絶剣と闇騎士でヒーローアカデミア   作:name future

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ゴールデンウィーク中に少し書いておいたので5月は2、3本の投稿出来そうです。

ではどうぞ。


絶剣と闇騎士と委員長決めとマスコミ事件

翌日。

 

 

 

 3人はいつも通りの雰囲気で登校する。

 

 すると、校門前になにやらカメラやマイクを構えた集団が待ち構えていた。

 

 

「なんだ?マスコミ?」

 

「面倒な所に立ってるな。」

 

「でも、行かないと入れないよ。」

 

 

 一佳は首を掲げて、隼人は顔を顰め、木綿季はいつも通りに校門に近づく。

 

 すると、マスコミ達も隼人達に気づく。

 

 

「教師としてのオールマイトはどんな感じですか?」

 

 

 オールマイトが雄英高校の教師となった事は日本全国を驚かせ、大きな話題となった。朝、雄英の正門の周りには多くの報道陣が押しかけ、登校する生徒たちにカメラとマイクを向けてはインタビューを求めている。隼人たちもそれを避ける事は出来ず、ズイッとカメラを向けられて、インタビュアーからコメントを求められていた。

 

 

「ええっと…実践的で分かりやすく…厳しくも優しい先生です…?で、いいのかな?」

 

「まあ、教師としてはやっぱり新人だなって感じですね。」

 

「真面目だけど少しユニークな感じの先生です。」

 

「ありがとう!」

 

 

 木綿季が当たり障りの無い答え、隼人が少し辛辣な答え、一佳が真面目な答えを返すと、インタビュアーは形式だけの礼を言って、他の生徒を探し始める。そして新たな生徒を捕まえては同じような質問を投げかけていた。

 

 3人は他の記者に捕まらないようそそくさと報道陣の囲いから抜け出して学校の敷地内に入る。流石の報道陣も敷地内までは入って来ないようだ。そんな3人の姿をたまたま見つけた木綿季のクラスメイトの1人が声をかけた。

 

 

「おはよう、木綿季ちゃん、一佳ちゃん、神村ちゃん。」

 

 

 声をかけたのは蛙吹梅雨。個性『蛙』の持ち主で、目がパッチリとして落ち着いた雰囲気の女生徒だ。クラスメイトは男女問わず“ちゃん”付けで呼んでおり、入学初日から他の生徒に対して積極的に話しかける社交性の高い女子だった。

 

 

「か、神村ちゃん?」

 

「プッ……!ククッ……!」

 

「…おはよう、確か…蛙吹さん。だよな?」

 

「うん、蛙吹梅雨よ。私の事は梅雨ちゃんって呼んで」

 

「ア、 つ、梅雨…ちゃん?」

 

 

 クラスが違う蛙吹も顎に指を当てながら言い、一佳は隼人の呼ばれ方に戸惑い、木綿季は笑いを堪えている。

 隼人も恐る恐るといった感じであるが呼ぶ。クラスメイトをちゃん付けで呼んだ事などほとんど無かった隼人には、かなり勇気を要する呼び名であった。

 

 

「自分のペースでいいのよ。それにしても、今日の報道陣の数は凄いわね。しばらくの間、登下校時はこんな感じかも知れないわ」

 

「あ、ああ。インタビューなんて初めて受けたから驚いた…これが毎回だと思うと少し疲れてしまうな。正直だるい。」

 

「でも、プロヒーローになったら沢山のインタビューを受ける事になるのだから、今のうちにメディアに慣れておくのも悪くない手だと思うわ。」

 

 

 蛙吹の意見に隼人は、自分ではこんなポジティブな発想は出て来なかっただろう。そんな蛙吹の意見に、頷いて肯定する。

 

 

「確かにその通りだ。今の内に慣れていればプロになり始めた時の精神的な負担は減る…なるほど、俺はうざっ怠いとしか思わなかったな。前向きだなア、梅雨ちゃんは。」

 

「そんな事は無いわ、ケロッ。」

 

「そうか。(……梅雨ちゃんとは話しやすいな。……何ていうか、木綿季に似てる?からかな?)」

 

 そう言いながらも蛙吹は少し頬を染めると、照れくさそうにケロケロと鳴いていた。木綿季や一佳とはまた違う感じだが、話しやすい女子で安心する。そんな会話をしながら4人は教室へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は何するんだろうな?」

 

「昨日の戦闘訓練を受けての基本訓練じゃね?」

 

