エデンズダンガンロンパ 希望の生徒と絶望の楽園   作:M.T.

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非日常編③(学級裁判後編)

《学級裁判 再開!》

 

枯罰「この際ハッキリ言わせてもらうけどなぁ、仕田原は犯人ちゃうぞ。」

 

仕田原「枯罰さん…!」

 

弦野「はぁ?ワケわかんねーぜ。犯人は仕田原以外あり得ねぇだろ。」

 

枯罰「聞けや。まずな、仕田原には犯行は無理やねん。」

 

弦野「どういう事だ?」

 

枯罰「仕田原は、犯人が知ってなアカンはずの情報を知らんからや。おいチビ、それを証明したれ。」

 

赤刎「お、おう…」

 

仕田原が犯人じゃない理由…

犯人が知っているはずの情報を知らない…

…もしかして、アレか?

 

 

 

コトダマ提示!

 

【安生の証言】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「なるほどな、そういう事か。確かに仕田原には無理だ。」

 

筆染「え、なになに?どういう事?」

 

赤刎「毒薬だよ。この中で毒薬のありかを知ってるのは俺、安生、神崎、黒瀬、枯罰、武本の6人だけだ。その中に仕田原は含まれていない。つまり、毒薬の場所を知らない仕田原には犯行を実行する事は不可能なんだ!!」

 

ジョン「See!トモコは犯人じゃねぇだろ!?」

 

弦野「はんっ、どうだかな。そんなの誰かにこっそり教えてもらったのかもしれねぇだろが。それで仕田原が犯人じゃねぇって断定するには弱すぎるぜ。」

 

一「確かに…」

 

聞谷「そうですわね、現に冷凍倉庫に入れるのは仕田原さんだけですわ。」

 

速水「確かに案外早く真相に辿り着いちゃったかもしれないけど、もう投票しちゃっていいんじゃないの?」

 

黒瀬「さんせー。ボクもう眠いよー。」

 

安生「ちょっと待って、まだ投票は早すぎるよ。」

 

枯罰「お前らそないに死にたいんか?」

 

神崎「フン、正直瓶底の事などどうでもいいが、ここでゲームオーバーになるのだけは勘弁願いたいな。」

 

赤刎「うわ、どうしよう…意見が分かれちまったな。」

 

 

 

モノクマ『うぷぷぷ、そういう時はボクにお任せ!オマエラ、どっちが正しいのかボクみたいに白黒ハッキリさせちゃいたいでしょ?ここは一つ、変形裁判所の出番ですな!』

 

一「へ、変形!?」

 

ジョン「Oh,transformすんのか!」

 

ジョン…なんか心なしかワクワクしてないか?

 

モノクマ『それでは早速始めましょう!レッツ変形!!』

 

 

 

《意見対立》

 

 

 

そう言ってモノクマは席から謎の装置と鍵を取り出し、鍵を装置に差し込んだ。

すると、俺達の席が宙に浮く。

 

ジョン「Wooooooooo!!!」

 

筆染「いやぁあぁあああっ!!何よこれーっ!!」

 

一「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

席が変形し、俺達は二つの陣営に分かれた。

 

 

 

【仕田原奉子は犯人か?】

 

犯人だ! 聞谷、黒瀬、武本、弦野、一、速水、筆染

 

犯人じゃない! 赤刎、安生、神崎、漕前、枯罰、仕田原、ジョン、宝条

 

 

 

ー議論スクラム開始ー

 

黒瀬「奉子ちゃんには《アリバイ》が無いじゃん。」

 

「ジョン!」

 

ジョン「《アリバイ》がないのはトモコだけじゃないぞ!」

 

聞谷「《冷凍倉庫》に入れたのは仕田原さんだけですよね?」

 

「宝条!」

 

宝条「他の誰かが《冷凍倉庫》に入る方法があるかもしれないじゃない!」

 

速水「《鍵》を持ってんのは奉子と未来だけなんだよ?」

 

「神崎!」

 

神崎「瓶底の《鍵》が事件に使われたとは断言できないだろう?」

 

弦野「そもそも仕田原は《第一発見者》なんだろ?一番怪しいじゃねぇか。」

 

「枯罰!」

 

枯罰「《第一発見者》っちゅう理由だけで疑うんは流石に無理あるで。」

 

武本「…………仕田原なら冷凍倉庫や厨房に詳しいから入念な《計画》を練る事も可能だ。」

 

「仕田原!」

 

仕田原「自分は殺人の《計画》なんてしてないですよ!」

 

一「仕田原さんが《嘘》をついてるのかも…」

 

「漕前!」

 

漕前「《嘘》かどうかは議論を続けないとわかんねーだろ!」

 

筆染「でも仕田原ちゃん、さっきからちゃんと《反論》してないよね?」

 

「安生!」

 

安生「仕田原さんはちゃんと『違う』って《反論》してるよ。」

 

弦野「っつーかさ、《証拠》はあんのかよ?証拠がねぇならこれ以上議論しても無駄だぜ。」

 

「俺が!」

 

赤刎「いや、まだ議論するべき《証拠》は残ってるんだ!!」

 

 

 

《全論破》

 

赤刎「これが俺達の答えだ!!」

 

安生「これが僕達の答えだよ。」

 

神崎「これが俺達の答えだ。」

 

漕前「これが俺達の答えだ!!」

 

枯罰「これがウチらの答えや。」

 

仕田原「これが自分達の答えです!!」

 

ジョン「これがオレ達のanswerだぜ!!」

 

宝条「これがゆめ達の答えよ!!」

 

 

 

赤刎「やっぱり、まだ謎が残っている以上議論は続けるべきだ。」

 

弦野「謎なんてもうねぇだろ。仕田原が札木殺しの犯人だ、はい終わり。」

 

枯罰「そないに疑いよるんやったら仕田原が犯人やないっちゅう証拠を出さななぁ。ま、正直これを言うんは気が進まへんけどな。何しろ本人が隠したがっとる事やし。」

 

漕前「なんだよそれ!仕田原ちゃんが疑われてるんだぞ!ハッキリ言えよ!!」

 

枯罰「…はぁ。おい宝条。お前から何か言う事あるよな?」

 

宝条「えっ…あ、いや…あの…」

 

宝条が隠したがってる事…

仕田原の無実の証拠…

アレしか考えられないな。

 

 

 

コトダマ提示!

