ウマ娘と温泉旅行しっとり風味   作:キャロパン

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バ場状態:(チョベリグ)

マルゼンスキーさんお誕生日おめでとうございます!御年いくつですか!


マルゼンスキー

The WINNER

 

77年、日本ダービー

『あたしにも、日本ダービーを走らせて』

乙女の祈りを叶えるため、血を吐いても止まらなかったトレーナーがいた。

紅いシミのついた紳士の手を取り、18番(いちばんそと)から府中を駆け抜けた赤きスーパーカー。

そのウマ娘の名は――

 

 

 

 

 

「いえーいゴルシちゃんだぜー!ピスピース☆」

「イエ~ゴホッ…マルゼンスキーちゃんでーす!激マブ☆」

 

 

「前者は50年後に帰ってくれ。後者は…………頑張れ。」

 

赤い愛車の運転席から咳込みながら出てくるスーパーカーと後部座席から出てくるバーサーカー。

お前も無理してゴルシに合わせなくてもいいんだぞ。もういい年なんだから。

 

「何よ!あたしはまだナウでヤングなレディーよ!激おこぷんぷん丸!」

 

ゲンナリした心境が顔に出てたのかプリプリと怒り出すマルゼンスキー。

まだって言ってしまってる時点でもうダメだろとか言ってはいけない。

その右には我関せずとルービックキューブを逆立ちしながら攻略するゴールドシップ。

 

誰もついていけない異次元空間に俺の理性がハジケる寸前だったその時。

ゴルシのスマホから「かっ飛ばせ―!」と叫ぶマックイーンの声が聞こえてきた。

 

「やべ!マックイーンの目の前でチョコワッフルを食べる約束してたんだった!じゃーなー☆」

 

近くの木に立てかけてあったセグウェイを抱え、背中のジェットパックで空を翔けるゴルシ。

絶対にそんな約束してないだろ、とか考えてた10秒後。

 

「待て、ゴールドシップ!あの○○め!今回こそ捕まえてやる!」

 

あ、エアグルーヴさんお疲れ様です。

 

 

 

 

……すんごい気まずい中、コホンと咳払いを入れて無理やり空気迷の入れ替えを図るマルゼンスキー。最近遊んでなかったしこれはデートのお誘いだな(迷推理)。

 

「で、今日はどうしたんだ?プールバーでニンジンジュースとティラミスでも洒落込むか?それとも商店街でミニカーのウインドウショッピングか?」

「あら、どっちも素敵だけどね。今日は温泉に行きたい気分なの!」

 

はあ!?

 

「いくらなんでも唐突すぎるわ!今日提出の書類とかあるんだぞ!」

「大丈夫。理事長ちゃんたちにはちゃんと納得してもらったから♪」

 

温泉の旅券をビラビラとさせながら大丈夫と説得してくるマルゼンスキー(権力者)

先に散った彼女たちのためにも、せめて俺はちゃんと仕事をせねば!

 

「荷物とか整理できてないしせめて後日にしよう!な!」

「だいじょうV♪そんな事もあろうかと着替えとかは家から持ってきたわよ♪」

「ヤろうとしなければそんな事は起きねえんだよバカ野郎!家主の許可なく部屋を漁ってんじゃねえ!」

 

目の前でダブルピースをかましている世間知らずの犯罪歴に窃盗が加わった。

合鍵を本人がいないときの侵入用にしか使ってないぞこいつ。

 

「さあ、一緒に行きましょ♪天気もバッチグーだしレッツゴー♪牛乳に枕投げ、付き合ってもらうわよ?」

 

ハイテンションな声とは裏腹にウマ娘特有のパワーで右の助手席におっさんを突っ込む高校生(2x)。

わかったからせめてシートベルトぐらいは待ってくれ!

