エデンズダンガンロンパ 希望の生徒と絶望の楽園   作:M.T.

23 / 65
非日常編③(学級裁判後編)

《学級裁判 再開!》

 

枯罰「議論が行き詰まってきたみたいやし、一度整理しよか。まず、今の裁判の進捗状況を振り返るとこから始めるで。」

 

赤刎「ああ。ええと、今のところ犯行可能だった人物がいなくて、お前の検視結果だと湊は感電死した事になるけど、ブレーカーが落ちたのは黒瀬がチャットを受け取る前…だから、みんな死因は銃殺以外あり得ないと主張してる…と、こんな所か。」

 

黒瀬「全然進展がないじゃん。そこからどうやって進めるっていうのよ?このままだとボク達死んじゃうんだけどー!!」

 

枯罰「お前いっぺん黙っとれや。…ほなまず、漕前がどないして死んだんかを明らかにするか。ウチが疑問に思っとる事一個ずつ確認するさけ、お前らも一緒に考えぇや。」

 

赤刎「…ああ、わかった。」

 

枯罰「まず漕前が女湯で殺されたっちゅう話やけど、そもそもその前提がおかしいんとちゃうか?」

 

赤刎「どういう事だ?」

 

枯罰「あんなぁ。女子がわざわざ漕前を女湯に連れ込んで殺すっちゅうんが不自然やろ?事故か自殺に見せかけたいんやとすればそれこそ入り口の前に立たせて突き飛ばせばええだけの話やんか。」

 

赤刎「確かに…」

 

枯罰「どぉ〜も女子の犯行に思わせたい魂胆が見え見えやねん。男子の中に犯人がおるんやったら辻褄が合うしなぁ。」

 

宝条「何言ってるのよ!男子は女湯に入れないのよ!?」

 

枯罰「わかっとるわ阿呆。せやから犯人がどうやって漕前を脱衣所の奥で蜂の巣にしたんかをこれから議論しよか言うとるんや。ほな議論始めるで。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

ジョン「boyがミナトをgirl's bathroomに運び込む方法か…ミナトを《throwしたり》してないよな?」

 

安生「それじゃあ奥まで届かないよ。」

 

黒瀬「わかった《女装》したんだー!」

 

筆染「いやいや流石にバレるって…」

 

弦野「逆にそれでバレなかったらビックリだよ。」

 

聞谷「監視カメラの《死角》を縫って入ったのでは?」

 

一「監視カメラに死角はなかったよ。」

 

仕田原「《台車のようなもの》を使ったりしたんじゃないですかね?」

 

 

 

《台車のようなもの》⬅︎【ひしゃげたカート】

 

「それに賛成だ!!」

 

《同 意》

 

 

 

赤刎「犯人は、図書館のカートを使って湊を女湯に入れたんだ。」

 

神崎「カートだと?突拍子もないな…何故カートが出てくるんだ?カートが使われた証拠でもあるのか?」

 

それは…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【タイヤ痕】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「廊下にタイヤの跡があったんだ。おそらく、カートを使ったのは間違いないと思う。」

 

安生「確かに、あのカートなら人一人くらいなら乗せられそうだもんね。」

 

ジョン「But…cartを使ったとしても届かないし、cartがgirl's bathroomに残っちまうぞ?」

 

速水「それに、廊下にはタイヤ痕があったけど女湯にはタイヤ痕なんてなかったよ?やっぱ事件とは関係ないんじゃないの?」

 

赤刎「いや、それはない。事件にカートが使われたはずなんだ。」

 

一「でもその方法が分からないんでしょ?」

 

考えろ…

犯人はどうやって湊だけを現場に残したんだ?

…ん?女湯にタイヤ痕が無い?

…!

そういう事か!!

