絶剣と闇騎士でヒーローアカデミア   作:name future

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おまたせしました。
それではどうぞ。第3話目。最後まで楽しんでください。


絶剣と闇騎士の入試結果

 

 

 着替えて校門に向かうと、木綿季と一佳が待っていた。

 

 

 

「おつかれ」

 

「お疲れさま!」

 

「おう」

 

「聞くまでもないだろうけど、どうだった?」

 

「60はいったはずだから多分合格してると思う」

 

「僕は50以上60未満ってところかな? 不安だよ〜」

 

「木綿季、50もあれば余裕で合格でしょ」

 

 

 

 2人の結果にもはや呆れるしかない一佳。

 

 すると、周囲の者達の声が耳に入った。

 

 

 

「あいつ、あの巨大ロボを真っ二つに切ったんだぜ? しかもその後切り刻んで鉄くずにしちまったんだ」

 

 

「マジで!? でも、あの隣の紫髪の子もさぁ、剣で巨大ロボをぶっ倒してたぜ?」

 

 

「バケモンだらけじゃねえか!?」

 

 

「やっぱ雄英って半端ないよね」

 

 

「あれが一般入試って推薦で受かった連中はどれだけバケモンなのかしらね?」

 

 

 

「……やっぱりお前らあれと戦ったのか」

 

 

 

 聞こえた内容にもはや完全にジト目を向ける一佳。2人ならあの0pに挑むだろうと予測しており、それが見事に的中したのだ。やはりこの2人は規格外だと一佳は改めて実感したのだ。

 

 因みに、一佳は流石にあの巨大ロボの相手は出来なかった。

 

 

「私受かっているかなぁ」

 

 

「大丈夫だろ自身もてよ拳藤」

 

 

「一佳は優秀だし、絶対受かってるよ。自身持って一佳!」

 

 

 

「あんたらが言うと自信なくすんだよ!!!」

 

 

 

 一佳の渾身のツッコミが辺りに響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学試験から数日後。

 

 

 

 

 今の超常があふれたこの世界、そして日本では珍しい昔ながらの和がイメージされた雰囲気を醸し出された屋敷があった。否、正確に言えば五階建て+日本庭園付きの大きな温泉旅館だ。中央の屋敷を囲むようにして、向こう岸まで十メートルには迫ろうという巨大な円形の池と広い庭ががある。池には鶴島・亀島・蓬莱山の日本庭園を代表する島が点在していて、架けられた橋は目の覚める赤い手摺が特徴的な太鼓橋。そして池には錦鯉が泳いでいる。

 屋敷の周りには桜の木が生えており、屋敷の後ろには大きな山が見える。

 そしてその庭に剣を降る隼人とその様子をじっと見つめている1人の女性の姿があった。隼人は1人で修行をしていると女性が声をかける。

 

 

「1時間よ〜〜隼人。そろそろ休憩しておやつにしましょう」

 

 

「はい母さん。でもおやつはだめですよ。先程もお団子をたくさん食べていたでしょう。また食べるのは体によくありません」

 

 

「ぶ〜〜」

 

 

 隼人は剣を納め母への忠告をして駆け寄る。

 

 長い桃色の髪。そして水色と青が特徴的な着物と花の刺繍が入った赤色の帯をしており、顔も思わず2度見してしまうほどの美人だ。

 

 彼女の名は“神村紙本”。隼人の母にして、この温泉旅館【黒焔楼】の女将さんでもあり、元プロヒーローでもある。

 彼女の個性は“本”。本に出てくるキャラクターや物を現実に出せる。ただし出したものは一定ダメージを受けたり、水に濡れたり、燃えたりすると消えてしまう。1度消した、または消えたものは再度召喚するのにインターバルがかかってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不意に廊下に慌ただしい足音が聞こえてきた。そして焦った様子の女性の声が皆の耳に届く。

 

 

 

「女将さん隼人君!? 届きましたわよ雄英からの結果!!」

 

 

 

 隼人にとっては聞き覚えがあり、親しみのある人物。間もなく30才になるこの旅館で長く働いている“猫宮”さんの声だ。

 

 どうやら雄英からの結果が届いたらしい。

 

