曇らせフェチの曇らせフェチによる曇らせフェチのための女騎士   作:赤桃猫

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迸る性癖を抑えられなかった。反省も後悔もしておりますん。



少女騎士と変態

 曇らせ。そこには(ロマン)が詰まっている。

 

 普段は明るいあの子が、どうしようもない絶望を前に立ち尽くす。

 強い後悔を抱えた子が、罪悪感という棘に苦しみ続ける。

 狂った覚悟を決めた子が、止まることを忘れ心を失っていく。

 

 そんな風にシチュエーションは数あれど、そこに言い知れぬフェチズムが秘められていることは言うまでもない。

 

 人間の誰もが少なからず暴力的な欲望を抱えているように、心の奥底には曇らせに興奮を覚える『機能』とも呼ぶべき感情が備わっているのだ。

 

 曇らせは一般性癖。うむ、まさしく真理である。

 

 そんな私にとっての信条を思い出したのは、私が四歳中頃の時だ。

 ついでに前世のどうたらも思い出したがそんなものはオマケに過ぎない。

 

 それよりも重要なのは、この世界が私の知る世界とは異なるということ。

 小耳に挟んだ単語はどれも聞き馴染みのないものばかりで、生活様式はやや不便だと感じられるほどに古い。

 決定的だったのが、顔も知らない父の職業が『騎士』であったということ。

 母による父を思い起こす語り口は、とても冗談には聞こえなかった。

 更には駄目元で『魔法』について聞いてみると、それも存在するというのだから驚いた。

 一般市民にはあまり浸透していないらしいが、一種の技術体系として根付いているらしい。

 

 ……ところで。

 突然だが、今世の私は美少女だ。自惚れではなく、別人の記憶を持つ私の価値観がそう判断した。

 初めて鏡の前に立った時、それが私なのだと一瞬分からなかったほどだ。

 

「柔らかな目鼻立ちは父に似ている」と母は言っていた。少し寂し気な声色には、一体どのような思いが込められていたのか。

 しかしその時の私は、母の声に耳を貸せぬ程に──私自身に見惚れていた。

 

 

 ──この顔を、曇らせてみたい。

 

 

 胸の奥から湧き上がる衝動が、熱を持って全身に駆け巡る。

 それは例えるならば初恋だ。

 宝石のような翠眼。透き通った金の髪。呆然と口を開けた、幼くも無垢な表情。

 その全てが、綺麗だった。

 どうしたのかと肩を叩く母にさえ気付かないくらい、鏡に写る彼女()から目が離せない。

 ふと、確信した。ああ、きっとその顔が曇ったら、かつてないほどの昂りを得られるだろうなと。

 私は笑う。それに釣られて鏡の中の彼女も、それはそれは楽しそうに嗤っていた。

 

 この日、この時、この瞬間、鏡の前で。私の今世における人生の目的は決定された。

 この私が私自身に、愛すべき曇らせを演出(プレゼント)してあげるのだ。

 

 

 ──そんな決意を胸にして早十数年。私は、騎士になっていた。

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 苦悶の悲鳴を上げながら、目の前の男は床へ崩れ落ちる。

 その胴体には裂傷。傷口から零れ落ちる血と臓物が示すのは、明らかな死。

 男の身体は僅かな痙攣を繰り返し、やがてその動きがぴたりと止まった。彼の死相に浮かぶのは怒り、恐怖、疑問──。

 

「……これで全員、ですか」

 

 私は確かめるようにそう呟いた。

 できる限り苦しそうに。喉に力が入り、声が震えているのが自分でも分かる。

 そして血脂の付いた剣を一振り。腰の鞘にしまう。

 

「総員、撤収の準備をお願いします」

 

 振り向き、私の後ろに立つ数人に向けて声を掛ける。

 その全員が異様な格好をしていた。

 全身を覆う黒いローブに、顔を隠す仮面。腰に差した無骨な剣は、鞘に納められていてもなお静かに殺意を滲ませている。

 