 

【宝条の証言】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「宝条。お前、犯行時刻に仕田原と一緒にランドリールームにいたよな?」

 

宝条「っ…!あ、あの…」

 

赤刎「全員の命がかかってるんだ。実のところはどうなんだ?」

 

宝条「い、いたわよ…ゆめは、確かにその時間仕田原と一緒にランドリールームにいたわ…確か、夜の8時50分から10時まで…ちょうど1時間ぐらいね。」

 

漕前「ほら!やっぱり仕田原ちゃんは無実じゃねぇか!!」

 

筆染「あ、そういえば…ゆめちゃんそんな事言ってたね。ごめん、完全に頭から抜けてた。」

 

弦野「まあこの女の証言だしな。正直信憑性は微妙な所だぜ。」

 

宝条「嘘じゃないわよ!!」

 

安生「信じてあげなよ。宝条さんが嘘をつくメリットがないよ。」

 

一「それはそうだけど…そもそも、何でそんな大事な事早く言わなかったの?」

 

宝条「えっ」

 

神崎「そこの怯者の言う通りだ。おい縦ロール。貴様、その時間にランドリールームで何をしていたんだ?瓶底を庇うメリットは無いし、ランドリールームにいた事と瓶底の無実だけは信じてやる。だが今まで黙っていたという事は、人に言えない後ろめたい何かをしていたという事だろう?」

 

宝条「いや、でも…それは事件とは関係ないし…」

 

仕田原「そうですよ!宝条さんに無理に言わせる事じゃありません!」

 

弦野「まあテメェはソイツのおかげでアリバイが立証されたわけだし、そりゃあ庇うよな。でも俺は宝条の隠し事が明らかにならない限りはテメェを容疑者からは外さねぇぞ。」

 

宝条「っ…!わ、わかったわよ!!言えばいいんでしょ!?洗濯してたのよ、洗濯!!ランドリールームでする事なんか、それ以外無いでしょ!?」

 

弦野「嘘つけ!!たかが洗濯で1時間もかかるわけねぇだろ!!」

 

宝条「それは…血のシミ抜きをしてから洗濯したから…」

 

一「血だって!?ひぃいいい!!ほら、やっぱり事件と関係あるじゃん!!」

 

宝条「違うわよ!!………が、…ちゃったから…」

 

神崎「何だ?聞こえんぞ。」

 

 

 

宝条「あーもう!!来ちゃったのよ!!生理が!!」

 

弦野「…えっ?」

 

宝条「それで…色々処理してて…ゆめ、洗濯とかした事ないから仕田原にも手伝ってもらってたの!!」

 

仕田原「本当です。自分はずっと宝条さんとお洗濯をしてました。」

 

宝条「こんな事絶対言いたくなかったのに!!…なのに、アンタ達ときたら!!うわぁああああああぁああああああ!!!」

 

宝条は、両手で顔を押さえてその場で泣き崩れた。

 

筆染「うーん…なんか可哀想なことになっちゃったね。」

 

弦野「あの…何つうかその、悪かったよ…」

 

弦野は、自分の行いの軽率さに気付いたのか案外素直に謝った。

素行は悪いが、案外紳士なのかもしれない。

 

一「いや、でも…恥ずかしいから言わないっていうのもどうかと…命が懸かってる状況なわけだしさ。」

 

神崎「フン、どんな事を隠してるのかと思えば…下らないな。そんな事で時間を割くな。莫迦が。」

 

安生「それは違うよ!それで自殺しちゃう人だっているんだから…それぐらい、本人にとってはデリケートな事なんだよ。」

 

一「う、ご…ごめんなさい…」

 

筆染「でも、これで仕田原ちゃんの疑いが無事晴れたわけだよね。」

 

武本「…………という事は、犯人は黒瀬か神崎のどちらかという事か。」

 

黒瀬「ボクじゃないですぅーっ。ボクはおトイレにいたって言ってるでしょー。」

 

速水「でも女子トイレってプレイルームのすぐ隣だよね?3分もかからないはずだけど。」

 

黒瀬「お部屋のーおトイレの方がーおしっこしやすいんですー♪」

 

弦野「変な歌歌うな。」

 

神崎「…。」

 

漕前「お前は反論なしかよ。」

 

一「正直どっちも怪しいんだけど…」

 

速水「ん?ちょっと待って。奉子、事件の前に誰かに鍵貸したりした?」

 

仕田原「いえ。ずっと自分が持ってましたよ。」

 

速水「じゃあ、犯人はどうやって冷凍倉庫に入ったの!?」

 

赤刎「いや、入る方法はそこまで重要じゃない。鍵は札木から拝借すればいいだけだからな。問題は…」

 

枯罰「どうやって出てったか、やろ?」

 

赤刎「そうだ。鍵は冷凍倉庫内にあって、7時半より前は鍵が閉まっていた。犯人がどうやって鍵をかけたか、ここが重要なんだ。」

 

黒瀬「じゃあ次は鍵をかける方法について話さないとねー。」

 

 

 

