ワイがバスケで全国優勝したるわww   作:暇です

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紫原の怒り

 地方では雪が降る場所も出始め、息は白く染まる。猫は隅で縮こまって、人間がマフラーやコートを着るようになってきた季節にWCは行われていた。

 

 そんな中、IHベスト3であった陽泉に所属しており、キセキの世代でもある紫原はある目的のために外出していた。

 

 冷気が辺りを包み込み、手で震える体を抑えるようにしながら、一歩一歩紫原は歩道を進んでいく。

 

「寒い……」

 

 何故紫原はWCの最中、こんな苦労をしながらどこかへ向かっているのか。その理由は、紫原のお菓子好きに起因する。

 

 紫原は基本的に新しく出るお菓子は大抵買うし、まいう棒に至っては全作コンプリートまでしている徹底ぶりだった。

 

 実は、今日はまいう棒の新作が発売される日だったのだ。そして、今日発売される『まいう棒わさび明太子味』は今までにない希少品でもあった。

 発売数はまさかの1店につき10本。しかも売られている店もかなり限られているという、今までにない異例の新作だった。

 

 紫原はもちろん買うつもりだったが、このまいう棒に関しては一度逃すともはや手に入らない可能性が非常に高かった。なので、嫌々ながら自分で足を運ぶことになったのである。

 

「あそこの店ね……」

 

 お目当ての店にたどり着き、少し頬を緩ませながら店へ入っていく紫原。すぐに、お目当てのまいう棒がある場所へと向かう。

 そして、本来まいう棒が陳列されてあるはずの棚を見たのだが……

 

「売り切れてるんだけど」

 

 そこには、もぬけのからとなったスペースがあるのみ。どこにもまいう棒は見当たらなかった。

 

 思わず落胆の声を出してしまう。

 

 まあ、10本しかないとなれば売り切れも発生するだろう。しかし、紫原も発売されると告知された時間ほぼぴったりに来たのにも関わらず、既に売り切れていた。

 

 がっくりと肩を落とし、ため息をつく。自分のここまで歩いてきた努力が無駄になったのだ、それはショックだろう。

 

 しかし、紫原は偶然店内に金崎が居ることに気がついた──否、気がついてしまった。

 

 初めは何とも思わなかった紫原だが、なんと金崎の手にはお目当てのまいう棒が握られていた。

 

 それを見た瞬間、紫原に衝撃が走る。紫原と金崎の関係は精々、他人以上知り合い以下というところで、大した関係ではない。それでも、自分が喉から手が出るほど欲しかった物を誰かが持っているとなれば、嫉妬ぐらい湧くものだ。

 

 けれども、いくら感情を波立たせようと現実は変わらない。諦めて、重い足取りで宿に帰ろうとすると……

 

「なあ、1on1しようぜ」

 

$ $ $ $ $

 

 はあ、何でこんなことに……紫原は心の中でぼやく。

 

 紫原はさっきの店から歩いて2、30分はかかるバスケコートにいた。きっかけは金崎からまいう棒を賭けて1on1をしようと持ちかけられたことだ。

 

 こっちに負けた時の代償がないため、紫原にとってはデメリットが無い話だ。とは言っても、面倒くさがり屋である紫原はそんな回りくどいことをするのは嫌だった。

 しかし、どうしても金崎が譲らなかったため、渋々ついていくことになった。

 

「じゃあ、始めるか」

 

 そう言った後、金崎はボールをつき始める。前傾姿勢の構えを取り、明らかに集中力が増したことが紫原にも分かった。

 

 紫原も軽く構え、金崎の動きに注目する。

 

 このコートの狭さなら、速攻でシュートを打ってくることは間違いないだろう、そう紫原は予想する。そして、それと同時に紫原はどこか油断していた。

 

 本来のコートならまだしも、このコートは手狭だ。ほとんどが紫原の守備範囲であり、圧倒的に紫原が有利な状況。一度防いでしまえば、後は身長の暴力で強引にゴールを決められるだろう。

 

 紫原の予想通りに、金崎はボールをつくのをやめて、片手でボールを待ってゴール向けて投げようとする。紫原は同時に、軽くジャンプしてシュートをブロックしようとするが、そこで金崎がかくんと手首を下に曲げた。

 

 ボールは地面へと向かい、大きな音を立てながらバウンドする。紫原の股をくぐり抜け、ボールは一直線でゴールへと向かった。

 

「なっ……」

 

 紫原は思わず声を出す。

 

 この股抜きシュートも紫原は想定していなかった訳では無い、しっかりと頭の中に入れて警戒していた。

 けれど、防げなかった。そこで紫原はある事実に気づく。今見せたシュートと直接ゴールへ向けて放つシュートは、フォームと動作が一致しているのだ。

 

 どちらも、まるでドッチボールをしているかのように片手でボールを投げるため、二つのシュートの違いは手を離すタイミングのみである。だからこそ、いつ離すのかを判断してからブロックするべきなのだが、普通のシュートと比べ物にならないぐらい金崎のシュートは速い。見てから飛んだのでは間に合わないのだ。

 

 ある意味、氷室のミラージュシュートと原理は似ている。タネが分かっても止めようが無いという点もそうだろう。

 二つのシュートどちらか見分けることが出来なければ、このシュートは止めようが無い。しかし、見分けてからではブロックが間に合わない。なんとも凶悪な技だった。

 

紫原がどこからか来る悔しさを感じていると……

 

「うんま、これめちゃくちゃうまいじゃん」

 

 金崎がおもむろにまいう棒を取り出して包装を破き、中身を食べ始めたのだ。明らかに煽っているようにしか見えない。

 

 紫原は元々煽りに対する耐性が非常に弱い。火神の小学生レベルの挑発にもムキになったほどだ。ましてや、お目当てのお菓子を目の前で煽るように食べられたとなればその怒りはどれほどだろうか。

 

「うまかったわ。じゃ、帰るわ」

 

 そう言って、紫原を置いてここから去っていく金崎。そんな金崎を無言で見送り、紫原は一言呟いた。

 

「あいつ……絶対潰す」




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ちなみに、1on1の相手は後一人、合計5人です。

思いついた勘違いネタ

中身は下衆なts聖女とか、無口で恐れられてるけどコミュ障なだけの戦士とか、単純に実力を勘違いされて勘違いを解こうとしてる王道勘違い主人公とか、勘違いさせる系の主人公が集まってパーティー作ってて、そこにそのパーティーに憧れた新人が入ってきてさらに勘違いが深まる。そんでパーティー仲間同士でも勘違いしてるっていうネタ。

設定かなり作り込まないといけないけど面白そう(小並感)

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