「でもさぁ、オールマイトの授業、また受けたいよね。ドワァ!って感じな授業をババーン!ってやってくれるのはワクワクするよね!」

 

「わりぃ、吹出。まったく分かんねぇ。」

 

 

 他の生徒達もオールマイトのことで盛り上がっていた。

 それだけオールマイトはヒーローを目指す者にとって憧れなのである。

 

 

「でもさぁ、なんだかんだでぇ普通の授業も大変だよねぇ。」

 

「試験もあるから気は抜けないノコ。」

 

「ヒーロー基礎学にも座学あるんだもんな。」

 

 

 そして予鈴が鳴り、クラスメイト達が席に座るとブラドが教室に入ってくる。

 

 

「おはよう!さて、今日はさっそくだがお前達にあることを決めてもらう」

 

「あること?」

 

 

 切奈が首を傾げる。

 それに頷いたブラドは全員を見渡して頷く。

 

 

「お前達に……学級委員長を決めてもらう!」

 

「「「いいんちょーー!!」」」

 

 

 ブラドの言葉に盛り上がるクラスメイト達。

 だが隼人だけは特に盛り上がらない。

 

 

「うむ!やる気があっていいな!では、決めてもらおうとは思うが……そうなると自分でやりたい奴ばかりだろうしな。他の者を推薦したい者はいるか?」

 

「だったら……一佳はどうですか?」

 

 ブラドの言葉に隼人は手を上げて、一佳を指差す。

 

 

「神村は拳藤だな?」

 

「え!?」

 

 

 ブラドの言葉に一佳が勢いよく隼人に振り返る。

 

 

「拳藤は中学でも委員長してたから、経験ある奴がやるべきでしょう。後、物間のストッパーに適任。」

 

「おいおい」

 

「こういうのはお前が向いている。」

 

 

一同は隼人の説明に納得する。物間は何か講義しようとするが今までの行いからか誰も耳を傾けない。

 

 

「1位からの推薦だしなぁ。」

 

「戦闘訓練でも的確にアドバイスしてたしな。」

 

「なにより物間を黙らせることが出来る。俺は賛成だな。」

 

「おいおい」

 

「え?……皆?」

 

「俺は異議なし!」

 

 

 鎌切や取蔭が隼人の説明に補足し、回原が賛成する。鉄哲が声を上げると、他の者達も頷いた。物間の講義には誰も耳を傾けない。

 

 

「では、委員長は拳藤だな。いけるか?拳藤。」

 

「……はぁ。分かりました。やります。」

 

「では、副委員長も決めてほしい。これはどうだ?」

 

「普通な奴がいいです。」

 

「じゃあ物間は駄目だな。」

 

「そうだな。」

 

「おいおい」

 

 

 周りの賛同に一佳もついに諦めた。ブラドも次に副委員長決めにまわす。即行で選択肢から消える物間。

 

 

「副委員長は男子に頼みたいな。」

 

「じゃあ、やっぱり物間は駄目だな。」

 

「そろそろ泣くよ?」

 

「それこそ神村どうよ?推薦者。」

 

「………」

 

「露骨に嫌そうな顔すんな!ってか、あんた書記やってたじゃん。経験者でしょ?」

 

「木綿季が無理矢理推薦してな。俺は書紀やる気はなかっぞ。」

 

 

拳藤の言葉で再び選択から消える物間。慈悲はないようだ。そんな中で鱗が隼人を推薦するが、隼人は自身の推薦で顔をしかめる。

 

 

「あんた自分で言ったでしょうが、経験者がやるべきだって。どんな形であっても一回やったことあるんだから、別に今回やったっていいでしょ?」

 

「……」

 

「だから露骨に嫌そうな顔すんな!」

 

「俺はいいと思うぜ。入試1位であの巨大敵を倒したからなぁ、強い奴なら俺は文句はないぜぇ。」

 

 

拳藤の発言でも気持ちがのらない隼人だが、そんな時に、鎌切が賛成の声をあげた。

 

 

「俺は別に……」

 

「俺もいいと思うな。神村には助けてもらったし、そん時の指揮とかすげぇ的確で状況判断力高かったからな。俺は神村なら大丈夫だと思うぜ。」

 

「おい泡瀬……」

 

「あたしも賛成かなぁ~」

 

「取蔭……お前絶対悪ノリだろ。」

 

 