 

 

 

枯罰「………いや、事件現場の状況から考えるとひとつ思い当たる方法があるで。」

 

ジョン「What!?タマキ、それはどんなmethodなんだ!?」

 

枯罰「ウチは人に教える才能あらへんし、そこのチビに聞いた方が早いやろ。おいチビ、お前ももうわかっとるんやろ?」

 

赤刎「ああ。枯罰、お前のおかげでここまでたどり着いたよ。」

 

速水「え!?ちょっと、二人だけで納得しないで教えてよ!」

 

赤刎「わかってる。順序よく説明していこう。まず犯人は、ある程度の高さがあって女湯の入り口を十分塞げるだけの障害物を用意したんだ。」

 

仕田原「障害物ですか。一体何を使ったんですか?」

 

黒瀬「てか、何で障害物を使ったってわかるのー?」

 

それは…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【ドラム缶】【女湯の入り口の金属痕】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「入り口を塞ぐのに使った障害物、それはドラム缶だ。」

 

安生「ドラム缶?」

 

赤刎「ああ。犯人は、ドラム缶を横にして女湯の入り口を塞いだんだ。実は女湯の入り口に金属が擦れたような痕があったんだけど、あれは女湯の前にドラム缶を置いた痕だったんだ。そして犯人は、あるものを使ってドラム缶を固定した。それが使われたという証拠もある。」

 

ドラム缶を固定するのに使った物と証拠を提示するんだ!

 

 

 

コトダマ提示!

 

【ガムテープ】【女湯付近の壁と床のベタベタ】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人は、ドラム缶をガムテープで固定したんだ。床のベタベタは、ガムテープの糊が床にくっついたものだったんだ。」

 

宝条「それで、ドラム缶を固定してどうするのよ。」

 

赤刎「女湯目掛けて湊を乗せたカートを思いっきり押すんだよ。そうしたら、カートがドラム缶にぶつかってその反動で湊が前に吹っ飛んで女湯に入ってしまうというわけだ。この方法なら、カートを女湯の中に入れずに湊だけを女湯に残す事ができる。」

 

安生「うーん…でも、それでも漕前君そんなに飛ばないような気がするよ。それに、遠くまで飛ばそうとしてあまりにも強くカートを押したら勢いで犯人まで女湯に入っちゃうじゃないか。」

 

赤刎「そうだな。だから犯人はあるものを利用したんだ。」

 

犯人が湊を奥まで飛ばすのに使ったもの、それは…

 

 

 

コトダマ提示!

 

【ゴムロープ】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人が使ったもの、それはゴムロープだ。」

 

安生「ゴムロープ?」

 

赤刎「ああ。さっきの方法で女湯に障害物を設置した犯人は、ゴムロープをカートに括り付け、ロープの両端をそれぞれ女湯の入り口の両端にガムテープでしっかりと固定した。そして、湊を乗せたカートをギリギリまで後ろに引っ張って手を離したんだ。するとカートは巨大パチンコの要領で前へと吹っ飛び、ドラム缶に激突して湊が脱衣所の奥まで吹っ飛ばされるという算段だ。その時に女湯の中に入ってしまったカートは、ロープを手繰り寄せれば回収できる。」

 

安生「なるほどね。その方法なら、男子でも犯行可能だね。」

 

赤刎「ああ。だがいきなり犯人探しをするとさっきみたいに行き詰まっちまうから、次は問題のチャットについて議論しよう。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

枯罰「一応確認なんやけど、お前らルール違反の直前に《チャットが送られてきた》さかい死因を銃殺やと断定した…そういう事やな?」

 

宝条「そうよ!」

 

枯罰「せやけど何か引っかかるんよなぁ。《このタイミングで女だけ集めて出し物するなんざおかしい》やろ。」

 

速水「確かにちょっと変だなとは思ったけど…湊の《優しさ》を疑うような事しちゃ湊に悪くない!?」

 

枯罰「優しさねぇ…その優しさに溢れた男が筆染には連絡してへんねんぞ?何か裏があるとしか思えへんな。」

 

黒瀬「絵麻ちゃんの事はたまたま忘れてただけじゃないの?とにかく、《湊くん本人から》チャットが送られてきた以上その時はまだ湊くんは生きてたんだよー。」

 

あれ…?ちょっと待てよ?