ーーー議論開始!ーーー

 

 

 

ジョン「《psychokinesis》じゃないか!?」

 

枯罰「んなワケないやろ。マジメに考えんとどつくぞ。」

 

黒瀬「実は《オートロック》でしたー、とか!」

 

一「あの扉は手動でしかロックかかんないよ…」

 

筆染「うーん、何かで《扉を貼り付けた》とか?」

 

武本「………鍵をかけた記録が残ってるのだぞ。」

 

安生「《糸》でも使ったんじゃないかな?ターンロックなら糸で閉められるって聞いた事あるよ。」

 

俺の集めた証拠が鍵になるかもしれない。

 

 

 

《糸》⬅︎ 【裁縫セットの糸】

 

「それに賛成だ!!」

 

《同 意》

 

 

 

赤刎「鍵をかけるのに使われたもの、それは女子の裁縫セットに入っていた糸だ。」

 

速水「い、糸!?」

 

弦野「って事は女子が犯人か。じゃあ犯人は黒瀬で決まりだな。」

 

黒瀬「えー。」

 

枯罰「いや、事前に借りるとか盗むとかすれば男子でも可能やぞ。」

 

黒瀬「そーだそーだー!」

 

枯罰「別にお前を庇ったんとちゃうぞ。お前が犯人の可能性はまだ十二分にあんねん。」

 

黒瀬「ぶー…」

 

速水「てかさ、糸でどうやって鍵をかけんの!?」

 

赤刎「それはな、糸で作ったあるものと、それから冷凍倉庫内にあったものを使って自動で鍵がかかる仕掛けをかけたんだ。」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【腕の紐】【荷物と板】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「仕掛けを作るのに使われたもの、それは冷凍倉庫内にあった荷物と板、そして犯人が持っていたロープだ。」

 

筆染「でも、冷凍倉庫の中にそんなもの無かったし、倉庫からも持ち出されて…あ、まさか!」

 

赤刎「そう。犯人は糸を依る事で紐を作り、それをロープにしたんだ!」

 

宝条「何ですって!?」

 

赤刎「そして犯人はこのトリックを完成させるために、ある方法を使ったんだ。」

 

それは…

 

 

 

 

ー閃きアナグラム開始ー

 

 

 

シ タ イ ヲ オ モ リ ニ シ タ

 

 

 

【死体を錘にした】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人が密室殺人を完成させたトリックはこうだ。まず棚の上に十分な大きさの板を斜めにして置き、それを荷物で固定する。そしてその上に、糸を依って作った十分な長さのロープで結んでおいた札木の死体を乗せ、犯人が部屋を出る直前に紐の先端をターンロックに固定しておく。すると、犯人が部屋を後にした直後に死体が傾いた板から滑り落ち、体重によってターンロックが回るというわけだ。」

 

弦野「な…!!」

 

安生「でも、それだとターンロックと札木さんはロープで繋がれたままだよね?どうやって犯人はロープを外したの?」

 

赤刎「それは、犯人がターンロックとロープを繋ぎ止める接着剤に使ったものが関係してるんだ。」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【ターンロックの香り】【厨房から消えたガム】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人がロープを固定するのに使った接着剤、それはガムだ。」

 

仕田原「が、ガム…?」

 

漕前「あ!厨房からごっそりなくなってたやつ!!」

 

赤刎「犯人は、粘着力が強いタイプのガムでロープとターンロックを固定したんだ。ガムは冷やすと粘着力が失われて取れやすくなる。接着剤に使っていたガムが冷え、ロープで繋がれていた札木の体重で引っ張られてそのまま取れたんだ。これが密室殺人のトリックだ。」

 

聞谷「それなら、確かに仕田原さんでなくても鍵をかける事が可能ですわね。」

 

安生「なるほどね、それで札木さんが足から落下したとすれば、両足の骨折も説明がつく。」

 

 

 

仕田原「…あのぅ、ちょっといいですか?」

 

仕田原が、唐突に手を挙げた。

 

仕田原「えっとですね、今までは犯人と疑われてそれどころじゃなかったんで言い出せなかったんですけど、実は気になってる事があって…」

 

ジョン「What?」

 

仕田原「実は…札木さん、自分が発見した時とは状態が変わってるんです。」

 

宝条「はぁ!!?何ですって!?それって、現場を荒らされてるって事!?それじゃあ、トリックを明らかにした意味が無いじゃない!!」

 

仕田原「お、落ち着いて下さい。ええっとですね、具体的には何が変わっていたかと言いますと…」

 

仕田原が何かを言おうとすると、枯罰が人差し指を口元に当てて「シー…」と言った。

そして俺の方を向き顎で俺を指したので、俺は枯罰の意図を読み取ってコクリと頷いた。

 

赤刎「仕田原が札木を発見した時、札木は血塗れじゃなかったんだ。つまり、札木の血は仕田原が現場を後にした後に仕掛けられたものという事になる。」

 

弦野「おいおい。そんなの、仕田原の嘘かもしれねーだろ?」

 

神崎「うつ伏せで倒れていたというのも、見間違いかもしれないしな。」

 

仕田原「まだそんな事を言って…!」

 

弦野「じゃあ血が後で仕込まれたものだっていう根拠は?」

 

それは…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【札木の血】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「弦野、おそらく仕田原は嘘をついてない。」

 

弦野「はぁ?」

 

赤刎「さっき言った札木の口から出ていた血は凍っていた。でも、身体に付着していた血はまだ凍っていなかったんだ。つまり、身体の血は事件の後に仕掛けられたものだという事になる。」

 

黒瀬「なるほどねー、でもさぁ。血が後から仕掛けられたものだとしたら、どうやって仕掛けたの?未来ちゃんはもう凍っちゃってるから、刺したりしても血は出ないよ?」

 