隼人は反論しようとするが、鎌切の賛成意見を筆頭に泡瀬や取蔭も賛成する。

結局一佳と同様、周りに流される形で隼人は副委員長をやることに決まった。ブラドから、「今日の放課後、A組の委員長達と顔合わせがあるから、後で集まるように。」と言われ、HRは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食堂で隼人と一佳、木綿季のいつものメンバーに、偶々近くにいた緑谷、麗日、飯田の3人をいれて食堂で昼食を食べていた。一佳はしょうが焼き定食、木綿季はカレー、緑谷はカツ丼定食、麗日はサバの味噌煮定食、飯田はビーフシチューだ。

 

 

「どうしだ緑谷?そんなにジロジロ見て?」

 

「えっと、神村君、そんなに量あるけど大丈夫?」

 

 

緑谷が心配する目線の先には3段の重箱サイズのお弁当があった。その中身は、1段目には白米、炊き込みご飯、混ぜご飯の3種類のご飯で作ったおにぎりがそれぞれ3つずつ、合計9個入っている。

 

2段目は、お弁当の定番とも言える唐揚げや卵焼き、エビフライにポテトサラダ、おかずケースにレタスを使うなど3色バランスのとれたおかず。

 

3段目には、仕切りで4つのスペースが出来ており、トマトとツナのサラダ、チーズにハムや青じそなどを使ったちくわロールとミートボール、レンコンと人参のきんぴら、一口サイズに切られたイチゴやマスカットなどのフルーツが入っている。

 

これはどう見ても1人で食べる量ではない。運動会やピクニックで見るようなお弁当だ。因みにこれは隼人自身が作った特製のお弁当だ。

 

 

「なるほど、緑谷はおにぎりの量を心配をしているのか?なら安心しろ!魔法瓶に味噌汁を入れてきたからこれだけで十分食べられるぞ!」

 

 

隼人は味噌汁を見せて親指を上げてグッとするが、3人は少しズレた答えに、「違う!そこじゃない!」と心の中でツッコミを入れた。

 

 

「それにしても神村君のお弁当おいしそうやね!」

 

「当然だろ!自信作だからな!」

 

「え!?これ自分で作ったん!?」

 

 

神村は麗日に自身のお弁当を褒められて胸を張って誇る。麗日は隼人自身が作ったことに驚く。一応旅館生まれの隼人は、母の紙本から料理や接客といった旅館の仕事を教えてもらっていたため料理はかなり上手いのだ。 

 

 

「じゃあせっかくだからな。お近づきの印として1品ずつおかずを貰っていくか?」

 

「いいのかい?神村君」

 

「全然いいぞ。俺としても人に自分の料理を食べてもらうのは嬉しいしな。遠慮しないでいいぞ。」

 

「「「では、いただきます」」」

 

 

そう言われて緑谷は唐揚げ、麗日は卵焼き、飯田はエビフライを口に運ぶ。

 

 

「!、この唐揚げ凄く美味しい!!お弁当だから、どうしてもおかずが冷めてしまうけどこの唐揚げは冷めても凄く美味しいよ!」

 

「ん!こっちの卵焼きも、お弁当でもフワフワで味がしっかりとしてめっちゃ美味しい!!」

 

「む!エビフライも冷めているが、サクッとした食感が感じられる!これはランチラッシュに匹敵するぐらい美味いな!」

 

「そうか!なら良かった!」

 

 

3人は隼人の料理にお弁当の感想を述べる。かなり好評で隼人も嬉しそうに笑った。

 

 

「あ、じゃあ僕も……」

 

「お前はたまに弁当作ってやってるだろうが。」ギチギチ

 

 

横からつまみ食い試用としている木綿季の箸を抑えながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。そっちは緑谷が委員長になったのか。」

 

「務まるか不安だ………」

 

「大丈夫さ。緑谷君のここぞというときの胆力や判断力は他を牽引するに値する。だから君に投票したのだ」

 

「でも飯田君も委員長をやりたかったんちゃう?」

 

「やりたいとふさわしいか否かは別の話。僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ。」

 

「“僕”?いつもは“俺”って言ってない?」

 

 

飯田の一人称が“僕”になったことに木綿季は質問する。話を聞くに飯田は代々続いているヒーロー家族の次男として生まれため、周りの人に坊ちゃんだと思われるのが嫌で一人称を変えていた。

 