 

 

 

《湊くん本人から》⬅︎【チャットの文面】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「…なぁ。一個気になってた事があるんだけどさ。」

 

黒瀬「何?」

 

 

 

赤刎「……………そのチャット送ったのって、本当に湊だったのかな?」

 

筆染「…えっ?」

 

速水「は!?ちょっと、円!いきなり何言いだすの!?湊のパスポートから送られてきたんだから湊本人に決まってんじゃん!!」

 

赤刎「いや、でもおかしいんだよ。湊が俺を招待しなかったのが変だと思ったから俺が湊に『俺もプラネタリウムに行っていいか』って聞いたら、『もちろんいいぞ!赤刎だったら大歓迎だ!ぜひ来てくれ!』って返ってきたんだよ。」

 

宝条「それの何がおかしいのよ?」

 

 

 

赤刎「湊は俺の事を『円』って呼ぶんだよ。」

 

一「え?」

 

赤刎「もちろん、最初はお互いに苗字で呼び合ってたんだけどな。でもここ数日間で湊と仲良くなって、お互いに名前で呼び合うようになったんだよ。」

 

黒瀬「えー、たまたま間違えただけじゃないですかー?」

 

筆染「…いや、それはあたしも漕前君じゃないと思う。漕前君って、チャットに二文以上書き込まない主義なんだよ。要件だけを手短にまとめてそれをひとつずつ送ってくようにしてたみたい。そのチャットの文面は偽物臭いなー。」

 

宝条「じゃあ、誰がどうやって送信したのよ!?」

 

安生「何の目的でチャットを送信したんだろう…」

 

それは…

 

 

 

女子宛てに送られたチャットの本当の差出人は?

 

1.漕前湊

2.真犯人

3.モノクマ

 

➡︎2.真犯人

 

 

 

どうやってチャットを送信した?

 

1.パスポートを奪って操作した

2.ハッキング

3.超能力

 

➡︎1.パスポートを奪って操作した

 

 

 

チャットを送った目的は?

 

1.出し物の招待

2.嫌がらせ

3.裁判の撹乱

 

➡︎ 3.裁判の撹乱

 

《COMPLETE!!》

 

 

 

赤刎「多分、犯人が湊のパスポートを奪って勝手に送ったんだ。筆染のアリバイを崩し、死因が銃殺だと思い込ませるためにな!!」

 

聞谷「な…!!」

 

仕田原「なるほど、それなら死因が感電死でも辻褄が合いますね!」

 

神崎「待て。それはまだ憶測に過ぎないだろう?銃殺の可能性も十分あり得る。」

 

黒瀬「そーだね。ボクもう眠いよー!」

 

弦野「眠いで全部片付けようとしてんじゃねぇよ。」

 

枯罰「あっちゃー、意見が分かれてもうたのぉ。」

 

その言葉を聞いた瞬間、ジョンはワクワクし一と筆染は顔を真っ青にした。

 

ジョン「って事は、またアレをやるんだな!?」

 

一「嘘でしょ!?アレだけは絶対嫌!!」

 

筆染「ね、ねぇ…も、もう少し話し合ってみようよ…もしかしたら意見が一つになるかもしれないし…」

 

枯罰「諦めて大人しゅうせぇ。」

 

一「嫌だぁあああああああ!!!」

 

 

 

 

モノクマ『うぷぷぷ、そういう時はボクにお任せ!今回もまた変形裁判所の出番ですな!それでは早速始めましょう!レッツ変形!!』

 

 

 

《意見対立》

 

 

 

そう言ってモノクマは席から謎の装置と鍵を取り出し、鍵を装置に差し込んだ。

すると、俺達の席が宙に浮く。

 

ジョン「Wooooooooo!!!」

 

筆染「いやぁあぁあああっ!!」

 

一「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 

席が変形し、俺達は二つの陣営に分かれた。

 

 

 

【漕前湊の死因は?】

 

銃殺だ! 神崎、黒瀬、ジョン、一、速水、宝条

 

感電死だ! 赤刎、安生、聞谷、枯罰、仕田原、弦野、筆染

 

 

 

ー議論スクラム開始ー

 

一「こ、漕前君は《銃殺》されたんだ!!そうに違いない!!」

 

「枯罰!」

 

枯罰「《銃殺》やとすると不自然な点が多すぎるっちゅう話したやろが。」

 

宝条「だからっていきなり《感電死》だって決めつけてんじゃないわよ!!」

 