赤刎「それは、あるものを使ったんだ。黒瀬、お前も最近見た事があるものだ。」

 

黒瀬「え、ボクがー?」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【輸血パック】【血塗れの袋】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「事件の第三者が使ったもの、それは輸血パックだ。」

 

一「ゆ、輸血パック…?」

 

赤刎「ああ。ソイツは輸血パックを破いて札木に血をかけた後、破いた袋をトラッシュルームに捨てたんだ。」

 

速水「そういや袋が捨てられてたけど、アレ輸血パックだったの!?」

 

武本「…………誰がそんな事をしたんだ?」

 

一「は、犯人に決まってるよ!そうに違いない!」

 

枯罰「それはちゃうやろな。戻ってきた仕田原に見られるかもしれへんのにわざわざ血ィぶっかけるなんざよほど見られたないモンでもない限り犯人ならせえへんよ。せやからソイツは犯人ちゃうけど、このコロシアイを面白がってイタズラを仕掛けたっちゅう所やろ。」

 

聞谷「では、一体誰がそんな悪質な事を…」

 

 

 

赤刎「…一人、心当たりのある奴がいる。」

 

漕前「誰だよ?」

 

正直言うと、割と早い段階でそうなんじゃないかなって疑ってはいた。

でも、ようやく疑惑が確信に変わった。

ソイツは、明らかに不用意な発言をした!!

 

 

 

《人物指定》

 

 

 

 

赤刎円

 

安生心

 

神崎帝

 

聞谷香織

 

黒瀬ましろ

 

漕前湊

 

枯罰環

 

札木未来

 

仕田原奉子

 

ジョナサン・ウォーカー

 

武本闘十郎

 

弦野律

 

一千歳

 

速水蘭華

 

筆染絵麻

 

宝条夢乃

 

 

 

 

 

➡︎神崎帝

 

 

 

 

赤刎「神崎、お前だよな?」

 

神崎「…理由を聞こうか。」

 

赤刎「お前だけ、事件が起こり得る時間帯に姿を見た奴が一人もいないよな?お前、寝てたって言ってたけど本当は何やってたんだ?」

 

神崎「フン、下らん。そんな理由で…」

 

赤刎「根拠はまだあるぞ。」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【仕田原の証言】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「…お前、『うつ伏せで倒れていたというのも、見間違いかもしれないしな。』、そう言ったよな?」

 

神崎「それがどうした?」

 

赤刎「確かに札木は仕田原が発見した時うつ伏せで倒れていた。…でも俺、さっきはそんな事一言も言ってなかったよな?」

 

神崎「…。」

 

赤刎「何でお前が、札木がうつ伏せで倒れてたのを知ってるんだ?」

 

神崎「…フン、下らん。そこまで言うなら証明してみろ。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

神崎「まず、俺は事件当時《部屋で寝ていた》んだ。無口が死んだ事など知らなかった。」

 

弦野「んなモンいくらでも言い逃れできるだろうが。何せテメェにはアリバイが無いんだ。」

 

速水「つーか、シラを切り通して何のメリットがあんのよ。犯人じゃないならさっさと白状しなさいよ。」

 

神崎「ほざけ。音楽しか能の無いチンピラと頭と尻の軽いジャージ女の分際で無駄口を叩くな。」

 

速水「へ!?」

 

弦野「な…!!」

 

神崎「俺が寝ていたのは事実だ。次に何者かが事件現場を荒らした件についてだが瓶底の自作自演で、本当は《冷凍倉庫に侵入した奴などいない》んじゃないのか?」

 

仕田原「自作自演なんてしてません!確かに誰かに冷凍倉庫が荒らされてたんです!!」

 

神崎「とにかく俺は《イタズラなどしていない》。だとすればその女が仕組んだ事としか考えられまい。」

 

仕田原「だから違いますって!!」

 

今の神崎の発言はおかしい!

 

 

 

《冷凍倉庫に侵入した奴などいない》⬅︎【枯罰の証言】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「神崎、残念ながらその言い訳は通用しないぞ。」

 

神崎「何?」

 

赤刎「仕田原は、第一に死体を発見した後すぐにある人物を呼びに行っていたんだ。…誰だと思う?」

 

神崎「さあ?」

 

赤刎「…枯罰だよ。仕田原は、枯罰を連れてもう一度冷凍倉庫の様子を見に行ったんだ。そこで枯罰が死体を発見した直後にアナウンスが流れた。つまり、仕田原と枯罰の間にもう一人札木の死体を見た奴がいるって事だ。それはお前だろ?」

 

神崎「…黙れ凡愚が。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

神崎「そもそも、瓶底と関西弁が死体を発見した直後にアナウンスされたのなら《不自然な点》はないだろうが。」

 

赤刎「何故だ?」

 

神崎「アナウンスは3人が死体を発見した時点で流れるのだぞ?《その中に犯人がいる》だろうが。」

 

今の神崎の発言はおかしい!

