「……妙に遅いわね」
火神君と金崎君にランニングを命じてから数時間は時間が経った。なのに……まだ金崎君たちは戻ってきていない。
流石にキツすぎたのかしら? まあ、無理はしないで欲しいから自分のペースで走って欲しいのだけど。
恐らく、金崎君のペースに火神君が合わせてあげるのだろう。火神君はああ見えてとても仲間思いだし……金崎君を置いていくようなことはしないだろう。
それでもこの時間は流石に遅すぎるから、休み休み走っているの……何かおかしいわね。
いや、この考えは至極当然のことで、何もおかしなことはないのだが……それでも、身体にまとわりつくような違和感が消えない。
あの彼が……自分のペースに火神君が合わせるような事を許すだろうか。やっぱり、様子を見に行った方がいいかしら?
「カ、カントク」
ふと、すぐ隣から発せられた声が耳に入る。火神君の声だ。ようやく帰ってきたのだろう。そう思って声がした方向を向くと──
「こいつ、何とかしてください」
そこには、火神君と金崎君がいた。どちらも汗だくで、金崎君に至っては服が全体的に砂まみれだ。
しかし、何よりも注目すべきは火神君が金崎君をおぶって、焦ったような顔をしていた事だ。
金崎君は気を失っているようで、グッタリとして火神君に覆い被さっている。
「ちょ、どうしたのそれ!?」
「いや、走り終わった後もまだ走れるからとか言って走り出そうとして」
ふと、視線が火神くんの手に行く。火神君は袋を持っていて、その中には何十本ものジュースが……
(ってまさか、秀徳の人たちの分まで買ってきたの!?)
袋の中に入っているはずのジュースは誠凛の人数分×2本であるはずだ。しかし、明らかに袋に入っているジュースの数はそれより多い。
誠凛の分だけでも、走る距離はかなりの物となる。それを秀徳の分までとなると火神君ならまだしも、金崎君には到底無理だ……無理なはずなのだが。
この時間で終わったとなると、そこそこのペースで走ってきたはずだ。金崎君がそれを走り切るのはもう、気合いとかいう問題ではない気がする。
金崎君がそんな事をするとは思えないが、まだズルをしていっぺんに缶を運んできたという方が信じられる。
何で金崎君は桐皇戦の時といい、自分の身を顧みないのかしら。あの時の説教で懲りたと思ったのだけど……
って、物思いにふけってる場合じゃないわね。さっさと金崎君の処置をしないと。幸い、気絶してるだけで怪我をしている様子もないし。
説教はその後たっぷりしないとね。
今日は休もうかと思ったけど暇だったんで書きました_φ(・_・
ヽ( ̄▽ ̄ヽ )≡( ノ ̄▽ ̄)ノホメテホメテー