「───」

 

 仮面の騎士たちは無言で現場の処理を開始。遺体の回収、室内の捜査、証拠の隠滅。各々が決められた役割の通りに動いていく。

 そんな彼らの仕事を横目にしながら、手持ち無沙汰になった私は視線を彷徨わせた。

 ふと目に留まったのは、窓の外だ。

 屋外は夜闇に覆われ、雨粒がガラスを叩く。室内にあるランプの仄かな輝きが照り返し、窓の中に私の姿を写し出していた。

 

 黒いローブに仮面。彼らと殆ど変わらない姿。

 少しだけ違いを挙げるならば、眼前に佇むその人物は血塗れであることだろうか。

 

「……」

 

 ふと思い立ち、仮面に手を掛ける。

 雨粒と揺らめく明かりの中で露になる、隠された顔。

 果たしてそこに存在したのは──澱んだ目をした少女だった。

 

 

 ──彼女()の名はセレン・コニファーだ。

 

 王国の騎士という花形職業に憧れと誇りを持っていた純真な女の子。

 民を守り、王を護り、国を守護するその清廉な生きざまを目指した世間知らず。

 才能があり、努力を怠らず、人となりも良い。まさしく『物語の騎士』らしい騎士。

 

 しかし、運命はセレンの抱いた理想を嘲笑う。

 ある日を境に彼女に与えられた任務は──不穏分子の排除。

 

 疑わしきは罰せよ。少しでも国の不利益に繋がりかねない人物や組織に対し、先手を打って口を封じる騎士団の影。

 騎士であって騎士に非ず。表には決して明かされない、ともすれば騎士団内部でさえ知る者はごく僅かな、王国の暗部。

 少女が目指した輝かしい理想とは正反対の、血にまみれた汚れ仕事だった。

 

 その瞳に宿るのは、失意と後悔。そして、こびりつくように残された微かな希望への執着。

 彼女に残された純粋さが、彼女自身の心を抉る。けれどそれを捨て去れるほど、彼女は非情になれない。

 その葛藤。その苦痛。その絶望が──。

 

 

「……く、ふひっ」

 

 ──そんな展開が、凄く美味しいです……! 

 

 

 ガラス窓に反射する薄幸の美少女が、『ニチャリ』とでも擬音が付きそうな醜悪な笑みを浮かべる。

 うん、我ながら素敵な顔。まぁ曇った顔の方が大好きだけどね。

 頬をグニグニと揉んで解そうとするも、私の本能レベルの笑顔は収まってくれそうにない。

 というか、ちょっと手に血が付いてたせいでますます壮絶な笑みになってしまった。

 これは暫くそのままだなー、と思いつつ、それとなく周りの人達に顔を見られない位置に立つ。

 

 いやはや、それにしてもだ。

 まさか本当に、自分自身をオカズにご飯三杯はイケるほどの愉悦が得られるとは。

 理想を信じる夢見がちな少女が、薄汚い現実を前に絶望する。そんなシチュエーションを求めて演技を頑張った甲斐があったものだ。

 

 およそ十数年に及び築き上げた、『セレン』という少女の半生。

 幼い頃から聞かされてきた、騎士であった父の話。母の口から語られるそれは、輝かしい希望と共に、憧れを抱かせるには十分だった。

 そんな感じのバックストーリーで騎士を目指し、今に至る。

 

 持ち前の正義感を掲げ、何かと不穏な気配がする度に首を突っ込んでいく。ちょっと青臭い少女騎士。それが『騎士セレン』だ。

 ……勿論、厄介事には内心ではむしろ喜んで飛び付いていたわけだが。

 それにしたって、こんなにも順調に転がり落ちるとは。もしやこの身体には初めから曇らせの素質が眠っていた……? 