そんな飯田は同じ飯田家の長男の天晴ことインゲニウムに憧れていた。インゲニウムの話をしている飯田の表情は生き生きしている。尊敬しているんだとよくわかった。

 

 

「ヒーローである家族を尊敬。わかるな。俺も同じだな。」

 

「え!?」

 

 

 隼人の言葉に固まる緑谷。前回の放課後の反省会にいなかった緑谷は、隼人の家族にヒーローがいるということを知らないままだ。

 

 

「そう言えば、神村君のお母さんもヒーローやったね!!」

 

「ああ!ワンダーヒーローLibraryの息子だもんな!」

 

「Libraryってあの女性ヒーローの!?詳しく聞かせて!!」

 

 

質問する緑谷に隼人は答えようとすると、

 

 

『セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください』

 

「うおっ!?」

 

「セキュリティ一3ってなんですか!?」

 

「校舎内に誰かが侵入してきたってことだよ。3年間でこんなの初めてだ!」

 

 

 他の生徒達が一斉に避難を開始するが入学したての隼人達は何処の屋外へ避難するか分からず、避難する生徒達の波に飲まれて揉みくちゃにされてしまう。

 

飯田が窓の付近に押し付けらて外を見てみると何処から侵入したのかは不明だがマスコミが大挙して押し寄せていた。

 

 

「オールマイト出して下さいよ!!」

 

「今日は非番だって言ってんだろ。」

 

「何か一言貰えれば帰りますよ!」

 

「一言喋れば二言貰おうとするのがあんたらだ。」

 

 

相澤とプレゼント・マイクが何とかマスコミに対応してる頃、隼人は飯田の所まで流されてきた。

 

 

「これは………!」

 

「何か分かったのか!?」

 

「どうやって侵入したかは分からないが、どうやらマスコミのようだ!相澤先生とプレゼント・マイク先生が対応に追われている!」

 

「マスコミ!?ホントか!?」

 

 

 隼人は、マスコミの侵入に違和感を覚え、周りに押されながらも窓を覗くとその視線の先にはマスコミの大群がおり、校舎入口の方に殺到していた様子があったが、隼人はすぐに視線を雄英高校の門の方に向ける。隼人の記憶では、雄英高校にはセキュリティ用のバリゲートがあるはずだからだ。ゲート自体が相当強固に作られており、『あのオールマイトが殴っても大丈夫なほど頑丈』という触れ込みまであるそうだ。

 

それほど頑丈であれば並大抵の侵入は許さないだろう。

そのはずなのに現在マスコミが侵入してきている。一体何があったのだろかと視線を向けると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今隼人の視線の先には、完全に外との視界を遮断している頑丈なゲートではなく、正門部分に巨大な風穴が開いたゲートの姿があった。

 

隼人は変わり果てたゲートを見つめながら呟いた。

 

 

「……飯田。確か雄英高校には、セキュリティゲートがあったよな?」

 

「確か、雄英バリアのことか!?それが一体」

 

「少し見えたが、バリゲートらしきものが破壊されていた。少し妙じゃないか?マスコミが個性を使用したっておかしいだろ?」

 

 

 マスコミにこれだけの強固な門を破れる力があるとは到底考えられない。いくらネタを探して記事にする仕事をしている彼らであっても、事と次第によっては社会的批判は免れない。それは彼らとて分かっているはずであり、どうあってもマスコミがオールマイトへのインタビューしたさにこんな凶行をしでかすとは思えないのだ。

 

 

「これは、マスコミを手引きするために誰かが個性を使用したと考えるのが一番だろう。そうすれば、マスコミ騒ぎで全体が混乱して校舎に入っても気づかれないからな。」

 

「じゃあ、まさか!」

 

「マスコミがこんなこと、出来るわけない……!敵がマスコミを利用して、校舎に侵入したんだろう!」

 

 

 隼人の言葉に飯田は絶句する。今この校舎の中に本当に敵が侵入したかもしれない真実に驚きを隠せない。隼人は人ごみの中、この状況をどうするべきか少し考え、結論を出す。

 

 

「………少し待ってろ。俺が何とか職員室にいる先生方にこの事を伝える。飯田お前は、この騒動を何とかしてくれ。バリゲートのことは伝えるな。余計な混乱を招くかもしれない。」

 

「そんなの危険だ!もし本当にそうなら、手引きした何者かが侵入してる可能性もある!それにこの人ごみじゃあ、移動するのも危険だ!」

 