 

「は〜〜い! 猫宮ちゃん! せっかくだから持ってきてちょうだい!」

 

 

 

「母さん自分で……」

 

 

 

「こちらです!! ──あっ」

 

 

 

「あら? キャ!」

 

 

 

 自分で取りに向かうつもりだった隼人の前に母のお願いが早くきてしまい、猫宮さんがこちらに向かってきたが、履いていたスリッパが滑った事で、そのままコケてしまった。

 

 年齢の割には若々しい彼女だが、それに比例してかドジも目立つ。

 

 そんな彼女の手に封筒が握られていたが、その衝撃で中身が飛び出してしまった。

 

 中身は用紙二枚。そして円状の小さな機械が一台。

 

 

 そして飛び出した機械が紙本にぶつかった瞬間、そこから映像が飛び出す様に映写される。

 

 

 

『私が投影された!!』

 

 

 

 機械は投影機だったようだ。

 

 しかし大事なのはそこではなく、投影されたのがあのNo.1ヒーロー・オールマイトだという事。

 

 

 

「オールマイト!!?」

 

 

「いてててってあら〜〜!! オールマイト!! 久しぶりね! でもどうしてオールマイトが?」

 

 

 

「オールマイトってことは……OBの特別出演とかで?」

 

 

 

 オールマイトは雄英の卒業生。ならば、これぐらいのサプライズぐらいは雄英ならやりかねない。

 

 豪華な通知だな。隼人がそう思いながら見続けると……。

 

 

 

『HAHAHAHA! ──最初に言っておくけど、この為だけの特別出演とかじゃないよ!! 実は私は今度から雄英の教師として勤めることになってね! まぁそういうそういう事なんだ!!』

 

 

「あらあらそうなのね! でもあの人が教師ねぇ。できるかしら?」

 

 

「まじかよ」

 

 

 

 

 あのオールマイトが雄英の教師に。当然ながら受験生には知らされておらず、もし知らされていれば倍率は更に上がっていただろう。

 

 

 

『さて! ではこっからは諸事情で巻きで行くよ! 神村隼人! 敵P62! これだけでも合格ラインだが、試験官達が見ていたのはそれだけであらず!! 

 ──どんな状況でも助けてこそのヒーローさ!! 偽善上等! 我々が見ていたもう一つのPこそ救助活動Pだ!! 君の救助活動Pは45P! 合計は107Pで入試1位! 文句無しの合格さ!! 因みに君と同中の2人も合格してるぞ! おめでとう!! 

 さぁ! 来いよ! 神村少年! ここが君のヒーローアカデミアさ!!』

 

 

 そこで映像が切れると、母は嬉しそうに隼人に抱きつき彼の頭を撫でた。

 

 

 

「おめでと〜〜〜〜〜!! 隼人!! よくやったわ!! しかも1位ってことは主席合格よぉ!!! 流石私の息子ね〜〜〜!!」

 

 

 

「おめでとうございます隼人君!!」

 

 

 

「うん。良かった……」

 

 

 

 猫宮も隼人の合格に喜び、隼人は安心したのか少しホッとしていた。

 

 

「じゃあ今夜はごちそうよぉ〜〜〜!! 今回の宴会の肴にしましょうね〜〜!! せっかくだから紺野ちゃんや拳藤ちゃんたちも誘って盛り上げましょう!! 猫宮ちゃん! すぐに準備するわよ! 隼人はここで待っててね!」

 

 

 

「はい! では隼人君失礼しますね!」

 

 

 2人はすぐにその場を離れて奥に向かった。隼人は1人その場に残り再び剣を振り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通知が届く数日前。

 

 

 

 

 試験の様子を、巨大なモニターで雄英の試験官達が見ていた。

 

 

 

「実技総合成績が出ました」

 

 

 

「YEAH! またやりやがった!! 今年は本当に豊作だな!」

 

 

 

「うん。まさか0Pが一日に三体も壊されるなんてね」

 

 

 

順位  氏名  VILLAN  RESCUE  合計

 

 

 

1位  神村隼人  62p    45p   107p 

 

2位  紺野木綿季 58p    42p   100p

 

