やはり葉山の親友が武内Pなのは、間違っているだろか   作:阿保パンマン

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雪ノ下陽乃

 

「あの・・すみませんでした」

留美が食後のティータイムを楽しんでいると武内が頭を下げた

「えっと・・何がです?」

困惑した顔をする留美の顔を真っ直ぐ見て武内は答える

「・・・貴女の本音を許可も取らずに録音して利用したことです」

「あー・・」

確かに留美は、アレを聞いた瞬間、怒りを覚えた

けれど、彼らのおかげで留美は随分と楽になったと思う

だから、もう気にしていないというのが本心だ

しかし、目の前で本当に申し訳なさそうに頭を下げる大男を前に少し悪戯心をくすぐられた

「そう・・だね。あれには私も結構ショックを受けたんだ」

「・・・本当にすみませんでした」

「まぁ、いいよ。過ぎたことだし・・あ、そういえば、此処にくる途中で見かけたゲーセンで欲しいものがあったな」

「では、お詫びもかねて、そちらをプレゼントいたします」

「え」

少しからかうつもりで言ったことを即決した武内に留美の方が狼狽える

助けを求めるように比企谷を見ると呆れた顔で紅茶を飲んでいた

どうやら助けるつもりは、ないらしい

同様に葉山もニヤニヤと笑っているだけで救いの手を差し伸べようとは、しなかった

「葉山さん、少し席を外しますね」

「おう、頑張れ」

「鶴見さん、どれが欲しいか教えて下さい」

「え、ちょっ」

留美は、武内によって半強制的に連れ出されていってしまった

そんな2人の様子を楽しそうに葉山は見送る

「・・・行かないのか?」

「行かないよ。君が何か俺に聞きたいことがあるみたいだったからね」

まるで心の中を見透かされていたかのように言い当てられた比企谷は、ビクッと肩を震わせる

「そんなに驚くことか?」

「・・・誰だって考えてたことを当てられたら驚くっつの」

「さっきから俺のことをチラチラと見ていたから、君の周りにいる人達なら誰だって気付いたと思うよ」

葉山が当然の様に言ってのける

「生憎、俺はボッチなんだが・・」

「ボッチじゃないだろ。君と留美ちゃんは友達・・違うかい?」

「・・・学校でも話だ」

「学校でもボッチって訳じゃないと思うけどな・・・」

そう言うと葉山は紅茶を飲み、比企谷に視線を向ける

睨まれたわけでもないのに比企谷は身体を震わせた

「まぁ・・君も色々あるようだし深くは聞かないよ。けど、後悔のない選択をすることだ」

自分を納得させる言い訳じゃなくて・・ね

その言葉に比企谷は酷く動揺をした

「・・・・・・・・」

まるで逃げるように比企谷は葉山から目を逸らす

けれど、葉山は追及することなく目をつぶった

「・・・・それで?俺に聞きたいことってなんだ?」

「あ、あぁ・・・お前、雪ノ下の幼馴染なんだろ」

「よく知ってるね。雪乃ちゃんから?」

「由比ヶ浜がお前と雪ノ下の関係を聞いてた時に近くにいてな」

「そっか・・でも、最近の雪乃ちゃんについて知りたいなら力には、なれないな。去年まで疎遠だったし、それに・・・」

「・・・・なんだよ」

「いいや、何でもない。雪乃ちゃんに興味があるなら本人に聞いてくれ」

「・・・安心しろ。聞きたいのは姉の方だ」

姉と聞いた瞬間、葉山の目付きが少し鋭くなるのを感じた

「陽乃さんになにかされたのか?」

「・・・いや、何かされたわけじゃない。ただ・・由比ヶ浜をけん制するようなことを言っていたから少し気になったんだよ」

「どんな内容か聞いてもいいか?」

えらく積極的に聞いてくる葉山に少し驚く

明らかに葉山は陽乃のことを警戒している

しかし、陽乃のことを思い出した比企谷は仕方ないことだと思った

相手は、あの強化外骨格なのだから

「俺に手を出したら駄目。それは雪ノ下のだからとか・・」

「それ・・・か」

「ん?どうかしたか?」

「多分、君は雪乃ちゃんの玩具として陽乃さんに選ばれたんだと思う」

「は?」

雪ノ下の玩具

突然、訳のわからないことを言い出した葉山にコイツは何を言っているんだ?という視線を向ける

「まぁ、そういう反応になるよな」

「その反応・・・比喩とかじゃなくてマジなのか?」

「あの人は雪乃ちゃんのことが大好きだから知ってもらいたいんだ。だから、君みたいに見た目に惑わされない奴が玩具として選ばれる」

「・・・・・・」

比企谷は、思い出していた

陽乃と初めて会った時に感じた悪寒を・・

そして、あれが雪ノ下の傍にあっていい玩具かの品定めだったとするなら色々と納得できる

「つまり、あの人には由比ヶ浜が雪ノ下から玩具を取り上げようとしている子供のように見えるってことか・・・」

「大体、そんな感じだろうね」

「・・・大丈夫なのか?」

「怪我とかそういう心配は、しなくていい・・けど」

葉山の顔が一瞬、暗くなったような気がした

それが気のせいであって欲しいと比企谷は願う

けれど、そういった願い程、叶わないことを比企谷は改めて痛感した

「自主的に雪乃ちゃんから離れていくように促すだろうね」

「・・・そんなこと雪ノ下が許す訳ないだろ」

「いや、気付かない。雪乃ちゃん以前に標的である結衣ですら・・彼女には、それを可能にする話術がある」

比企谷の頬に冷たい汗が流れる

陽乃と会ったのはボランティア活動を終えて平塚先生に総武高校まで車で送ってもらった後

あの時は由比ヶ浜のプレゼントを買いに行った時とは違い比企谷と雪ノ下の二人だけでは、なかった

それなのに陽乃は、どうしてデートだと比企谷をからかったのだろうか?

もし、それが敵を探り出す為の罠だとしたら?

あの時、反応したのは由比ヶ浜だけだった

そして、由比ヶ浜に一瞬だけ陽乃は鋭い視線を送っていた

その後、比企谷の彼女か聞いたのは・・

顔を赤らめて否定する由比ヶ浜に釘を刺したのは・・・

比企谷を雪ノ下のものだと強調したのは・・・・

全部、雪ノ下の玩具を護る為だとしたら・・・・・

「っ」

比企谷は息をのんだ

葉山の言葉を否定することが出来ない

あの短時間の中にあれだけ由比ヶ浜に攻撃をしたのだ

そういう感情を比企谷と雪ノ下が抱いていなかったとしても由比ヶ浜に刷り込ませて身を引かせようとするだろう

「何を・・とは、あえて言わないが、決断するなら早い方がいい。あまり悩んでいると・・・」

 

 

 

「君の決断では、なくなってしまうよ?」

 

 

 

 

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