「仕田原!」

 

仕田原「赤刎さんは、ちゃんと枯罰さんの検視結果から《感電死》だと判断していらっしゃいましたよ?」

 

黒瀬「《根拠》が無いんじゃねー。」

 

「弦野!」

 

弦野「死亡推定時刻にブレーカーが落ちたのが《根拠》だ!」

 

速水「でも、《チャット》が送られてきたって事はブレーカーが落ちた時点では湊は生きてたんじゃないの?」

 

「安生!」

 

安生「《チャット》を送る事なら犯人にだって可能だよ。」

 

ジョン「But…criminalがミナトの《パスポート》を勝手に使うのはagainst the ruleじゃないのか?」

 

「筆染!」

 

筆染「ルール違反になるのは《パスポート》を貸した時だけだよ。」

 

神崎「幸運の《なりすまし》の話も俄に信じ難いな。」

 

「聞谷!」

 

聞谷「《なりすまし》の件でしたら赤刎さんと筆染さんが証明済みですわ。」

 

黒瀬「てかさ、これ以上《議論》続ける必要あるー?」

 

「俺が!」

 

赤刎「まだ謎が残っている以上は《議論》を続けるべきだ!!」

 

 

 

《全論破》

 

赤刎「これが俺達の答えだ!!」

 

安生「これが僕達の答えだよ。」

 

聞谷「これがわたくし達の答えですわ!」

 

枯罰「これがウチらの答えや。」

 

仕田原「これが自分達の答えです!!」

 

弦野「これが俺達の答えだ!!」

 

筆染「これがあたし達の答えだよ!!」

 

 

 

赤刎「湊がどうやって殺されたのか、それを紐解いていこう。」

 

速水「紐解くったって…どうやって?」

 

赤刎「まずは湊がどうやって感電死させられたのかをハッキリさせて、そこから事件の概要を探っていくんだ。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

筆染「《スタンガン》でバチッとやったんじゃない?」

 

枯罰「スタンガンなんざ、殺すどころか気絶させるだけの電流も出えへんぞ。」

 

宝条「それにそれだとブレーカー落ちないじゃない。」

 

仕田原「《電気コード》を巻き付けたりとかはしてないですよね?」

 

神崎「そのような形跡は無かったが?」

 

黒瀬「《雷》に打たれたんだー。」

 

安生「天任せ!?」

 

弦野「《風呂》に家電ブチ込んだりしたんじゃねーの?」

 

 

 

《風呂》⬅︎【湊の服と髪】

 

「それに賛成だ!!」

 

《同 意》

 

 

 

赤刎「弦野の言う通り、湊は風呂に入ってる時に家電を湯船に落とされて感電死したんじゃないか?」

 

ジョン「Why?」

 

赤刎「湊の髪が濡れてて、服の着方も不自然だったんだ。これは感電死した湊を犯人が湯船から引き摺り出して服を着せたからだとすれば説明がつく。」

 

筆染「家電ねぇ…何を落としたのかな?」

 

赤刎「それは…」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【濡れたドライヤー】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人は、脱衣所の洗面台にあったドライヤーを落としたんだ!」

 

仕田原「なるほど、それでブレーカーが落ちたんですね!」

 

一「ドライヤーねぇ…でも、お風呂場に沈めようと思ったら明らかにコードの長さ足りないよね?」

 

赤刎「いや、あるものを使えばその問題は解決できる。」

 

 

 

コトダマ提示!

 

【延長コード】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人は延長コードを使ってドライヤーを湯船に沈めたんだ!」

 

安生「それなら長さも湯船に沈めるには十分な長さが確保できるね。」

 

一「でも、ブレーカーが落ちたんだったら大浴場が真っ暗だよね?どうやってブレーカーを上げに行ったの?」

 

赤刎「それは、目印にあるものを使ったんだ。それを使った証拠もある。

 

 

 

コトダマ提示!