 

 

 

《その中に犯人がいる》⬅︎【死体発見アナウンス】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「…お前、ちゃんと話聞いてなかったのか?事件を起こした直後に限り、犯人はアナウンスの3人にカウントされないんだよ。まあ犯人が忘れ物を取りに戻ったと言うならそれまでだがそんな言い訳が通用するとはお前も思ってないだろうし、いい加減観念したらどうだ愉快犯?」

 

神崎「………ふ。」

 

 

 

神崎「ふははははははははははははははは!!!」

 

突然、神崎は狂ったようにケタケタと笑い出した。

裁判所には、神崎の乾いた笑い声だけが響き渡る。

 

赤刎「か、んざ…き?」

 

神崎「ふははははは、よくぞ見破ったな【超高校級の講師】赤刎円よ!!素晴らしい、貴様は合格だ!!」

 

一「え、ちょっ…神崎君!?」

 

速水「なになに!?何なの!?」

 

神崎「フン、ただ喚き散らす事しか出来ん貴様らにはわからんだろう。この茶番の愉快さがな!」

 

宝条「茶番!?意味わかんないんだけど!え、アンタが犯人じゃないの!?」

 

神崎「莫迦め、俺が犯人な訳が無かろうが。口を閉じろ縦ロールが。」

 

枯罰「キッショいのぉお前。犯人やないなら何でわざわざ事件現場を荒らして捜査や裁判を難航させたんや?」

 

神崎「何故…?そんなもの、この茶番をより盛り上げるために決まっておろうが!!」

 

ジョン「What!?何考えてんだオマエ!そんな事してmistakeでもしたらオマエも死ぬんだぞ!?」

 

神崎「それに関しては心配御無用。貴様らが間違った判断をしそうになったらそれとなく誘導するつもりだったからな。」

 

筆染「ゆう…どう…?ちょっと待って!え、神崎君…犯人が誰だか知ってるの!?」

 

神崎「当然だ。昨日は寝ていたと言ったが、本当は事件の一部始終を隠し撮りしていたのだよ。ククク、どうも怪しい動きをしている奴がいたものでな。見張らせてもらった。」

 

宝条「はぁ!?ふざけんじゃないわよ!!犯人を知ってるなら最初からそう言いなさいよ!!」

 

神崎「だから莫迦だと言っているんだ貴様は。それでは何の趣も無いだろうが。…まあ正直そろそろこの茶番にも飽きたし、ネタバラシといこうか。」

 

赤刎「ね、ネタバラシ…?」

 

神崎「赤刎円。貴様、冷凍倉庫内で妙な物を発見しなかったか?」

 

妙な物…?

それって…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【謎の文字列】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「…札木の近くにあった謎の文字列、違うか?」

 

神崎「正解だ。」

 

俺は、みんなに事件現場で見つけた文字列を見せた。

 

宝条「何よこれ。何かの計算式?」

 

弦野「だとしても『ムム』って何だよ。それを無視したとしても計算全然合わねーしよ。」

 

安生「うーん、もしかして所謂ダイイングメッセージってヤツかな?」

 

神崎「そうだ。まあ書いた者はまだ生きているからダイイングメッセージという言い方はおかしいがな。そのメッセージは俺が書いた。」

 

速水「え!?未来が書いたんじゃないの!?」

 

赤刎「いや、さっきまでの推理が正しければ札木にあのメッセージは残せなかったはずだ。」

 

その証拠は…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【文字列の位置】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「この文字列は、札木の頭上に書かれているものだ。仰向けに倒れた札木が頭上にメッセージを書けるわけがない。」

 

枯罰「札木の指には血なんざ付いとらんかったし、普通に考えて死にかけとるっちゅうのにそないな文字残す余裕なんざ無いしのぉ。」

 

神崎「そういう事だ。ようやく気付いたのか。さて、本題に移ろう。その文字列だが、実は暗号になっている。子供、俺は事件現場に暗号を解く上で重要なヒントを残したぞ。」

 

ヒント?

それって…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【血塗れの紙切れ】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「…札木の服に挟まってた紙切れの事か?」

 

神崎「正解だ。その紙切れをよく見てみろ。」

 

赤刎「?血で汚れてて見えねぇんだけど…これは…何かの表か?…あれ、これってもしかして…」

 

 

 

赤刎「…周期表か?」

 

速水「え、しゅ、周期表?何それ?」

 

安生「えっとね。簡単に言うと、物質を構成する元素を軽い順に並べた表の事だよ。」

 

赤刎「周期表…ダイイングメッセージ…あ。」

 

枯罰「…そういうこっちゃな。」

 

黒瀬「なるほどねー。」

 

暗号を解いた俺達3人は顔を見合わせた。

…正直意外だった。

まさかコイツが犯人だったなんて。

 

速水「え、ちょっと、何3人で納得してんのよ!まさか円達はもう解いたの!?」

 

赤刎「まあな。この暗号の解き方を説明していこうか。まず右辺の96だが、これはただの語呂合わせだ。9と6でく、ろ、つまりクロを意味している。」

 

仕田原「ええと、つまり左側に書かれている暗号が示している方がクロという事ですか?」

 

赤刎「そうだ。次に左辺の文字列だが、周期表と対応してる。文字列に書かれてる数字に、その番号の下に書かれているアルファベットを当てはめるんだ。『ムム』の部分は上下反転した77。これは、77番に書かれているアルファベットの順番を並べ替える事を意味している。77番はIrだから、それを並び替えてRIだ。そしてカッコの中の引き算は、前の文字から次の文字を引く事を意味している。36-19は、KrからKを除いてRになる。そうやって解いていくと、自ずと犯人が浮かび上がってくるはずだ。」

 

漕前「えっと…まず74はW、18はArで…」

 

筆染「…WARRIOR?え、どういう意味?犯人の名前なんて出てこないけど?」

 

 

 

枯罰「…武闘家。」

 

聞谷「はい?」

 

枯罰「Warriorの和訳は武闘家や。まあその他にも武士とか戦士とか勇士とかいう意味もあるけどな。Warriorの和訳にピッタリな才能の奴が一人おるやろ?」

 

赤刎「ああ。今回の事件の真犯人、それは…」

 

 

 

《人物指定》

 

 

 

 

赤刎円

 

安生心

 

神崎帝

 

聞谷香織

 

黒瀬ましろ

 

漕前湊

 

枯罰環

 