3位  爆豪勝己  77p    0p    77p

 

4位  切島鋭児郎 39p    35p   74p

 

5位  麗日お茶子 28p    45p   72p

 

6位  塩崎茨   36p    32p   68p

 

7位  拳藤一佳  25p    40p   65p

 

8位  飯田天哉  52p    9p    61p

 

9位  緑谷出久  0p     60p   60p

 

10位 鉄哲徹鐵  49p    10p   59p

 

 

 

 

 

 

 

 前方の大画面モニターに受験生の名前と成績が上位からズラリと並ぶ。それを見た教師陣から感嘆の声が複数上がった。目立つのはトップの2人と爆豪勝己、そして緑谷出久である。

 

 

 

「救助ポイント0点で3位とはなあ!」

 

 

 

「後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

 

 

 

 金髪の少年、爆豪勝己は多くの受験者が後半に鈍っていく中、その様子を見せることなく仮想敵を倒し続け、総合成績は3位と好成績を叩き出した。

 

 

 

 

「しかし、まさか敵Pが0……“救助活動P”だけで合格とはな」

 

 

 

「倍率300……全員がライバルだ。だからといって、それが“助けない”理由にはならん。そんな奴はヒーローになる資格もない」

 

 

 

 受験生に知らせていない、この試験のもう一つの採点P。

 

 

 

 ──それこそ【救助活動P】

 

 

 

 文字通り、救助活動に対しての追加得点。しかも審査制。

 

 緑髪の少年、緑谷 出久の成績は敵Pが0Pだったが、救助活動Pは60Pを獲得。

 

 結果、総合成績は全体の第9位。

 

 

 

「ずっと典型的な不合格者の動きだったけど、最後のは痺れたわねぇ……」

 

 

 

「本当に大した奴だぜ! YEAH! って何度も叫んじまった! ──が、インパクトだったら“総合1位と2位”も負けてねぇな!」

 

 

 

「と言うよりも“2人”は他の受験者より既に頭一つ出ているよ」

 

 

 

 そう言うと、モニターの画面が大きく2人──木綿季と隼人の映像に変わる。

 

 

 

「紺野木綿季。個性“絶剣”。剣を出し、我流の剣技を使いこなす。そして神村隼人。個性“闇黒剣暗闇”。闇の力を持つ剣を使える」

 

 

 

「どちらも武器、剣を使う個性…………。見た目のインパクトでいえば神村君に目が向きがちだけど、技でいえば紺野さんの方に目が向くわね」

 

 

 

 隼人が闇黒剣で敵の攻撃を受け流し、闇の剣で切り裂き、木綿季は素早く攻撃をかわしながら敵の懐に剣技を打ち込んでいく。似ているような動きでも、教員たちは僅かな違いを見つけていた。

 

 

「この僅かなポイントの差はおそらく機動力でしょう。神村はすぐにそれに気付き、上空から周りの状況の把握を始めました。紺野はそれに気づくのが遅れてしまった。その差がポイントに出たのでしょう。」

 

 

 

 

「紺野は神村と比べて状況判断力は劣っているようだな。だが剣技の速さでいえば紺野に軍配が上がるな。神村も速いが、紺野の技に比べると遅く感じてしまうな。何より2人に共通して言えることは…………」

 

 

 

「コノ二人、妙ニ戦イ慣レテイル。動キモ判断力モ例年ト比ベトテ高ク速イ。シカモ個性ノ扱イト身体能力モ下手ナヒーローヨリ優秀ダナ」

 

 

 

 2人の戦いを見て素人の動きではないことに気づいている。長年戦闘を続けてた者の動き。そんな動きができる学生がいることに疑問が湧いてしまう。教員たちは2人の話題で盛り上がっている中、1人の教員“抹消ヒーローイレイザーヘッド”は2人の戦闘だけでなく2人の名字に注目していた。

 

 

 

「……」

 

 

「Heyイレイザー!お前“紺野”と“神村”って名字に聞き覚えあるんだろ!?この2人、間違いなくそうだ!書類見てみろ!」

 

 

 イレイザーヘッドはプレゼント・マイクに言われ資料に目を通すと、そこに知っている名前が書かれていた。

 