 

「ふひひっ」

 

 ああ、思わず笑い声が溢れてしまう。

 駄目だ駄目だ。『セレン』はこんなところで笑ってはいけない。漏れ出る息を噛み殺し、ゆっくりと深呼吸する。

 それでも相変わらず頬は吊り上がったままだし、心の中は喜悦に跳ね回っているのだけど。

 

「───」

 

「……終わりましたか」

 

 そうこうする内に作業を終えたのか、仮面騎士たちは無言で私の後ろに並び立った。

 仮面を被り直し、しれっと振り返る。今私の素顔を見られたらヤバいだろう。だってめっちゃニッコニコだもん。

 しかし、口から吐き出される声だけは沈痛に。感情を押し殺そうとして、抑えきれていない、といった力加減だ。

 

「では。──お疲れさまでした」

 

 あらかじめ決めていた定型文を口にするように。けれど、そこにほんの微かに本心からの労いを込めて。

 だって、セレンはまだ心を捨てられていない。それが藁のように簡単に手折れる脆さであっても、彼女は未だにしがみついているのだから。

 

「───」

 

 彼らは何も答えない。ただ、相変わらずの無言で一人、また一人と立ち去っていく。

 まるで人形のようだ。感情を一切感じさせない仮面騎士たちは、より一層セレンの()()と孤独を際立たせる。

 そして最後の一人、じっと何処かを見続けていた者も動き出し、消えていく。

 

 あとに残ったのは、むせ返るような血肉の臭いと荒れ果てた部屋。そして、仮面を被った一人の殺人者。

 けれどそこにはもう、死体も手掛かりも残っていない。拭われた血の跡だけが、誰なのかも分からない被害者の末路を物語っていた。

 もはや、闇へ潜む私たちの存在へ辿り着く者はいない。

 

 ……うん、普通に格好いいと思うのは私だけだろうか。こういう秘密結社的なものは、幾つになっても好ましい。まぁ、今は思いっきり当事者なんだけど。

 

「……私、なんでこんなことしてるんだろ」

 

 最後になんとなく吐いたそれっぽい台詞が、雨音の中へと溶けていく。

 決まったぜ……とか内心で考えながら、私はルンルン気分でその場を立ち去るのだった。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 騎士団の拠点は、広大な土地を有している。

 本部の建物を中心として、複数の鍛錬場や寄宿舎、訓練生(見習い)のための教育機関も併設されており、その規模は周辺国家でも有数を誇るだろう。

 

「──ねぇ、セレン!」

 

 その敷地内の一角。中庭を望む外廊下で、活発な少女の声が一人の騎士を呼び止めた。

 立ち止まり、声の主へと振り返ったのはセレン・コニファー。数年前に騎士団に入隊したばかりの、まだ歳若い騎士だった。

 

「あ、モナさん。こんばんは」

 

「ええ、最近会ってなかったけど、久しぶりね」

 

 そしてモナという少女にとっては、同年代かつ同期の騎士。訓練生時代からの、モナの大切な友人だった。

 

「こんな夜更けまで起きてるなんて、身体に悪いわよ?」

 

「ふふ、それを言うならモナさんこそ」

 

「あたしは良いのよ、ちゃんとお昼寝してるから!」

 

「……それ、他の方には言わないで下さいね?」

 

 セレンからの困ったような視線を受け流して、モナは彼女の全身をじろじろと観察する。

 髪は濡れ細り、支給された制服も所々で水を吸っている。彼女の手にはクシャクシャになったタオルが握られていた。

 

「……もしかして、鍛練場?」

 

「まぁそんなところです。途中で雨に降られてしまいましたけれどね」

 

 セレンの視線が向く先は廊下の外。日没あたりから厚い曇が空を覆っていたのだが、夜が更けるにつれて本格的に降り始めていたのだ。

 彼女の様子からして、比較的マシな内に鍛錬を切り上げたのだろう。

 

「こんな夜遅くにまで鍛錬なんて、別にそこまでしなくてもいいじゃない」

 

「今日はたまたまそんな気分だった、というだけですよ」

 