札木未来

 

仕田原奉子

 

ジョナサン・ウォーカー

 

武本闘十郎

 

弦野律

 

一千歳

 

速水蘭華

 

筆染絵麻

 

宝条夢乃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

➡︎武本闘十郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤刎「…武本、お前だ。」

 

武本「……………俺か。」

 

 

 

速水「え、そんな…嘘でしょ!?なんで闘十郎が!?」

 

ジョン「そうだ!トウジュウロウがcriminalなわけないだろ!!」

 

筆染「そうだよ!あんなにみんなの事を想ってて、誰よりも正義感の強い武本君が犯人なんて…あり得ないよ!!」

 

赤刎「まあお前らの気持ちはわからなくもないし、俺は暗号を解いて判断しただけだから真実かどうかは知らんがな。…で、実際のところはどうなんだ武本?」

 

武本「…。」

 

 

 

武本「その言葉を叩っ斬る!!!」

 

《反 論》

 

 

 

武本「そんな訳の分からないメッセージだけで犯人にされたのでは堪ったものじゃないな。」

 

赤刎「という事は、お前なりの言い分があるんだな?」

 

武本「当たり前だ。俺は犯人じゃないから反論させてもらうぞ。」

 

 

 

ー反論ショーダウン開始ー

 

武本「まず、仮に暗号が本物だったとして、枯罰の和訳が間違いかもしれないだろう。」

 

赤刎「いいや。枯罰の和訳は合ってる。ダイイングメッセージが示しているのは間違いなくお前だ。」

 

武本「なら、その暗号の事はひとまず置いておこう。だが、俺には《アリバイがある》。この事実がある以上、俺に犯行は不可能だ。それとも、それでもまだそのふざけた暗号の方を信じるというのか?」

 

…うむ、一見筋が通っているように見える。

だが、その主張が初めから成立しないものだったとしたら…?

 

 

 

《アリバイがある》⬅︎【手書きの履歴メモ】

 

「その言葉、ぶった斬る!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「おい武本。お前、冷凍倉庫の履歴をモノクマから聞いてメモしたって言ってたよな?」

 

武本「ああ。それがどうした?」

 

赤刎「お前が犯人なら、メモに嘘を書いてアリバイ工作をする事ができるんじゃないのか?」

 

武本「っ…!!」

 

枯罰「そういやお前、冷凍倉庫の履歴を誰が調べるんかっちゅう話になった時真っ先に名乗り出とったよなぁ。ぶっちゃけ一番偽装工作しやすい役割やし疑っとったけど、まさかホンマに犯人やったとはのぉ。」

 

弦野「俺も武本が怪しく思えてきた。やけに口数が少ねぇし、さっきのメッセージといい犯行時刻の偽装といいコイツが犯人なら色々納得できるからな。」

 

武本「………ふざけるなっ。メモが嘘だという証拠でもあるのか。」

 

聞谷「そうですわよ。お二人共、武本さんの事は黒瀬さんが見張っていらしたのをお忘れですの?」

 

黒瀬「うん、見張ってたよ。でも、メモが本物か偽物かどうかまではわかんないなぁ。だってボク、クマちゃんと闘十郎くんのやりとりを見てはいたけど直接聞いてたわけじゃないもの。」

 

武本「………そういう事だ。俺のメモが偽物だと言い切れる根拠は無い。」

 

枯罰「いや、威張れる事ちゃうやろ。逆にお前のメモが本物やっちゅう証拠も無いわけやしのぉ。」

 

安生「うーん…今までそのメモを頼りにアリバイの証明をしてたのに、そのメモ自体が嘘なんじゃねぇ。」

 

宝条「え、ちょっと待ってよ!じゃあゆめ、恥かき損じゃないの!!」

 

筆染「どうしようかな…全員のアリバイが崩れるのは困るし、このままだとゆめちゃんが可哀想だし、本当の犯行時刻を確かめる方法があるといいんだけど…」

 

すると、その時だった。

 

 

 

神崎「おいクマ。冷凍倉庫の開閉履歴を見せろ。」

 

武本「……………なっ!!?」

 

モノクマ『イヤだね!何でオマエみたいなイカサマ師に協力しなきゃなんないのさ!』

 

神崎「私情でルールを破る気か?莫迦が。このデカブツがやった事は明らかに裁判の公平性を歪めている。裁判の公平性を保つためにも、全員が犯行時刻を知る権利があるはずだ。」

 

モノクマ『ぐぬぬ、オマエが言うなって言いたいところだけど…オマエのいう事も一理あるよね。わかった、本物の履歴を見せるよ!』

 

武本「なぁっ……!!おい貴様、何を…!!」

 

神崎「くくく、莫迦め。何を焦っているのだ?貴様が履歴を捏造していないのなら、別に履歴を見られて困る事などなかろう。そもそも、貴様が記録係をやらなければ今頃全員で共有できていたはずの内容だしな。」

 

武本「くっ…!!」

 

モノクマ『それでは、履歴オープン!!』

 

 

 

ーーー

 

20:52 開

21:25 閉

07:30 開

 

ーーー

 

 

 

一「えっと…これ…40分ずつズレてる…よね?」

 

弦野「チッ、やっぱり履歴を捏造してやがったか!」

 

筆染「あ、冷凍倉庫が開け閉めされた時間と黒瀬ちゃんが席を外してた時間帯は違うね。って事は黒瀬ちゃんはアリバイあったんだ。」

 

黒瀬「ねー、だから言ったでしょ?」

 

枯罰「まあゴミみたいな事しよった神崎は論外として、確かにこれでアリバイが崩れるんは武本だけやのぉ。」

 

武本「ぐぅうううっ…!!」

 