 

 

「神村の住所は……温泉旅館【桃焔楼】。そして紺野の家族に姉の紺野藍子……やっぱりそうか」

 

 

「YEAH! 紺野は3年前にうちを卒業した“紺野藍子”の妹で、神村は元プロヒーロー神村紙本! “ワンダーヒーローLibrary”の息子さんってことだZE!」

 

 

 マイクの言葉に一同が2人の強さに納得する。確かに雄英の卒業生にプロヒーローの家庭なら実戦に近い訓練をしている可能性がある。学生でこの強さを持っていても納得できる。

 

 

「神村紙本……確か彼女は君たちの……」

 

 

 

「そうです、マイクと私たちは彼女と同期でした。彼女は5年前に引退した後、実家の温泉旅館の後を継いで、今もその施設を運営しています」

 

 

 

「おいおい! 俺たちゃ同期なんて簡単な間柄じゃ無かっただろうが! イレイザー!紙本を怒らせて何回本の角で叩かれたか覚えているか!?俺たちが馬鹿やる度にクソ痛ってーの食らったよな!どんな訓練よりきつくて何回死ぬかと思ったか!」

 

 

 プレゼント・マイクが楽しげに頭をパシパシと叩きながら、イレイザーヘッドに呼びかける。だが、逆にイレイザーヘッドは不満気な声を返す。

 

 

 

「馬鹿をやっていたのはお前と白雲だけだっただろうが……連帯責任で俺まで叩かれまくったんだぞ……マイク、少し黙れ……」

 

 

 

 コホンと軽く咳払いをして、佇まいを整えたイレイザーヘッドは改めて話し出す。

 

 

 

「私事を失礼しました。そして紺野藍子は俺の担当したクラスの卒業生で、今は確かドラグーンヒーロー"リューキュウ"の元でサイドキックをしているはずです」

 

 

 

「先輩が珍しく気に入っていた生徒でしたよね。穏やかないい子でしたよね。」

 

 

 

「あいつは問題行動を起こさないし、自分の課題にすぐ気づいて直そうとしていた。あいつは合理的だっただけですよ」

 

 

1人の教員がイレイザーが藍子のことを気に入っていたことを思い出し、本人に聞いてみるが本人は合理的だったと軽く流す。

 

 

「しかしここまで来ると、新入生が優秀なのを喜ぶべきか、最近のヒーローの実力不足を嘆くべきか……」

 

 

「最近のヒーローの質の低下は今に始まったことではないが、これを見てしまうと考えられざるをえないな。」

 

 

 そんな話をしていると、ソコで口を開いたのはネズミのような、犬のような姿の生物、雄英高校の校長である根津校長だった。

 

 

 

 

「とにかく2人の話で盛り上がるのもいいけど書類はまだまだ残ってるんだ。それに来年からは本校の教育方針を変えることになったからそのことも話し合わないといけないからね。とりあえず、神村隼人君と紺野木綿季君は試験で上位の成績を我々に見せた。よって2人共合格にするけど、異論はないね?」

 

 

 根津校長は笑いながらそう言った。他の教師たちも異論は無く頷いている。

 

 

「意義はありません。もし問題があれば我々でしっかり導いて上げれば良い」

 

 

 

「俺も異論無しさ! だが、友人の息子や卒業生の妹さんだからといって特別扱いはしないぜ!」

 

 

 

「当然だ。もし俺が担任になった場合、当たり前だが他の生徒と同様に扱う。無論、ヒーローとして見込みが無ければ除籍処分も行うつもりだ」

 

 

 

 通算除籍指導数154回のイレイザーヘッド。復籍の権限も持ち合わせるが故にこんな数になってしまったが、言葉の中に嘘がある訳では無い。それは雄英高校の教師全員が知っていることだ。ヒーローに向かない者がヒーローになる事ほど辛いモノは無い。彼の言葉に教師として、プロヒーローとして在籍する皆の顔が引き締まった。

 

 

 

「分かった。じゃあ次の子は…………」

 

 

 

 様々な思いを胸に会議は続いた。

 

 

 

 

 




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