 

【夜光塗料】【床の光】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「犯人は、大浴場の出口まであらかじめ夜光塗料で線を引いていたんだ。」

 

宝条「でも、廊下を調べた時そんなものは見つからなかったわよ?」

 

赤刎「おそらく拭いたんだろう。廊下は凹凸が殆どないツルツルした床だったから完全に拭き取れたけど、脱衣所の入り口の床は木でできてたから隙間に入り込んで完全には拭ききれなかったんだ。」

 

枯罰「これで謎は一通り解けたなぁ。あとはそこから導き出される犯人を暴くだけや。お前はもう目星ついとんねやろ?」

 

赤刎「ああ…!」

 

今回の事件の犯人、それは男子でありながら女子に犯行を擦りつけようとし、明らかに不自然な発言をした奴だ!

ソイツは…

 

 

 

《人物指定》

 

 

 

 

赤刎円

 

安生心

 

神崎帝

 

聞谷香織

 

黒瀬ましろ

 

漕前湊

 

枯罰環

 

札木未来

 

仕田原奉子

 

ジョナサン・ウォーカー

 

武本闘十郎

 

弦野律

 

一千歳

 

速水蘭華

 

筆染絵麻

 

宝条夢乃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

➡︎神崎帝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤刎「…神崎、お前だよな?」

 

神崎「………理由を聞こうか。」

 

赤刎「男子で、かつその時間帯に大浴場にいた事を認めていたのはお前だけだ。」

 

神崎「…フン。下らん。そこまで言うなら俺が犯人だと証明してみろ。」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

神崎「俺が《犯人》だと?ふざけるのもいい加減にしろ。」

 

枯罰「…いや、状況的にもう犯人《お前しかおらん》ねん。」

 

神崎「車椅子か怯者が《嘘をついている》んじゃないのか?」

 

安生「僕は嘘をついてないよ。」

 

一「ボクもだよ!み、みんな!絶対ボクにだけは投票しないでね!犯人じゃないから!」

 

神崎「そんなの何とでも言えるだろう。俺は露天風呂にいた。だから《事件には気付かなかった》んだ。」

 

ん?

今の発言おかしかったよな?

 

 

 

《事件には気付かなかった》⬅︎【神崎の証言】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「…いや、お前の発言は明らかに矛盾してるんだ。」

 

神崎「矛盾だと?」

 

赤刎「ああ。お前は『女湯の方が騒がしかった』と言っていたよな?女湯の脱衣所の騒ぎには気付いたのに、大浴場全体が停電したのに気付かなかったのはおかしいんじゃないか?」

 

神崎「…………………。」

 

赤刎「神崎、犯人じゃないなら反論してくれ。俺だって…」

 

神崎「…。」

 

 

 

神崎「………黙れ凡俗が。」

 

《反 論》

 

 

 

神崎「貴様、俺に向かってそんな出鱈目な屁理屈を並べるとはいい度胸だな。」

 

赤刎「という事は、お前なりの言い分があるんだな?」

 

神崎「当然だ。俺は犯人ではないからな。凡愚共のために俺が一から証明してやろう。」

 

 

 

ー反論ショーダウン開始ー

 

神崎「どうして停電には気付かなかったのかって?それは浴室に背を向けて入浴していたからだ。」

 

赤刎「でも、仮に騒ぎを聞きつけたんだとしたら気になって見に行こうとするよな?普通。」

 

神崎「凡愚共のために俺が時間を割くのが莫迦莫迦しいと思ったから確かめなかったまでだ。」

 

赤刎「いや、でもそうだとしてもおかしいぞ?お前は、一度浴室には行ったんだよな?流石に身体洗わないで入浴するほど無作法じゃないだろうし。」

 

神崎「当然だ。《身体を洗ってから》入浴したに決まっているだろう。そんな最低限のマナーすら守らずに入浴するなど人間として屑としか言い様があるまい。何だ貴様、そんな事を聞いて一体何になる?そんなくだらない質問で俺の無実を崩せると思ったら大間違いだぞ。」

 

いや、神崎の今の発言は明らかにおかしい!