弦野「履歴の偽造が明るみになった以上、もう言い逃れはできねーぞ。」

 

神崎「くっくっく、あーーーっはっはっはっはっは!!!チェックメイトだ!!観念しろ殺人犯!!」

 

 

 

武本「まだだ!!!」

 

黒瀬「ほよ?」

 

武本「俺が犯人だという物的証拠が無いだろう!!」

 

枯罰「おーおー、急に元気になりおったのぉ。」

 

武本「とにかく俺は犯人じゃない!!履歴は…その…くっ、黒瀬に偽の履歴を書かされたんだ!!全部黒瀬の指示でやった事で、俺は黒瀬に嵌められただけだ!!」

 

黒瀬「ぴえん」

 

弦野「苦しい言い訳だなオイ。」

 

武本「黙れ黙れ黙れ!!!俺は犯人じゃない!!」

 

赤刎「…まあお前を犯人だと断定するには解き明かさなきゃならん謎がまだあるし、議論はこのまま進めていこう。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

弦野「もう態度的には《武本で決まり》だろ。」

 

一「そ、そうだよ!《武本君が犯人》に違いないよ!」

 

武本「違う!!俺じゃない!!殺ったのは《黒瀬》だ!!」

 

黒瀬「ボクには《アリバイ》があるんだけどなー。」

 

赤刎「武本、お前への疑惑の原因になってる謎がまだ残ってるんだ。それが明らかにならない限りは俺はお前を信用できない。」

 

武本「《謎など無い》!!俺は犯人じゃない!!」

 

いや、まだ触れていない事があったはずだ。

 

 

 

《謎など無い》⬅︎【パスポートの弱点】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「いや、議論するべき謎はまだ残ってる。」

 

速水「え?」

 

赤刎「パスポートの弱点だよ。一、パスポートには極度な高温低温に弱いっていう弱点があるんだよな?」

 

一「あ、うん…そうだよ。」

 

武本「それがどうした!?そんなもの、俺が犯人だという証拠にはならないだろ!!」

 

枯罰「おいチビ、お前ならもうコイツにトドメを刺す証拠がわかるはずや。」

 

武本にトドメを刺す証拠…

もしかして…!

 

 

 

武本「俺が犯人だという証拠を見せろ!!」⬅︎【壊れたパスポート】

 

赤刎「これで終わりだ!!」

 

 

 

赤刎「札木の近くに落ちてたパスポート、これこそがお前が犯人だという証拠だ!!」

 

武本「何っ…!?」

 

赤刎「見ろ、これは札木の近くに落ちていたパスポートだ。低温で壊れて電源がつかないから誰のものかはわからないがな。」

 

速水「いや、未来の近くに落ちてたんだから普通に未来のでしょ。」

 

宝条「…あれ?それ、札木のじゃないわね。」

 

漕前「え?」

 

宝条「札木のパスポートって、側面にちょっとキズがついてるのよ。でもそのパスポートにはキズがないわ。だからそれは札木のパスポートじゃない。」

 

聞谷「そんな細かいところまでよく覚えていらっしゃいますわね…」

 

宝条「当然じゃない!伊達に収集家やってないもの、審美眼だけは誰にも負けないわ。」

 

一「じゃあ、一体誰の…」

 

赤刎「…なあみんな。俺はこう推測してるんだが。犯人は、さっき言った方法で札木を冷凍倉庫に置き去りにして密室トリックを完成させた。だけどその時に誤って札木のパスポートと犯人のパスポートを落としてしまい、慌てていたせいか犯人はパスポートを取り違えてしまった。つまり、犯人は札木のパスポートを持ってるはずなんだ。」

 

ジョン「Oh My God…」

 

一「でも、確か自分のパスポートで人の部屋に入るのはダメだったよね?自分の部屋に入る時点で気付かない?」

 

赤刎「…いや、確かに自分のパスポートで他人の部屋に入るのはダメだが、他人のパスポートで自分の部屋に入るのがダメとは書かれてない。だから普通に部屋には入れて取り違えに気付かなかったんだろう。さあ武本。お前が犯人じゃないなら、パスポートを見せてくれないか?」

 

武本「ぐっ…!!」

 

枯罰「先に言っとくけどな、失くしたなんて言うんはナシやぞ。」

 

武本「っ…」

 

神崎「大人しく出さないなら、俺が撮った動画をここで流してやっても良いのだぞ。」

 

その言葉で観念したのか、武本はパスポートを出した。

 

宝条「あっ!!間違いないわ、あれは札木のパスポートよ!」

 

弦野「…終わったな。」

 

武本「………。」

 

筆染「そんな…嘘よ!武本君が犯人なわけないよ!だって…!!」

 

武本「やめろ筆染!!…もういい、もう疲れた。…俺が、俺が札木を殺したんだ。」

 

筆染「そんな…!!」

 

赤刎「…武本、俺が引導を渡してやる。これが事件の真相だ!!」

 

 

 

ークライマックス推理開始!ー

 

【Act.1】

事件の発端となったのは、モノクマがみんなに配った動機DVDだった。

犯人が何を見せられたのかまではわからないけど、おそらくDVDを見て犯人は殺人を企ててしまったんだ。

まず犯人は診療所から毒薬を盗み出し、殺人計画を水面下で進めていた。

一方札木はDVDを見た事で気が滅入ってしまっていたせいか、昼間とパーティーの時以外は単独行動を取っていた。

その状況を利用して犯人は札木をターゲットにし、神崎を除いては誰もこれから起こる悲劇に気付けなかったんだ。

 