 

 

 

 

高速道路で警察の追跡を振り切るためにマルゼンスキーがそのドラテクを披露し、体に掛かるGのせいで俺は疲労した頃。

2時間半のチェイスを振り切り、旅券に書かれていた温泉施設に潜り込んだ。

 

「もう無理……オロロロロロロ」

「大丈夫……じゃないわね。まずは温泉に入って落ち着きましょ?」

 

穏やかな感じのご主人に聞いてみると、

 

「ついさっき風呂の整備が終わったばかりですので、今なら一番風呂ですよ」

 

と笑顔で教えてくれたので、営業時間より早く開けてくれるというご厚意に甘えることにした。

 

当たり前だが男女別なので、脱衣所で別れる前に「あがったら一緒にコーヒー牛乳を飲んで枕投げをしましょ♪」とせがむ相方を了承し、一人だけの湯に浸かる。

思わず「あ゛~」と声をあげてしまうのは年を重ねたからだろうか、それとも吐血するほど体を酷使したからだろうか。

 

ところで壁の向こう側にいる自称レディーよ。

独り言がでかくなるのはしょうがないが「びゃぁ゛あ゛あ゛~」とか「生き返るわぁ~」は年頃の娘としてアウトじゃないか。

 

「あなたにならいいのよ!色々な経験を共有した仲でしょ?」

 

温泉から上がり、浴衣のマルゼンスキーと合流。

マルゼンスキーが買ったコーヒー牛乳と俺が買ったフルーツ牛乳をシェアし、どっちも美味しいと頷きあう。

その足で彼女の部屋にお邪魔した瞬間に枕を投げ、約束通りに聖戦のゴングを鳴らす。

 

「それぇ!」

「そんなんじゃ当たるんよ!」

「いや当たるの!?」

 

下手投げで放られた枕が腹にヒットする。

温泉でふにゃふにゃになってるしそんなもんだって。あんまりガチでやると浴衣がはだけるぞ。

 

 

 

 

なんだかんだとじゃれあった後、2人揃って疲れたーとか言いながら布団の上に寝転ぶ。

やっぱここよねとか言いながら胸板の上に体を預けてくるマルゼンスキー。この姿勢も慣れたものだ。

 

お互いに何も言わず、マルゼンスキーが胸板をツンツンとつっついてくるのを放置する。

そのまましばらくすると、彼女の口からちょっとしたワガママが聞こえてきた。

 

「ほら、今日あたしの誕生日でしょ?去年は1日中祝ってもらったし、今年は半分こにしようと思ったの」

 

恋人だしどこかで一緒にバカはしゃぎしようと思ったんだな?それで手元に温泉のチケットがあったと。彼女の誕生日なのに仕事ばっかりしてる彼氏にイラついてついやっちゃったと。

 

「うん……」

 

……悪かった。お前の気持ちを考えてなくて。

 

「……寂しかったんだから。ギュウッッてして?痛くなるぐらいに」

 

要望通り、強く抱きしめる。

んっ……と圧迫感から声を漏らした後、耳元に顔を近付けて囁いた。

 

「ありがとね、トレーナー君。大きなレースでみんなと走りたいっていうワガママを叶えてくれて」

 

それは、長いあいだ誰にも言えなかった年長者の本音。

彼女の掲げる『楽しく走る』の裏に隠された疎外感。

 

「お安い御用よ。同期の子もマルゼンスキーさんと走れないって寂しそうにしてたしな。」

「もぅ、甘えたい時にそうやって甘やかしてくれるところ。本当に好き」

 

あなたには夢を叶えてもらった。だから次は私がお礼をする番ね。

そう言ってアゴに自分の頬を擦る甘えん坊。そして顔を耳から離し、笑顔で力強く言い切った。

 

「ウインタードリームトロフィーでも見せてあげる!ルドルフちゃんにも負けないあたしの走り!」

 

おう、待ってる。

 

「あっ、アゴひげはちゃんと剃ってね?トレードマークとか言ってるけどいろんな意味で痛いわよ」

「それを言っちまったら戦争だろうが!」

「キャー♪」

 

いくら恋人といえ、売られた喧嘩は買わねばならぬ。

俺からマルゼンスキーに枕を投げる形で俺達の5分戦争は再開された。

え、5分しか続かなかったのかって?ほら、ね?

 

 

 

 

3年間の戦績は9戦9勝。URA、ウインタードリームトロフィーも含めると13戦13勝。

猛獣も、帝王も、皇帝すらその道を歩むこと能わず。

トゥインクルシリーズをフルスロットルで駆け抜けた俺の愛バは――

 

 

 

 

 

マルゼンスキー

 

 




1話の感想と評価ありがとうございます!とても励みになります!

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追記)
投票ありがとうございます!投票結果に従いビワハヤヒデをそのうち上げます

次のヒロイン候補

  • ビワハヤヒデ
  • ゴルシ
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