 

 

 

《身体を洗ってから》⬅︎【使いっぱなしの洗い場】

 

「その言葉、ぶった斬る!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「いや、お前は身体を洗ってなんかないんじゃないか?」

 

神崎「ふん、下らん。俺が身体を洗わずに入浴する下衆だとでも言うつもりか?」

 

赤刎「だって、使われた形跡のある洗い場は一つしかなかったんだぞ?」

 

神崎「だったらどうした。俺が使ったのだから使われた形跡があって当然だろう。」

 

赤刎「それはあり得ない。だって、お前が使ったにしては汚すぎるんだよ!!」

 

神崎「…!!」

 

赤刎「周りはビショビショ、桶は出しっぱなし、さらに泡まで残ってる…潔癖なお前なら、絶対こんな状態のまま洗い場を離れたりしないよな?」

 

神崎「ぐっ…」

 

赤刎「多分、洗い場を最後に使ったのは湊だ。ガサツなアイツならやりかねない。」

 

神崎「…。」

 

赤刎「そして露天風呂に入っていたと主張していたお前だが、本当は風呂になんて入ってないんじゃないか?さっきも言ったが、身体を洗わずに入浴するほど不潔じゃないだろうからな。」

 

神崎「…莫迦莫迦しい!!」

 

 

 

ーーー議論開始!!ーーー

 

 

 

神崎「俺が不自然な発言をしただと!?だったら他にも《不自然な発言をした奴》がいるぞ!!」

 

赤刎「誰だよ?」

 

神崎「そこの銀髪だ!!」

 

弦野「はぁ!?俺!?」

 

神崎「貴様、絵描きの声がしたと言っていたが《嘘》なんじゃないのか!?プラネタリウムにいて美術館の音が《聴こえる訳ない》だろう!!」

 

弦野「マジで聴こえたんだっつーの!俺は耳が良いんだよ!」

 

神崎「言い訳が苦しいぞ!!プラネタリウムは《完全防音》だ!!外の音は絶対に聴こえない!!貴様、絵描きを庇ってるんじゃないのか!?」

 

安生「弦野君が偽証する理由がないよ。」

 

神崎「理由ならあるさ。コイツは絵描きの事を好いているからなぁ。」

 

弦野「な…!!」

 

神崎「貴様ら相思相愛か?ああ羨ましいな全く!!」

 

弦野「うるせぇ!!つーかそれは今関係ねぇだろが!!」

 

神崎「此奴が不自然な発言をした以上は、絵描きが犯人の可能性も捨てきれんぞ!!」

 

いや、神崎の主張はおかしい!!

 

 

 

《完全防音》⬅︎【プラネタリウムの扉】

 

「それは違うぞ!!」

 

《論 破》

 

 

 

赤刎「弦野は別に不自然な事なんて言ってないぞ?」

 

神崎「完全防音のプラネタリウムにいたのに絵描きの声が聴こえたと法螺を吹いただろうが!!」

 

赤刎「いや、あの時プラネタリウムは完全防音じゃなかったんだよ。弦野が、外の音が聴こえるように扉を半開きにしてたからな。」

 

弦野「ああ。万が一何かあったらすぐに駆けつけられるようにって思ってな。」

 

神崎「いや、でも美術館にいた絵描きの声が聴こえるのは流石に無理が…」

 

枯罰「別におかしないやろ。コイツは何メートルも離れた仕切り越しの小声から会話の内容を聴き取ったんやぞ?美術館はプラネタリウムからそう遠ないし、普通に声ぐらい聴こえるんとちゃうか?」

 

神崎「くっ…!!」

 

赤刎「神崎、もうお前しか犯人がいないんだよ。いい加減認めて…」

 

神崎「黙れ!!!」

 

一「ヒッ…!?」

 

神崎「解けていない謎ならまだあるぞ!!仮に貴様の推理通り犯人がドライヤーを湯船に落として幸運を殺したとしよう!!だが、幸運とドライヤーを回収する時に電流を浴びて犯人まで感電死してしまうのではないか!?」

 

赤刎「そ、それは…」

 

神崎「ふはははははははははは!!!見ろ、何も言えぬではないか!!当然だ。俺は犯人ではないからなぁ!!」

 

 

 

いや、疑われた途端急に元気になったし神崎が犯人なのは間違いないだろう。

だが、電流を防いだ方法がわからない…

考えろ…

神崎はどうやって電流を防いだんだ…?