「本当? 毎日そんな気分です、なんて言わないわよね」

 

「そこまではしませんよ。……まぁ、週に2、3回くらいです」

 

 ぼそりと回数を口にするセレンへ歩み寄り、その頭へ向けて軽く手刀を落とす。

 

「あうっ」

 

「じゅうぶん不健康じゃないの。ほんと、バカ真面目っていうか、努力の方向性というか……」

 

「す、すみません……?」

 

 彼女はいつもこうだ。セレンという少女はいつだって頑張りすぎている。そこまで根を詰めずとも、騎士という仕事はやっていけるというのに。

 少なくともそれくらいに、彼女は既に努力しているし、実力も身に着けている。しかし──

 

「でも……私は、父のような騎士になりたかったです、から」

 

 セレンは、柔らかな顔立ちを寂しげに歪ませて呟いた。

 そうだ。彼女の心には、いつだって『父親』という存在の影がある。

 

 昔、彼女は話してくれた。物心ついた時にはもう、父の姿は無かったのだという。

 それでも母親から語られる、騎士だったという父の背中を追い、彼女はここに立っている。

 素晴らしい人物だったそうだ。強さと優しさを供え持ち、誰にでも分け隔てなく接し、誰からも愛される。そんな、絵に描いたような騎士。

 もしかすると、そこには母による見栄もあったのかもしれない。

 けれど彼女は、そんな理想を大真面目に信じ、憧れを実現してのけた人間なのだ。

 

 ──それに、モナもまた、幼少期に父を亡くしている。

 似たような境遇を持つ者同士だからだろうか。彼女には、勝手ながら友人を超えた親しみを感じていた。

 

「それでも、もうちょっと気を抜いたっていいじゃない。あたしみたいに昼寝するとか?」

 

「いやそれはちょっと……まぁ、その、善処します」

 

 曖昧な返事と共に、彼女はばつが悪そうに頬を掻いて──

 

「ねぇ、待って。それ血じゃないの」

 

「え?」

 

 その指先が向かうところに黒ずんだ汚れを見つけ、モナの心は跳ね上がった。

 

「もしかして怪我したの!? ちょっと見せて──」

 

「あ、あー、単なる泥ですよ! ちょっと跳ねちゃっただけです! ほら、雨が降ってますし……!」

 

 セレンは一歩下がり、慌てて頬をタオルで拭う。

 その姿がどこかモナを避けているようにも──

 

「でも……」

 

「血だなんて、別に私は怪我してませんから。気のせいだと思いますよ?」

 

 ぱっと彼女が顔を上げた時には、汚れは綺麗に拭き取られていた。

 気のせいだったのだろうか。確かに、この場は暗くてハッキリと確認することはできなかった。

 けれど本当に、血ではなかったのか? だとしたら何故彼女はこんなにも慌てている? 

 

「モナさん」

 

 混乱する思考を、セレンの厳かな声が引き戻す。

 彼女はこちらをじっと見つめ、柔らかく微笑んだ。

 

「私は、大丈夫ですから」

 

「……セレン、あんた」

 

「だから──気にしないで下さい」

 

 それは、笑顔という名の拒絶に思えた。

 今まで何度もセレンが笑う姿を見てきた。だからこそ分かる。これは違う、と。

 その表情に潜む『何か』。知られて欲しくないという秘めた想い。

 

「……そう。分かったわ」

 

 それを無理に暴くようなことは、モナにはできなかった。

 これは薄情な行いなのだろうか。

「聞いてしまえ」と、頭の中でもう一人の自分が叫ぶ。けれど、拒絶を示す彼女に身勝手な善意で踏み込んでしまえば──この関係に亀裂が走るのではないだろうか? 