「この場で今起きてる状況を伝えられるのは俺たちだけだ!俺の個性ならワープすぐに移動出来る!後先よりも、今この場ですぐに出来ることをやるべきだ!俺は今この場ですぐに騒動を止められるのは!お前が適任だと判断した!だからお前に託したい!」

 

「っ!」

 

「出来るか、飯田天哉!」

 

 

 隼人の判断に納得できず反論を出すが、隼人はの右肩を強く掴みながら叱るように大声で言った。真っ直ぐと飯田を見つめるその眼は飯田ならやってくれると信じている。隼人の言葉に飯田は遂に決心する。それと同時にどうすれば騒動を収めることが出来るか考え、一つの策を思いつく。

 

 

「……分かった!俺にも考えがある!そっちは任せたぞ神村君!」

 

「分かった。そっちもな!」

 

 

 飯田の顔を見て隼人は安心すると、すぐに上手く人を避けながら、テーブルの下に移動する。その場で闇黒剣を召喚すると、地面に空間を作り出し、食堂を出る。すぐに職員室まで走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とか着いた。せん……!」

 

 

 人ごみを避けながら何とか職員室に到着し中に入ろうとした直後、隼人は何か先生たちとは違う別の気配を感じた。声を潜め、音を立てずに扉を数センチ開け、中を覗く。そこには白髪の男と黒い靄の様な人型の2人組が並べられた教師用の机の前に立っていた。

 

 

(コイツら………()()()()()()()()()()敵だ!先生たちは中に居ない。戦闘は……流石に駄目だよな。だったらせめて証拠だけでも!)

 

 

隼人はヴィランと思われる2人組に気づかれない様、気配を抑えて上着のポケットからスマホを取り出し、カメラを録画モードに切り替え撮影を始める。

 

2人組は何やら資料を見ており、此方に気づいていない様だった。

 

 

「へえ、明日の救助訓練にオールマイトが参加するのか。ならこの日だな。"黒霧"、帰るぞ。襲撃用の()()()の最終チェックするぞ」

 

「はい、"死柄木弔"」

 

 

黒霧と呼ばれる人型から黒い靄を出現させ、2人はそれを潜って姿を消した。

 

黒い靄も2人が潜った直後に霧散する。

 

 

「……気づかれなかったか。アイツってまさかあの………。」

 

「神村。そこで何をしてる?」

 

 

後ろから声を掛けられ、振り向くとブラド先生が立っていた。

 

 

「ブラド先生、これを!」

 

 

隼人は先程録画した映像をブラド先生に見せる。

 

 

「これはッ!……神村、お前戦闘はしていないな?」

 

「はい。マスコミが校舎に侵入により食堂が混乱、バリゲートが破壊されている事を伝える為に職員室に来たら、この2人組が既に中に居ました。」

 

「何っ!?……分かった、後はこっちで対応する。お前は教室に戻っておけ。悪いがスマホ預かるぞ。」

 

「お願いします。後、一応食堂の方に人をお願いします。飯田が騒動を止めようとしてますが、もしかしたら怪我人がいるかもしれないので。」

 

「分かった。エクトプラズムとリカバリーガールに伝えておく。お前もすぐ戻れ。」

 

 

ブラド先生にスマホを渡し、隼人は指示通り教室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隼人は教室に向かう途中、廊下をゆっくりと歩いていた。すると、歩くのをやめ、廊下の窓から景色を見ていた。青い空を見上げながら、隼人はこの場にいない相棒の名を言う。

 

 

「木綿季……このままだと……皆は、大きな事件に巻き込んじまう。けど……もう、運命は動き出しだ。もう襲撃は免れない。」

 

 

力のない言葉をポツリと呟いていると、再び隼人の脳裏に映像が流れた。

 

 

「っ!」

 

 

膝を着いて頭を抱え、へたれこんでしまう。

 

 

「分岐点は………ここだな。もうすぐ会えそうだな。………俺の未練。」

 

 

悲しげな顔を浮かべ、誰にも聞こえないくらい小さく呟いた。

 

 




今回は委員長就任と事件の始まりですね。
隼人君の言っていた分岐点とは何のことか。彼が今回見た未来の内容とは。疑問だらけになりました。次回はついにあの事件です。でも、何やら原作通りにいかない予感が……



ではまた次回!



















次回

絶剣と闇騎士とUSJ襲撃事件


「お前の相手をしている場合じゃない。」




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