 

 

 

 

 

ー閃きアナグラム開始ー

 

 

 

ア イ ヨ ウ ノ テ ブ ク ロ

 

 

 

【愛用の手袋】

 

「これだ!!」

 

 

 

赤刎「神崎、お前は手袋で電流を防いだんだ!!」

 

神崎「はぁ!?」

 

赤刎「お前の手袋は確かシルク製だったよな?シルクは天然の絶縁体で、導線に巻き付けて絶縁するっていう用途でも使われるくらい電気を通しにくいんだ。まあどこまで電気を防げるかは状況次第だが、感電死は免れるんじゃないのか!?」

 

神崎「そ、それがどうした!?そんなの貴様の憶測だろうが!!大体、絶縁体なら俺の手袋以外にもあるだろう!!俺がシルクの手袋を填めてるというだけで犯人だと決めつけるな!!!」

 

枯罰「往生際の悪いやっちゃのぉ。もうお前しか犯人おらんのわからんのか?」

 

神崎「黙れ!!俺は犯人じゃない!!」

 

証拠…

そうか、神崎が手袋を使った証拠があればいいんだ!!

 

 

 

神崎「俺が犯人だと言うなら証拠を見せろ!!」⬅︎【温泉のシミ】

 

赤刎「これで終わりだ!!」

 

 

 

赤刎「…神崎。実は俺さ、男湯の捜査してる時に間違って温泉をシャツにつけちまったんだよ。」

 

神崎「だから何だ!!」

 

赤刎「このシャツ、ポリエステル製なのにくっきりとシミになっちまってさぁ…ここまで言えばわかるだろ?」

 

神崎「ッ…!!」

 

赤刎「犯行のトリックの後片付けとかで色々忙しかっただろうから、シミ抜きしてる時間なんてなかったよな?俺の推理が正しければ、お前の手袋に温泉のシミが残ってるはずだ!!」

 

神崎「ぐっ…ぐぅうううううっっ…!!」

 

赤刎「お前が犯人じゃないなら、手袋を見せられるよな?」

 

神崎「ッ…!!」

 

 

 

神崎は、ふぅとため息をつくと右手の手袋を外して見せた。

手袋には、くっきりと温泉のシミが残っていた。

 

聞谷「あら、手袋にシミが…」

 

赤刎「やっぱりお前だったんだな。」

 

神崎「………。」

 

枯罰「もう反論する気もあらへんのか。おいチビ、トドメ刺したれや。」

 

赤刎「ああ。事件を振り返って全てを終わらせよう。これが事件の真相だ!!」

 

 

 

ークライマックス推理開始!ー

 

【Act.1】

事件は今日の午後3時20分、男湯で起こった。

湊を殺す計画を立てた犯人はまず、図書館からカート、動物館からドラム缶、そして倉庫からガムテープ、ゴムロープ、延長コード、蛍光塗料を盗み、男湯に蛍光塗料で線を引き、女湯の前にドラム缶を置いておいた。

そして犯行の直前、何か理由をつけて湊を温泉に誘った。

湊は、何の疑いも持たずに犯人の誘いに乗って温泉に入ってしまったんだ。

それがこれから悲劇を引き起こすとも知らずに…

 

【Act.2】

湊が風呂に入っている間、犯人は湊のパスポートを使って筆染以外の女子に出し物の話をしてプラネタリウムに集め、筆染のアリバイを崩させたんだ。

だが、ここで犯人は致命的なミスを犯してしまう。

湊が俺の事を『円』と呼ぶようになったのを知らなかった犯人は、『赤刎』とチャットに書いてしまったんだ。

そのチャットを俺が見ていた事で、出し物の話自体が嘘だった事が発覚してしまった。

 

【Act.3】

下準備が終わった犯人は、延長コードを繋いだドライヤーを湊が入っている温泉に投げ入れた。

湊は感電し、運悪くブレーカーが落ちるのが間に合わずショック死してしまったんだ。

湊が死んだのを確認した犯人は、あらかじめ引いておいた蛍光塗料の線を辿って外に出てブレーカーのスイッチを入れた。

そしてドライヤーを回収し、湊を温泉から引き摺り出した。

この時犯人はシルクの手袋を填めていたから感電せずに済んだのだが、温泉で濡れたドライヤーと湊を引っ張り出したから手袋にシミができてしまったんだ。

 