 結局のところ、モナの心を引き留める不安の正体は、そのような自分本位な理由だった。

 ああ、なんて汚い人間なのだろうか。知らず、握りしめた拳に力が入る。

 

「──でも、何かあったら言いなさいよ? 手伝えることがあったら、あたしもすっ飛んで来るからね!」

 

「……はい、ありがとうございます」

 

「それと! もうちょっと他の同期にも顔を見せなさい! あんた、放っとくとすぐどっか行くんだからみんな心配してんのよ?」

 

「え、そうなんですか?」

 

「あんた……忘れたとは言わせないわよ。訓練生の時、貧民街で──」

 

「あー! はい、はい、分かりましたから! それは言わないで下さい!」

 

 せめてもの激励だった。臆病なモナには、遠回しに伝えることしかできない。

 セレン、貴女は一人ではないのだと。もし貴女が誰かを頼ろうと思えば、その手を取ってくれる人は必ずいるのだ、と。

 

「……それじゃ、そろそろ寝るとしますか」

 

「そうですね。……では、おやすみなさい、モナさん」

 

「ええ。おやすみなさい、セレン。また声を掛けるわ」

 

 小さく手を振るセレンに、笑顔で答える。

 そうしてモナはその場を去っていく友人の背を見送った。

 真面目だけど危なっかしい。そして、自身が密かに憧れている同僚の背中を。

 

 いつまでも、いつまでも。やがて、彼女の姿が見えなくなるまで──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 寄宿舎の自室の扉を後ろ手に閉め、鍵を掛ける。

 カチャリと金属音がしたのを確かに聞き、私は意識(スイッチ)を切り替えた。

 

「ふぅー……」

 

 身体に溜まった熱を冷ますように、長い息を吐く。それでも、内側に駆け巡るなんとも言えない熱さは消え去らなかった。

 

「ふんふんふふーん……」

 

 特に意味の無い鼻歌を歌いながら、靴を脱いで床に並べる。別に土足でもいいのだが、これは単なる癖だ。それにこっちの方がリラックスできるし。

 そして、携帯している装備や制服もさっさと脱ぎ、手早く部屋着へと着替えた。

 そうすれば、もう『騎士セレン』の姿はない。今の私は『ただのセレン()』だ。

 

 丁度良い疲労感を引き摺って、ベッドへと向かい身を投げ出す。柔らかなシーツの感触に眠気を覚えながら、思い起こすのは先ほどの出来事だ。

 

「──やっぱり、モナちゃんはいいなぁ」

 

 はっきりと口にすることで、己の感情を自覚する。

 

 顔についた血を指摘された時には、ちょっと肝が冷えた。

 私が実は暗部の人間だと知られると、色々とマズいことになるらしいし。私は現状に不満はないのだ。

 けど、『セレン』としての演技で誤魔化すついでにちょっと遊んでみたら、思った以上の結果が得られた。

 

 友人として私に対して世話を焼くモナちゃん。

 そんな彼女が私を心配するあの表情。どこか葛藤を滲ませつつも、結局踏み込むことのできないもどかしさ。

 

「凄く、イイ……!」

 

 溢れ出る興奮を堪え切れず、枕を抱えてゴロゴロとのたうち回る。

 思わず「うへへー」とか「ふひー」とか、聞かれたら社会的に死にそうな呻きが漏れてしまった。

 ああ、昂ぶりが止まらない。今なお高まりつつある熱を自覚しながら、無意識に下腹部へと手が伸びていく。

 

「ふふ、くふふ……いい顔だったなぁ、やっぱ素質あるよねぇ……ふひひ」

 

 幸いなことに、ここの寄宿舎の壁は厚い。少しばかり声を上げたところで誰にも悟られはしない。

 だから、私にとってここは『(本能)』を晒け出す絶好の領域だった。

 

「んんっ……最高だよモナちゃん。それにセレンも、健気で可愛いねぇ……」

 

 セレンとモナ。二人の少女騎士の曇る顔を想起して。今はただ、迸る興奮に身を任せて自らの身体を慰め続けた。

 

 




 (やってることは盛大な自慰行為だとか言ってはいけないです)

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