【Act.2】

パーティーの片付けが終わった後、犯人は何かの理由をつけて札木を厨房に呼び出した。

そして突然札木に襲いかかり、持っていた毒薬で札木の意識を奪った。

だがこの時に札木が暴れたせいで毒の瓶が床に落ちて割れてしまった。

犯人は慌てて瓶を回収したけど、小さな破片までは回収し切れなかったんだ。

そして犯人は女子生徒から借りるか盗むかして入手した糸で作ったロープを札木の右腕に括り付け、厨房から密室トリックに必要なガムを大量に盗み出し、札木のポケットに入っていた鍵を使って冷凍倉庫内に侵入した。

 

【Act.3】

冷凍倉庫内に侵入した犯人はまず、冷凍倉庫内で調達した板と荷物を使って密室トリックの仕掛けを作った。

まず冷凍倉庫の扉から一番近い棚の上に人が乗っても十分にスペースが余るサイズの板を斜めに立て掛けて斜面を作り、板の両脇に荷物の壁を作ってロープが板からズリ落ちないようにする。

そうやって作った斜面の上端に札木の死体を乗せ、犯人はロープの端を持ったまま冷凍倉庫の扉へと向かう。

そして冷凍倉庫を出る直前に粘着力の強いガムでロープの先端をターンロックに貼り付け、犯人は冷凍倉庫を後にした後トラッシュルームに寄って瓶を捨て、何事もなかったかのようにプレイルームに姿を現した。

犯人が出て行った直後、札木の死体は斜面を滑り落ち、札木の体重でターンロックが回り内側から鍵がかかった。

そしてその数分後、部屋の冷気によってガムの粘着力が落ち、ガムがターンロックから外れて札木の身体は床へと落ちた。

 

【Act.4】

だがこの過程で犯人は致命的なミスを二つ犯してしまった。

一つ目は、このトリックを作る途中で札木のパスポートと自分のパスポートを落として取り違えてしまい、『自分のパスポートで他人の部屋には入れないが他人のパスポートで自分の部屋に入る事ならできる』というルールのせいでその事に気付かなった事だった。

もう一つのミス、それは神崎が犯行の一部始終を見ていた事だった。

この事が決定打となり、犯人は追い詰められてしまう事になる。

 

【Act.5】

そして、誰も札木が冷凍倉庫の中で一人凍え死んでしまった事を知る事なく朝を迎えた。

死体の第一発見者は、朝食を作りに冷凍倉庫を開けた仕田原だった。

仕田原は動揺のあまり冷凍倉庫に鍵をかけるのを忘れて急いで枯罰を呼びに行ってしまった。

そのせいで仕田原が去っていった後、犯行の一部始終を見ていた神崎が冷凍倉庫内に侵入してしまったんだ。

神崎は、うつ伏せで倒れていた札木を無理矢理仰向けにすると、あらかじめ診療所から盗んでおいた輸血パックの中身を札木にかけ、現場に血文字のメッセージとヒントとなる周期表を置いていき、トラッシュルームに寄って輸血パックを捨てた。

 

【Act.6】

その後、仕田原に呼び出された枯罰が冷凍倉庫に向かい、札木の死体を目撃してしまう事になる。

その直後、死体発見アナウンスが流れた。

仕田原が最初に見た死体と枯罰が見た死体の状態が全く違う事で、この後この事件の捜査と裁判で難航するという事態が発生してしまった。

そして、犯人は冷凍倉庫の履歴を捏造する事で犯行時刻を全員に誤認させ、自身のアリバイが成立しているように見せかけたんだ。

 

「これが事件の真相だ。そうだろ!?【超高校級の武闘家】武本闘十郎!!」

 

 

 

武本「……………ああ。そうだ。俺が、札木を殺した。」

 

神崎「フン、やけにあっさり認めるんだな。」

 

武本「………もう疲れた。お前達を騙し続ける事にも、罪を背負い続ける事にもな。」

 

筆染「そ、そんな…!!嘘…!!」

 

武本「…………嘘じゃない。俺は札木を殺した殺人犯だ。モノクマ、投票を始めてくれ。」

 

モノクマ『うぷぷぷ、もう結論は出たみたいですね?では始めちゃいましょうかね。ちなみに誰かに投票しないとオシオキだから。ではでは、投票ターイム!!』

 

モノクマがそう言うと、席にボタンが表示され投票時間が始まった。

投票しなければ俺が死ぬんだ。

俺は、迷いながらも武本に投票した。

 

モノクマ『投票の結果、クロとなるのは誰なのかー!?その結果は正解か不正解なのかー!?ワクワクでドキドキの投票ターイム!!』

 

モニターにスロットが表示される。

ドラムロールと共にリールの回転速度が落ちていき、武本の顔のドット絵が3つ揃った所でリールが止まった。

その直後、正解を褒め称えるかのように、はたまた俺達の潰し合いを嘲笑うかのように歓声と共に大量のメダルが吐き出された。

 

 

 

《学級裁判 閉廷!》

 

 

 

 


 

 

 

ー生存者ー

 

【超高校級の講師】赤刎円

 

【超高校級のカウンセラー】安生心

 

【超高校級の天才】神崎帝

 

【超高校級の香道家】聞谷香織

 

【超高校級の脚本家】黒瀬ましろ

 

【超高校級の幸運】漕前湊

 

【超高校級の???】枯罰環

 

【超高校級の家政婦】仕田原奉子

 

【超高校級の冒険家】ジョナサン・ウォーカー

 

【超高校級の武闘家】武本闘十郎

 

【超高校級のヴァイオリニスト】弦野律

 

【超高校級のソフトウェア開発者】一千歳

 

【超高校級のランナー】速水蘭華

 

【超高校級の画家】筆染絵麻

 

【超高校級の収集家】宝条夢乃

 

ー以上15名ー

 

 

 

 

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