【Act.4】

その後犯人は湊の身体を拭いて服を着せ、蛍光塗料が塗られた床を掃除用具で拭いた。

だが床は木でできていたから、隙間に塗料が入り込んで完全には拭き取れなかったんだ。

そして、死因をミスリードさせるために湊のパスポートで再び黒瀬にチャットを送った。

このチャットが原因で、俺達はまんまと騙されなかなか犯人にたどり着く事ができなかったんだ。

 

【Act.5】

犯人は服を着せた湊をバスタオルで巻き、カートに乗せた。

俺も最初は勘違いしてたんだけど、この時バスタオルを巻いた本当の目的は水滴を床に落とさないためだったんだ。

そしてガムテープを使ってゴムロープの両端を女湯の入り口の両端に固定し、ゴムロープをカートに括り付けた。

これで事件のトリックは完成だ。あとは、湊を乗せたカートをギリギリまで引っ張って手を離すだけだ。

犯人が手を離した瞬間、カートはゴムの反動で勢いよく前へ進みドラム缶に激突した。

カートに乗せられていた湊は巨大パチンコの要領で吹っ飛び、女湯に放り込まれたんだ。

その直後、湊はルール違反と見做されマシンガンで蜂の巣にされた。

 

【Act.6】

湊が狙い通り女湯の奥で蜂の巣になったのを確認した犯人は、ゴムロープを手繰り寄せてカートを回収し、盗んだカートとドラム缶を元に戻した。

だがゴムの力でカートとドラム缶が勢いよく激突したせいでカートはひしゃげドラム缶は凹んでしまい、そこから俺は事件のトリックを暴いたんだ。

事件の隠蔽工作を終えた犯人は、何食わぬ顔で湊の死体を発見したフリをした…

 

「これが事件の真相だ。そうだろ!?【超高校級の天才】神崎帝!!」

 

 

 

神崎「………ふっ。ふふっ、ふははははははははははははは!!!」

 

一「ひぃっ!?な、何なの!?」

 

 

 

神崎「…あーあ、上手くやれていたと思ったのだがな。バレてしまっては仕方ないな。」

 

枯罰「やっぱりお前やったんかい。」

 

神崎「くくく、そうだ。俺があの凡愚を殺した。さあ、投票するならしろ。もう貴様らとの友情ごっこにも飽き飽きだ。」

 

モノクマ『うぷぷぷぷ、それではもう結論が出たみたいなのでアレいっちゃいましょうか!投票ターイム!!一応もう一回言うけど、ちゃんと誰かに投票してよね?』

 

モノクマがそう言うと、席にボタンが表示され投票時間が始まった。

投票しなければ俺が死ぬんだ。

俺は、迷いながらも神崎に投票した。

 

モノクマ『投票の結果、クロとなるのは誰なのかー!?その結果は正解か不正解なのかー!?ワクワクでドキドキの投票ターイム!!』

 

モニターにスロットが表示される。

ドラムロールと共にリールの回転速度が落ちていき、神崎の顔のドット絵が3つ揃った所でリールが止まった。

その直後、正解を褒め称えるかのように、はたまた俺達の潰し合いを嘲笑うかのように歓声と共に大量のメダルが吐き出された。

 

 

 

《学級裁判 閉廷!》

 

 

 

 

 


 

 

 

ー生存者ー

 

【超高校級の講師】赤刎円

 

【超高校級のカウンセラー】安生心

 

【超高校級の天才】神崎帝

 

【超高校級の香道家】聞谷香織

 

【超高校級の脚本家】黒瀬ましろ

 

【超高校級の???】枯罰環

 

【超高校級の家政婦】仕田原奉子

 

【超高校級の冒険家】ジョナサン・ウォーカー

 

【超高校級のヴァイオリニスト】弦野律

 

【超高校級のソフトウェア開発者】一千歳

 

【超高校級のランナー】速水蘭華

 

【超高校級の画家】筆染絵麻

 

【超高校級の収集家】宝条夢乃

 

ー以上13名ー

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。