっきり留美は、黙り込んだ

けれど、葉山達は、留美が話し始めるのをじっと待つ

しばらくして、留美は、自分の気持ちを、ぽつぽつと呟き始めた

「ムカつくし・・ウザいし・・・嫌いな所が一杯あるけど・・話したい」

そう思えるくらいには・・・好きだから

消えてしまいそうな程、小さな声で留美は呟いた

「・・・・・・・」

そんな留美の姿を比企谷は眩しそうに目を細めながら見つめる

こんな選択が出来たら俺も・・・

馬鹿なことだと思いながらも考えてしまう自分自身に比企谷は苦笑した

「・・そうか。なら、1つだけ条件がある」

留美の言葉を飲み込むようにゆっくりと頷いた葉山は条件を出した

「条件?」

身体に緊張が走る

表情が硬くなった留美を見て葉山は笑う

「はは、緊張する程のことじゃないよ。俺達との繋がりを必ず話して欲しいってだけだから」

「えっと・・・それって・・・・」

「私達の存在を貴女を護る盾として使って欲しい・・ということです。この話をした結果、貴女がイジメの標的になる可能性もありますので・・・」

「まぁ、そういう訳だから俺達とも連絡を交換してくれると嬉しいな」

そう言って葉山は、スマートフォンを取り出した

断腸の思いで決断した自分が馬鹿みたい

それもこれも目の前のイケメンが先に話さないのが悪いのだ

そう結論付けると留美は、2人の連絡先を交換した後、追加注文でガトーショコラを注文してやった

チョコレートパフェもガトーショコラも今まで食べた中で1番、美味しかったらしい

 

 

 

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